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- Bordetella bronchiseptica
- 関
- ボルデテラ・ブロンキセプチカ
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気管支敗血症菌 |
B. bronchisepticaの電子顕微鏡写真
|
分類 |
ドメ
イン |
: |
細菌 Bacteria |
門 |
: |
プロテオバクテリア門
Proteobacteria |
綱 |
: |
βプロテオバクテリア綱
Betaproteobacteria |
目 |
: |
バークホルデリア目
Burkholderiales |
科 |
: |
アルカリゲネス科
Alcaligenaceae |
属 |
: |
ボルデテラ属
Bordetella |
種 |
: |
気管支敗血症菌
B. bronchiseptica |
|
学名 |
Bordetella bronchiseptica
(Ferry 1912) Moreno-López 1952 |
気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica、ボルデテラ・ブロンキセプティカ)とはボルデテラ属(Bordetella)に属する細菌であり、感染性気管支炎の原因となる[1]。気管支敗血症菌は各種動物に広く分布し長期間生活環境で持続することができる[2]。同属の近縁種にヒトに固有の百日咳を引き起こす百日咳菌(Bordetella pertussis)がある[3]。
病原性
B. pertussisやB. parapertussisとは異なり、B. bronchisepticaはヒトへは感染せず、ネコ、イヌ、ウサギなどの小型の哺乳類の気道に感染する[3][4]。
B. bronchisepticaはB. pertussisの特徴である百日咳毒素(en:pertussis toxin)を発現しないが、遺伝子によると両者は非常に近縁である[5],[6][7]。
動物における病原性
獣医学において、B. bronchisepticaは複数種の動物を宿主として病原性を示す。B. bronchisepticaとPasteurella multocidaの混合感染は発育阻害や鼻甲介の変形を引き起こす豚萎縮性鼻炎の原因となる[8]。B. bronchiseptica はイヌやウサギにおける急性気管気管支炎の原因となる[9]。B. bronchisepticaは鼻道においてよく見つけられる。B. bronchisepticaはスナッフルとして知られている無症状様感染症の原因と誤解されるが、実際はPseudomonas multocidaとB. bronchisepticaが同時に鼻腔に混合感染することを原因とする[10][4]。
出典
- 依田八治、中山一栄、遊佐智栄ほか、各種動物の気管支敗血症菌検索成績 実験動物 Vol.25 (1976) No.1 P7-11
脚注
- ^ Ryan KJ; Ray CG (editors) (2004). Sherris Medical Microbiology (4th ed. ed.). McGraw Hill. ISBN 0-8385-8529-9.
- ^ Coote JG (2001). “Environmental sensing mechanisms in Bordetella”. Adv Microb Physiol 44: 141-81. PMID 11407112.
- ^ a b Finger H, von Koenig CHW (1996). Bordetella. In: Barron's Medical Microbiology (Barron S et al, eds.) (4th ed. ed.). Univ of Texas Medical Branch. (via NCBI Bookshelf) ISBN 0-9631172-1-1.
- ^ a b 伊藤隆、伊藤格郎、伊藤冨美雄、ウサギのスナッフルの発生例 日本獣医師会雑誌 Vol.39 (1986) No.2 P107-110, 「{DOI|10.12935/jvma1951.39.107}}
- ^ Mattoo S, Foreman-Wykert AK, Cotter PA, Miller JF (2001). “Mechanisms of Bordetella pathogenesis”. Front Biosci 6: E168-86. doi:10.2741/Mattoo. PMID 11689354.
- ^ Diavatopoulos DA, Cummings CA, Schouls LM, Brinig MM, Relman DA, Mooi FR (2005). “Bordetella pertussis, the Causative Agent of Whooping Cough, Evolved from a Distinct, Human-Associated Lineage of B. bronchiseptica”. PLoS Pathog 1 (4): e45. doi:10.1371/journal.ppat.0010045. PMID 16389302.
- ^ 龜沢勝利、百日咳類似菌に就いての研究 (第2報) パラ百日咳菌及び氣管支敗血症菌免疫血清の百日咳菌に対するマウス中和實驗 北関東医学 Vol.5 (1955) No.4 P293-300, doi:10.2974/kmj1951.5.4_293
- ^ Lawhorn, Bruce. “Atrophic Rhinitis (PDF)”. Texas Agricultural Extension Service. 2006年11月23日閲覧。
- ^ Wagener, J. S., R. Sobonya, L. Minnich and L. M. Taussig (1984). Role of canine parainfluenza virus and Bordetella bronchiseptica in kennel cough. Am J Vet Res 45(9): 1862-6.
