- 英
- Rasmussen's syndrome, Rasmussen syndrome
- 同
- Rasmussen症候群
- 関
- 脳炎 encephalitis brain inflammation、感染性脳炎 infectious encephalitis、コジェヴニコフてんかん、難治性てんかん
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概念
- 小児の慢性進行持続性部分てんかん
- 感染などをきっかけに発病する自己免疫性の難治なてんかん発作を主体とする疾患。
- グルタミン酸受容体等に対する自己免疫によりてんかん発作重積・知的退行・片麻痺が起こる進行性の中枢神経疾患。
疫学
- 難治てんかんの1/1000、日本では250人程度と推定されている。
- 発病年齢:平均7.2±6.4歳。成人の発病例あり
病因
臨床像
発症時
- 誘因暴露(上気道炎、扁桃炎、ワクチン接種)から2週間後に発症する例は40%。残りはてんかん発作で発症。
- てんかんの型は部分起始性の全般性強直間代発作や 焦点運動発作。
- 頻度は最初は月に1~数回。徐々に頻度は増加。
- 薬物によるてんかん発作のコントロールは不良。
発作頻度増加
- 発症から数ヶ月の経過で発作の頻度が徐々に増加し、発症後2年程度で発作が持続的となる。
- 半数以上の例で、本疾患に特徴的な持続性部分てんかんが出現。
- 局所のミオクロニーが何ヶ月~何年にも渡って持続。初期では1肢にとどまるが、次第に同側他肢に広がり、ついには対側肢にも出現してくる。
症状固定
- 片麻痺や知的障害が出現して6ヶ月程度で症状が固定。てんかん発作は減少傾向。
- 成人期には精神症状も出現しうる。
診断
- 1. 感染の後発症
- 2. 徐々にてんかん発作の頻度が増加
- 3. 一側の半球障害に基づく片麻痺や視野障害
- 4. 脳波検査:一側の半球の徐波
- 5. MRI:病変部の消退、移動がみられる
- 6. 髄液検査:Granzyme B濃度(細胞傷害性T細胞が放出)。神経自己抗体(グルタミン酸受容体抗体など)
治療
- 薬物療法
- 1.ステロイドパルス治療
- 2.ガンマグロブリン療法
- 3.タクロリムス
- 4.血漿交換療法
- 手術療法
- 機能的半球切除:focusが言語優位半球側の反対側で全麻痺となっている場合。
参考文献
- 1. Focal seizures due to chronic localized encephalitis.
- RASMUSSEN T, OLSZEWSKI J, LLOYDSMITH D.
- Neurology.Neurology.1958 Jun;8(6):435-45.
- PMID 13566382
- http://child-neuro-jp.org/visitor/qa2/a33.html
- http://child-neuro-jp.org/visitor/iken2/rasmussen.html
WordNet
- inflammation of the brain usually caused by a virus; symptoms include headache and neck pain and drowsiness and nausea and fever (`phrenitis is no longer in scientific use) (同)cephalitis, phrenitis
PrepTutorEJDIC
- 脳炎
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 小児の慢性進行性持続性部分てんかん・ラスムッセン症候群
- TR-1 ラスムッセン症候群のCD8+T細胞の分子免疫学的病態研究(トランスレーショナルリサーチセッション,第42回日本てんかん学会)
- 高橋 幸利,久保田 裕子,美根 潤,山崎 悦子,角替 央野,西村 成子,藤原 建樹
- てんかん研究 26(2), 256, 2008-09-30
- NAID 110007384919
Related Links
- Q33:息子がRasmussen症候群(ラスムッセン症候群、ラスムッセン脳炎・脳症)と診断 されました。 ... 1958年にRasmussenらが、術前には予期し得なかった限局性脳炎の 組織所見を有する難治部分てんかん手術症例を3例報告したのが本症候群研究の ...
- ラスムッセン症候群を特定疾患にお加えいただけますよう要望します。 ラスムッセン 症候群(小児の慢性進行性持続性部分てんかん)は通常のてんかんとは全く病態が 異なり、グルタミン酸受容体(GluR)等に対する自己免疫によりてんかん発作重積・知的 退行・ ...
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★リンクテーブル★
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- 英
- epilepsia partialis continua, EPC
- 関
- コジェヴニコフてんかん、てんかん重積状態、ラスムッセン症候群
[★]
- 英
- infectious encephalitis
- 関
- 脳炎、ラスムッセン症候群
[★]
ラスムッセン症候群
[★]
ラスムッセン症候群
[★]
ラスムッセン症候群
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候