- 英
- penicillinase
- 同
- ペニシリン分解酵素
- 関
- β-ラクタマーゼ
- ペニシリンのβ-ラクタム環のアミド結合を加水分解酵素
WordNet
- enzyme produced by certain bacteria that inactivates penicillin and results in resistance to that antibiotic (同)beta-lactamase
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/01/19 12:05:05」(JST)
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β-ラクタマーゼ(ベータラクタマーゼ、β-lactamase)とはβ‐ラクタム系抗生物質を加水分解する酵素である。ペニシリン/セファロスポリンアミド-β-ラクタムヒドロラーゼ (penicillin/cepharosporin amido-β-lactam hydrolase)とも呼ばれる。EC3.5.2.6に分類される酵素である。
幾つかの種類のグラム陰性菌がβ-ラクタマーゼを産生することでβ-ラクタムに対して耐性を示すことが知られている。なお、β-ラクタム耐性はβ-ラクタマーゼのみが原因ではなくMRSAのようにペニシリン結合タンパク質の基質特異性が変化しても現れる。
現在β-ラクタマーゼは基質特異性の違いにより
- ペニシリナーゼ (クラスA β-ラクタマーゼ)
- メタロ-β-ラクタマーゼ (クラスB β-ラクタマーゼ、亜鉛-β-ラクタマーゼ、カルバペネマーゼ)
- セファロスポリナーゼ (クラスC β-ラクタマーゼ)
- オキサシリナーゼ (クラスD β-ラクタマーゼ)
が存在する[1][2][3][4]。
これら4種のβ-ラクタマーゼのうち、クラスB β-ラクタマーゼは活性中心に亜鉛を持つが、他はセリン残基を持つ。ペニシリナーゼはペニシリン系抗生物質と第二世代セファロスポリンを分解するのに対して、セファロスポリナーゼは主にセファロスポリンを分解する。オキサシリナーゼはオキサシリンをも分解するペニシリナーゼであり、メタロ-β-ラクタマーゼはカルバペネム系抗生物質を分解する点に特徴がある。
β-ラクタマーゼの遺伝子は、細菌の染色体上あるいはプラスミド上に存在する。特に伝達性薬剤耐性プラスミド (drug resistance plasmid)に存在するβ-ラクタマーゼ遺伝子は菌種特異性も少なく多剤耐性菌の発生にも関与していると考えられる。
脚注
- ^ β-ラクタム耐性菌とその検出方法、関東化学
- ^ Bush, K. et. al. A functional classification scheme for β-lactamases and its correlation with molecular structure, Antimicrob Agents Chemother., 39, 1211-1233, 1995.
- ^ Ambler, R. P., The structure of β-lactameses, Philos Trans R Society Lond (Biol), 289, 321-331, 1980.
- ^ 石井良和、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生大腸菌、クレブシエラ、臨床と微生物、26、121-125, 1999.
関連項目
- クラブラン酸
- 薬剤耐性
- ペニシリン
- セファロスポリン
出典
- β-ラクタマーゼ『生物学辞典』第4版、岩波書店。
- β-ラクタマーゼについて 日本ベクトン・ディッキンソン株式会社
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 院内感染起因腸内細菌に拡散・伝播するCTX-M型ESBL遺伝子
- アンピシリン耐性Haemophilus influenzae感染モデルにおける経口セフェム系薬の治療効果とMCIとの関係
- 宮崎 修一,藤川 利彦,山口 惠三
- 日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy 48(12), 903-907, 2000-12-25
- NAID 10005861650
Related Links
- ペニシリナーゼはペニシリン系抗生物質と第二世代セファロスポリンを分解するのに対し て、セファロスポリナーゼは主にセファロスポ ... オキサシリナーゼはオキサシリンをも 分解するペニシリナーゼであり、メタロ-β-ラクタマーゼはカルバペネム系抗生物質を分解 ...
- 8.1 天然ペニシリン(点滴、筋注用); 8.2 耐酸性ペニシリン(経口薬); 8.3 ペニシリナーゼ 抵抗性ペニシリン(黄色ブドウ球菌用) .... この当時出現した初期のペニシリン耐性菌は 、ペニシリナーゼというβ-ラクタム環を加水分解し、開環する酵素を産生する。これは ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- cephalosporin antibiotics, cephalosporin, cephalosporins
- 同
- セフェム系抗菌薬?、セフェム系抗生物質? cephem antibiotic? cephem antibiotics
- 関
- 抗菌薬、βラクタム系抗菌薬 、第三世代抗生物質
特徴
- グラム陽性菌、グラム陰性菌
構造
副作用
- 過敏症(ペニシリン系抗菌薬と同様であるが、頻度はペニシリン系に比べ低い)
- (1)ジスルフィラム様作用、(2)ビタミンK依存性の凝固因子の産生低下(cefotetanとcefoperazoneに特徴的。共通点はN-methylthiotetrazole(NMTT) side chainを持つこと)。(PPC.612)
セフェム系抗菌薬
[★]
- 英
- beta-lactamase, β-lactamase
- 同
- β-ラクタマーゼ
- 関
- セファロスポリナーゼ、ペニシリナーゼ
βラクタマーゼの種類と抗菌薬
- ABM.150
[★]
- 日
- モラクセラ・カタラーリス
- ラ
- Moraxella catarrhalis, Branhamella catarrhalis
- 関
- モラクセラ属
特徴
病原体
感染症
疫学
潜伏期間
感染経路
症状
合併症
経過
治療
検査
予防
[★]
- 英
- tazobactam
- 化
- タゾバクタムナトリウム tazobactam sodium
- 商
- ゾシン
- 関
- ピペラシリン-タゾバクタム、ペニシリナーゼ、セファロスポリナーゼ、オキシイミノセファロスポリナーゼ
参考
http://www.labo-tech.co.jp/iyakuhin/koukinyaku_binran/num09/nm09_06.html
[★]
- 英
- inducible enzyme
- 関
- 適応酵素、酵素誘導、ペニシリナーゼ
[★]
- 英
- penicillinase-producing Neisseria gonorrhoeae, penicillinase-producing N. gonorrhoeae, PPNG
- 関
- Neisseria gonorrhoeae
[★]
- 英
- penicillinase-resistant penicillin
- 関
- ペニシリン系抗菌薬
[★]
- 英
- non-penicillinase-producing Staphylococcus aureus
- 関
- ペニシリナーゼ、黄色ブドウ球菌