- 英
- intramuscular injection
- 関
- 皮下注射, 皮内注射
- 関
- 筋注、筋肉内注射、筋肉内投与
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/26 00:48:23」(JST)
[Wiki ja表示]
注射(ちゅうしゃ)とは、注射針を用いて直接体内に薬剤を注入する投与法。効果の発現が早く安定しているのが特徴である。注射に使う器具を注射器という。
目次
- 1 概要
- 2 投与経路による分類
- 3 注射による健康被害
- 4 派生した俗語
- 5 脚注
- 6 参考文献
- 7 関連項目
- 8 外部リンク
|
概要[編集]
注射は、直接的に生物(その多くでは人間)の体に薬剤を投入する方法で、経口投与(口から薬剤を投入する)や皮膚・粘膜への塗布、ないし吸引などよりも直接的に必要な個所(患部)に薬剤を投入できるため、他の投与方法より効果が出始めるまでの時間が短く、また吸収経路でろ過されてしまったり他の物質に変質してしまったり、または吸収の過程にて解毒作用で分解されてしまうような種類の薬剤でも投与できるため、より確実な方法である。
反面、生体の組織に中空の針を貫通させるため、この侵襲(人為的に傷付けること)に対する拒否感や実質的な被害もあり、そういった問題を解決するために、様々な技術改良や器具使用の技能的な向上も日夜進められている。
アルコール消毒[編集]
以前は注射の際にアルコール綿で拭き清める場合が多かったが、2008年2月号の『日経メディカル』にて、関節注射や留置針を除く一般の皮下注射では蒸留水を含ませた綿などで拭いた場合と有意な差が見られないとする報告がなされ、意味がない行為だと認識され消毒をしない医師も増えてきている。なお同報告によれば、皮下注射の場合には穿刺の際に皮下に混入する細菌の数が極めて少ないこと、加えて皮膚表面と皮下組織とではペーハーが大きく異なり、皮膚表面の菌が活動・繁殖できないこと、皮下組織の感染は細菌だけによるものではないことを指摘しており、逆に作り置きのアルコール綿ではアルコール分が揮発してしまい「ただの水で湿った脱脂綿」として菌類の繁殖がありうるともいう。ただし厚生労働省の定める「予防接種実施要領」[1]によれば、アルコールによる接種部位の消毒をすべきことが明記されている。また穿刺前にその箇所を単純に洗ったり拭いて衛生的にすること自体に、患者側の衛生状態によっては全く意味が無いわけではない。[2]
注射と苦痛[編集]
注射は、針を皮膚に突き刺す行為なので痛みがある。実際の痛み以上に、針が刺さるのが視覚的に痛いと感じてしまう。特に子供はこれを大いに嫌い、医者にかかるときに注射するかどうかは最大の懸案である。ただ子の健康を案じている親の側にしてみれば、注射は経験上で劇的な効果が出易いとみなされ、注射してくれることを希望する場合もある。また飲み薬を出されるなどの投薬よりも、より直接的に医師が治療に参加している行為とも受け止められ、注射による治療を期待する場合も見られる。これは刺される側にとっては苦痛でありストレスを与えうるため、血液検査の後に血圧を測ると、心理的影響から普段より高い値が出てしまう場合もある。
注射の種類(使用する薬剤や様式・後述)によってもまちまちであるが、技能や患者の扱いがうまいなどの腕のよい者が注射すると、注射の際にそれほどの痛みは生じない。反面、注射する側が技能的に未熟であったり、注射される側が身構えたり暴れたりすると、余計に痛い場合も珍しくはない。こと技能的に未熟で、何度も針を刺し直しされたりすると、痛いどころの騒ぎではない。したがって患者が医者や看護師への評価する場合の基準に、注射の上手下手が大きな地位を占めることもある。また歯茎への注射のように、針を刺す部位にあらかじめ麻酔する場合もある。
なお穿刺の痛みは、注射に用いられる針の大きさや形状によっても大きく異なり、予防接種のような集団への注射では、圧力注射とも呼ばれる皮膚に高い圧力で薬剤を浸透させる針を使わない注射器が利用される場合もある。ほかにも、用途は限られるが極めて微細なため刺しても痛くない注射針「ナノパス33」というものも登場し、糖尿病患者がインスリン投与時に使用するインジェクター等に使用されている。
