出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/06/22 00:45:40」(JST)
胃下垂(いかすい、英: gastroptosis)とは、胃が正常な位置よりも下まで垂れ下がっている状態のことを言う。症状の重い場合は、へそのあたりや骨盤の位置まで落ち込むこともある。胃、そのものの位置が変わるわけではなく、胃の上部は正常な位置にあり、下部が延びている状態である。
胃下垂は様々な要因で起こるが、「胃を支える筋肉や脂肪の少ない痩せ型で長身の人」がなりやすいと言われている。その状態で、暴飲暴食、過労、不安などによるストレスが引き金となり、胃での消化が悪くなって食物が溜まりすぎてしまったために引き起こされることが多い。その他、腹部の手術や出産などを繰り返した場合にも起こる。俗に「胃下垂は食べても太らない・痩せている人に多い」と言われている。
自覚症状に軽いものが多いため、検査を受けるまで胃下垂とは分からない場合が多い。主な自覚症状としては、以下のものが挙げられる。
レントゲン検査を行うことによって確認できる。また、外見上の変化として、腹部は窪んでいるのに下腹部が膨らむことが挙げられる。
胃は、胃液を分泌すると共に蠕動運動(ぜんどううんどう)を行うことで消化活動をしているが、胃下垂になった胃はこの蠕動運動が弱くなっているか、もしくは全く機能しなくなっている。そのため、胃に入った食物がうまく消化されなくなる消化不良になり、胃の中に食物が溜まった状態が長く続く。ひどい胃下垂になってしまった場合、その胃の消化率は通常の胃と比べて、およそ1/3まで下がると言われている。
胃に食物が長く残ることによって膨満感が続き、食欲不振になることもある。また、栄養を十分に吸収できなくなり、軽い症状としては肌荒れなど、様々なところに異常が出る恐れがある。さらに、胃は何とか内容物を消化しようと胃酸を大量に分泌するようになるため、胃酸過多となり胃炎、胃潰瘍を起こす危険性が高くなる。
さらに、脂肪や筋肉が薄い下腹部に胃が垂れ下がることで胃は冷やされるため、これに影響されて全身が冷え性になる。子宮、前立腺も冷やされ、不妊や尿が出にくくもなる。また、下腹が出ることで体の重心が崩れ、背が曲がるなど姿勢も悪くなっていく。
胃壁の筋肉の緊張が低下し、胃の働きが鈍くなる状態を胃アトニーと言う。胃下垂は胃の機能を低下させるため、胃下垂の人は胃アトニーを併発することが多い。胃アトニーになれば、胃の機能の低下がさらに促進されてしまうこととなる。こうなると病院で治療を受ける必要がある。
初期段階で症状が軽い場合は、基本的に治療は必要ない。規則正しい生活を行い、適度な運動をすることで健全な生活が送れる。腹筋を鍛え、適度な脂肪を付けることで胃が押し上げられ、正常になる場合がある。
症状が重い場合は、薬物療法などの対処が取られ、胃腸機能調整薬や消化酵素剤が投与される。さらにひどい場合には手術が行われる場合もあるが、その場合はほぼ一回で完治する。
西洋医学では胃下垂は病気として扱われない場合が多いのに比し、中医学では昔より、中気不足、中気下陥の証として扱い本格的な治療方法が確立されている。補中益気湯の処方と日常的な自分自身でできるリハビリで完治する例が数多く報告されている[1]。
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腺 | 粘膜上皮細胞 | 主細胞 | 壁細胞 | 副細胞 (頚粘液細胞) |
腸クロム親和様細胞 | D細胞 | G細胞 |
噴門腺 | ○ | ||||||
固有胃腺 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
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壁細胞 | 幹細胞 | 内分泌細胞 |
噴門部 | 噴門腺 | 浅い | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
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幽門部 | 幽門腺 | 深い | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
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胃酸分泌 | |
ソマトスタチン | D細胞 | 胃酸分泌抑制 | ||
ガストリン | G細胞 | 胃pH低下 | 胃酸分泌 |
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