- 英
- lomefloxacin
- 化
- 塩酸ロメフロキサシン lomefloxacin hydrochloride
- 商
- バレオン、ロメバクト、ロメフロン、ロメフロンミニムス
- 関
- 眼科用剤。抗菌薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/27 10:54:13」(JST)
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ロメフロキサシン
|
IUPAC命名法による物質名 |
(RS)-1-エチル-6,8-ジフルオロ- 7-(3-メチルピペラジン-1-イル)- 4-オキソキノリン-3-カルボン酸 |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
? |
薬物動態的データ |
血漿タンパク結合 |
10% |
半減期 |
8 時間 |
識別 |
CAS登録番号 |
98079-51-7 |
ATCコード |
J01MA07 S01AX17 |
PubChem |
CID 3948 |
DrugBank |
APRD01076 |
KEGG |
D02318 |
化学的データ |
化学式 |
C17H19F2N3O3 |
分子量 |
351.348 g/mol |
ロメフロキサシン (Lomefloxacin, LFLX) は、アボットジャパンが創製したニューキノロン系抗菌薬の一つ。塩酸塩として用いられる[1]。
日本においては処方せん医薬品として販売されており、経口剤は1990年に発売開始され[2]、「バレオンカプセル100mg、同錠200mg」(アボットジャパン)[3]、「ロメバクトカプセル」(塩野義製薬)がある[4]。 近年点眼剤や点耳薬としても開発され、「ロメフロン点眼液、同耳科用液」(千寿製薬)等がある。またイヌ用の点眼剤(ロメワン)としても販売されている。
脚注[編集]
- ^ アボットジャパン、p1。
- ^ アボットジャパン、p51。
- ^ アボットジャパン、p2。
- ^ アボットジャパン、p50。
参考文献[編集]
- “医薬品インタビューフォーム:バレオンカプセル100mg:バレオン錠200mg (PDF)”. アボットジャパン (2008年5月). 2009年10月19日閲覧。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 細菌性外耳炎に塩酸ロメフロキサシン眼科耳科用液(ロメワン、千寿製薬)を使用した3症例
- Clinic note : journal of clinical daily treatment for small animals 13(9), 100-105, 2017-09
- NAID 40021332541
- 馬の細菌性外眼部疾患に対するロメフロキサシンの有効性および安全性
- サラブレッド種競走馬の結膜炎に対するロメフロキサシン塩酸塩の効果
Related Links
- ロメフロキサシン (Lomefloxacin, LFLX) は、アボットジャパンが創製したニューキノロン 系抗菌薬の一つ。塩酸塩として用いられる。 日本においては処方せん医薬品として販売 されており、経口剤は1990年に発売開始され、「バレオンカプセル100mg、同 ...
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
バレオンカプセル100mg
組成
有効成分の名称・含量
- 1カプセル中 ロメフロキサシンとして100mg(塩酸ロメフロキサシン110.4mg)
添加物
- 乳糖水和物,カルメロースカルシウム,ヒドロキシプロピルセルロース,ステアリン酸ポリオキシル40,ステアリン酸マグネシウム
カプセル本体にゼラチン,ラウリル硫酸ナトリウム,酸化チタン含有
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- フルルビプロフェンアキセチル又はフルルビプロフェンを投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照〕
- 小児〔「小児等への投与」の項参照〕
効能または効果
適応菌種
- ロメフロキサシンに感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,淋菌,モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス,大腸菌,赤痢菌,サルモネラ属,シトロバクター属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,セラチア属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア属,インフルエンザ菌,緑膿菌,アシネトバクター属,カンピロバクター属,ペプトストレプトコッカス属
適応症
- 〇表在性皮膚感染症,深在性皮膚感染症,リンパ管・リンパ節炎,慢性膿皮症
〇外傷・熱傷および手術創等の二次感染,乳腺炎,肛門周囲膿瘍
〇骨髄炎,関節炎
〇急性気管支炎,肺炎,肺膿瘍,慢性呼吸器病変の二次感染
〇膀胱炎,腎盂腎炎,前立腺炎(急性症,慢性症),尿道炎
〇感染性腸炎
〇バルトリン腺炎,子宮内感染,子宮付属器炎
〇眼瞼膿瘍,涙嚢炎,麦粒腫,瞼板腺炎,角膜炎(角膜潰瘍を含む)
〇中耳炎,副鼻腔炎
〇歯周組織炎,歯冠周囲炎,顎炎
- 通常,成人にはロメフロキサシンとして1回100〜200mgを1日2〜3回経口投与する.
