- 英
- DNA gyrase
- 関
- DNAトポイソメラーゼ、II型DNAトポイソメラーゼ
- II型DNAトポイソメラーゼに分類される。
- 原核生物が有する。
- ATPの水解によるエネルギーを用いて、DNA二本鎖を両方切って、負のスーパーコイルを導入する働きを有する。
WordNet
- the 4th letter of the Roman alphabet (同)d
PrepTutorEJDIC
- deuteriumの化学記号
- deoxyribonucleic acidディオキシリボ核酸
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/22 20:20:08」(JST)
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DNAジャイレース (DNA gyrase)、もしくは単にジャイレース、あるいはDNAギラーゼとは細菌が持つDNAトポイソメラーゼII型の1種である (EC 5.99.1.3) [1]。
II型なのでDNAの二本鎖を両鎖の切断することにより鎖を回転させねじれをとる働きをする〈記事DNAトポイソメラーゼに詳しい〉。細菌のDNA複製には欠かせない酵素の1つである。
例をあげると、大腸菌のDNAジャイレースは分子量115,000と95,000の2種のサブユニット2組の四量体を形成している。サブユニットの前者は遺伝子gyrA、後者はgyrBの産物である。
〈ニュー〉キノロン系抗生物質は真核生物のDNAトポイソメラーゼII型は阻害せず、細菌のDNAトポイソメラーゼII型〈すなわちDNAジャイレース〉のみを選択的に阻害し、生体に影響を与えずに細菌の増殖のみを阻害する。
DNAジャイレースの阻害剤は前述のキノロン系抗生物質の他に、クーママイシン (coumermycin) とノボビオシン (novobiocin) などが知られている。
DNAジャイレースもATP依存性の反応と非依存性の反応との両方を持つが、特にクーママイシンとノボビオシンはATP依存性の反応だけを阻害する点が特徴的である。
遺伝子変異による薬剤耐性の研究より、オキソリン酸 (oxolinic acid) およびナリジクス酸はgyrA産物と、クーママイシン、ノボビオシンはgyrB産物と相互作用することが知られている[2]。
脚注・出典
- ^ 真核生物はDNAジャイレースとは異なるDNAトポイソメラーゼII型酵素を持つ。
- ^ DNAジャイレース、『生物学辞典』、第4版、岩波書店
- IUBMB entry for 1.1.1.198(英語)
- BRENDA references for 1.1.1.198 (英語)
- PubMed references for 1.1.1.198(英語)
- PubMed Central references for 1.1.1.198(英語)
- Google Scholar references for 1.1.1.198(英語)
関連項目
外部リンク
- IUBMB entry for 1.1.1.198(英語)
- KEGG entry for 1.1.1.198(英語)
- BRENDA entry for 1.1.1.198(英語)
- NiceZyme view of 1.1.1.198(英語)
- EC2PDB: PDB structures for 1.1.1.198(英語)
- PRIAM entry for 1.1.1.198(英語)
- PUMA2 entry for 1.1.1.198(英語)
- IntEnz: Integrated Enzyme entry for 1.1.1.198(英語)
- MetaCyc entry for 1.1.1.198(英語)
- Atomic-resolution structures of enzymes belonging to this class(英語)
Japanese Journal
- 新規キノロン系抗菌薬シタフロキサシンの薬理学的特性と臨床効果
- 神田 裕子
- 日本薬理学雑誌 133(1), 43-51, 2009-01-01
- シタフロキサシン(STFX:グレースビット®錠50 mg,細粒10%)は,第一三共株式会社において創製され,2008年6月に発売されたキノリン骨格の1位にフルオロシクロプロピル基を,7位にスピロ型アミノピロリジン基を有するキノロン系抗菌薬である.本剤は,既存のキノロン系抗菌薬耐性菌を含むグラム陽性菌ならびにグラム陰性菌,さらにはマイコプラズマおよびクラミジアなどの非定型菌に対して,既存キ …
- NAID 10024021319
- スギナの葉緑体核様体に及ぼすシプロフロキサシンの影響
- 泉 好弘,富松 美樹,イズミ ヨシヒロ,トミマツ ミキ,Izumi Yoshihiro,Tomimatsu Miki
- 大分大学教育福祉科学部研究紀要 30(1), 21-27, 2008-04
- 紅藻類や緑色植物の葉緑体は藍藻類が共生したものであるということは、一般に広く知られている。DNAの構造変化を触媒するDNAジャイレースは、原核生物のDNA複製に、重要な役割を果たしている。我々は、原核生物のDNAジャイレース活性を阻害する抗生物質がスギナの葉緑体核様体に及ぼす影響を明らかにするため、抗生物質で処理された前葉体の葉緑体核様体の数を測定した。抗生物質で処理されていない前葉体では、小さな …
- NAID 120001698464
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- Ⅱ型トポイソメラーゼは二本鎖を切断し、再結合させる。なお、Ⅱ型トポイソメラーゼはDNAジャイレースとも呼ばれている。ちなみに、キノロン系抗生物質はこのDNAジャイレースをターゲットとしている。 この働きによってトポイソメラーゼ ...
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★リンクテーブル★
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- 英
- quinolone antibacterial agent, quinolone
- 同
- ピリドンカルボン酸系抗菌薬 pyridone carboxylic acid anti-microbials pyridone carboxylic acid antibacterial agent
- 関
- 抗菌薬、ニューキノロン
キノロン系抗菌薬
概念
- クロロキンを改良してつくられた抗菌薬をキノロン系抗菌薬と呼ぶ。
- 超らせん構造の維持に関わる酵素とDNAの複合体を安定化し、DNA鎖を切断したままにしておくことにより、生存・細胞分裂を障害する。
- キノロン系抗菌薬にフッ素を導入して改良した抗菌薬がニューキノロン系抗菌薬である。
- ニューキノロン系抗菌薬はグラム陰性菌とグラム陽性菌に対して強い抗菌力を有する。
作用機序
副作用
- 消化器症状:(5-10%)
- 発疹:(1-2%)
- 中枢神経症状:(5%)頭痛・浮動性眩暈
- 軟骨毒性:幼弱な動物で軟骨に異常をきたす → 18歳未満は注意。妊婦には使用しない。 (ABM.106)
- 日光過敏症
- 低血糖
適応
第一選択となる適応(IRE.158)
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- 英
- deoxyribonucleic acid
- 同
- デオキシリボ核酸
- 関
- リボ核酸 RNA
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- 英
- race
- 関
- 競走、人種、品種、民族
[★]
- 英
- gyrase
- 関
- ギラーゼ