- 英
 
- lactate dehydrogenase LD, LDH
 
- 同
 
- 乳酸デヒドロゲナーゼ、L-乳酸脱水素酵素 L-乳酸デヒドロゲナーゼ L-lactate dehydrogenase
 
- 関
 
- 乳酸、ピルビン酸。腟分泌液中乳酸脱水素酵素
 
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概要
 乳酸をピルビン酸に酸化しまた逆にピルビン酸を乳酸に還元する化学反応の触媒となる酵素
 肝臓では、乳酸からピルビン酸を精製する反応を引き受けている。
  ・乳酸の再生
   乳酸  →   ピルビン酸
   COOH            COOH
    |               |
   CHOH            C=0
    |               |
   CH3             CH3
   CH3CH(OH)COOH + NAD+ ⇔ CH3COCOOH + NADH + H+
 4量体を形成する。
 M型とH型のアイソザイム(isozyme)を有する。
 M型は骨格筋、肝臓などの嫌気条件で働く。
  M型は ピルビン酸+NADH→乳酸+NAD+ の反応を進めることが多い
 H型は脳などの好気条件で働く。
  H型は 乳酸+NAD+→ピルビン酸+NADH の反応を進めることが多い
反応
CH3-CO-COOH + NADH + H+ → NAD+  + CH3-CH(OH)-COOH
サブユニット
- H:34kDa, 333 aa, pI=4.8
 
- M:37kDa, 331 aa, pI=8.8
 
アイソザイム
- LD1:H4: :
 
- LD2:H3:M1:
 
- LD3:H2:M2:
 
- LD4:H1:M3:
 
- LD5: :M4:
 
 
組織分布
- 腎臓・骨格筋>>肝臓>心臓>(悪性腫瘍)>膵臓≒脾臓≒脳>赤血球>肺>>血清
 
血清LDH
L-乳酸 + NAD+ ⇔ ピルビン酸 + NADH
生理的な変動要因
- 高値:出生直後(成人の2倍。14歳で成人値)、過激な運動(軽度上昇)、溶血(明らかな上昇)
 
基準値
増加
減少
PrepTutorEJDIC
- lethal dose(薬の)最小致死量
 
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/04/20 16:21:20」(JST)
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| 乳酸脱水素酵素 A | 
| 
 ヒト乳酸脱水素酵素M4(骨格筋で見られるアイソザイム). From PDB 1I10. 
 | 
| 識別子 | 
| 略号 | 
LDHA | 
| Entrez | 
3939 | 
| HUGO | 
6535 | 
| OMIM | 
150000 | 
| RefSeq | 
NM_005566 | 
| UniProt | 
P00338 | 
| 他のデータ | 
| EC番号 | 
1.1.1.27 | 
| 遺伝子座 | 
Chr. 11 p15.4 | 
| 乳酸脱水素酵素 B | 
| 識別子 | 
| 略号 | 
LDHB | 
| Entrez | 
3945 | 
| HUGO | 
6541 | 
| OMIM | 
150100 | 
| RefSeq | 
NM_002300 | 
| UniProt | 
P07195 | 
| 他のデータ | 
| EC番号 | 
1.1.1.27 | 
| 遺伝子座 | 
Chr. 12 p12.2-12.1 | 
| 乳酸脱水素酵素 C | 
| 識別子 | 
| 略号 | 
LDHC | 
| Entrez | 
3948 | 
| HUGO | 
6544 | 
| OMIM | 
150150 | 
| RefSeq | 
NM_002301 | 
| UniProt | 
P07864 | 
| 他のデータ | 
| EC番号 | 
1.1.1.27 | 
| 遺伝子座 | 
Chr. 11 p15.5-15.3 | 
乳酸脱水素酵素(にゅうさんだっすいそこうそ、英: Lactate Dehydrogenase[※ 1][※ 2] : LDH)は、植物および動物を含む多くの生物に存在する酵素である。
逸脱酵素として知られ、医学の分野では重要な臨床検査項目のひとつである。
目次
- 1 概要
 
