ジフルコルトロン、リドカイン
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ネリプロクトは、副腎皮質ホルモン「吉草酸ジフルコルトロン」と局所麻酔薬「リドカイン」を含有する痔疾用配合剤である。
目次
- 1 開発の経緯
- 2 適応症
- 3 臨床効果
- 4 副作用
- 5 薬効薬理
- 6 脚注
- 7 参考文献
開発の経緯
「ネリプロクト軟膏・坐剤」がドイツのシエーリング社Schering AG(現 Bayer Schering Pharma)および日本シエーリング(現 バイエル薬品)によって開発された。
- 1993年 - 承認、発売。
- 2005年 - インテンディスが承継、販売。
- 2010年 - インテンディスとの統合によりバイエル薬品が販売[1][2]。
適応症
痔核に伴う症状(出血、疼痛、腫脹)
臨床効果
市販後の使用成績調査3,346例の解析結果(軟膏、坐剤の合算) 有効:71%、やや有効以上:97%
副作用
- 軟膏:総症例2,612例中13例(0.5%)。主な副作用は瘙痒(症)・肛囲瘙痒症、刺激感等。臨床検査値異常は認められなかった(再審査終了時)。
- 坐剤:総症例2,182例中18例(0.8%)。主な副作用は瘙痒(症)、鼓腸放屁、刺激感等。臨床検査値異常は認められなかった(再審査終了時)。
薬効薬理
1. 抗炎症作用 (ラット)
- カプロン酸ヒドロコルチゾンを含有する痔疾用剤と同等ないしはより強力
- ヒドロコルチゾン含有痔疾用剤及び副腎皮質ホルモンを含有しない痔疾用剤に比し強力
2. 鎮痛作用(ラット)
- 疼痛:リドカインによる速効効果
- 炎症痛:吉草酸ジフルコルトロンによる経時的軽減
脚注
- ^ “「ネリプロクト軟膏」 添付文書 (PDF)”. 医薬品医療機器総合機構 (2010年4月). 2010年4月2日閲覧。
- ^ “「ネリプロクト坐剤」 添付文書 (PDF)”. 医薬品医療機器総合機構 (2010年4月). 2010年4月2日閲覧。
参考文献
- 衣笠昭ほか:基礎と臨床 23:5999(1989)
- 衣笠昭ほか:薬理と治療 17:5565(1989)
- 衣笠昭ほか:薬理と治療 17:5581(1989)
- 衣笠昭ほか:薬理と治療 17:5953(1989)
- 吉田鉄郎:薬理と治療 17:2974(1989)
- 西木克侑ほか:日本薬理学会雑誌 92:227(1988)
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Japanese Journal
- 外痔核に対する外用薬により薬物性肝障害を惹起した1例
- 森澤 嘉彦,田中 篤,三浦 亮 [他],深水 雅子,後藤 英晃,根來 真一郎,三神 昌樹,塙 直子,相磯 光彦,福里 利夫,滝川 一
- 肝臓 = ACTA HEPATOLOGICA JAPONICA 49(8), 362-367, 2008-08-25
- … ーカーや自己抗体は陰性であり,アルコール摂取や自然食品も含めた内服薬服用はなかった.しかし肝機能異常発現前の2006年2月から,外痔核に対してボラザG坐薬(トリベノシドとリドカインの合剤)とネリプロクト軟膏(吉草酸ジフルコルトロンとリドカインの合剤)を処方され使用していることが判明した.両剤の使用・中止と肝機能異常の出現・消退との時間的な経過が一致し,偶然の再投与により肝障害が再燃 …
- NAID 10021939356
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ネリプロクト坐剤
組成
**成分・含量
- 1個中,日局ジフルコルトロン吉草酸エステル0.2mg及び日局リドカイン40mg含有
添加物
禁忌
- 局所に結核性,化膿性又は梅毒性感染症,ウイルス性疾患のある患者[症状を悪化させることがある]
- 局所に真菌症(カンジダ症,白癬等)のある患者[症状を悪化させることがある]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- ジフルコルトロン吉草酸エステル,リドカインに対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 痔核に伴う症状(出血,疼痛,腫脹)の緩解
- 通常,成人には1回1個を1日2回肛門内に挿入する.
