- 英
- purine body
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図1. 主なプリン誘導体。
1:プリン、2:アデニン、3:グアニン、4:ヒポキサンチン、5:キサンチン、6:テオブロミン、7:カフェイン、8:尿酸、9:イソグアニン
プリン塩基(プリンえんき、purine base)は、プリン骨核を持った塩基である。つまり、プリン環を基本骨格とする生体物質で核酸あるいはアルカロイドの塩基性物質である。プリン体(プリンたい)とも総称される。
核酸塩基であるアデニン(図1.2)、グアニン(図1.2)などヌクレオシド/ヌクレオチド以外にもNADやFADの成分として、あるいはプリンアルカロイドのカフェイン(図1.7)、テオブロミン(図1.6)などが知られている。
目次
- 1 食品におけるプリン体
- 2 人体への影響
- 3 プリン代謝
- 4 プリンヌクレオシド / プリンヌクレオチド
- 5 関連項目
- 6 出典
食品におけるプリン体[編集]
食品中では旨味の成分であり、核酸中に多く含まれる。そのため細胞数の多いもの、細胞分裂の盛んな組織に多く存在する。プリン体の多い食品としては、以下のものが挙げられる。
食品中の100グラム当たりのプリン体含有量[1]
種別 |
mg |
肉類 |
鶏肉のレバー |
312 |
牛肉のレバー |
219 |
鶏もも肉 |
122 |
魚介類 |
煮干し |
746 |
カツオ |
211 |
クルマエビ |
195 |
野菜・穀物 |
マイタケ |
98.5 |
大豆 |
172 |
納豆 |
113 |
なお日本ではビール会社の宣伝もあって「プリン体=酒類」というイメージが強いが、アルコール飲料に関しては含有量の多いビールでも3.3mgから16.6mg程度と他の食品に比べても格段高いものではなく、特に焼酎などの蒸留酒に関しては1mg以下である。[2]
人体への影響[編集]
高尿酸血症、痛風#疫学を参照
プリン代謝[編集]
「プリン代謝」も参照
プリン代謝は核酸塩基の同化作用という意味合いの他、特に陸棲の動物においては、尿素を生成するオルニチン回路と共に体内の過剰な窒素の排泄作用においても重要である。したがって、プリン代謝には、核酸の新生経路(de novo pathway)および核酸のサルベージ経路 (salvage pathway) の他に尿酸合成を介して尿素(図1の8)を生成する経路が知られている。
生合成[編集]
プリン塩基の生合成には、新生経路(デノボ経路、de novo pathway)とサルベージ経路の二系統のプリン塩基合成経路が存在する。
新生経路は5-ホスホ-α-D-リボシル二リン酸を出発物質として、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸からリボースリン酸上にプリン骨格を構築し、中間体のイノシン酸を生成する。
イノシン酸からは、酵素によりアスパラギン酸由来のアミノ基が導入されて、アデニル酸(AMP)が、グルタミン由来のアミノ基が導入されて、グアニル酸(GMP)が生成する。
一方、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ (EC 2.4.2.7) やヒポキサンチン‐リボースリン酸転移酸素により、分解されたプリン塩基からヌクレオチドを再生するサルベージ経路からも生合成される。
分解[編集]
イノシン酸からヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼによって生成するヒポキサンチン(図1の4)はサルベージ経路で再生される一方、キサンチンオキシダーゼ(EC 1.17.3.2)により尿酸(図1の8)が生成される。尿素排泄型の動物においては尿酸はいくつかの酵素によりアラントインを経由して尿素まで分解される。
プリンヌクレオシド / プリンヌクレオチド[編集]
プリン塩基を持つ代表的なプリンヌクレオシドおよびプリンヌクレオチドの一覧を次に示す。
塩基 |
略号 |
構造式 |
DNA
or
RNA |
ヌクレオシド |
リボヌクレオチド |
デオキシリボヌクレオチド |
アデニン |
A |
|
DNA
and
RNA |
アデノシン |
アデノシン一リン酸 (AMP)
アデノシン二リン酸 (ADP)
アデノシン三リン酸 (ATP) |
デオキシアデノシン一リン酸 (dAMP)
デオキシアデノシン二リン酸 (dADP)
デオキシアデノシン三リン酸 (dATP) |
グアニン |
G |
|
グアノシン |
グアノシン一リン酸 (GMP)
グアノシン二リン酸 (GDP)
グアノシン三リン酸 (GTP) |
デオキシグアノシン一リン酸 (dGMP)
デオキシグアノシン二リン酸 (dGDP)
デオキシグアノシン三リン酸 (dGTP) |
関連項目[編集]
出典[編集]
書籍[編集]
- 長倉三郎 ほか(編)「プリン塩基」『岩波理化学辞典』第5版、CD-ROM版、岩波書店、1998年。
- 八杉龍一 ほか(編)「プリン塩基」「プリン生合成」「プリン代謝」『岩波生物学辞典』第4版、CD-ROM版、岩波書店、1998年。
- 柳田充弘「プリン塩基」『世界大百科事典』CD-ROM版、平凡社、1998年。
ウェブサイト[編集]
- ^ プリン体が多い食品と含有量
- ^ アルコール飲料中のプリン体含有量/食品・飲料中のプリン体含有量/公益財団法人痛風財団