- ^ Burns, E. H., Jr., J. M. Norman, M. D. Hatcher and D. A. Bemis (1993). Fimbriae and determination of host species specificity of Bordetella bronchiseptica. J Clin Microbiol 31(7): 1838-44
外部リンク
- 牛島稔大、河合透、長尾和哉、豚からの Bordetella bronchepica および Pasteurella multocida の分離 日本獣医師会雑誌 Vol. 47 (1994) No. 6 P 390-393, doi:10.12935/jvma1951.47.390
- 秋山由美、齋藤悦子、榎本美貴ほか、【原著】コンベンショナルPCR を用いた Bordetella 属菌の一斉スクリーニング法 感染症学雑誌 Vol.87 (2013) No.6 p.721-725, doi:10.11150/kansenshogakuzasshi.87.721
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 家庭内飼育犬の上部気道感染症の病原学的調査(ウイルス学)
- 望月 雅美,谷内 安規子,大嶋 貴寿,大内 敦夫,石田 卓夫
- The journal of veterinary medical science 70(6), 563-569, 2008-06-25
- … 合には伝染性の徴候を示すことが多い.ITBの病因子は多種多様で時々複合している.本研究では呼吸器症状を呈した家庭内飼育犬68頭の検査を実施し,29.4%に当たる20頭に下記のいずれかの病原体を見出した.気管支敗血症菌(Bordetellabronchiseptica:B.b.)が最も高頻度に7頭(10.3%)の犬の鼻腔あるいは口咽頭から検出された.ウイルス検査では犬パラインフルエンザウイルス(7.4%)が最も高頻度に検出され,以下,1群犬コロナウイルス,犬ア …
- NAID 110006812732
- わが国のモルモットコロニ-における肺炎球菌,溶血レンサ球菌,サルモネラ,気管支敗血症菌およびセンダイウイルスの汚染状況〔英文〕
Related Links
- モルモットが、気管支敗血症菌に感染することで発症する気管支敗血症は、冬から春にかけて発症しやすい病気です。規則正しい生活リズムと環境を整えてあげることが重要なポイントです。
- Bordetella bronchiseptica (気管支敗血症菌) 気管支敗血症菌は、グラム陰性の短桿菌で、ラット、モルモット、ウサギ、フェレット、イヌ、ネコ、ブタおよびサル類などの呼吸器から分離される。伝播力は強く、異種動物間でも相互に伝染する。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
ボルデテラ・ブロンキセプチカ、気管支敗血症菌
- 関
- B. bronchiseptica
[★]
- ラ
- Bordetella bronchiseptica、B. bronchiseptica
- 関
- 気管支敗血症菌
[★]
- 英
- sepsis, (昔の概念→)septicemia
- 関
定義
- 感染症による全身性炎症反応症候群(SIRS)をセプシス(sepsis, 広義の敗血症?)とする
- 感染症の病原体は、一般細菌(グラム陽性菌・陰性菌)、真菌、寄生虫、ウイルスなど
- 皮膚や粘膜の傷とか、種々の臓器にある感染巣から、細菌がリンパ流から血中に入り、全身に播種されて、新たに転移性の感染巣をつくり、重篤な全身症状を引き起こす。
全身性炎症反応症候群の診断基準
- 1. 体温>38℃ or 体温<36℃
- 2. 心拍数>90bpm
- 3. 呼吸数>20回/min or PaCO2<32mmHg
- 4. (白血球数>12,000/ul or 白血球数<4,000/ul) or ( 幼若好中球>10% ) ← ここでいう幼若好中球とは桿状好中球のことである。
敗血症の周辺疾患概念
- 発熱や白血球増加などの全身の炎症の徴候によって特徴づけられる病態(SIRSの診断基準に合致する病態)
病態生理
- LPSが血液凝固を促進→血小板、フィブリノゲン、凝固因子消費 → 血栓形成 → プラスミノゲンを消費して血栓溶解 (FDP産生) →
