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- Angelica sinensis
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トウキ |
トウキ
|
分類(APG III) |
界 |
: |
植物界 Plantae |
階級なし |
: |
被子植物 angiosperms |
階級なし |
: |
真正双子葉類 eudicots |
階級なし |
: |
コア真正双子葉類 core eudicots |
階級なし |
: |
キク類 asterids |
階級なし |
: |
キキョウ類 campanulids |
目 |
: |
セリ目 Apiales |
科 |
: |
セリ科 Apiaceae |
属 |
: |
シシウド属 Angelica [1][2] |
種 |
: |
トウキ A. acutiloba [3] |
|
学名 |
Angelica acutiloba
(Siebold et Zucc.) Kitag. (1937) [3][4] |
和名 |
トウキ |
トウキ(当帰、Angelica acutiloba)は、セリ科シシウド属の多年草。漢方薬として用いられる。
目次
- 1 特徴
- 2 歴史
- 3 利用
- 4 下位分類
- 5 脚注および参考文献
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
特徴
漢方薬として用いられる乾燥した
トウキ(丹波市立薬草薬樹公園)
茎は多く枝を分け、高さは20-80cmになる。茎と葉柄は赤紫色を帯び、茎、葉ともに毛は無く、葉の表面は濃緑色で光沢がある。葉は互生し、2-3回3出羽状複葉で、小葉は切れ込み、縁にはとがった鋸歯がある。葉柄の基部は鞘状に膨らみ茎を抱く。
花期は6-8月。枝先に複散形花序をつける。花は白い5弁花で、花弁は内側に曲がり、萼歯片は無い。花序の下にある総苞片は無いか、あっても1個、小花序の下にある小総苞片は線形で数個ある。果実は長楕円形、分果の油管は表面側の各背溝下に3-5個、分果が接しあう合生面に8-10個ある。
本州中部地方以北の山地の岩の間などに自生し、栽培もされる。全草に強いセロリに似た芳香を持つ。
歴史
本来、中国の漢方で使われるトウキはカラトウキと呼ばれる品種であり、日本で使用されるトウキとは外見や成分、香りなどが僅かだが異なる。
江戸時代、全国各地域の藩により、特産品・製薬材料の商業品種として栽培が推奨された。その産地により、大和当帰、越後当帰、伊吹当帰、常陸当帰、仙台当帰などと呼ばれたが、徳川幕府8代将軍徳川吉宗の、薬種業の振興政策により全国各所に派遣された幕府奥御庭方で本草学者の植村左平次(植村政勝)および随行の大和国で代々続く吉野葛生産者で本草学者の森野藤助(森野通貞)らに大和国(奈良県)で見出され、森野により栽培加工法が確立された「大和当帰」(主な生産地・宇陀郡)が優れた品種であるとされ、中でも奈良県五條市大深、和歌山県高野町富貴で生産される「大深当帰」が最高の品である、とされた。
現在同地方での栽培・生産はほぼ絶滅状態であり、製薬材料の代用として、大和当帰の製造法で国内外を問わずに生産されるトウキと、ホッカイトウキが主に使用されている。
利用
薬用植物として栽培もされる。根は血液循環を高める作用があり、充血によって生じる痛みの緩和に有効。膿を出し、肉芽形成作用があるとされている。日本薬局方では「生薬トウキ」の基原植物は、トウキおよびホッカイトウキとされる。四物湯、当帰芍薬散、当帰建中湯、補中益気湯、紫雲膏、当帰湯などの漢方方剤に使われる。
和名のトウキ(当帰)は、中国原産のカラトウキ (Angelica sinensis) の漢名、zh:当帰からとったものであるが、それとは別種である。本種の漢名はzh:東当帰という。
下位分類
- ツクバトウキ Angelica acutiloba (Siebold et Zucc.) Kitag. f. tsukubana Hikino
- ミヤマトウキ A. acutiloba (Siebold et Zucc.) Kitag. subsp. iwatensis (Kitag.) Kitag.
- ホッカイトウキ[栽培]A. acutiloba (Siebold et Zucc.) Kitag. var. sugiyamae Hikino
脚注および参考文献
- ^ 米倉浩司 『高等植物分類表』 北隆館、2010年、重版。ISBN 978-4-8326-0838-2。
- ^ 大場秀章(編著) 『植物分類表』 アボック社、2010年、第2刷。ISBN 978-4-900358-61-4。
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Angelica acutiloba (Siebold et Zucc.) Kitag.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月4日閲覧。
- ^ Missouri Botanical Garden. “Angelica acutiloba (Siebold & Zucc.) Kitag.”. Tropicos. 2012年8月4日閲覧。
- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎(他編) 『日本の野生植物』草本II 離弁花、平凡社、1982年。
- 林弥栄(編) 『日本の野草』 山と渓谷社〈山渓カラー名鑑〉、1983年。
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
関連項目
外部リンク
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ウィキメディア・コモンズには、トウキに関連するカテゴリがあります。 |
- Angelica acutiloba - Encyclopedia of Life
- Angelica acutiloba - National Center for Biotechnology Information (NCBI)
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- 生薬トウキには血管拡張作用、血小板凝集抑制作用、抗炎症作用、鎮痛作用、抗菌作用等、多くの薬理的効果が証明されています。婦人血虚の更年期障害や中年以後の虚労、腰痛、手足の冷えやしびれにも応用され、古来より重宝 ...
- セリ科トウキの根で精油やフタライド類、ステロール類などを含みます。貧血症、月経不順、更年期障害など、婦人科の要薬として使用します。 当帰を中心にした漢方薬は、養血調経作用があり、生理不順や生理痛を緩和していきます ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
〔東洋〕温清飲エキス細粒
組成
- 本剤は、温清飲の水製エキスに賦形剤(トウモロコシデンプン)を加えて製したものである。
本剤 6.0g 中
日局トウキ 3.0g
日局ジオウ 3.0g
日局シャクヤク 3.0g
日局センキュウ 3.0g
日局オウレン 1.5g
日局オウゴン 1.5g
日局サンシシ 1.5g
日局オウバク 1.5g
上記の混合生薬より抽出した温清飲の水製エキス3.6gを含有する。
効能または効果
- 皮膚の色つやが悪く、のぼせるものの次の諸症
- 月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症
- 通常 大人 1日 3回 1回 2.0g(1包)を空腹時経口投与 年齢症状により適宜増減する。
慎重投与
- 著しく胃腸の虚弱な患者[食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢等があらわれることがある。]
- 食欲不振、悪心、嘔吐のある患者[これらの症状が悪化するおそれがある。]
重大な副作用
間質性肺炎
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)、ALT(GPT)、Al−P、γ−GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
★リンクテーブル★
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- 関
- 防風通聖散料、漢方製剤
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