出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/10/18 09:26:42」(JST)
この項目では、数学における集合について説明しています。クルアーンのスーラについては「集合 (クルアーン)」をご覧ください。 |
数学における集合 (しゅうごう、英: set, 仏: ensemble, 独: Menge) とは、大雑把に言えばいくつかの「もの」からなる「集まり」である。集合を構成する個々の「もの」のことを元 (げん、英: element; 要素) という。
集合は、集合論のみならず現代数学全体における最も基本的な概念の一つであり、現代数学のほとんどが集合と写像の言葉で書かれていると言ってよい。
慣例的に、ある種の集合が系 (けい、英: system) や族 (ぞく、英: family) などと呼ばれることもある。実際には、これらの呼び名に本質的な違いはないが細かなニュアンスの違いを含むと考えられている。たとえば、方程式系(「相互に連立する」方程式の集合)、集合族(「一定の規則に基づく」集合の集合)、加法族(「加法的な性質を持つ」集合族)など。
集合は「もの」の「集まり」である。集合の元(要素)として集められる対象となる「もの」は、数、文字、記号などをはじめ、どんなものでも(もちろん集合でも)構わない。
一方で、どんな「集まり」でも集合と呼んでよいわけではない。その「集まり」が集合と呼ばれるためには、対象が「その集まりの元であるかどうかが不確定要素なしに一意に決定できる」ように定義されていなければならない。
たとえば、トランプのスート全体 {♠, ♦, ♣, ♥} やトランプの数字全体 {A, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, J, Q, K} は集合の例である。トランプは(ジョーカーを除いて)これらの組
を符牒とする52枚のカードであるが、これもまた集合の一例になっている。とくにこれはスートの集合と数字の集合との直積集合の例であり、また 52 というのはこの集合の濃度を表している。また、先のスートの集合、数字の集合の濃度はそれぞれ 4, 13 である。
A | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | J | Q | K | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
♠ | (♠,A) | (♠,2) | (♠,3) | (♠,4) | (♠,5) | (♠,6) | (♠,7) | (♠,8) | (♠,9) | (♠,10) | (♠,J) | (♠,Q) | (♠,K) |
♦ | (♦,A) | (♦,2) | (♦,3) | (♦,4) | (♦,5) | (♦,6) | (♦,7) | (♦,8) | (♦,9) | (♦,10) | (♦,J) | (♦,Q) | (♦,K) |
♣ | (♣,A) | (♣,2) | (♣,3) | (♣,4) | (♣,5) | (♣,6) | (♣,7) | (♣,8) | (♣,9) | (♣,10) | (♣,J) | (♣,Q) | (♣,K) |
♥ | (♥,A) | (♥,2) | (♥,3) | (♥,4) | (♥,5) | (♥,6) | (♥,7) | (♥,8) | (♥,9) | (♥,10) | (♥,J) | (♥,Q) | (♥,K) |
集合を表すプレースホルダにはしばしばラテン文字の大文字 A, B, ..., E, F, ..., M, N, ..., S, T, ..., X, Y, ... など[1]を使い、集合の元は(とくに集合を表すのに使った文字に対応する)ラテン小文字 a, ..., e, ..., m, ..., s, ..., x, ... とすることが多い[2]。
集合と元、集合と集合などの間には含んだり含まれたりといった素朴な関係を考えることができる。
帰属関係と包含関係は異なる概念であって、混同してはならない。例えば、X ⊂ Y ⊂ Z ならば必ず X ⊂ Z であるが、X ∈ Y ∈ Z からは X ∈ Z は必ずしも導かれない。また、x ∈ A ⊂ B ならば x ∈ B であるが、x ⊂ A ∈ B からは x ∈ B を帰結することは一般にはできない。
集合の記法には、おおまかに2通りの方法がある。論理的な概念として「外延と内包」というものがあるが、ほぼそれに対応するもので、その要素をすべて列挙するという方法と、その集合に含まれるのであれば必ず満たされ、含まれないのであれば必ず満たされない条件を明示するという方法である。
すべて列挙する方法では、例えば、1, 3, 5, 7, 9 からなる集合は、
と表記する。
属するためにみたすべき条件を明示する方法では、例えば、10 未満の正の奇数全体の集合を、
と表記する。一般に、条件 P(x) があったとき、それをみたす対象だけを全て集めた集合を、
と表記する。ここでは x という変数を用いているが、{ y | P(y) } と書いても { a | P(a) } と書いても構わない。set-builder notation(en:Set-builder notation)やset comprehension、日本語では内包表記などとも言う。前述のようにそれぞれ、論理的な概念の外延と内包に由来するものであり日本語圏では数学分野でも今もそれらの語がよく使われているが、英語圏ではそれぞれの原語であるextensionとintensionはこの分野では今はあまり見なくなっている。
