- 英
- opioid peptide, opioid peptides
- 同
- 内因性モルヒネ様物質 endogenous morphine like substance
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/16 23:27:40」(JST)
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オピオイド・ペプチド(英: Opioid peptide)類は、脳のオピオイド受容体に結合する短いアミノ酸配列である。オピエートおよびオピオイドはこれらのペプチドの効果を模倣する。オピオイドペプチドは体内で生産される(例: エンドルフィン)。これらのペプチドの効果はそれぞれ異なっているが、全てオピエートと似ている。脳オピオイドペプチドシステムは、意欲、感情、愛着行動、ストレスや痛みに対する応答、食物摂取の制御において重要な役割を果たしていることが知られている。
オピオイド様ペプチドもまた部分的に消化された食物(カソモルフィン、エキソルフィン(英語版)、ルビスコリン)から吸収されるが、生理活性は限られている。食品由来のオピオイドペプチドは、通常4-8残基のアミノ酸からなる。体内で作られるオピオイドは一般的により長い。
目次
- 1 体内で生産されるオピオイドペプチド
- 2 食品オピオイドペプチド
- 3 微生物オピオイドペプチド
- 4 動物
- 5 脚注
- 6 外部リンク
体内で生産されるオピオイドペプチド
ヒトゲノムは中には、内因性オピオイドペプチドをコードしていることが知られる3つの相同遺伝子がある。それぞれの遺伝子は大きなタンパク質をコードしており、プロセッシングを受けオピエート様活性を持つより短いペプチドが産生される。
- プロオピオメラノコルチン (POMC) ヒト遺伝子の核酸配列は1980年に同定された[1]。POMC遺伝子は、β-エンドルフィンやγ-エンドルフィンといった内因性オピエートをコードしている[2]。プロオピオメラノコルチンに由来しオピエート活性を有するペプチドは、「エンドルフィン」と呼ばれる内因性オピオイドペプチドの分類から成っている。
- ヒトエンケファリン遺伝子は、1982年に単離、同定された[3]。
- ヒトダイノルフィン遺伝子(当初はエンケファリン遺伝子と配列が類似していたため「エンケファリン B」遺伝子と呼ばれていた)は、1983年に単離、同定された[4]。
- アドレノルフィンおよびアミドルフィン(英語版)は、1980年代に発見された。
- オピオルフィンは、ヒトの唾液で発見されたエンケファリナーゼ阻害剤であり、エンケファリンの代謝を妨げる。
食品オピオイドペプチド
- カソモルフィン (カゾモルフィン、牛乳)
- グルテン・エキソルフィン(英語版)(グルテン)
- グリアドルフィン/グルテモルフィン(英語版)(グルテン)
- ルビスコリン(ホウレンソウ)
微生物オピオイドペプチド
- デルトルフィン (Deltorphin) I, II(真菌)
動物
- デルモルフィン(Phyllomedusa属カエル)
脚注
- ^ Chang AC, Cochet M, Cohen SN (1980). "Structural organization of human genomic DNA encoding the pro-opiomelanocortin peptide". Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 77 (8): 4890–4894. PMC 349954. PMID 6254047.
- ^ Ling N, Burgus R, Guillemin R (1976). "Isolation, primary structure, and synthesis of α-endorphin and γ-endorphin, two peptides of hypothalamic-hypophysial origin with morphinomimetic activity". Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 73 (11): 3942–3946. PMC 431275. PMID 1069261.
- ^ Noda M, Teranishi Y, Takahashi H, Toyosato M, Notake M, Nakanishi S, Numa S (1982). "Isolation and structural organization of the human preproenkephalin gene". Nature 297 (5865): 431–434. doi:10.1038/297431a0. PMID 6281660.
- ^ Horikawa S, Takai T, Toyosato M, Takahashi H, Noda M, Kakidani H et al. (1983). "Isolation and structural organization of the human preproenkephalin B gene". Nature 306 (5943): 611–614. doi:10.1038/306611a0. PMID 6316163.
