動脈管開存症
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動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう、英: patent ductus arteriosus; PDA)とは、胎生の哺乳類で、出生後動脈管が閉鎖しなかった結果として生じる先天性心疾患。初期には大動脈から肺動脈への血液の流入(左→右短絡)により肺の血液量が増加し、左心系うっ血性心不全を示すが、病気の進行により肺動脈圧が大動脈圧を超えると肺動脈から大動脈への血液の流入(右→左短絡)が生じ、静脈血が全身に循環することにより低酸素血症を示す(アイゼンメンガー症候群)。動脈管開存症では通常の血流量より多くの血液が流れるため、肺動脈や肺静脈の血管径は拡張する。
目次
- 1 原因
- 2 症状
- 3 診断
- 4 治療
- 5 関連項目
- 6 参考文献
- 7 外部リンク
原因
動脈管が出生後も開存し続けて、肺動脈→下行大動脈への短絡(シャント)経路として機能することにより症状を示す。
症状
通常、左心系うっ血性心不全の発症がみられるまで現れない。肺と左心系への容量負荷が高まると運動不耐性や頻呼吸、咳が認められる。特有の連続性雑音が聴取される。また、大腿動脈ではバウンディングパルス(英語版)が触知される。
診断
心電図ではⅡ誘導とaVF誘導においてR波の増高が認められる。胸部X線撮影では左心房の拡大、肺血管の拡張、左心室の拡大が認められる。超音波診断では短絡血流が認められる。
治療
動脈管の切断あるいは結紮などの外科手術(結紮、コイル塞栓術)による治療が可能である。右→左短絡の場合は外科手術は禁忌。
関連項目
参考文献
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
- 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(小動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006
外部リンク
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Japanese Journal
- 動脈管開存(PDA)のカテーテル閉鎖術 (特集 Structural Heart Diseaseに対するカテーテルインターベンション)
- 心室中隔欠損,動脈管開存 (特集 わかる心電図 : 病態に迫る判読のコツ) -- (先天性心疾患)
- 青田 浩司,尾関 全,吉丸 昌秀
- 日本保険医学会誌 111(2), 115-121, 2013-06-28
- … 当社における死亡保障保険の申込みと(成立した)新契約を対象として心房中隔欠損症,心室中隔欠損症,動脈管開存症などの先天性心疾患について調査した。 …
- NAID 110009615538
Related Links
- 細い動脈管開存では生後1ヶ月くらいで遅れて自然に閉じることもありますが、それ以上経過を見ても自然に閉じることはほとんどありません。 緊急を要するオペではないので、集団生活に入る前を目安に手術をすることが多いです。
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★リンクテーブル★
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- 英
- patent ductus arteriosus, PDA
- 関
- 心室中隔欠損症、心房中隔欠損症
- 動脈管、動脈管索
まとめ
- 出生後72時間以内に閉鎖するはずの動脈管が残存することが本疾患の本態である。多くの症例では無症状であり、2LSBに連続性雑音を聴取することで診断されうる。動脈管開存の程度が大きい場合、左心系負荷、左心不全、あるいは肺高血圧によりアイゼンメンゲル症候群を来しうる(この場合のチアノーゼは下半身に起こる)。また、動脈管の圧迫により左反回神経麻痺を起こしうる。治療は動脈管結紮切離術、コイル塞栓法、(未熟児に対しては)インドメタシン投与により行う。(YN.C-123 SSUR.360)
概念
病因
疫学
- 先天性心疾患の約5-10% (YN.C-123)
- 男女比 = 1:2-3 (YN.C-123)
病態
肥大部位 PHD.380-
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RA
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RV
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LA
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LV
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ASD
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○
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VSD
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○
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PDA
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○
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○
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症候
- 左心房肥大、左心室肥大
- 左心不全
- (次第に)肺高血圧
- (肺高血圧からアイゼンメンゲル化した症例)下半身のチアノーゼ
身体所見
脈拍
聴診
- シャント量によって所見が変化する。
- 新生児期(つまり病初期)には収縮期雑音。 → 拡張期雑音が出現し連続性雑音となる(拡張期雑音は高まった動脈圧によりdriveされる動脈管から肺動脈への血流を反映。よってII音でピークとなる)。 → 肺高血圧の進行により、収縮期雑音のみとなり、IIp音が亢進。
検査
胸部単純X線写真
- 左第一弓↑、左第三弓↑、左第四弓↑
- 左第二弓↑(SPE.449)
- 肺血管陰影増強
心エコー
心カテーテル検査
- カテーテルの肺動脈から大動脈弓への到達
- 肺動脈血の酸素飽和度上昇
- 肺動脈圧上昇
心電図
- 左室肥大、V5-V6に目立つq波 (SPE.449)
治療
- 生後半年を過ぎると動脈管自然閉鎖はまれである
方針
- ガイドライン1
- 細い動脈管で心雑音のない場合(silent PDA)について治療適応かどうかは統一見解がない。
- 治療適応は連続性雑音が見られる場合であり、肺血管抵抗が高くなり右左短絡が主体で高度の肺高血圧が見られる例、あるいはEisenmenger化した例については治療適応がない。
- 治療法の選択は形態と太さによる。心エコーで評価できなければ造影CTやMRIを施行する。
- 経皮的コイル塞栓術は最小内径が2.5mm以下の場合に第一選択となり、狭窄部がない筒型や、最小内径が4mm以上の場合にはコイル塞栓症は適応とならない。窿形成を伴っている場合や、動脈管の長さが短いwindowsタイプではステントグラフト内挿術や外科手術が適応となる。
↓これは出典不明
- シャント量が小さい場合でも感染性心膜炎のリスクとなるため、全例で手術適応。
- 未熟児~乳児期に心不全を認める例:早期手術
- その他:待機的に3-6歳での手術
手術療法
- 適応:肺高血圧合併症例、易感染性や発育不全を認める症例。(SPE.450)
- 手術法:動脈管の結紮切離
interventional radiography
内科的治療
ガイドライン
- 1. 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_hamaoka_h.pdf
[★]
- 英
- patent ductus arteriosus in premature infants, patent ductus arteriosus due to prematurity
- 関
- 動脈管開存症 PDA
[★]
- 同
- DCDA, delayed closure of ductus arteriosus
[★]
- 英
- arterial duct
- ラ
- ductus arteriosus
- 同
- Botallo's duct Botallo duct Botallo管 ボタロ管 ボタロー管 ボタロー動脈管
- 関
- 卵円孔、胎児循環
[show details]
血行動態
- 右室(上半身由来の血液)から駆出された血液は10%程度が肺動脈へ、残りは大動脈に流入する。
閉鎖時期
- 生後1-2日/2-3日(QB.P-192)
- 生後半日で閉鎖し、器質的閉鎖は数日後である。(G10M.29)
動脈管閉鎖の原因
臨床関連
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- vascular, vascular system
- ラ
- systema vasorum
- 関
- 血管
[★]
- 英
- persistence
- 関
- 持続、残留性、遺残
[★]
- 英
- artery (Z)
- ラ
- arteria
- 関
- 静脈