核酸の構成要素 |
|
核酸塩基 |
プリン (アデニン、グアニン、プリン類縁体) · ピリミジン (ウラシル、チミン、シトシン、ピリミジン類縁体)
|
|
ヌクレオシド |
リボヌクレオシド
|
アデノシン · グアノシン · 5-メチルウリジン · ウリジン · シチジン
|
|
デオキシリボヌクレオシド
|
デオキシアデノシン · デオキシグアノシン · チミジン · デオキシウリジン · デオキシシチジン
|
|
|
ヌクレオチド
(ヌクレオシド一リン酸) |
リボヌクレオチド
|
AMP、GMP、m5UMP、UMP、CMP
|
|
デオキシリボヌクレオチド
|
dAMP、dGMP、dTMP、dUMP、dCMP
|
|
環状ヌクレオチド
|
cAMP、cGMP、c-di-GMP、cADPR
|
|
|
ヌクレオシド二リン酸 |
ADP、GDP、m5UDP、UDP、CDP · dADP、dGDP、dTDP、dUDP、dCDP
|
|
ヌクレオシド三リン酸 |
ATP、GTP、m5UTP、UTP、CTP · dATP、dGTP、dTTP、dUTP、dCTP
|
|
主要な生体物質
ペプチド - アミノ酸 - 核酸 - 炭水化物 - 脂肪酸 - テルペノイド - カロテノイド
テトラピロール - 補因子 - ステロイド - フラボノイド - アルカロイド - ポリケチド - 配糖体 |
|
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Japanese Journal
- 食事と高尿酸血症 (今月の特集 奥の深い高尿酸血症)
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- 一日で摂取できるプリン体の量は? 痛風=プリン体と呼ばれるほど、プリン体の影響は大きいものと考えられております。このプリン体とは、細胞の核を構成する成分のことで、人間が食する大半の食品に含まれております。
- 「プリン体」とはなんですか? プリン骨格を持つ物質の総称で、プリン塩基、プリンヌクレオシド、ATP などのプリンヌクレオチド、さらに核酸(食品中では主に旨味の成分にあたる)に含まれます。 プリン体は穀物の他 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 36歳の男性。定期健康診断で異常を指摘され来院した。喫煙歴はない。飲酒はビール350ml/日を15年間。父親が高血圧症で治療中。身長168cm、体重60kg、腹囲77cm。脈拍76/分、整。血圧144/78mmHg。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液生化学所見:空腹時血糖99mg/dl、尿酸6.8mg/dl、総コレステロール170mg/dl、トリグリセリド70mg/dl、HDLコレステロール58mg/dl。心電図に異常を認めない。管理栄養士が本人から聴取した食事内容から、摂取エネルギー量1,900kcal/日、塩分摂取量15g/日と推定した。
- 適切な指示はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107E038]←[国試_107]→[107E040]
[★]
- 47歳の男性。職場の定期健康診断で肥満を指摘され来院した。飲酒は日本酒2合/日を25年間。身長170cm、体重78kg、腹囲95cm。血圧150/90mmHg。血液生化学所見:空腹時血糖92mg/dL、尿酸8.8mg/dL、トリグリセリド220mg/dL、AST38IU/L、 ALT48IU/L、 γ-GTP97IU/L(基準8-50)。心電図で異常を認めない。腹部超音波検査で脂肪肝を認める。
- 患者への指導として適切でないのはどれか。
- a 日本酒は1合/日以下にする。
- b 60分/日の有酸素運動をする。
- c 1か月以内に10kgの減量をする。
- d 食塩摂取量は6g/日以下とする。
- e プリン体を多く含む食事は控える。
[正答]
※国試ナビ4※ [106G044]←[国試_106]→[106G046]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [111I031]←[国試_111]→[111I033]
[★]
- 痛風の栄養指導で制限すべきものはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102G022]←[国試_102]→[102G024]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095A095]←[国試_095]→[095A097]
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- purine
- 同
- [[7H-イミダゾ[4,5-d]ピリミジン]] [[7H-imidazo[4,5-d]pyrimidine]],プリン塩基 purine base
- 関
- ピリミジン、アデニン、グアニン
- ピリミジン環とイミダゾール環との縮合環からなる複素環式化合物
- プリン核を持つ塩基性化合物がプリン塩基
[★]
- 英
- body
- ラ
- corpus、corpora
- 関
- 肉体、身体、本体、コーパス、ボディー