外部リンク
- Opioid Peptides - the US National Library of Medicine Medical Subject Headings (MeSH)
Japanese Journal
- 全身麻酔機序と鎮痛 (特集 全身麻酔のメカニズムの解明はどこまで進んだか?)
- 3P-174 ^<13>C NMRによるオピオイドペプチドダイノルフィンと,κ-受容体細胞外第2ループの相互作用解析(生体膜・人工膜-構造・物性,第47回日本生物物理学会年会)
- Sasaki Yoshiyuki,Miyamori Takenori,Naitou Akira,Kawamura Izuru,kira Atsushi
- 生物物理 49(SUPPLEMENT_1), S180, 2009-09-20
- NAID 110008102028
Related Links
- 鎮痛薬・オピオイドペプチド研究会(Japanese Narcotics Research Conference:JNRC)は1980年にINRCに対応するわが国の研究組織として生まれ、薬理あるいは生理作用を中心に痛みの制御の問題等を基礎・臨床の両面から幅広く捉え ...
- オピエート:モルヒネ、アヘンアルカロイド オピオイド:オピエート類縁物質 opium-like 内因性オピオイドペプチド:生体内で産生されるオピエート類縁物質 鎮痛作用のほか、快感をもたらす:脳内麻薬
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- opioid receptor
- 同
- モルヒネ受容体 morphine receptor
- 関
- オピオイドペプチド、オピオイド
- オピオイド受容体はμ受容体、κ受容体、δ受容体がある。
- モルヒネ、フェンタニルはμ受容体刺激薬
- 呼吸抑制はμ2受容体を介したものである。
オピオイドとオピオイド受容体 (GOO.552)
オピオイド受容体の生理作用(周術期管理学 091211 III)
受容体
|
μ
|
δ
|
κ
|
μ1
|
μ2
|
作用
|
鎮痛
|
鎮痛
|
鎮痛
|
鎮痛
|
悪心・嘔吐
|
鎮静
|
鎮静
|
身体依存
|
多幸感
|
呼吸抑制
|
身体違和感
|
精神依存
|
掻痒感
|
身体依存
|
気分不快
|
呼吸抑制
|
縮瞳
|
精神依存
|
興奮
|
|
尿閉
|
消化器運動抑制
|
幻覚
|
|
鎮咳
|
鎮咳
|
|
呼吸抑制
|
縮瞳
|
利尿
|
オピオイド受容体と非麻薬性鎮痛薬について
身体依存性
- 痛みがある人には精神的依存はきたさない(痛みの有無によらず退薬現象はある)
[★]
- 英
- enkephalin
- 関
- 神経伝達物質、オピオイドペプチド
- 5残基からなる。C末端のアミノ酸により2種類に分けられる
- 内因性オピオイド = 内因性モルヒネ様ペプチド
種類 (GOO.549)
- Y-G-G-F-M
- Y-G-G-F-L
受容体
- enkephalin receptor GOO.149
- 痛覚抑制
作用
脊髄後角、下腸間膜動脈神経節におけるエンケファリンの作用 (SPC.80)
[★]
- 英
- endorphin
- 関
- オピオイドペプチド
- 内因性のオピオイドペプチド
- モルヒネ様作用をを有する
[★]
- 英
- endomorphin
[★]
[★]
- 英
- [[]]
- 関
- オピオイド、オピオイド受容体
[★]
- 英
- opioid
- 同
- 類麻薬
- 関
- オピオイド受容体
作用
縮瞳
- モルフィンと多くのμ,κアゴニストは瞳孔の縮小を引き起こす。これは瞳孔を支配する副交感神経の興奮による。μアゴニストを中毒量投与すると縮瞳し、pinpoints pupupilsはpathognomonicである。(GOO.559)
オピオイドとオピオイド類似物質の作用
- GOO.552
+アゴニスト ーアンタゴニスト P partial agonist
各鎮痛薬のオピオイド受容体への作用
- μ受容体 κ受容体
- レミフェンタニル +++ ー
- フェンタニル +++ -
- モルヒネ +++ +
- ペチジン ++ +
- トラマドール + -
- ペンタゾシン ー ++
- ブプレノルフィン P ー
- ナロキソン ー -