- 11か月の乳児。嘔吐、下痢および傾眠状態を主訴に来院した。3日前から発熱と下痢とが出現した。昨日から白っぽい下痢便が頻回になり、嘔吐を伴うようになった。今朝からお茶を少量飲んでも嘔吐し、うとうとして元気がなくなった。1週前の体重は9.4kgであった。来院時、体重8.4㎏。体温37.6℃。傾眠状態で大泉門は軽度に陥凹し、眼球も落ち込んでいる。皮膚緊満度は中等度に低下し、.腹壁緊張も低下している。最初の24時間の適切な輸液量はどれか。
- a. 400ml
- b. 800ml
- c. 1,600ml
- d. 2,400ml
- e. 3,200ml
[正答]
※国試ナビ4※ [098I010]←[国試_098]→[098I012]
★リンクテーブル★
[★]
- 生後5日の新生児。在胎40週、生体重2,600gで出生した。皮膚には軽度黄疸を認める。筋緊張は屈筋優位で、四肢を活発に動かす。哺乳力は良好で、空腹時には大きな声で啼泣する。呼吸数40/分。心拍数120/分。肝臓を右肋骨弓下に2cm触知する。母乳栄養で、便の回数は1日4回である。児の血液型はA型、Rh(+)、母親はO型、Rh(+)である。適切な対応はどれか。
- a. 保育器に収容する。
- b. 5%ブドウ糖液を点滴する。
- c. 光線療法を行う。
- d. 肝庇護薬を投与する。
- e. 母乳栄養を継続する。
[正答]
※国試ナビ4※ [098I009]←[国試_098]→[098I011]
[★]
- 7歳8か月の女児。乳房のしこりと痛みとを主訴に来院した。
- 出生歴、家族歴およぴ既往歴に特記すべきことはない。生来やや大柄で太り気味である。身長129.5cm、体重30.5kg。児の成長曲線を以下に示す。
- この患児にまず行うのはどれか。
- a. 乳房超音波検査
- b. 乳房エックス線単純撮影
- c. 両手エックス線単純撮影
- d. 乳房造影MRI
- e. 頭部単純CT
[正答]
※国試ナビ4※ [098I011]←[国試_098]→[098I013]
[★]
- 英
- dehydration, anhydration
- 同
- (国試)脱水
- 関
病態
- (病態によって体液の浸透圧と量に変化が生じる)→循環血液量の低下
身体所見
- 体重減少、血圧・脈拍の変化、起立性低血圧、皮膚乾燥感と緊張度の低下、口腔粘膜の乾燥、静脈虚脱。
検査所見
- 血液:中心静脈圧↓、Ht・BUN・UA↑、血液浸透圧↑
- 脱水状態では近位尿細管でNa・水と共に尿素の再吸収が亢進するため(NEL.313)
- 尿:尿比重1.020↑、尿の浸透圧↑、尿中Na排泄↓(10 mEq/l以下)
- ホルモン:ADHの上昇
- 神経系:RA系と交感神経の亢進。
脱水の分類
- 高張性脱水:喪失が Na < 水 → 血清浸透圧↑
- →細胞内から細胞外に水が移動→循環血液量わずか↓。細胞内液は著名↓
- 血清浸透圧は不変→水の移動は起こらない。
- 低張性脱水:喪失が Na > 水 → 血清浸透圧↓
- →細胞外から細胞内に水が移動→循環血液量著名↓減。細胞内液↑
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低張性脱水
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等張性脱水
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高張性脱水
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細胞外液浸透圧
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↓↓
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|
↑↑
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病態
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Na喪失
|
|
水喪失
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水の動き
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細胞外→細胞内
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|
細胞内→細胞外
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血管内のvolume
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減少する
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|
比較的保たれる
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疾患
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熱傷、 利尿薬、 アジソン病
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発熱、 発汗過多、 下痢、 急性腎不全回復期
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皮膚ツルゴール
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↓↓
|
↓
|
↓
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脈拍
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↑↑
|
↑
|
↑
|
ショック
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++
|
+
|
±
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ヘマトクリット
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↑
|
↑
|
↑
|
尿量
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→↓
|
→↓
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↓↓↓ 一次的な血漿浸透圧低下 のためにADHが分泌され 尿濃縮を来す
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意識障害
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+(傾眠→昏睡)
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様々
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+(興奮→昏睡)
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口渇感
|
±
|
-
|
++
|
粘膜乾燥
|
+
|
++
|
++
|
深部腱反射
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↓↓
|
様々
|
↑↑
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嘔気・嘔吐
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+(脳浮腫)
|
-
|
±
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頭痛
|
+(脳浮腫)
|
-
|
-
|
体温
|
↓(循環不全)
|
↓(循環不全)
|
↑(筋痙攣、 熱中枢異常)
|
体重あたりの必要水分量
- 乳児:150 ml/kg/day
- 小児:100 ml/kg/day
- 学童: 80 ml/kg/day
- 成人: 50 ml/kg/day
乳児の脱水
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軽症
|
中等症
|
重症
|
脱水徴候
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体準減少
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3-5%
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6-9%
|
10%以上
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皮膚ツルゴール低下
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-
|
+
|
++
|
更新粘膜乾燥
|
±
|
+
|
++
|
大泉門陥凹
|
-
|
+
|
++
|
眼球陥凹
|
-
|
+
|
++
|
尿量
|
やや乏尿
|
乏尿
|
著明乏尿
|
末梢循環不全
|
皮膚色
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やや蒼白
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蒼白
|
チアノーゼ
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脈拍減弱
|
-
|
+
|
++
|
血圧低下
|
-
|
±
|
+
|
中枢神経症状
|
意識障害
|
-
|
+
|
++
|
痙攣
|
-
|
±
|
+
|
- 体温 :脱水が重症になるにつれて四肢の体温が低下 → 循環血液量減少 → 交感神経緊張 → 末梢血管収縮
- 呼吸数:軽度~中程度の脱水では変化しない。高度の脱水では代謝性アシドーシス → 代償的な頻呼吸
乳児・年長児の脱水症状
- SPE.195改変
等級
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体重減少
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皮膚
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粘膜
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循環
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尿量
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口渇感
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啼泣時の涙
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大泉門
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症状のまとめ
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乳児
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年長児
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緊張度
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色調
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末梢体温
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脈拍
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血圧
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軽度
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<5%
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<3%
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良好
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青白い
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少しひんやり
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乾燥
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正常
|
正常
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軽度低下
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軽度
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出る
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平坦
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濃縮尿
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中等度
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<10%
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<6%
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|
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|
|
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|
|
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速脈を触れる
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正常か低下
|
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|
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|
|
|
|
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末梢循環不全
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重度
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<15%
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<9%
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かなり低下
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斑点状
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冷たい
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カラカラに乾燥
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速脈、わずかに触れる
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低下
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無尿
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強度
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出ない
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明らかに陥没
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血圧低下・ショック・意識障害
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脱水の種類と症候・検査値
- QB.O-50
- 高張性脱水:Na ≧150 mEq/L
- 等張性脱水:Na 130~150 mEq/L
- 低張性脱水:Na ≦130 mEq/L
国試