上皮系

英

epithelial

関

上皮、上皮性、上皮型

WordNet

1. of or belonging to the epithelium; "epithelial layer"

Wikipedia preview

出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』「2016/02/17 20:12:59」(JST)

wiki ja

[Wiki ja表示]

上皮組織の種類

上皮細胞（じょうひさいぼう）とは、体表面を覆う「表皮」、管腔臓器の粘膜を構成する「上皮（狭義）」、外分泌腺を構成する「腺房細胞」や内分泌腺を構成する「腺細胞」などを総称した細胞。これら以外にも肝細胞や尿細管上皮など分泌や吸収機能を担う実質臓器の細胞も上皮に含められる。

構造上の特徴

上皮には、外気や液体にさらされている頂端面と結合組織に接着する基底面がある。基底面を支えるのは細胞外マトリクスの丈夫な層で、基底層と呼ばれる。個々の上皮細胞には頂端面と基底面に化学的な差、つまり極性があり、この極性があるために物質の分泌・吸収が可能になる。

隣り合う上皮細胞は種々の細胞間結合でつながれており、これにより細胞間隙を分子が通るのを防いだり、細胞同士がコミュニケーションをとっている。

分類

上皮は機能的に以下のように分類できる。すべての上皮細胞は生理的に以下の複数の機能を担っている。

1. 分泌上皮 - 粘液、酵素、ホルモンなど生物活性のある物質を産生し分泌する。
2. 吸収上皮 - 水、電解質、栄養源となる物質を能動的に吸収したり輸送する。
3. 導管上皮 - 管腔面を覆い物質の転送を促進する。
4. 被覆上皮 - 表面を被覆し物理的または化学的なバリアを構成する。

また、形態によっても分類される。まず、細胞の並び方によって、次のように分類される。

1. 単層上皮 - 細胞が基底膜上で一列に並んでいる。
2. 多列上皮 - 細胞が基底膜上で数列に並んでいる。ただし、すべての細胞は突起をのばして基底膜に接触している。
3. 重層上皮 - 細胞は基底膜上で重なりあうように何列(およそ10-30)にも並んでいる。

一つ一つの細胞の形によっても、分類される。

1. 扁平上皮 - 細胞は潰れたような平たい形をしている。
2. 立方上皮 - 細胞は立方系である
3. 円柱上皮 - 細胞は縦方向に長い円柱形をしている。
4. 繊毛上皮 - 細胞に線毛が生えている。

これらの用語を組み合わせて、「食道の上皮は、重層扁平上皮である」といった具合に以下のように表現する。

1. 単層扁平上皮：血管・リンパ管内皮、漿膜中皮（中胚葉由来、外・内胚葉由来の真性上皮に対して、偽上皮）
2. 単層立方上皮：汗腺上皮（エクリン腺腺房の上皮）
3. 単層円柱上皮：消化管上皮、呼吸器・気道上皮（多列線毛円柱上皮が多い）
4. 重層扁平上皮：表皮、食道上皮、扁平上皮化生した気道上皮、子宮外頸部上皮、下咽頭から喉頭上皮、肛門上皮
5. 重層円柱ないし立方上皮：唾液腺の導管、呼吸器多列線毛ないし単層円柱上皮での基底細胞過形成を伴ったもの（最表層の腺系上皮を失い扁平上皮化）、子宮頚部頚管円柱上皮や頚管線上皮で予備細胞過形成を伴ったもの（最表層の腺系上皮を失い扁平上皮化）
6. 多列線毛円柱上皮：鼻腔上皮、咽頭上皮（上咽頭・中咽頭）、気管・気管支上皮
7. 移行上皮（尿路上皮）：腎盂上皮、尿管上皮，膀胱上皮、尿道上皮、前立腺導管上皮

発生学的には、三胚葉のいずれも上皮成分に分化する。例えば、皮膚は外胚葉に由来し、消化管上皮は内胚葉に由来する。そして、腎臓の尿細管は中胚葉に由来する。

UpToDate Contents

全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.

