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Japanese Journal
- 試験紙法による尿検査(2)尿白血球エステラーゼ・尿亜硝酸塩・尿ウロビリノゲン・尿ビリルビン・ケトン体・アスコルビン酸 (特集 尿を科学する) -- (尿検査各論)
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- 尿ウロビリノゲンとは、ビリルビンが腸で細菌によって分解されてできたウロビリノゲンが尿中に出現したもの。 医師が使う呼び方:「ビリルビン」「ウロビリノ(ー)ゲン」
- 尿ウロビリノゲンとは、ビリルビンが腸で細菌によって分解されてできたウロビリノゲンが尿中に出現したもの。 肝臓が障害を受けると尿ビリルビン、尿ウロビリノゲンが陽性に 肝臓の異常や黄疸などを調べる検査です。 尿ビリルビンは陽性、尿ウロビリノゲンは陽性・陰性の場合には再検査を行います。 肝機能に障害があると陽性 ビリルビン の項で述べたように、ビリルビンには肝臓で処理(抱合(ほうごう))される前の間接ビリルビンと、処理されたあとの直接ビリルビンがあります。 直接ビリルビンは、肝臓でつくられた胆汁とともに腸内に入り、そこで細菌によって分解されてウロビリノゲンになり、腸から吸収されて血液中に出現し、腎(じん)臓から尿中に排泄されます。
- ビリルビンは胆汁とともに腸へ送られ、ここでウロビリノーゲンという物質に変わります。 大部分のウロビリノーゲンは便と一緒に排泄され、残りのごく一部が腸から吸収されて尿と一緒に排泄されます。 ところが、肝臓や胆道の病気、あるいは腎臓などの病気があると、尿中のウロビリノーゲンが多すぎたり(陽性)、まったくなくなったり(陰性)します。
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- urobilinogen
- 同
- ウロビリノーゲン
- 関
- エールリッヒアルデヒド試験
ビリルビン→ウロビリノゲン→ウロビリン
ビリルビンの運命
- HBC.290
- 1. ビリルビン(非極性の分子なので)は肝臓でグルクロン酸抱合される(結局、2分子のグルクロン酸と反応)。 酵素:glucuronosyltransferase, ERに局在, 基質はUDP-glucuronic acid. 別名: bilirubin-UGT。
- 2. 抱合されたビリルビンは能動輸送によって胆汁に排泄される;この部分が胆汁代謝のrate limiting。MRP-2(multidrug resistance like protein 2),別名:multispecific organic anion transporter(MOAT)が輸送に関わる。これらの輸送体はbile canalicular membrane上に存在する
- 3. 排泄された抱合型ビリルビンは腸内細菌が産生するβ-glucuronidaseにより非抱合化ビリルビンになる。
- 4. 非抱合型ビリルビンは腸内細菌によって還元され(8分子のプロトン付加)、ウロビリノゲンが産生される。
- 5. 回腸末端もしくは大腸でウロビリノゲンは吸収され、血行性に肝臓に輸送され、再び胆汁中に排泄される(腸肝循環)。
- 6-1. 血中のウロビリノゲンは腎臓で尿中に排泄される。腎臓で(おそらく一部の)ウロビリノゲンは酸化され(2分子のプロトン喪失)黄褐色のウロビリンに変換される
- 6-2. 終末回腸や大腸の細菌はウロビリノゲンを酸化してウロビリンとなり、尿中に排泄される。
きちゃないトリビア
- 排泄された糞便の色が経時的に茶褐色に変化していくのは、ウロビリノゲンが酸化されてウロビリンに変化するためである。(HBC.290)
ビリルビンの排泄の変化と疾患
胆汁酵素と黄疸
- HBC.292
|
血清ビリルビン
|
尿ウロビリノゲン
|
尿ビリルビン
|
糞ウロビリノゲン
|
正常
|
D-Bil: 0.1-0.4 mg/dL I-Bil: 0.2-0.7
