- 英
- iron lung, cuirass
- 同
- ドリンカー呼吸器 Drinker respirator、タンクレスピレータ tank respirator
- 関
- 人工呼吸器
WordNet
- medieval body armor that covers the chest and back
PrepTutorEJDIC
- 胴よろい;よろいの胸当て
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2022/12/20 19:45:13」(JST)
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An Emerson iron lung. 患者は、気密式で間歇的に減圧されるタンク中に横たわる。写真の機械は、Centers for Disease Control and Prevention Museum所蔵のもので、ポリオの患者であったルイジアナ州コヴィントン(Covington)のバートン・ハーバート(Barton Hebert)の遺族より寄贈されたもの。1950年代後期から2003年に彼が死去するまで実際に使用されていた。
ポリオ患者が使う鉄の肺で病棟は埋まった。 カリフォルニア州・Rancho Los Amigos National Rehabilitation Center(当時Rancho Los Amigos Hospital)(1953年)
鉄の肺(てつのはい、英: Iron Lung)は、人工呼吸器の一種である。
概要
患者の首から下を気密タンクに入れ、タンク内を間歇的に陰圧にする。タンク内を陰圧(-7 〜 -15 水柱センチメートル)にすると、患者の胸郭が広げられて吸気がおこる。平圧に戻すと胸郭の弾性によって肺がしぼんで呼気がおこる。これを繰り返す。
1928年、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンのハーバード大学公衆衛生スクール(Harvard School of Public Health)のフィリップ・ドリンカー(英語版)、ルイス・A・ショー(英語版)らが、ポリオによる呼吸不全を治療するために実用化した。
1950年代までは広範に用いられていたが、装置が大がかりで高価なこと、頭部以外の全身をタンクが覆うために患者のケアが難しいこと、陽圧換気による人工呼吸器が普及したことなどもあり、現在ではあまり使われていない。診療報酬点数表には掲載されており、令和元年は1日につき260点算定できる[1]。
木の肺
詳細は「木の肺」を参照
アメリカで1930年から50年代にかけてポリオが流行した際、鉄の肺は非常に高価で、当時の金額で2千ドル以上もした。この価格の半分はフィリップ・ドリンカーとルイス・A・ショーの特許料であり、T型フォードが1台390ドルで買えた時代に、特許料だけで新車2台分以上も取られていた。あまりに高価で要数が揃わなかったことから、各地のエンジニアや木工職人がボランティアで鉄の肺と同等の装置を製作した。これらはベニヤ板などの木材が多用されていたことから「木の肺(wooden lung)」と呼ばれた[2]。
最初の一号機は1937年8月26日にカナダのトロント小児病院にポリオに感染して入院していた4歳の子供の為にJoseph.H.W.Bower医師が自作した物だと言われている[3]。トロント小児病院で作られた木の肺はセイント・ルカ病院の理事だったマックスウエル・ケネディ・レイノルズが主導して五大湖周辺の仲間に呼びかけて1937年9月後半ごろから3週間足らずで五大湖周辺の23箇所の病院に海賊版製品が配られた[4]。
この木の肺の資料はオールレッドラインを使ったテレックスによってオーストラリアのアデレード大学に送られ受け取ったエドワード・トーマス・ボス博士が主導してオーストラリアでも量産が行われ、イギリスではボス博士の弟のドナルド・ボスがナフィールド卿の援助を受けてモーリス自動車の工場で量産された。フィリップ・ドリンカーとルイス・A・ショーは海賊版に対して訴訟を乱発したが使用していたジョン・ヘブン・エマーソン医師との裁判で特許無効の判決が出て特許権が消滅している。この敗訴により鉄の肺を生産していたコリンズ社は主力商品を失い後に倒産した。その後、木の肺は特許が存在しなくなった為に世界中で合法的に量産されるようになり、高価な鉄の肺は木の肺によって置き換えられた。
関連項目
脚注
注釈
出典
- ^ J029鉄の肺 しろぼんねっと
- ^ A Home Made Iron Lung for the Hospital for Sick Children - Pandemic Ventilator Project
- ^ 1937年9月13日のTIME誌
- ^ カナダのオンタリオ州にあるグランドリバー病院(Grand River Hospital)に記録が残っており、病院の医師がYouTubeで公開しているBuilding a Pandemic Ventilator Part 1 of 4>https://www.youtube.com/watch?v=1P2YeBcfaQw