- →出血傾向 → 皮下出血、歯肉出血、顕微鏡的血尿(出血性敗血症)
原因となる病原体
症状
- 悪寒、戦慄を伴う発熱、頻脈、頻呼吸、全身倦怠感、呼吸困難、意識障害、ショック、乏尿
- 敗血症による多臓器不全で障害を受けやすい臓器:肺、腎臓、心血管系、中枢神経系
検査
血液検査
- 白血球:12,000/ul以上のことが多い(SIRSの定義)
- 左方移動、重症例では白血球減少
- 血小板数:血管内凝固に伴い低下
- CRP:基準値以上
- 凝固系・線溶系:凝固能低下、線溶系亢進
培養
- 血液培養
- カテーテルの先端(留置カテーテルがある場合)
治療 (ICU.644)
酸素投与
敗血症における組織の酸素化
- 敗血症では細胞の酸素摂取能が損なわれている → 重症敗血症患者の組織酸素濃度がなぜ健常者よりも高くなる (ICU.645)
- 重症敗血症や敗血症性ショックにおいては
敗血症における酸素摂取量(ICU.645)
初期蘇生
- 重症敗血症や敗血症性ショックの患者に対する最初の6時間の管理目標
- 1.中心静脈庄8-12mmHg
- 2.平均動脈庄≧65mmHg
- 3.尿量≧0.5 mL/kg/h
- 4.SVO2≧70% or SCVO2≧70%
- SVO2:混合静脈血酸素飽和度、肺動脈血酸素飽和度
- SCVO2:中心静脈血酸素飽和度、上大静脈血酸素飽和度
輸液負荷
- 1. 500-1,000mLの晶質液 or 300-500mLの膠質液を30分かけて投与
- 2. 初期蘇生の目標値に達するまで、または輸液過多寸前になるまで1)を行う。
昇圧薬(ICU.646)
- 1. 輸液負荷を行っても低血圧が持続する場合、ドパミン or ノルアドレナリンを投与
- ドパミン:5-20 ug/kg/min:心拍出量増加:腹腔内蔵機の血流減少
- ノルアドレナリン:0.2-1.3 ug/kg/min:心拍出量不変、血管収縮
- パソプレシン:0.01-0.04 U/min:血管収縮薬:心拍出量減少→心不全の既往で慎重
経験的抗菌薬治療(ICU.646)
- 重症敗血症や敗血症性ショックと診断したら1時間以内に抗菌薬を静脈内投与する
- 抗菌薬投与前に少なくとも2セットの血液検体を採取 → 血液培養&感受性検査のため
- イミペネム/メロペネムの単剤
- MRSAのリスクリスク有り:イミペネム/メロペネム + バンコマイシン/リネゾリド
コルチコステロイド(ICU.646)
- 昇庄薬を必要とするすべての敗血症性ショック患者に推奨
- ヒドロコルチゾン:200-300mg用を2-3回に分割して静脈内投与もしくは経口投与、7日間継続
- 副腎不全の改善
[★]
- 英
- trachea (Z), tracheal tube
- ラ
- trachea
- 関
- 気管支、気管支の分岐、肺
解剖
- 長さ12cm、直径2cm (HIS.298)。
- C6椎体-T5椎体 / C6椎体の下部より始まりT4-T5椎体で左右の気管支に分かれる。)
- 喉頭の輪状軟骨の直下から始まり主気管支が分岐するところに終わる。 (HIS.298)
粘膜
- a. 杯細胞 goblet cell 30% 粘液物質の分泌 ムチンmucin
- b. 線毛細胞 ciliated cell 30% 核は基底部に存在 線毛と微絨毛
- c. 基底細胞 basal cell 30% 丈の低い細胞、未分化細胞
- d. その他 刷子細胞、漿液細胞、DNES細胞 など
- 2. 粘膜固有層 疎性結合組織 膠原線維、弾性線維、気管腺(混合腺)
- 3. 粘膜下組織 密生結合組織
- 4. 外膜 気管軟骨 馬蹄形(C字軟骨)後方に開いている。10-12個
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- bronchus / bronchi(pl.) (Z)
- ラ
- bronchus principalis
- 同
- 主気管支 main bronchus、一次気管支 primary bronchus
- 関
- 気管、気管支の分岐、肺区域、区域気管支
-
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- fungus、fungi、microbial
- 関
- 菌類、真菌、真菌類、微生物
[★]
- ラ
- septicus、septic
- 関
- 敗血症、敗血性