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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/11/26 23:40:46」(JST)
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D-マンニトール |
|
一般情報 |
IUPAC名 |
(2R,3R,4R,5R)-ヘキサン-1,2,3,4,5,6-ヘキサオール |
別名 |
マンニット |
分子式 |
C6H14O6 |
分子量 |
182.17 g/mol |
形状 |
無色 斜方晶 from エタノール |
CAS登録番号 |
[69-65-8](D体)
[643-01-6](L体)
[133-43-7](ラセミ体) |
性質 |
融点 |
166-168 °C(斜方晶 from エタノール) |
沸点 |
290-295 °C/3.5 mmHg |
比旋光度 [α]D |
+23.3 ~ +24.3 (20 ℃) |
マンニトール (mannitol) は糖アルコールの一種である。 ヘキシトールに分類され、マンノースの還元体に相当する。マンニット (mannite) とも呼ばれる[1]。光学活性物質であり、天然に多く存在するエナンチオマーは D-マンニトールである。ソルビトールの異性体である。
ヨーロッパから中近東にかけて自生するモクセイ科のマンナトネリコ(Manna Ash、Fraxinus ornus)の甘い樹液から発見・命名された。マンナトネリコの名はマナにちなむ。
浸透圧調製剤・利尿剤であり、弱い腎臓血管拡張剤でもある。
水溶液中ではプロトンを放出する性質を持つため、水溶液は酸性になる。このため、炭酸ナトリウムなど pH 調整剤を併用することが珍しくない。
用途[編集]
-
- 注意喚起
脳血液関門に関連する記述について、より正確に記述しないとマンニトールの機能性について誤解を生じるおそれがあると思われる。現時点の記述は2006年の時点の翻訳版と思われ、その翻訳元の版の記述のままである点に注意されたい。また、記述を修正していただける方を募集します。
主に頭蓋内圧を減少させたり乏尿性腎不全の患者を治療するのに用いられる。点滴静脈注射で投与され、腎臓でろ過される。高張液として作用し、末端細環へのナトリウムイオンと水分の移動量を増加させることにより尿の生成を促進させる。
堅く密着結合した血管内皮を収縮させて血液脳関門を一時的に開くのにも用いられる。この効果はアルツハイマー型痴呆などの治療において脳に直接薬剤を送り込むために不可欠である。
また、糖尿病を患っている人々のための甘味料としても利用される。負の溶解熱を持つため、キャンディーなどにヒヤリとする爽快感を与えるためにも使われる。20グラム以上の量を摂取すると緩下薬としてはたらくことから、小児用の下剤として販売されることもある。
ヘロイン、メタンフェタミンなどの麻薬の混ぜ物として使われることもある。
心臓ペースメーカーのらせん状の導線など、尖ったものを体内に挿入する際の一時的な被覆材としても用いられる。血液に溶解しやすく静脈を透過するので、目的の位置に達したあと時間がたつと被覆された部分は再び露出する。
重篤なシガテラ中毒の場合に、重傷度軽減と神経学的症状の発現時間短縮を目的に投与されるという報告もあるが、これを支持する論文は他には見あたらない[要出典]。この用途にマンニトールを利用するに当たっては、充分な補水とともに、細心の注意が必要である。これはシガトキシンを原因とするいわゆる「熱帯魚中毒」で、脳卒中に似た症状を示すことがある。
マンニトールは非透過性の分子である。すなわち細胞膜を通り抜けることができない。
有機合成の分野においては、安価かつ各種の変換を行いやすい点を生かし、不斉点を持つ化合物の合成の際に出発原料としてよく用いられる。
脚注[編集]
- ^ 内山充、寺尾允男、早川堯夫ら、2006年3月31日『第十五改正日本薬局方』厚生労働省告示第285号、1055頁目、2010年9月29日取得。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- マニトールによる水ストレス下で生育させた塩生植物ハマミズナの成長応答に対する塩化ナトリウムの作用
- SLAMA Ines,GHNAYA Tahar,MESSEDI Dorsaf,HESSINI Kamel,LABIDI Nahla,SAVOURE Arnould,ABDELLY Chedly
- Journal of plant research 120(2), 291-299, 2007-03-01
- NAID 10019936926
Related Links
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- 45歳の男性。全身倦怠感と頭痛とを主訴に来院した。1か月前から全身倦怠感があり、徐々に増悪してきた。2日前から頭痛が出現した。食欲は良好。下痢と嘔吐とはない。意識は清明。身長 162cm、体重 58 kg。体温36.1℃。脈拍72/分、整。血圧 126/80mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。尿所見:浸透圧 420 mOsm/kg(基準200~850)、蛋白(-)、糖(-)、Na 排泄量43mEq/日(基準220以下)。血液所見:赤血球400万、Hb 12.2g/dl、Ht 38%、白血球 6,200、血小板 23万。血液生化学所見:空腹時血糖 124mg/dl、総蛋白 7.2g/dl、クレアチニン 0.3mg/dl、AST 20 IU/l、ALT 32 IU/l、LD<LDH> 230IU/l(基準176~353)、ALP 220 IU/l(基準115~359)、Na 118 mEq/l、K 4.3 mEq/l、Cl 82 mEq/l、Ca 9.2 mg/dl、P 3.0 mg/dl、TSH 2.4μU/ml(基準0.2~4.0)、ACTH 62 pg/ml(基準60以下)、FT3 3.2 pg/ml(基準2.5~4.5)、FT4 1.6 ng/dl(基準0.8~2.2)、コルチゾール 8.5 μg/dl(基準5.2~12.6)。血漿レニン活性<PRA> 1.5 ng/ml/時(基準1.2~2.5)。血漿浸透圧 258 mOsm/kg(基準275~290)、抗利尿ホルモン<バソプレシン> 1.2 pg/ml(基準0.3~3.5)。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I066]←[国試_103]→[103I068]
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- 41歳の初産婦。妊娠39週2日に全身けいれんのため救急車で搬入された。来院時にはけいれんは消失していた。意識レベルはJCSⅠ-1。心拍数 90/分、整。血圧 190/120mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 97%(room air)。全身に浮腫を認める。尿所見:蛋白3+。硫酸マグネシウムの持続静注を開始した後に撮影された頭部MRIのFLAIR像(別冊No. 6A~C)を別に示す。
- 適切な治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111A025]←[国試_111]→[111A027]
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- 70歳の男性。全身倦怠感と食欲不振とのため入院した。6か月前から肺癌のために化学療法を受けていた。意識は清明で、身体所見に異常はない。尿所見:比重1.014、浸透圧600 mOsmll(基準50~1,300)、蛋白(-)、糖(-)。血清生化学所見:尿素窒素10mg/dl、クレアチニン0.6 mg/dl、尿酸1.1 mg/dl、Na 120mEq/l、K 4.0mEq/l、Cl 87mEq/l、浸透圧249 mosmll(基準275~288)。この患者で行うべき処置はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G035]←[国試_095]→[095G037]
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[正答]
※国試ナビ4※ [098G117]←[国試_098]→[098G119]
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- 43歳の男性。トラックの荷台から転落し、右前頭部を打撲した。受賞直後から意識障害があり、徐々に進行し、受賞後約4時間後に半昏睡の状態で来院した。頭部X線単純CTを次に示す。
- 適切な治療はどれか。