|
0-4 mg/24h
|
ー
|
40-280mg/24h
|
溶血性貧血
|
↑I-Bil
|
↑
|
ー
|
↑
|
肝炎
|
↑I-Bil, D-Bil
|
閉塞ありなら↓
|
閉塞ありなら有り
|
↓
|
閉塞性黄疸
|
↑D-Bil
|
ー
|
有り
|
ー
|
[★]
- 英
- bilirubin
- 同
- ヘマトイジン、類血素 hematoidin
- 関
- 黄疸
血清ビリルビンの由来
- 70-80%が網内系での老廃赤血球の破壊に由来、20-30%が骨髄での無効増血と肝臓での代謝回転の早いヘム由来のシャントビリルビンに由来。
- 70-75%が脾臓、肝臓などで老化赤血球に由来、10-20%が骨髄の無構造血、約10%が肝臓などのヘム蛋白に由来。1日に250-300mg生成される。
- 細網系由来:ヘモグロビンは細胞内秘計でヘムとグロビンに分解され、ヘムはヘムオキシゲナーゼにより開裂切断を受けてビリベル人となり、さらにビリベル人還元酵素の作用を受けて遊離型ビリルビンになる。遊離型ビリルビンは水溶性が低いため血中で血清アルブミンと結合して存在し、肝臓に運ばれてミクロソーム内のUDP-グルクロニダーゼにより、グルクロン酸抱合されて抱合型ビリルビンとなる。抱合型ビリルビンの大部分は胆道系を経て胆汁に排泄され、一部は血液中に漏れだし、尿中に排泄される。胆汁中の縫合ビリルビンは腸内に排泄され腸内細菌により還元されウロビリノゲン隣、大部分は便中に排泄される。一部のウロビリノゲンは小腸で再吸収されて血液中に移行し、大部分は肝臓で処理され胆汁に移行(腸肝循環)するが、一部は尿中に排泄される(LAB.563)。
基準値
血清ビリルビン
- 単位:1 μmol/L = 0.058 mg/dl
(流れが分かる臨床検査マニュアル上 p.13)
HIM.A-4
- total bilirubin: 5.1-22μmolL, 0.3-1.3 mg/dl
- direct bilirubin: 1.7-6.8μmolL, 0.1-0.4 mg/dl
- indirect bilirubin: 3.4-15.2μmolL, 0.2-0.9 mg/dl
ビリルビンの吸収波長
- ■~■
臨床関連
[★]
- 英
- urine urobilinogen UU
- 関
- ウロビリノゲン、尿ウロビリノゲン、尿ビリルビン
意義
- QB.B-262(改変) OLM.41 see also LAB.185
尿ウロビリノゲン高値
- 材料産生過多、
- 溶血:肝機能が正常であれば、I-Bil↑→D-Bil↑となり材料となるビリルビンが豊富に存在することになる。
- 肝炎の回復期:ビリルビンが豊富なため
- シャント高ビリルビン血症:ビリルビンが豊富なため
- 肝細胞障害/肝機能低下:ウロビリノゲン処理能低下により、ウロビリノゲンが血中に増加し尿ウロビリノゲンが増加。
- 直接ビリルビンの増加???
- 肝内輸送障害:Dubin-Johnson症候群、Rotor症候群 ← 間接ビリルビンのみ増加し、直接ビリルビンが増加しない病態ではウロビリノゲンは動かない;Criglar-Nager症候群?、Gilbert症候群
- 腸管吸収過多
- 小腸内への細菌侵入があって、小腸でのウロビリノゲン生成が促進された場合
- 最終産物排泄増加
- アルカリ尿:腎臓におけるウロビリノゲンの再吸収が低下
- 濃縮
尿ウロビリノゲン低値
- 材料分泌減少
- 胆道閉塞(閉塞性黄疸):胆汁分泌低下
- 急性肝炎極期:胆汁分泌低下
- 材料加工不良
- 抗菌薬:腸内細菌叢の変化により腸管でのウロビリン産生が低下
- 最終産物排泄障害
- 最終産物排泄減少
- 希釈
[show details]
[★]
- 英
- urine
- ラ
- urina
- 関
- 尿浸透圧、尿量
臨床関連
尿中への代謝物質の異常排出
尿の色
- 決定する要素:ウロビリノゲン、ヘモグロビン、ミオグロビンなど
[★]
- 英
- bottle
- 関
- ビンづめ