- 2 反応
 
- 3 機能
 
- 4 分布
 
- 5 検査
 
- 6 脚注
 
- 7 関連項目
 
- 8 外部リンク
 
 
概要
乳酸脱水素酵素には4種の異なる種が存在する。
2種はシトクロムc依存型で、それぞれD-乳酸(D-乳酸デヒドロゲナーゼ (シトクロム):EC 1.1.2.4)、または、L-乳酸(L-乳酸デヒドロゲナーゼ (シトクロム):EC 1.1.2.3)に作用する。
残りの2種はNAD(P)-依存型酵素で、それぞれD-乳酸(D-乳酸デヒドロゲナーゼ:EC 1.1.1.28)、または、L-乳酸(L-乳酸デヒドロゲナーゼ:EC 1.1.1.27)に作用する。
本稿では主にNAD(P)-依存型 L-乳酸脱水素酵素について述べる。
反応
乳酸脱水素酵素は乳酸とピルビン酸との相互変換を触媒する。そのとき、NADHとNAD+の相互変換も同時に起こる。ピルビン酸の乳酸への変換は、酸素が欠乏または供給不足のとき(嫌気呼吸時)に起こる解糖系の最終反応である。この逆反応が肝臓のコリ回路において行われる。乳酸の濃度が高くなると酵素はフィードバック抑制を示し、ピルビン酸の乳酸への変換率が減少する。
機能
ほとんどの組織や臓器に分布する酵素で、分子量13.5万の心筋型のH(B)と、骨格筋型のM(A)と称される2種類のサブユニットから成る4量体である。
また嫌気的なM型と好気的なH型の4量体であり、嫌気性解糖系の最終段階である乳酸 ⇔ ピルビン酸の反応を触媒する酵素である。
分布
生体内では肝臓、心筋、骨格筋、脾臓、腎臓などに分布をしている。 また、細胞内では細胞質基質に存在している。
検査
LDHは逸脱酵素として知られ、臨床検査では重要な検査項目のひとつである。
血中濃度の上昇はAST、ALTなどとともに肝障害を示唆する。 ただ、それ以外の面では心筋梗塞、溶血、感染症などでも上昇がみられ非常に非特異的であるため診断の参考としての有用性はあまり高くない。 ただし、単独で上昇しているとしたら悪性リンパ腫をはじめとした悪性腫瘍がかくれている可能性を考えるべきである。 総じて、スクリーニング(精密検査必要者のふるい分け)のための検査項目と言える。
LDHの中には5種類のアイソザイム(働きが同等で構造の違う酵素)が存在するため、精査の際にはこの内訳を分析することが臨床上有意義となる場合がある。
脚注
注釈
- ^ イギリス英語発音:[lækˈteɪt diːˈhaɪdrədʒəˌneɪz] ラクテイト・ディーハイドラジェネイズ
 
- ^ アメリカ英語発音:[lækˈteɪt diˈhaɪdrədʒəˌneɪs] ラクテイト・ディハイドラジェネイス
 
 
出典
- IUBMB entry for 1.1.1.27(英語)
 
- BRENDA references for 1.1.1.27 (英語)
 
- PubMed references for 1.1.1.27(英語)
 
- PubMed Central references for 1.1.1.27(英語)
 
- Google Scholar references for 1.1.1.27(英語)
 
関連項目
外部リンク
- IUBMB entry for 1.1.1.27(英語)
 
- KEGG entry for 1.1.1.27(英語)
 
- BRENDA entry for 1.1.1.27(英語)
 
- NiceZyme view of 1.1.1.27(英語)
 
- EC2PDB: PDB structures for 1.1.1.27(英語)
 
- PRIAM entry for 1.1.1.27(英語)
 
- PUMA2 entry for 1.1.1.27(英語)
 
- IntEnz: Integrated Enzyme entry for 1.1.1.27(英語)
 
- MetaCyc entry for 1.1.1.27(英語)
 
- Atomic-resolution structures of enzymes belonging to this class(英語)
 
| 
炭水化物代謝: 解糖系/糖新生の酵素 | 
 
 | 
 
| 解糖系 | 
 グルコキナーゼ/ヘキソキナーゼ/グルコース-6-ホスファターゼ - グルコース-6-リン酸イソメラーゼ - 6-ホスホフルクトキナーゼ/フルクトースビスホスファターゼ - フルクトースビスリン酸アルドラーゼ - トリオースリン酸イソメラーゼ - グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ - ホスホグリセリン酸キナーゼ - ホスホグリセリン酸ムターゼ - ホスホピルビン酸ヒドラターゼ - ピルビン酸キナーゼ 
 | 
 
 | 
 
| 糖新生のみの酵素 | 
 ピルビン酸カルボキシラーゼ - ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ - 乳酸 (コリ回路):L-乳酸デヒドロゲナーゼ - アラニン (グルコース-アラニン回路):アラニントランスアミナーゼ 
 | 
 
 | 
 
| 調節 | 
 6-ホスホフルクト-2-キナーゼ/フルクトース-2,6-ビスホスファターゼ - ビスホスホグリセリン酸ムターゼ 
 | 
 
 
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- 3P-1008 酵母フラボシトクロムb2の細菌由来L-乳酸脱水素酵素による機能的置換(1b遺伝子工学,一般講演,遺伝学,分子生物学および遺伝子工学,伝統の技と先端科学技術の融合)
 
