- 55歳の男性。人間ドックで眼底の異常を指摘され来院した。左の眼底写真を以下に示す。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 60歳の男性。物忘れを主訴に家族に伴われて来院した。1年前から物忘れを訴えていたが徐々に増悪し、最近では大事な約束を忘れたり物の置き忘れが目立っている。診察時、意識は清明で病歴聴取にも協力的であるが、学歴や職歴など患者自身に関する質問に対して想起できなかったり誤りが目立つ。この患者の記銘力を調べるのに適切な問い掛けはどれか。
- a. 「今日は何月何日ですか。」
- b. 「りんごとみかんの類似点は何ですか。」
- c. 「日本の首都はどこですか。」
- d. 「100から7を引いてください。」
- e. 「これから言う数字を逆から言ってください。2-8-6。」
[正答]
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[★]
- 25歳の男性。倦怠感を訴えて、夜8時ころ来院した。生来健康であったが、最近1か月は毎日3~4時間の超過勤務を行っているという。食欲は旺盛で、便通に異常はない。身体診察では特に異常所見はなく、血球検査と尿検査とに異常所見がない。血清生化学検査は時間外のためにできないので、血液を全血の状態で冷蔵庫に保存した。
- 翌日遠心分離して検査を行うと患者の本来の値より著しい高値を示すのはどれか。
[正答]
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[★]
- 英
- diabetic retinopathy, DR
- ラ
- retinopathia diabetica
- 同
- 糖尿病性網膜症
- 関
- 糖尿病、福田分類
[show details]
疫学
- 糖尿病の有病率は740万人(2002年の厚生労働省統計)で、糖尿病網膜症はその30-50%が罹患している。
- 罹病期間が10年以上の糖尿病患者の約50%が何らかの網膜症を有し、全糖尿病患者の少なくとも1%が失明。
- 糖尿病性網膜症は、未治療で経過した場合、7年で50%、20年以上で90%以上が発症する。25年以上では網膜症を有する患者の25%が増殖網膜症となる。
遺伝形式
病変形成&病理 SOP.138
- 細小血管 = 内皮細胞 + 基底膜 + 周皮細胞
- 糖尿病により細小血管が傷害される。
- 1. 基底膜の肥厚と周皮細胞の消失 → 周皮細胞の消失により血管壁は薄くなり、脆弱化が進行する。
- 2. 内皮細胞の増殖 → これにより毛細血管瘤が形成
- 3. 2.がみられるころに、血管網膜関門の破綻により硬性白斑が形成される
- 4. 1-3.により血流障害、血栓形成をきたし血管床閉塞を生じる
病理変化
分類
眼底所見による分類
- SOP.138-139
[show details]
- 2. 前増殖網膜症:病変が進行し毛細血管の閉塞が進行している状態
- 新生血管:毛細血管の閉塞に続発した虚血性変化。最初は網膜内で発育。
- 軟性白斑(綿花様白斑):毛細血管の閉塞に続発した虚血性変化。神経線維層の梗塞。網膜神経線維の虚血による軸索の膨化(CBT QB vol2 p.495)。網膜表層は白色の混濁を呈し、境界は硬性白斑よりも不鮮明。
- 火焔状網膜出血、静脈異常、網膜内細小血管異常(IRMA)。(出典不明)
- 3. 増殖網膜症 :血管床の閉塞が拡大し網膜虚血が進行し、網膜硝子体に血管新生を発症したもの
- 新生血管増殖:網膜内から内境界膜を貫き、網膜表面~硝子体に向かって成長していく
- 硝子体出血:新生血管により網膜と後部硝子体膜とが癒着し、この状態で硝子体剥離が生じると、新生血管が牽引され破綻する。
- 増殖膜の形成:
- 牽引性の網膜剥離:硝子体剥離だけでなく、網膜を剥離して牽引性の網膜剥離を生じる。
- 網膜前出血。(出典不明)
David分類
- DMR.200
- 1. 単純糖尿病網膜症 :毛細血管瘤、点状・斑状出血、火焔状出血、少数の軟性白斑
- 2. 増殖前糖尿病網膜症:多発する軟性白斑、網膜内細小血管異常、静脈異常、無灌流域
- 3. 増殖糖尿病網膜症 :新生血管、硝子体出血、線維血管性増殖組織、牽引性網膜剥離 ← 網膜の中ではなく、網膜上の新生血管
参考
- http://www.nmckk.jp/pdf/thesis/JJCD/024/007/JJCD_024_007_1051.pdf
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