ホリナート
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Japanese Journal
- UFT/ユーゼル投与により重篤な副作用をきたしたDPD低活性の1例
- 岩本 明美,岸 清志,竹本 大樹,西江 浩,前田 迪郎
- 日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association 71(11), 2791-2794, 2010-11-25
- NAID 10027749961
- Dihydropyrimidine dehydrogenase欠損症と診断された大腸癌の1例
- 鷹羽 智之,森山 仁,横山 剛,的場 周一郎,澤田 壽仁
- 日本消化器外科学会雑誌 41(12), 2075-2080, 2008-12-01
- 症例は72歳の男性で,2007年10月,直腸癌に対して腹腔鏡下低位前方切除術を行った.術後診断はtub2,pSE,pN2(6/12),cH0,cP0,cM0,fStage IIIbであった.術後補助化学療法として24病日にUFT顆粒300mg/日,ユーゼル75mg/日の内服を開始した.高度の嘔気(grade3)を訴えたために6日間で内服中止としたが,重篤な白血球減少(grade4),血小板減少(g …
- NAID 110007005906
- UFT/ユーゼル投与により重篤な副作用を来した Dihydropyrimidine Dehydrogenase (DPD) 欠損症を強く疑った1例
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- ロイコボリン,ユーゼルとは?ホリナートの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ユーゼル錠25mg
組成
成分・含量
- 1錠中 ホリナートカルシウム27mg(ホリナートとして25mg)
添加物
- 乳糖水和物、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム
禁忌
- 重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制の増悪により重症感染症を併発し、致命的となることがある。]
- 下痢(水様便)のある患者[下痢が増悪して脱水、電解質異常、循環不全を起こし、致命的となることがある。]
- 重篤な感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪し、致命的となることがある。]
- 本剤の成分又はテガフール・ウラシル配合剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
- テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中の患者及び投与中止後7日以内の患者(「相互作用」の項参照)
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
ホリナート・テガフール・ウラシル療法:
- 結腸・直腸癌に対するテガフール・ウラシルの抗腫瘍効果の増強
- 術後補助療法におけるホリナート・テガフール・ウラシル療法の有効性及び安全性は確立していない。
ホリナート・テガフール・ウラシル療法:
- 通常、成人にはホリナートとして75mgを、1日3回に分けて(約8時間ごとに)、テガフール・ウラシル配合剤と同時に経口投与する。
テガフール・ウラシル配合剤の投与量は、通常、1日量として、テガフール300〜600mg相当量(300mg/m2を基準)を1日3回に分けて(約8時間ごとに)、食事の前後1時間を避けて経口投与する。
以上を28日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。
- 本療法は食事の影響を受けるので、食事の前後1時間を避けて投与すること(「薬物動態」の項参照)。
慎重投与
- 骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強するおそれがある。]
- 肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]
- 腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある。]
- 心疾患又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 消化管潰瘍又は出血のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 耐糖能異常のある患者[耐糖能異常が悪化するおそれがある。]
- 水痘患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 他の化学療法、放射線治療を受けている患者[下痢、骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。]
- 前化学療法を受けていた患者[下痢、骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。]
重大な副作用
骨髄抑制、溶血性貧血等の血液障害
- 汎血球減少、無顆粒球症(症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等)、白血球減少、血小板減少、貧血、出血傾向、溶血性貧血等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
劇症肝炎等の重篤な肝障害(「警告」の項参照)
肝硬変
- 長期投与においてAST(GOT)、ALT(GPT)の明らかな上昇を伴わずに肝硬変があらわれることがあるので、観察を十分に行い、プロトロンビン時間延長、アルブミン低下、コリンエステラーゼ低下、血小板減少等が認められた場合には投与を中止すること。
脱水症状
- 激しい下痢があらわれ、脱水症状まで至ることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。
重篤な腸炎
- 出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛・下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
白質脳症等を含む精神神経障害
- 白質脳症(意識障害、小脳失調、痴呆様症状等を主症状とする)や意識障害、失見当識、傾眠、記憶力低下、錐体外路症状、言語障害、四肢麻痺、歩行障害、尿失禁、知覚障害等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
狭心症、心筋梗塞、不整脈
- 狭心症、心筋梗塞、不整脈(心室性頻拍等を含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸痛、失神、息切れ、動悸、心電図異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全、ネフローゼ症候群
- 急性腎不全、ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
嗅覚脱失
- 嗅覚障害があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
- 間質性肺炎(初期症状:咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を行い、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。
急性膵炎
- 急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、血清アミラーゼ値の上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重篤な口内炎、消化管潰瘍、消化管出血
- 重篤な口内炎、消化管潰瘍、消化管出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
- 皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ショック、アナフィラキシー様症状
- ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発疹、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
in vitro試験5)
- ヒト結腸癌細胞(COLO205)に対して、レボホリナートとして0.006μM濃度のホリナートを用いたin vitro試験で、フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強作用が認められている。
in vivo試験(併用投与による抗腫瘍効果増強作用)6,7)
- ヒト結腸癌細胞(KM20C、KM12C、Co-3)を移植したヌードマウスに対し、ホリナート(20mg/kg/day)とテガフール・ウラシル(テガフール20mg/kg/day)の併用でテガフール・ウラシル単独投与群に比較して抗腫瘍効果増強作用を示す。
作用機序
- テガフール・ウラシルはフルオロウラシルのプロドラッグであるテガフールにフルオロウラシルの分解阻害作用を有するウラシルをモル比1:4(テガフール:ウラシル)で配合した抗悪性腫瘍剤である。ホリナートの光学活性体(l体)であるレボホリナートはBiochemical Modulationによりフルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強させる。フルオロウラシルは活性代謝物であるフルオロデオキシウリジン一リン酸(FdUMP)が、チミジル酸合成酵素(Thymidylate synthase:TS)と結合し、TS活性を阻害することにより、チミジル酸合成を抑制しDNA合成を阻害する。レボホリナートは細胞内で還元され、5,10-CH2-THFとなる。この5,10-CH2-THFはFdUMP、TSと強固な三元複合体(Ternary complex)を形成し、TSの解離を遅延させることにより、フルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強させる。従って、ホリナートとテガフール・ウラシルの併用により、テガフールの分解産物であるフルオロウラシルの抗腫瘍効果が増強される。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ホリナートカルシウム(Calcium Folinate)
(別名:ロイコボリンカルシウム)
化学名
- Monocalcium N-{4-[(2-amino-5-formyl-4-oxo-1,4,5,6,7,8-hexahydropteridin-6-yl)methylamino]benzoyl}-L-glutamate
分子式
分子量
性状
- 白色〜淡黄色の結晶性の粉末である。
水にやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- antidote
- 関
- 解毒薬
商品
[★]
- 英
- folinate
- 化
- ホリナートカルシウム, calcium folinate
- 商
- ロイコボリン、ユーゼル
- 関
- フォリン酸