- 英
- prolactin secretion abnormal disease
- 同
- PRL分泌異常症
- 関
- プロラクチン
概念
- 下垂体からのプロラクチンの分泌が過剰もしくは低下した病態である。
- 難病であり、特定疾患治療研究事業の対象疾患である。
==疫学
- 13,000人と推定されている(参考2)
- 生殖年齢の女性に多い(参考2)
病因
- プロラクチン分泌過剰症:下垂体のプロラクチン産生細胞の異常、あるいは視床下部の調節機構の異常によりおこるが、最も多い原因はドパミン拮抗作用を持つ薬物の影響、次いでプロラクチン産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)である。
分類
検査
プロラクチン分泌過剰症
- 基礎血中プロラクチン値(早朝空腹時):≧20ng/ml以上。≧200ng/ml以上はプロラクチン産生下垂体腺腫が示唆され、視床下部性、薬剤性ではまずない。微小下垂体腺腫では30-100ng/mlの場合がある。慢性腎不全では100-200ng/mlであることがある。
- プロラクチン日内変化の消失:正常では夜間睡眠時高値
- TRH負荷試験:正常↑、プロラクチン産生下垂体腺腫→、機能性高プロラクチン血症↑、視床下部障害→(半数例)
- 抗ドーパミン剤,スルピリドやドンペリン:プロラクチン産生下垂体腺腫→、視床下部障害例→、機能性高プロラクチン血症↑、
- (微小下垂体腺腫例)TRH↑、スルピリド↑となる場合がある。
プロラクチン分泌低下症
診断基準
プロラクチン分泌過剰症
-
- a) 女性:月経不順・無月経、不妊、乳汁分泌、頭痛、視力視野障害
- b) 男性:性欲低下、陰萎、頭痛、視力視野障害、女性化乳房、乳汁分泌
- 血中PRL 基礎値の上昇:複数回、安静時に採血し免疫学的測定法で測定して、いずれも20ng/ml 以上を確認する。
- 確実例:(1)の1項目を満たし、かつ(2)を満たすもの。
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/319
- http://rhhd.info/about/prolactin
UpToDate Contents
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- 1. 高プロラクチン血症の原因causes of hyperprolactinemia [show details]
…does not increase prolactin secretion . Therefore, prolactin may be measured after a breast exam. Stress of any kind, physical or psychological, can cause an increase in the serum prolactin concentration …
- 2. 高プロラクチン血症の臨床症状および評価clinical manifestations and evaluation of hyperprolactinemia [show details]
…decreased prolactin clearance. Macroprolactin is native prolactin that is bound to immunoglobulin G (IgG) and is usually 150 to 170 kDa in size, compared with 23 kDa for monomeric prolactin . This entity …
- 3. 高プロラクチン血症のマネージメントmanagement of hyperprolactinemia [show details]
…to lower the serum prolactin low enough to resolve the galactorrhea. This may not require lowering prolactin into the normal range for the galactorrhea to remit. If the serum prolactin concentration has …
- 4. 妊娠中の乳腺刺激腺腫(プロラクチン産生腫瘍)のマネージメントmanagement of lactotroph adenoma prolactinoma during pregnancy [show details]
…measure prolactin in women with both macro- and microadenomas every three months during pregnancy because we find it reassuring if the prolactin does not increase above 400 ng/mL. If the prolactin does increase …
- 5. ゴナドトロピン産生下垂体腺腫,およびその他の臨床的に非機能性の下垂体腺腫の臨床症状および診断clinical manifestations and diagnosis of gonadotroph and other clinically nonfunctioning pituitary adenomas [show details]
…and obstruct the normal inhibitory hypothalamic influence on the prolactin-producing cells, resulting in modestly elevated serum prolactin concentrations (usually <100 ng/mL but sometimes as high as 200 …
Japanese Journal
- プロラクチン分泌異常症の診断と治療 (特集 厚生労働省難治性疾患研究から得られた日本の難病の現状 : 内分泌系4領域の研究成果) -- (間脳下垂体機能障害)
- 高プロラクチン血症と性機能 (プロラクチン分泌異常症<特集>)
- 非腫瘍性プロラクチン分泌亢進症 (プロラクチン分泌異常症<特集>)
Related Links
- プロラクチンが過剰に分泌される原因には、薬剤や甲状腺の機能低下、下垂体や視床下部の異常などがあります。 下垂体の異常として、プロラクチン産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)というプロラクチンを多量に分泌する腫瘍ができていることがあります。
- 下垂体性PRL分泌亢進症(プロラクチノーマ)とはどのような病気ですか. プロラクチノーマは、乳汁分泌の作用があるホルモンであるプロラクチンが過剰に産生される下垂体腫瘍です。. 高プロラクチン血症により月経異常や不妊症となり、妊娠・出産していないのに乳汁漏出がみられます。. 2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか. 平成11年度(1999年度)の ...