なお,感染症の種類及び症状により適宜増減する.
- 本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること.
慎重投与
- 高度の腎障害のある患者〔血中濃度が持続するので,減量又は投与間隔をあけて使用すること.(「副作用」及び「薬物動態」の項参照)〕
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣を起こすことがある.〕
- 類似化合物(キノロン系抗菌剤)に対し過敏症の既往歴のある患者
- 高齢者〔「副作用」,「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照〕
- 重症筋無力症の患者〔類薬で症状を悪化させるとの報告1)がある.〕
重大な副作用
ショック,アナフィラキシー様症状
(0.1%未満)
- ショック,アナフィラキシー様症状(呼吸困難,潮紅,浮腫等)を起こすことがあるので,観察を十分に行い,症状があらわれた場合には,投与を中止し適切な処置を行うこと.
急性腎不全
(0.1%未満)
- 急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し適切な処置を行うこと.
偽膜性大腸炎
(0.1%未満)
- 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある.腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
低血糖
(0.1%未満)
- 重篤な低血糖があらわれることがある(高齢者,特に腎障害患者であらわれやすい)ので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
横紋筋融解症
(頻度不明)
- 筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし,急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれる可能性があるので注意すること.
痙攣,口蓋弓腫脹
(0.1%未満)
- 痙攣や口蓋弓腫脹があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
アキレス腱炎,腱断裂等の腱障害
(頻度不明)
- アキレス腱炎,腱断裂等の腱障害があらわれたとの報告があるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)
(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
薬効薬理
抗菌作用
- ロメフロキサシンは,グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し,幅広い抗菌スペクトルを有し,ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,淋菌,モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス,大腸菌,赤痢菌,サルモネラ属,シトロバクター属,クレブシエラ属10),エンテロバクター属,セラチア属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア属,インフルエンザ菌,緑膿菌11),アシネトバクター属12),カンピロバクター属13),ペプトストレプトコッカス属14)に対して抗菌力を示す.
作用機序
- 細菌のDNAジャイレースに作用し,DNA合成を阻害する.抗菌作用は殺菌的であり,最小殺菌濃度は最小発育阻止濃度とほぼ一致している.
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- 塩酸ロメフロキサシン Lomefloxacin hydrochloride(JAN)
略号
化学名
- (RS)-1-Ethyl-6,8-difluoro-1,4-dihydro-7-(3-methyl-piperazin-1-yl)-4-oxoquinoline-3-carboxylic acid monohydrochloride
分子式
分子量
性状
- 白色〜微黄白色の結晶性の粉末である.
水又はエチレングリコールに溶けにくく,メタノールに極めて溶けにくく,エタノール(95)にほとんど溶けない.
水酸化ナトリウム試液に溶ける.
水酸化ナトリウム試液溶液(1→40)は旋光性を示さない.
融点
分配係数
- 0.093[pH7.4,1-オクタノール/緩衝液]
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- quinolone antibacterial agent, quinolone
- 同
- ピリドンカルボン酸系抗菌薬 pyridone carboxylic acid anti-microbials pyridone carboxylic acid antibacterial agent
- 関
- 抗菌薬、ニューキノロン
キノロン系抗菌薬
概念
- クロロキンを改良してつくられた抗菌薬をキノロン系抗菌薬と呼ぶ。
- 超らせん構造の維持に関わる酵素とDNAの複合体を安定化し、DNA鎖を切断したままにしておくことにより、生存・細胞分裂を障害する。
- キノロン系抗菌薬にフッ素を導入して改良した抗菌薬がニューキノロン系抗菌薬である。
- ニューキノロン系抗菌薬はグラム陰性菌とグラム陽性菌に対して強い抗菌力を有する。
作用機序
副作用
- 消化器症状:(5-10%)
- 発疹:(1-2%)
- 中枢神経症状:(5%)頭痛・浮動性眩暈
- 軟骨毒性:幼弱な動物で軟骨に異常をきたす → 18歳未満は注意。妊婦には使用しない。 (ABM.106)
- 日光過敏症
- 低血糖
適応
第一選択となる適応(IRE.158)