外部リンク
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ウィキメディア・コモンズには、鉄の肺に関連するカテゴリがあります。 |
- 鉄の肺メモリアルコーナー - 浜松医科大学 麻酔・蘇生学講座
- "Iron Lung." - バージニア大学
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UpToDate Contents
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- 1. 特発性肺ヘモジデローシスidiopathic pulmonary hemosiderosis [show details]
…death are acute respiratory failure due to copious and diffuse pulmonary hemorrhage and chronic respiratory failure due to pulmonary hemosiderosis and fibrosis . Survival times vary widely . As an example, …
- 2. びまん性肺胞出血症候群the diffuse alveolar hemorrhage syndromes [show details]
…of pulmonary capillaritis include the systemic vasculitides, antiglomerular basement membrane (anti-GBM; Goodpasture) disease, rheumatic diseases, certain drugs, idiopathic pulmonary hemosiderosis, and …
- 3. 成人の肺静脈閉塞症/肺毛細血管腫症の疫学、発症機序、臨床評価、診断epidemiology pathogenesis clinical evaluation and diagnosis of pulmonary veno occlusive disease pulmonary capillary hemangiomatosis in adults [show details]
…the diagnosis of idiopathic pulmonary hemosiderosis or a healed vasculitis such as granulomatosis with polyangiitis is entertained. While PVOD may be suggested if hemosiderosis and one or more sclerosed …
- 4. 成人の鉄欠乏症および鉄欠乏性貧血の原因と診断causes and diagnosis of iron deficiency and iron deficiency anemia in adults [show details]
…nocturnal hemoglobinuria (PNH). Pulmonary – Pulmonary hemosiderosis, such as in individuals with diffuse alveolar hemorrhage or idiopathic pulmonary hemosiderosis may lead to iron loss through iron-laden …
- 5. 食物アレルギーの臨床症状:概要clinical manifestations of food allergy an overview [show details]
… blisters. Food-induced pulmonary hemosiderosis (Heiner syndrome) is a rare syndrome in infants that consists of recurrent pneumonia with pulmonary infiltrates, hemosiderosis, iron deficiency anemia, …
Related Links
- 「鉄の肺」と呼ばれる大掛かりな人工呼吸器によって一命を取り留めたポールは、74歳となった現在でも、その鉄の肺と共に生きている。どのような人生を、いかにして生き抜いてきたのか? そして、世界を再びウイルスが襲うこの ...
- 日本呼吸器学会で「鉄の肺」を展示. 2017年4月21日~4月23日、東京フォーラムで開催された第57回日本呼吸器学会学術集会(中西洋一会長)の医療機器、製薬会社などの展示ブースにて、学会の公式展示として当院所蔵の 「鉄の肺」 の展示を行いました ...