- 内分泌疾患分野 プロラクチン分泌異常症 1. 概要 下垂体腺腫、視床下部障害、あるいは種々の薬物など多様な原因により血中プロラクチンが上昇し、 その結果女性では無月経、乳汁漏出などの症状が、男性では性欲低下などを発生
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★リンクテーブル★
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プロラクチン分泌異常症
[★]
プロラクチン分泌異常症
[★]
- 英
- prolactin (Z), PRL, lactotrophic hormone (Z)
- 関
- ホルモン、下垂体前葉ホルモン
分類
性状
- ペプチド
- 199 aa., 198aa 21.5kDa(HIM.2204)
- 成長ホルモン、hPL(human placental lactogen)に構造が似る → common GH-PRL-hPL precursor gene on chromosome 6
産生組織
- 下垂体前葉:lactrope(20%を占める)で産生される。lactropeはsomatotropeと同じ前駆細胞に由来するので、GHとPRLを産生する線種もある。lactropeのpopulationはエストロゲンの影響下にあって、また妊娠のlast two trimestersおよび授乳期の最初の2,3ヶ月に過形成が起こる。(HIM.2204)
- わずかに下記組織で産生される (SP.888)
標的組織
生理作用
- プロラクチンの生理作用はエストロゲンにより阻害される(SP.888) ← 分娩後に初めて乳汁産生が起こる
HIM.2204
- プロラクチンは乳汁分泌を維持し、生殖機能を低下させ、性的衝動を減退させる。
- これらの機能は、母体の乳汁分泌を持続し妊娠によって中断しないことを確実にすることにかなう。
- プロラクチンは視床下部のGnRHや下垂体でのGnHの分泌を抑制し、男女ともに視床下部のステロイド合成を減少させる。
- 卵巣では、卵胞形成を阻止し、顆粒層細胞のアロマターゼ活性を抑制し、低エストロゲン症と無排卵をきたす。
- プロラクチンは黄体退縮作用を持ち、月経周期の黄体周を短縮させ、あるいは不十分にする。
- これらのホルモンの変化により性欲が減退し、生殖力が低下する。
作用機序
分泌調節
- プロラクチンの分泌制御はユニークであり、ドパミンによるD2受容体を介した抑制を受ける。
- プロラクチンは視床下部に対して抑制的に作用し、間接的に下垂体前葉からのプロラクチン放出が抑制される (短環フィードバック)
- 視床下部からドーパミンが放出され、下垂体前葉に対し抑制的に作用する。
SP.889改変
HIM.2204
- パルス状に分泌
- REM睡眠時に分泌↑ ← 成長ホルモンと似ている?
- 血中濃度のピークは朝方(4-6時)で、30ng/ml
- 半減期は50分
妊娠・出産との関連
- 授乳する場合、出産後3-4ヶ月かかって緩やかに下降。 → 同時期の月経再開と関連
基準値
検査の本?
- 小児(10歳まで) 1.2-12ng/ml
- 成人女性 1.5-15ng/ml
- 成人男性 1.5-10ng/ml
- 高齢者(70歳以上) 1.2-15ng/ml
- 以上、WHO 1st IRP-PRL(75/504)を標準品とした値。なお、妊婦、産褥期には高値となりこの基準値はあてはまらない
HIM.2204
- 10-25 ng/ml (女性)
- 10-20 ng/ml (男性)
検査
臨床関連
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- aberrance, aberration, abnormity, anomalia, anomalo, anomaly, bad condition, defect, glitch, malfunction, trouble, uniqueness, vitium
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- 英
- sis, pathy
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- 英
- pro
[★]
- 英
- secretion defect
- 関
- 分泌障害