出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/05 14:30:36」(JST)
脳: 脳回 | |
---|---|
脳表面にある凹凸のうち、凸の部分のことを脳回と言う。
大脳表面。ヒト(上)とチンパンジー(下)。
|
|
名称 | |
日本語 | 脳回 |
英語 | 単:Gyrus, 複:gyri |
関連構造 | |
上位構造 | 大脳、大脳皮質 |
関連情報 | |
NeuroNames | 関連情報一覧 |
グレイの解剖学 | 書籍中の説明(英語) |
テンプレートを表示 |
脳回(のうかい、英: Gyrus, 複数形:gyri、回転、単に回とも)は、大脳皮質にある『しわ』の隆起した部分。脳回は一般的に1つ、ないし複数の脳溝に囲まれている。
大脳表面の凹凸は一見無規則に見えるが、配列に一定の規則性があり、種間または個体間で共通性の見られる構造に解剖学上の名称が与えられている。各脳回の名称については#主な脳回および#記事最下部の一覧を参照。
脳への関心は古くからあったが、大脳表面の凹凸の構造の規則性が理解されだしたのは、19世紀も半ばになってからである[1]。
1684年、フランスの解剖学者レイモンド・ビューサンによって描かれた大脳表面。まだ規則性のない、腸を詰め込まれたようなものとして描かれている。
1918年、グレイの解剖学に描かれた大脳外側面の図。脳回と脳溝の特徴が描かれ、各部に名称が与えられている。
2008年。脳のMRIデータ。2000年ごろから、脳のMRI撮影データに対し、プログラムを用いて自動で脳回・脳溝へ領域分けができるようになってきている。ただし区分け精度がそれほど高くなく、質の向上が研究課題とされている[2]。
脳回は個体発生の過程で成長していく。脳回のパターンは個体差が大きく、同一個体の左半球、右半球でも、よく似たパターンを描きはするが完全には一致しない。異なる個体の間でパターンの相関性が最も高いのは一卵性双生児の間である[3]。脳回と脳溝のパターンの多様性の内、遺伝的に説明できる部分は1割程度であり、残りの部分は発生過程にある何らかの別の要因によって決定されていると考えられている。
脳回の発達異常を伴う病気がある。ひとつひとつの脳回のサイズが小さく多数の脳回がある状態は多小脳回(たしょうのうかい、polymicrogyria)、また大脳表面の隆起がなくなり平らな状態は滑脳症(脳回欠損、lissencephaly)と言われる。
グレイの解剖学 図 726 - 左大脳半球の外側面を横から見た図
グレイの解剖学 図 727 - 左大脳半球の内側面
ウィキメディア・コモンズには、脳回に関連するメディアがあります。 |
表・話・編・歴
|
||
---|---|---|
外側面 | 外側溝内部 | 内側面 - 上部 |
上前頭回
中前頭回
弁蓋部
+
三角部
+
眼窩部
ll
下前頭回
中心前回
中心後回
上頭頂小葉
下頭頂小葉
ll
縁上回
+
角回
後頭回
上側頭回
中側頭回
下側頭回
|
島回
横側頭回
|
舌状回
楔部
楔前部
中心傍小葉
帯状回 (前部+後部)
上前頭回
脳梁
梁下野
梁下回
|
脳底部 - 眼窩面 | 脳底部 - 側頭葉下面 | 内側面 - 下部 |
眼窩回
直回
嗅球
|
鉤
下側頭回
紡錘状回
海馬傍回
|
歯状回
紡錘状回
鉤
海馬傍回
|
|
この項目は、医学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:医学/Portal:医学と医療)。 |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
関連記事 | 「大脳」「回」「脳回」 |
優位半球 | 劣位半球 | |
左 | 右 | |
側頭葉 | 感覚性失語、Wernicke失語、同名性上1/4半盲 | |
頭頂葉 | 対側の感覚 | |
ゲルストマン症候群(手指失認、左右識別障害、失算、失書) | 半側空間無視、病態失認、自己身体失認など | |
前頭葉 | 対側の運動麻痺、眼球運動(対側への追視)障害、運動性失語、知的及び精神的高次機能障害など | |
後頭葉 | 対側の同名半盲、両側後頭葉の障害ではアントン症候群 | |
小脳 | 筋共同運動障害、運動・平衡障害に関係し、運動失調を呈する。測定異常、反復拮抗運動障害、筋緊張低下、運動過多、歩行異常、異常姿勢、発語障害、眼振など |
.