- 部屋の真ん中に横たわるのは、大きな鉄のタンク。この鉄のタンクから現在74歳のポールの頭が突き出ています。ポールは「鉄の肺」と呼ばれる旧式の人工呼吸器を現在でも使用している最後の数名のうち一人です。 1920年代に開発された
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- iron Fe
- 同
- scissors
- 関
- ヘモグロビン、赤血球、血清鉄、iron salts
概念
- ヘモグロビン、ミオグロビン、およびペルオキシダーゼなどの正常な働きのために必須の元素である。ヒトは一日10-15mgの鉄を摂取しており、そのうちわずか1mgが小腸で吸収される。主に十二指腸でFe2+の形で吸収されるので、胃酸、ビタミンC、クエン酸などによりFe3+→Fe2+になっていると吸収の効率が高まる。生体内には4gの鉄が存在しており、その2/3がヘム鉄(2.5g)(ほぼヘモグロビン鉄、一部ミオグロビン鉄)で存在し、残りのほとんど(1g)は貯蔵鉄(網内系の中。フェリチン・ヘモジデリンとして)として組織に貯蔵される。鉄は受動的に1mgが主に消化管から失われ、その他皮膚、尿路からも失われる。
基準値
- →血清鉄
鉄の体内分布(SP.499)
鉄の収支 (SPC.280)
- 糞、汗、脱落皮膚:1mg/day
- 月経中の女性:30mg/月経期間中
- 妊娠中:500mg/満期まで
- 月経中の女性:1.4mg/day
- 妊娠中:5-6mg/day
- 男性:0.5-1.0mg/day
-
- うち0.9mg程度しか吸収されない
鉄の吸収 (詳しくは図:SP.500)
- 十二指腸で良く吸収される。 (吸収部位:十二指腸、空腸上部(LAB.579))
- Fe2+は水溶性、Fe3+は難溶性なので、Fe2+であるほうが吸収されやすい。また、ヘム鉄、アミノ酸鉄などキレート状の鉄は吸収が容易である(SP.499)
- 鉄は摂取量の10%しか吸収されない。腸上皮中ではフェリチンと結合して存在するが、フェリチンが飽和するとそれ以上取り込まない。腸上皮のフェリチンは血清中のトランスフェリンに鉄を渡すが、トランスフェリンが飽和するとそれ以上鉄を渡せなくなる。鉄が飽和した状態の腸上皮はやがて脱落する。これで、必要以上の鉄が吸収されないように厳密に制御されている(←過剰の鉄は生体内でフリーラジカルを産生する反応を触媒するので危険)。ビタミンCは鉄の吸収を促進し、肉に含まれるヘム鉄は食物中の無機鉄より効率よく吸収される。またアルコールやフルクトースは鉄の吸収を促進するが、カルシウムは鉄の吸収を阻害する。(HBC.486)
QB.A-366
- 鉄の吸収には胃酸の分泌、十二指腸からの吸収が必要。胃全摘が施行された場合には、胃酸の分泌減少と、Billroth II法が施行された場合には食物が十二指腸を通過せず鉄の吸収が障害される。
治療薬
臨床関連
[★]
- 英
- lung
- 関
- 肺区域、肺野、呼吸器の上皮の移行
- 図:M.78 N.204(肺のリンパ系),197(肺区域)
解剖
- 重量:右:500g, 左:400g
- 葉:右3葉、左2葉
- 右上葉、右中葉、右下葉、左上葉、左下葉
発生
- L.247
- 肺の上皮、喉頭、気管、および気管支の内面を覆う上皮 → 内胚葉
- 気管および肺の軟骨性要素と筋要素、結合組織 → 中胚葉(臓側中胚葉)
- NGY.283
- 妊娠16週頃:気管、気管支が分岐し腺状構造をなす(腺状期)
- 妊娠16-24週頃:管状構造を形成し、毛細血管が上皮に接触する。(管状期)
機能
肺の構造
- SSUR.323
臨床関連
胸部X線解剖
- 右第1弓:上大静脈
- 右第2弓:右心房
- 左第1弓:大動脈弓
- 左第2弓:肺動脈幹
- 左第3弓:左心房(左心耳)
- 左第4弓:左心室
シルエットサイン
- 右第2弓:(陽性)[上葉]内側中葉区(S5)、[下葉]内側肺底区(S7)、(陰性)[下葉]上-下葉区(S6)???、後肺底区(S10)???? → 陰性だったら背面の区域、つまりS6,S10と考えて良いのではないだろうか?
- 左第4弓:(陽性)[上葉]上舌区(S4)、下舌区(S5)、[下葉]前内側肺底区(S7+8)、(陰性)[下葉]上-下葉区(S6)???、後肺底区(S10)??? → 同様にS6,S10と考えて良いのでは?
肺のリンパ節
- 左肺は心臓があるために、右とは異なる形状・肺区域を有する。
- S1とS2はまとめてS1+2と呼ばれる
- S7とS8はまとめてS7+8あるいはS8と呼ばれる ← 心臓が左胸腔に全内側に突出しているからと考える
臨床関連
- 分葉異常:奇静脈の走行異常による右上葉の奇静脈葉が最も多い(QB.I-295)