条件 P(x) は「x が X の元であって、さらに条件 Q(x) を満たす」というような形で与えられることが多い[3]が、このとき定まる集合を {x | x ∈ X かつ Q(x)} のように書く代わりに、しばしば簡単に
などと略記する。集合 {x ∈ X | Q(x)} は X の部分集合となる。また、条件 P(x) が「条件 Q(y) を満たすようなある y を用いて x = f(y) と表すことができる」というような形のときは、集合 { x | P(x) } を
のように表すこともある。
要素を外延的に書きつくせないような集合、例えば自然数全体の集合を
のように書き表すこともあるが、"..." による省略部分は誤解を生じる余地があるため、このような記法はその省略された内容の意味が明らかである場合に限られる。
A, Bを任意の集合とするとき、もし任意の集合Xについて「XがAの要素であるならば、そのときに限りXはBの要素である」が成り立つならば、AとBは等しい、とする。すなわち、
である。
直感的な説明としては、たとえば、{1, 3, 5, 7, 9} と { x | x は 10 未満の正の奇数 } は異なる表現だが、どちらも自然数 1, 3, 5, 7, 9 を要素とする集合であるので、等しい集合だとする、ということである。
数学では、1 つも要素を持たないような集合も考える。外延性の原理によれば、このような集合はただ一つしか存在しないので、これを空集合 (英: empty set) といい ∅ で表す。∅ は任意の集合 A の部分集合である。なぜなら、任意の対象 x に対して x ∉ ∅ より x ∈ ∅ ⇒ x ∈ A は真だからである。空集合の他にも決まった記号によって表される集合がいくつかある:
有限個の元からなる集合を有限集合 (ゆうげんしゅうごう、英: finite set) と呼び、集合 A の元の個数を #(A), |A|, card(A) などの記号で表すことが多い。有限集合でない集合を無限集合 (むげんしゅうごう、英: infinite set) という。無限集合に対しても「個数」の概念を広げて、濃度 (のうど、英: potency) 、または基数 (きすう、英: cardinal number, 英: cardinality) というものを考える。個数を数える代わりに、ある集合を使って、その元で別の集合をラベル付け (英: indexing; 添字付け) して、一対一の対応がとれるかどうかを調べるのである。そうすると有限集合の濃度はちょうど元の個数で決まるので、ちゃんと無限集合への「個数」の拡張となる概念が定まっていることが確認できる。
無限集合はどれも「無限個」の元を持っているわけだが、どの無限もみな同じというわけではなく、濃度の概念ではたくさんの無限を区別して扱うことになる。たとえば、自然数と有理数が同じ濃度を持つ、自然数と実数は真に異なる濃度を持つといったような事実は数学を学ぶ者にとってよく知られた内容である。同様の事実に、平面 R2 と数直線 R は同じ濃度を持ち、平面を覆いつくす平面充填曲線と呼ばれる不思議な平面曲線が何種類も存在することが述べられる。より次元の高い空間でも同様で、空間を埋め尽くす空間充填曲線が構築される。異なる次元をもつ空間が同じ濃度をもつというのは、次元や濃度が一方が他方を測るようなものではない異なる尺度であることを表しているのである。
いくつかの集合を扱い、その関係性について論じるとき、もともと考えていた集合たちから新しい集合を作って調べるというのは有効な手段の一つである。これらの操作は、集合に対する演算と見なすことによって、集合族に関するいくつかの代数系を提供する。それらの代数系を抽象代数系と見なせば、抽象代数学の一般論を適用することでまたいくつかの概念を提供することになる。
二つの集合の、交わりを持たない和。
指示関数はこれらの集合演算を 0 と 1 からなる世界の代数的な演算に置き換える手段を与える。
上記演算は、全体集合が一つ与えられ、演算の引数となる集合たちがその部分集合であるならば、その演算結果もふたたび同じ全体集合の部分集合となるようなものである。一方、必ずしもそれが期待できないような演算もある。
集合からなる族 A を考える。A が集合演算についていくつかの性質を満たすとき、それらには特別の名前が与えられることがある。
ウィクショナリーに集合の項目があります。 |
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&(x\notin A)\end{cases}}.}</annotation>
</semantics>
</math>
上記演算は、全体集合が一つ与えられ、演算の引数となる集合たちがその部分集合であるならば、その演算結果もふたたび同じ全体集合の部分集合となるようなものである。一方、必ずしもそれが期待できないような演算もある。
集合からなる族 A を考える。A が集合演算についていくつかの性質を満たすとき、それらには特別の名前が与えられることがある。
ウィクショナリーに集合の項目があります。 |
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</raw>
</toggledisplay>
ロタテック内用液
リンク元 | 「人口」「構築」「集団」「population」「assembly」 |
拡張検索 | 「皮質集合管」「集合リンパ小節」「自己集合膜」「単量体クラスリン集合タンパク質」 |