• 1. 上皮性卵巣癌、卵管癌、および腹膜癌：臨床的特徴および診断 epithelial carcinoma of the ovary fallopian tube and peritoneum clinical features and diagnosis
• 2. 糸球体半月体形成の機序 mechanisms of glomerular crescent formation
• 3. 低アルドステロン症（4型RTA）の病因、診断、および治療 etiology diagnosis and treatment of hypoaldosteronism type 4 rta
• 4. 腎集合管ナトリウムチャンネルの遺伝的障害：リドル症候群および偽性低アルドステロン症1型 genetic disorders of the collecting tubule sodium channel liddles syndrome and pseudohypoaldosteronism type 1
• 5. レーザー屈折矯正手術 laser refractive surgery

Japanese Journal

• 上皮系皮膚腫瘍 (第111回 日本皮膚科学会総会 : 進化する皮膚科 : 知と技を磨く) -- (教育講演 皮膚病理へのいざない<腫瘍編>)

• 河野 通浩
• 日本皮膚科学会雑誌 = The Japanese journal of dermatology 122(13), 3066-3069, 2012-12-00
• NAID 40019516175

• 非上皮系良性腫瘍に関するクリニカル・クエッションを作成して (特集 『皮膚軟部腫瘍』ガイドライン作成にあたっての私の提言)

• 清澤 智晴,大井 克之,坂村 律生 [他]
• 形成外科 55(7), 709-718, 2012-07-00
• NAID 40019376919

• 上皮系良性腫瘍に関するクリニカル・クエッションを作成して (特集 『皮膚軟部腫瘍』ガイドライン作成にあたっての私の提言)

• 黒川 正人,安倍 吉郎,小澤 俊幸 [他]
• 形成外科 55(7), 699-707, 2012-07-00
• NAID 40019376899

Related Links

• 上皮系｜マイクロアレイ受託解析、CTC測定、臨床試験、遺伝子 ...

上皮系について説明しているページです。バイオマーカー探索・バリデーション、臨床試験、コンパニオン診断ならジェネティックラボへお任せください。個別化医療・個の医療を推進いたします。

• 知ってもらいたい医学用語の基本 （1）腫瘍 その2

腫瘍名の基本ー胚葉とは、上皮とは、非上皮（間葉）とは、癌とは、肉腫とは？前回、腫瘍には良性と悪性とがあり、良性腫瘍と悪性腫瘍の基本的な違いを述べた。しかし実際には、現在の人間の知恵では良性か悪性か判断できない ...

Related Pictures

---

★リンクテーブル★

リンク元	「皮膚の悪性腫瘍」「上皮性」「上皮型」
拡張検索	「上皮系細胞」
関連記事	「上皮」「系」

「皮膚の悪性腫瘍」

　　[★]

良性

• ケラトアカントーマ

悪性

• 上皮系

• 有棘細胞癌　← 光線角化症
• 基底細胞癌
• 乳房外パジェット病
• 皮膚付属器癌(汗腺癌・脂腺癌・毛包癌など)
• メルケル細胞癌

• 神経外胚葉系

• 悪性黒色腫

• 悪性黒子黒色腫
• 末端黒子型黒色腫
• 表在拡大型黒色腫
• 結節型黒色腫

• 間葉系

• 隆起性皮膚線維肉腫
• 悪性線維性組織球腫
• 血管肉腫
• 類上皮肉腫

• リンパ・造血器系

• 菌状息肉症・セザリ症候群
• 成人T細胞白血病・成人T細胞リンパ腫
• CD30陽性未分化大細胞型リンパ腫
• NK細胞リンパ腫
• 皮膚B細胞リンパ腫
• ランゲルハンス細胞組織球症

「上皮性」

　　[★]

英

epithelial、epidermal

関

上皮、表皮性、上皮型、上皮系

「上皮型」

　　[★]

英

epithelial

関

上皮、上皮性、上皮系

「上皮系細胞」

　　[★]

英

epithelial cell

関

上皮細胞

「上皮」

　　[★]

英

epithelium, (pl.)epithelia

関

上皮組織、消化器系#上皮の移行、呼吸器の上皮の移行

上皮の分類

• 単層扁平上皮 simple squamous epithelium
• 単層立方上皮 simple cuboidal epithelium
• 単層円柱上皮 simple columnar epithelium
• 多列上皮 pseudostratified epithelium
• 重層扁平上皮 stratified squamous epithelium
• 重層立方上皮 stratified cuboidal epithelium
• 重層円柱上皮 stratified columnar epithelium
• 移行上皮 transitional epithelium

「系」

　　[★]

• system
• 系統 line

• system、strain、(分類学)series

関

一連、菌株、緊張、系統、系列、シリーズ、歪み、連続、システム、体系、体制、方式、筋挫傷