- ピルビン酸キナーゼと乳酸脱水素酵素共役系を用いたヌクレオシド二リン酸の定量
 
- ミナミバンドウイルカの血液学および血液生化学的検査値にみられた日内変動
 
- 船坂 徳子,吉岡 基,植田 啓一,柳澤 牧央,宮原 弘和,内田 詮三
 
- 哺乳類科学 50(1), 1-11, 2010
 
- … 不規則なパルス状(好酸球分画,Eos;アルブミン,Alb;グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ,GOT;グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ,GPT;総ビリルビン,T-Bil:クレアチンフォスフォキナーゼ,CPK;ナトリウム,Na;クロール,Cl),経時的上昇あるいは下降(クレアチニン,Cre;血糖,Glu),ほぼ不変(好中球分画,Neut;リンパ球分画,Lym;総タンパク,TP;乳酸脱水素酵素,LDH)に区別できた. …
 
- NAID 130000885806
 
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- LDH(乳酸脱水素酵素)とは、糖を分解してエネルギーを産生するときに働く酵素の一つ  で、肝臓、腎臓、肺、心筋、骨格筋などの組織細胞に多く含まれています。急性肝炎や  肝臓がん、心筋梗塞のときに著しく増加します。
 
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- 英
 
- lactate dehydrogenase deficiency
 
- 同
 
- LDH deficiency
 
- 関
 
- 乳酸脱水素酵素
 
  [★]
乳酸脱水素酵素 乳酸デヒドロゲナーゼ lactate dehydrogenase LDH
  [★]
乳酸脱水素酵素 LDH
  [★]
- 英
 
- lactate dehydrogenase isozyme, lactate dehydrogenase isozymes
 
- 同
 
- LDアイソザイム
 
- 関
 
- 乳酸脱水素酵素 LDH
 
- OLM.257改変
 
- LDH1,LDH2の上昇:溶血、心筋障害、骨格筋(変性)、代謝亢進・代謝低下
 
- LDH2,LDH3の上昇:血液疾患、悪性腫瘍、膵臓(炎症)
 
- LDH4,LDH5の上昇:血液うっ滞、肝障害、骨格筋(炎症)
 
  [★]
- 英
 
- serum lactate dehydrogenase、serum LDH
 
- 関
 
- 血清LDH
 
  [★]
- 英
 
- lactate dehydrogenase-elevating virus
 
  [★]
- 英
 
- enzyme, ferment
 
- 関
 
- 酵素反応
 
酵素の分類
- (a)酸化還元酵素(oxydoreductase) EC1:ある物質を酸化したり、還元したりします。脱水素酵素、ペルオキシダーゼなどを含みます。
 
- (b)転移酵素(transferase) EC2: アミノ基やリン酸基などをある物質から別の物質に転移する酵素です。アミノ基を転移する酵素はアミノトランスフェラーゼと呼ばれます。
 
- (c)加水分解酵素(hydrolase) EC3:ある物質(基質)に水(H2OのうちHとOH)を加えることにより、2つに分解します。多くの蛋白分解酵素が含まれます。
 
- (d)リアーゼ(lyase) EC4:ある物質を2つに分解します。
 
- (e)イソメラーゼ(isomerase) EC5:ある基質を異性体に変換します。
 
- (f)リガーゼ(ligase) EC6;ATPのエネルギーを使って2つの物質を結合します。
 
  [★]
- 英
 
- lactate, lactate acid (K), lactic acid
 
- ラ
 
- acidum lacticum
 
- 同
 
- 2-ヒドロキシプロピオン酸 2-hydroxypropionic acid、α-オキシプロピオン酸 α-oxypropionic acid
 
- 関
 
- 乳酸デヒドロゲナーゼ
 
CH3-CH(OH)-COOH
概念
基準値
- 1–2 mmol/L, 10–20 mg/dL (HIM.Appendix)
 
単位
- 1 mEq/l(mmol/l) = 9.008 mg/dl
 
- 1 mg/dl         = 1/9.008 mEq/l(mmol/l)
 
  [★]
- 英
 
- dehydrogenase
 
- 同
 
- デヒドロゲナーゼ