慎重投与
- 他のリドカイン製剤が併用投与される患者
[リドカインの血中濃度が上昇するおそれがある]
薬効薬理
抗炎症作用
- 本剤は,クロトン油誘発痔疾モデル(ラット),擦過刺激痔疾モデル(ラット)のいずれにおいても,ヒドロコルチゾンカプロン酸エステルを含有する痔疾用剤と同等ないしはより強力な抗炎症作用を示した.また,ヒドロコルチゾン含有痔疾用剤及び副腎皮質ホルモンを含有しない痔疾用剤に比し抗炎症作用が強力であった7).
鎮痛作用
- 本剤は,カラゲニン・カオリン足蹠浮腫(ラット)において,疼痛に対しリドカインによる速効性の鎮痛効果とジフルコルトロン吉草酸エステルによる炎症痛の経時的な軽減が認められた7).
有効成分に関する理化学的知見
ジフルコルトロン吉草酸エステル
一般名(JAN)
- ジフルコルトロン吉草酸エステル
(Diflucortolone Valerate)
化学名
- 6α,9-Difluoro-11β,21-dihydroxy-16α-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 21-pentanate
分子式
分子量
融 点
性 状
- 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である.
本品はメタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく,水にほとんど溶けない.
リドカイン
一般名(JAN)
化学名
- 2-Diethylamino-N-(2,6-dimethylphenyl)acetamide
分子式
分子量
融 点
性 状
- 本品は白色〜微黄色の結晶又は結晶性の粉末である.
本品はメタノール又はエタノール(95)に極めて溶けやすく,酢酸(100)又はジエチルエーテルに溶けやすく,水にほとんど溶けない.
本品は希塩酸に溶ける.
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- lidocaine
- 化
- 塩酸リドカイン lidocaine hydrochloride
- 商
- キシロカイン xylocaine Xylocain、リグノカイン lignocaine Lignocain
- TDゼット、アネトカイン、アネトカインビスカス、エムラ、オーラ、オリベス、キシレステシン、キシレステシンA、キシロカイン、セフメタゾン、チエナム、デンタカイン、ネイサート、ネリコルト、ネリザ、ネリダロン、ネリプロクト、パートラン、パートランビスカス、パートランポンプ、フリードカイン、ヘモリサット、ヘルミチン、ヘルミチンS、ペンマリン、ペンレス、ボラザ、ボラザG、メドカイン、ユーパッチ、ラセナゾリン、歯科用キシロカインカートリッジ
- (ジフルコルトロン、リドカイン)ネイサート、ネリコルト、ネリザ、ネリダロン、ネリプロクト
- 関
- 抗不整脈薬、プロカイン
- クラスIb
- Naチャネルブロック
- APD短縮
作用機序
薬理作用
- 結合解離速度は早く、正常心拍の伝導を阻害しない。
- APDの短縮はリドカインのNaチャネルに対する結合解離が早いため?? (→Sicillian Gambitの分類)
動態
適応
- 心室性不整脈
- 心肺蘇生 アミオダロンの方がよく使われる
- 無効:心房細動、心房頻拍
注意
禁忌
副作用
[★]
商品
[★]
- 英
- diflucortolone
- 化
- 吉草酸ジフルコルトロン, diflucortolone valerate
- 商
- アフゾナ、アルゾナ、テクスメテン、ネイサート、ネリコルト、ネリザ、ネリゾナ、ネリダロン、ネリプロクト、ユートロン
- 関
- 鎮痛,鎮痒,収歛,消炎剤
[★]
- 英
- pro