人口 | 平成17年~22年の人口増減(-は減少) | |||
2010 | 2005 |
実数 | 率(%) | |
北海道 | 5507456 | 5627737 | -120281 | -2.1372889316 |
青森県 | 1373164 | 1436657 | -63493 | -4.4194960941 |
岩手県 | 1330530 | 1385041 | -54511 | -3.9356957664 |
宮城県 | 2347975 | 2360218 | -12243 | -0.5187232705 |
秋田県 | 1085878 | 1145501 | -59623 | -5.2049714492 |
山形県 | 1168789 | 1216181 | -47392 | -3.8967883892 |
福島県 | 2028752 | 2091319 | -62567 | -2.9917482699 |
茨城県 | 2968865 | 2975167 | -6302 | -0.2118200424 |
栃木県 | 2007014 | 2016631 | -9617 | -0.4768844672 |
群馬県 | 2008170 | 2023996 | -15826 | -0.7819185413 |
埼玉県 | 7194957 | 7054382 | 140575 | 1.9927330275 |
千葉県 | 6217119 | 6056462 | 160657 | 2.6526543054 |
東京都 | 13161751 | 12576611 | 585140 | 4.6526047438 |
神奈川県 | 9049500 | 8791587 | 257913 | 2.9336341664 |
新潟県 | 2374922 | 2431459 | -56537 | -2.3252294199 |
富山県 | 1093365 | 1111729 | -18364 | -1.651841411 |
石川県 | 1170040 | 1174026 | -3986 | -0.3395154792 |
福井県 | 806470 | 821592 | -15122 | -1.8405729364 |
山梨県 | 862772 | 884515 | -21743 | -2.4581832982 |
長野県 | 2152736 | 2196114 | -43378 | -1.9752162228 |
岐阜県 | 2081147 | 2107226 | -26079 | -1.2375986249 |
静岡県 | 3765044 | 3792377 | -27333 | -0.7207353066 |
愛知県 | 7408499 | 7254704 | 153795 | 2.1199348726 |
三重県 | 1854742 | 1866963 | -12221 | -0.654592512 |
滋賀県 | 1410272 | 1380361 | 29911 | 2.1668969204 |
京都府 | 2636704 | 2647660 | -10956 | -0.4137993549 |
大阪府 | 8862896 | 8817166 | 45730 | 0.5186473749 |
兵庫県 | 5589177 | 5590601 | -1424 | -0.0254713223 |
奈良県 | 1399978 | 1421310 | -21332 | -1.5008689167 |
和歌山県 | 1001261 | 1035969 | -34708 | -3.3502933003 |
鳥取県 | 588418 | 607012 | -18594 | -3.0632013865 |
島根県 | 716354 | 742223 | -25869 | -3.4853406591 |
岡山県 | 1944986 | 1957264 | -12278 | -0.6273042369 |
広島県 | 2860769 | 2876642 | -15873 | -0.5517892042 |
山口県 | 1451372 | 1492606 | -41234 | -2.7625508674 |
徳島県 | 785873 | 809950 | -24077 | -2.9726526329 |
香川県 | 995779 | 1012400 | -16621 | -1.6417423943 |
愛媛県 | 1430957 | 1467815 | -36858 | -2.5110793935 |
高知県 | 764596 | 796292 | -31696 | -3.9804493829 |
福岡県 | 5072804 | 5049908 | 22896 | 0.4533943985 |
佐賀県 | 849709 | 866369 | -16660 | -1.9229681579 |
長崎県 | 1426594 | 1478632 | -52038 | -3.5193340872 |
熊本県 | 1817410 | 1842233 | -24823 | -1.3474408503 |
大分県 | 1196409 | 1209571 | -13162 | -1.0881543952 |
宮崎県 | 1135120 | 1153042 | -17922 | -1.5543232597 |
鹿児島県 | 1706428 | 1753179 | -46751 | -2.6666415694 |
沖縄県 | 1392503 | 1361594 | 30909 | 2.2700599444 |
.