ベクロニウム
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
マスキュラックス静注用4mg
組成
- マスキュラックス静注用4mg:1管 ベクロニウム臭化物4.0mg含有
添加物
- D-マンニトール24.5mg、無水クエン酸、リン酸水素ナトリウム水和物、pH調整剤を含有
- なお、マスキュラックス静注用4mg(4mg/管)には、溶解液として日局注射用水1管(1mL)を添付してある。
禁忌
- 本剤の成分又は臭化物に対して過敏症の既往歴のある患者
- 重症筋無力症、筋無力症候群の患者[これらの患者では非脱分極性筋弛緩剤に対する感受性が極めて高い。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある患者(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 通常、成人には初回量ベクロニウム臭化物として0.08〜0.1mg/kgを静脈内投与し、術中必要に応じて0.02〜0.04mg/kgを追加投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
注射液の調製法
マスキュラックス静注用4mg(4mg/管)
- 静脈内投与に際しては、1管を添付溶解液(日局注射用水1mL/管)に用時溶解して用いる。(溶解後のベクロニウム臭化物含有量:4mg/mL)
マスキュラックス静注用10mg(10mg/バイアル)
- 静脈内投与に際しては、1バイアルを日局注射用水5mLに用時溶解して用いる。(溶解後のベクロニウム臭化物含有量:2mg/mL)
慎重投与
- 呼吸困難及び気道閉塞のある患者[換気不全により、患者の自発呼吸の再開が遅れるおそれがある。]
- 肝疾患、胆道疾患又は腎疾患の患者[本剤の排泄が遅れるため作用が遷延することがある。]
- 気管支喘息の患者[喘息発作、気管支痙攣を起こすおそれがある。]
- 電解質異常(低カリウム血症、低カルシウム血症、高マグネシウム血症等)、低蛋白血症、脱水症、アシドーシス、高炭酸ガス血症の患者[本剤の作用が増強されるおそれがある。]
- 高血圧症の患者[血圧上昇を起こすおそれがある。]
- 低体温麻酔及び低体温灌流法による人工心肺使用の患者[作用の遷延を起こすおそれがある。]
- 重症筋無力症、筋無力症症候群の患者を除く神経筋疾患の患者(筋ジストロフィー、筋緊張症候群、先天性ミオパシー、脊髄性筋萎縮症、ギラン・バレー症候群等)又はポリオ罹患後の患者[本剤の作用の増強又は減弱が生じることがある。]
- 心拍出量の低下が認められる患者[作用発現時間が遅延し、また作用が遷延することがある。]
- 肥満の患者[実体重で投与量を算出した場合、作用持続時間が延長し回復が遅延することがある。]
- 熱傷の患者[筋弛緩剤の作用が抑制されることが知られている。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 新生児及び乳児(「小児等への投与」の項参照)
重大な副作用
ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状(気道内圧上昇、血圧低下、頻脈、全身発赤等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
遷延性呼吸抑制(頻度不明)
- 遷延性呼吸抑制があらわれることがある。このような場合には、自発呼吸が回復するまで呼吸管理を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
気管支痙攣(頻度不明)
- 気管支痙攣を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
神経筋遮断作用
- ベクロニウム臭化物は神経筋接合部の終板に作用し、アセチルコリンによる神経から筋への興奮伝導を遮断することにより、非脱分極性神経筋遮断作用を示すことが認められている。
- 摘出ヒナ二腹頸神経筋による実験で、ベクロニウム臭化物は多重神経支配下の筋線維を同時に収縮させることなく、間接的刺激によるtwitch responseあるいはアセチルコリンによる反応を抑制した9)。
- 麻酔下のイヌによる実験において用量反応曲線よりED90を求めた結果、ベクロニウム臭化物の神経筋遮断作用はパンクロニウム臭化物の約1.6倍、d-ツボクラリンの約9.3倍であり、また、ED90の3倍量を投与した場合、両剤よりもその作用持続時間は有意に短いことが認められた10)。
- 麻酔下のラット、ネコ及びサルによる実験で、ベクロニウム臭化物の作用発現時間は投与量等の条件の相違により成績に差はあるが、パンクロニウム臭化物と比べ同等ないしやや速く、2〜8分であった11)。
- 麻酔下のサルにベクロニウム臭化物(7, 8.5, 10μg/kgの各濃度)を6回連続静脈内投与したが、2回目以降の作用持続時間はほぼ一定で蓄積性は認められなかった11)。
- 麻酔下のラットによる実験でネオスチグミンはベクロニウム臭化物の筋弛緩作用に拮抗し、その程度はパンクロニウム臭化物に対する拮抗と同程度であった12)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ベクロニウム臭化物(Vecuronium bromide)
化学名
- (+)-1-(3α,17β-Diacetoxy-2β-piperidino-5α-androstan-16β-yl)-1-methylpiperidinium bromide
分子式
分子量
性状
- 白色〜わずかに赤みを帯びた白色の結晶性の粉末である。エタノール(99.5)、ジクロロメタンに極めて溶けやすく、酢酸(100)に溶けやすく、水、アセトンに溶けにくく、酢酸エチル、ジエチルエーテルにはほとんど溶けない。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 筋弛緩薬。鎮けい剤
商品
- アフロクアロン
- クロルフェネシン:脊髄の多シナプス反射経路中の介在ニューロンを選択的に抑制することにより骨格筋の痙縮を緩解する。除脳固縮(γ-固縮)及び貧血性除脳固縮(α-固縮)を共に緩解する。
- チザニジン:チザニジンは中枢性のアドレナリンα2作動効果を有し、脊髄及び脊髄上位中枢に作用して、固縮緩解作用、脊髄反射抑制作用等の筋緊張緩和作用を有する。
- エペリゾン:脊髄において単及び多シナプス反射を抑制すると共に、γ-運動ニューロンの自発発射を減少させ、筋紡錘の感度を低下させることで、メフェネシンよりも強力な骨格筋弛緩作用を発揮する。また、中脳毛様体及び後部視床下部を介する脳波覚醒反応を抑制する作用や、血管平滑筋のCa2+チャネル遮断や交感神経活動の抑制を介して、皮膚・筋や脳への血流量を増大させる作用もある。脊髄レベルにおける鎮痛作用も有する。3)
[★]
- 英
- vecuronium
- 化
- 臭化ベクロニウム vecuronium bromide Vb
- 商
- マスキュラックス
- 関
- 筋弛緩薬
[★]
- 英
- trout
- 関
- チャー、イワナ属
[★]
- 英
- rack
- 関
- 試験管立て