投与経路による分類[編集]
薬液を投与する部位によって効き方(薬物動態)が異なる。以下のように分類される。
- 皮内注射 (intracutaneous injection)
- 表皮と真皮の間に薬液を投与する。ツベルクリン反応など検査で用いられる。投与量は0.1~0.2mlと少量。
- 皮下注射 (subcutaneous injection)
- 皮下組織に薬液を投与する。針は皮膚に対して斜めに刺す。数mlまで投与できる。有効成分は比較的緩徐に吸収される。吸収は毛細血管の血流に影響されるため、血管収縮薬と併用すると吸収が遅延する。
- 筋肉内注射 (intramuscular injection)
- 筋肉中に薬液を投与する。針は皮膚に対し垂直に近い角度で刺す。数mlまで投与できる。一般に皮下注射より有効成分の吸収は早い。筋肉が未発達な小児への筋肉注射は大腿四頭筋拘縮症の原因の一つといわれている。また、筋肉内には神経や動脈が走っているので投与の際は損傷を避ける必要がある。
- 静脈内注射 (静注、intravenous injection)
- 薬液を直接静脈内に投与する。容量の制限がなく、効果の発現も早い。100ml以上で水分、栄養素の投与などを目的とするものは一般に『輸液』と呼ばれている。少量を一度に投与する場合には注射器を用いるが、50mlを超える場合には点滴で投与する。輸液ポンプを使って長時間一定速度で投与する方法もある。一般的には末梢の静脈に投与するが、高カロリー輸液は中心静脈に投与する。
- その他
- 抗癌剤などを直接病巣に到達させる動脈内注射や、脊椎麻酔の際に行われる脊髄腔内注射、若齢動物や小動物に対して行われる腹腔内注射などがある。
注射による健康被害[編集]
注射は注射剤そのものの副作用の他に、次のような健康被害を起こすことが知られている。
- 感染症
- 予防接種の際などに注射器や注射針を交換しないで連続で用いたことにより肝炎ウイルスの集団感染を引き起こしたことがある。また医療関係者が、使用後の注射針の扱いを誤り自分に刺して肝炎ウイルスに感染するいわゆる『針刺し事故』も報告されている。近年では、薬物乱用者が注射器を使い回しすることによるヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの感染拡大が危惧されている。
- 大腿四頭筋拘縮症
- 乳児に対し、大腿部への筋肉注射を頻回に行うことによる組織の壊死が原因とされる。
派生した俗語[編集]
- 大相撲における八百長を「注射」という隠語で表現する。打てば(頼めば)すぐ効く(勝てる)ということから。
- パチスロ3号機時代には、内部基盤のうちの特定のRAM部品の上にさらに重ねる形でのアダプターを取り付け、本来なら保通協に認可されていないプログラムを無断で書き込む(上書きする)行為を、パチンコ業界・およびファンなどは注射と呼んでいた。注射を行なうと多くの場合、大連チャンや大ハマリといった荒っぽい内容のゲーム性になる。もちろん、違法行為である。
脚注[編集]
- ^ 定期の予防接種実施要領
- ^ 井蛙内科開業医ブログ
参考文献[編集]
関連項目[編集]
|
ウィキメディア・コモンズには、注射に関連するカテゴリがあります。 |
外部リンク[編集]
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- Biperiden筋肉注射によってせん妄を認めた1例
- 注射法(皮内注射・皮下注射・筋肉注射・静脈注射) (特集 内科医に必要な基本的診療手技のノウハウ)
Related Links
- 2012年7月31日 ... 筋肉注射 目的. 筋肉内に薬液を注射する。 この部位は毛細血管やリンパ液が多く分布 しているため、皮下注射より薬物の吸収 ... 筋肉注射部位. 筋肉層が厚く、太い神経や、 血管のない部位. ①三角筋部:肩峰3横指下のやや前面. 12a12.jpg ...
