スガマデックス
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- 2010年1月20日、筋弛緩回復薬のスガマデクスナトリウム(商品名:ブリディオン静注 200mg、同静注500mg)が製造承認を取得した。適応は、「ロクロニウム臭化物又は ベクロニウム臭化物による筋弛緩状態からの回復」である。 全身麻酔においては、骨格 筋を ...
- ブリディオン静注200mg,スガマデクスナトリウム注射液.
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ブリディオン静注200mg
組成
有効成分
含 量
添加物
禁忌
効能または効果
- ロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物による筋弛緩状態からの回復
- 本剤はロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物以外の筋弛緩剤による筋弛緩状態からの回復に対しては使用しないこと。
- 通常、成人にはスガマデクスとして、浅い筋弛緩状態(筋弛緩モニターにおいて四連(TOF)刺激による2回目の収縮反応(T2)の再出現を確認した後)では1回2mg/kgを、深い筋弛緩状態(筋弛緩モニターにおいてポスト・テタニック・カウント(PTC)刺激による1〜2回の単収縮反応(1-2PTC)の出現を確認した後)では1回4mg/kgを静脈内投与する。また、ロクロニウム臭化物の挿管用量投与直後に緊急に筋弛緩状態からの回復を必要とする場合、通常、成人にはスガマデクスとして、ロクロニウム臭化物投与3分後を目安に1回16mg/kgを静脈内投与する。
- 筋弛緩モニターによる確認ができない場合は、十分な自発呼吸の発現を確認した後はスガマデクスとして2mg/kgを投与すること。十分な自発呼吸の発現を確認する前のロクロニウム臭化物による筋弛緩に対してはスガマデクスとして4mg/kgを投与するが、筋弛緩状態からの回復が遅延することがあるため、患者の状態を十分に観察すること。なお、筋弛緩モニターによる確認ができない場合の自発呼吸の発現を確認する前のベクロニウム臭化物による筋弛緩に対する本剤の有効性及び安全性は確立されていない。
- ベクロニウム臭化物の挿管用量投与直後に緊急に筋弛緩状態からの回復を必要とする場合の本剤の有効性及び安全性は確立していない。
慎重投与
- 腎機能障害のある患者[本剤は腎排泄されるため、排泄が遅延するおそれがある。(【薬物動態】の項参照)]
- 高齢者[筋弛緩からの回復が遅延するおそれがある。(「高齢者への投与」の項参照)]
- 肝機能障害のある患者[使用経験が少ない。]
- 心拍出量の低下のある患者[筋弛緩からの回復が遅延するおそれがある。]
- 浮腫性疾患の患者[筋弛緩からの回復が遅延するおそれがある。]
- アレルギー素因のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある患者(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 呼吸器疾患の既往歴のある患者[気管支痙攣を起こすおそれがある。]
- 血液凝固障害を伴う患者[健康成人を対象とした海外試験において活性化部分トロンボプラスチン時間又はプロトロンビン時間の一過性の延長が認められている1)。]
重大な副作用
,*ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状(潮紅、蕁麻疹、紅斑性皮疹、喘鳴、血圧低下、頻脈、舌腫脹、咽頭浮腫等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに適切な処置を行うこと注)。
気管支痙攣(0.3%未満)
- 気管支痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- スガマデクスナトリウムは、ステロイド系筋弛緩剤であるロクロニウム臭化物及びベクロニウム臭化物に対して非常に高い親和性を示した(結合定数はそれぞれ15.1及び8.8×106M-1)が、スキサメトニウム塩化物水和物に対する親和性は認められなかった20)。
- ロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物がスガマデクスナトリウムに包接されることにより、筋弛緩剤の作用が阻害され、筋弛緩状態からの回復が得られる。In vitro試験において、スガマデクスナトリウムは、ロクロニウム臭化物及びベクロニウム臭化物による筋弛緩を回復させた21)。
- ロクロニウム臭化物又はベクロニウム臭化物の持続注入により、サル拇指内転筋のTOF反応の最初の反応T1が90%抑制される筋弛緩状態に維持し、持続注入の停止後に自然回復させた場合と、460nmol/kgのスガマデクスナトリウムを投与した場合の、TOF比(T4/T1の比)0.9に回復するまでの時間を比較した。TOF比(T4/T1の比)0.9に回復するまでの時間は、ロクロニウム臭化物による筋弛緩に対して、自然回復で14.5±1.1分、本剤投与後1.9±0.5分(平均値±標準誤差、n=4)であった。また、ベクロニウム臭化物による筋弛緩に対して、自然回復で23.1±1.8分、本剤投与後4.4±0.6分(n=4)であった22)。
- サルにED90(単収縮高を90%抑制する用量)の5倍用量のロクロニウム臭化物(800nmol/kg)又はベクロニウム臭化物(70nmol/kg)を投与し、拇指内転筋に深い筋弛緩を引き起こした後、生理食塩水又は1,150nmol/kg(ロクロニウム臭化物の約1.4倍、ベクロニウム臭化物の約16.4倍の濃度)のスガマデクスナトリウムを投与した(n=4)。ロクロニウム臭化物による筋弛緩に対し、TOF比(T4/T1の比)0.9に回復するまでの時間は、生理食塩水投与後28.2±3.4分(平均値±標準誤差)であったのに対し、本剤投与後7.9±1.8分と有意に短縮した。一方、ベクロニウム臭化物による筋弛緩に対し、TOF比(T4/T1の比)0.9に回復するまでの時間は、生理食塩水投与後49.0±4.7分であったのに対し、本剤投与後48.6±8.3分であった23)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- スガマデクスナトリウム(Sugammadex Sodium)
化学名
- Cyclooctakis-(1→4)-{6-S-[2-(sodium carboxylato)ethyl]-6-thio-α-D-glucopyranosyl}
分子式
分子量
性状
- 白色の粒又は粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(99.5)又はアセトニトリルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- sugammadex
- 同
- ORG25969, 6-perdeoxy-6-per(2-carboxyethyl)thio-gamma-cyclodextrin sodium salt
- 化
- スガマデクスナトリウム sugammadex sodium
- 商
- ブリディオン
- 関
- 筋弛緩薬、ロクロニウム
[show details]
概念
- 参考1より引用
- ロクロニウムの拮抗薬
- ロクロニウムとSelective Relaxant Binding Agent-スガマデックス
- 長い間、非脱分極性筋弛緩薬の拮抗にはコリンエステラーゼ阻害薬が使われてきました。コリンエステラーゼ阻害薬は神経筋接合部でのアセチルコリンを増加させて、アセチルコリン受容体で筋弛緩薬との競合的作用により筋弛緩薬の作用を拮抗させます。しかし、コリンエステラーゼ阻害薬による作用は神経筋接合部だけではありませんので、副交感神経症状が副作用として出現しますし、脳脊髄関門を通過して中枢神経に作用すると神経症状を起こす可能性があります。さらにTrain of FourのT1が出現しないような、深い筋弛緩効果がある状態では、十分なリバースが得られません。
参考
- http://medical.radionikkei.jp/suzuken/final/071018html/index3.html
[★]
- 英
- antidote
- 関
- 解毒薬
商品