- 筋肉注射について説明します。筋肉注射は良く聞く言葉ですが、筋肉に注射する、痛い というイメージというくらいの知識しかないと思います。最近は信じられないような事件が 起きる時代です。しっかりとした知識を身につけて、自分の見は自分で守りましょう。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、 53~ 55の問いに答えよ。
- 74歳の女性。意欲低下と全身倦怠感とを主訴に来院した。
- 現病歴: 3年前に夫を亡くし、そのころから意欲低下を自覚するようになったが誰にも相談しなかった。 3か月前から意欲低下がこれまでより増悪し、全身倦怠感も徐々に出現した。一昨日、転倒して尻もちをついた。昨日、腰痛も自覚したためかかりつけ医を受診し、カルシトニンの筋肉注射を受け、さらに精査のため紹介されて受診した。
- 既往歴: 68歳で脂質異常症と骨粗鬆症とを指摘され、 HMG-CoA還元酵素阻害薬と活性型ビタミンDとを服用中である。
- 生活歴: 3年前から一人暮らし。喫煙歴と飲酒歴とはない。
- 家族歴:夫が心筋梗塞のため 75歳で死亡。妹が脂質異常症で治療中。
- 現症:意識は清明。身長 153 cm、体重 58 kg。体温 35.8 ℃。脈拍 52/分、整。血圧 116/64 mmHg。甲状腺はびまん性に腫大し硬い。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 408万、 Hb 12.0 g/dl、Ht 38%、白血球 5,300、血小板 17万。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dl、アルブミン 3.7 g/dl、AST 62 IU/l、ALT 42 IU/l、LD 484 IU/l(基準 176~353)、 ALP 275 IU/l(基準 115~359)、 γ -GTP 3 3IU/l(基準 8~50)、 CK 682 IU/l(基準 30~140)、 CK-MB 15 IU/l(基準 20以下 )、尿素窒素 16 mg/dl、クレアチニン 0.9 mg/dl、尿酸 7.2 mg/dl、血糖 98 mg/dl、総コレステロール 216 mg/dl、トリグリセリド 130 mg/dl、HDLコレステロール 45 mg/dl、Na137 mEq/l、K 4.5 mEq/l、Cl 102 mEq/l、Ca 9.5 mg/dl、TSH 56.3 μU/ml(基準 0.2~4.0)、 FT3 0.8 pg/ml(基準 2.5~4.5)、 FT4 0.2 ng/dl(基準 0.8~2.2)。 CRP 1.0 mg/dl。心電図で肢誘導の低電位を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比 54%。
- この患者にみられる CK高値の原因として最も考えにくいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108B052]←[国試_108]→[108B054]
[★]
- 人が倒れているとの通報で救急隊が出動した。救急隊の報告では、患者は60歳代の男性で、目立った外傷はなく、救急隊の到着時には既に心肺停止状態であった。救急救命士がバッグバルブマスクによる換気と胸骨圧迫とを行いながら搬入した。救急外来で気管挿管を行った。腹部が膨満していたため胃管を挿入したが、末梢静脈路を確保できなかった。心電図上心静止状態のため、アドレナリン投与が必要と考えられた。
- アドレナリン投与の経路として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104C019]←[国試_104]→[104C021]
[★]
- 英
- subcutaneous injection
- 関
- 筋肉注射
- 関
- 皮下、皮下注、皮下投与
- 皮下の結合組織内へ薬液を注入する方法。インスリンやヘパリンなど薬液の皮膚に対する刺激が少なく,かつ投与量が少ない場合に用いられる。薬液の吸収される速度は緩やかである。
[★]
- 英
- intramuscular injection、i.m.
- 関
- 筋肉内注射、筋肉内投与、筋肉注射
[★]
- 英
- intramuscular injection
- 関
- 筋注、筋肉内注射、筋肉注射
[★]
- 英
- injection、shot、inject
- 関
- インジェクション、充血、注入、発射、注射剤、ショット、注射薬、インジェクト、撃つ
- 皮内注射:皮膚にほぼ並行::アレルギー反応の判定
- 皮下注射:皮膚に対し20-30°:持続性:インスリン、ワクチン
- 筋肉注射:皮膚に対し直角:中殿筋、三角筋。皮下注射に比較して即効性がある(吸収性の悪い薬品)。:ブスコパン、オピオイド系鎮痛薬、トキソイド
- 静脈注射:静脈に刺入:即効性、確実性
国試
[★]
- 英
- muscle
- ラ
- musculus
- 同
- 筋
- 関
- 解剖学
起始 origin
- 筋の近位端(M.18)
- 収縮の際に固定される(M.18)
停止 insertion
- 筋の遠位端(M.18)
- 収縮の際に動く(M.18)
生化学
- グルコース + 2ADP + 2Pi → 2乳酸 + 2ATP + 2H2O + 2H+
分類