- 英
- purine metabolism
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/22 11:30:05」(JST)
[Wiki ja表示]
プリン代謝(Purine metabolism)とは、多くの有機体に含まれているプリンの合成および分解の代謝経路についてふれる。
目次
- 1 合成
- 2 分解
- 3 サルベージ
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
合成
プリンはヌクレオチド(塩基がリボース-5-リン酸に結合したもの)として生化学的に合成される。その関与段階はアミドホスホリボシルトランスフェラーゼである。
アデニンとグアニンはヌクレオチドのイノシン一リン酸(IMP)から誘導される。この経路はグリシン、グルタミン、アスパラギン酸、テトラヒドロ葉酸から転換されたギ酸塩を使う複雑な経路で、既存のリボース-リン酸上で起こる。
GMP
- IMPデヒドロゲナーゼ - IMP → XMP
- GMPシンターゼ - XMP → GMP
- GMPレダクターゼ - GMP → IMP
AMP
- アデニロコハク酸シンターゼ - IMP → アデニロコハク酸
- アデニロコハク酸リアーゼ - アデニロコハク酸 → AMP
- AMPデアミナーゼ - AMP → IMP
分解
食物由来のプリンはいくつかの酵素によって分解される。
グアニン
- ヌクレアーゼ - ヌクレオチドを遊離
- ヌクレオチダーゼ - グアノシンに分解
- プリンヌクレオシドホスホリラーゼ - グアノシンをグアニンに分解
- グアニンデアミナーゼ - グアニンをキサンチンに分解
- キサンチンオキシダーゼ - キサンチンを尿酸に分解
アデニン
- ヌクレアーゼ - ヌクレオチドを遊離
- 主経路:ヌクレオチダーゼによるアデノシンへの分解、アデノシンデアミナーゼによるイノシンへの分解
- その他経路:AMPデアミナーゼによるIMPへの分解、ヌクレオチダーゼによるイノシンへの分解
- プリンヌクレオシドホスホリラーゼ - イノシンをヒポキサンチンに分解
- キサンチンオキシダーゼ - ヒポキサンチンをキサンチンに分解
- キサンチンオキシダーゼ - キサンチンを尿酸に分解
サルベージ
食物の核酸から分解されたプリンは新しいヌクレオチドとしてサルベージされ、再利用される。
- アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT) - アデニンをサルベージ
- ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT) - グアニンとヒポキサンチンをサルベージ。
関連項目
外部リンク
- The Medical Biochemistry Page
- Purine metabolism - Reference pathway
- PUMPA: Purine Metabolic Patients’ Association
- Purine metabolism
代謝: タンパク質代謝 |
|
タンパク質生合成 - アミノ酸合成 - アミノ酸の代謝分解
核酸代謝 :プリン代謝 - ピリミジン代謝 - サルベージ経路
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 血液・内分泌代謝関連の検査 (尿路結石) -- (結石の臨床検査)
- チオプリン代謝関連酵素の遺伝子多型と日本人における特徴 (炎症性腸疾患 : 病因解明と診断・治療の最新知見) -- (特論)
Related Links
- 多くの有機体はプリンの合成および分解の代謝経路を持つ。 ... プリンはヌクレオチド( 塩基がリボース-5-リン酸に結合したもの)として生化学的に合成される。 ... 食物の核酸 から分解されたプリンは新しいヌクレオチドとしてサルベージされ、再利用される。
- プリン代謝は核酸塩基の同化作用という意味合いの他、特に陸棲の動物においては、 尿素を生成するオルニチン回路と共に体内の過剰な窒素の排泄作用においても重要で ある。したがって、プリン代謝には、核酸の新生経路(de ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- uric acid, UA
- 同
- 2,6,8-トリヒドロキシプリン 2,6,8-trihydroxypurine
- 関
- 結石、アロプリノール、ウリカーゼ法、痛風、リンタングステン酸法
概念
物性
- 分子式:C5H4N4O3
- 溶解度:溶解度 70mg/L 水に不溶
- 構造式:
O
||
/C\ /N\
N C \
| || C=O
C C /
// \N/ \N/
O
解離定数
-NH-CO- (エノール型) ⇔ -NH-C(OH)- (ケト型) (FB.482)
ケト型の尿酸は電離しており、尿酸の電離型はpH↑で増加、pH↓で減少する。非電離型はpH↑で減少、pH↓で増加する。
物性のまとめ
- 温度が低いほど、pHが低いほど析出しやすい (GOO.706)
- → 腫瘍崩壊症候群における尿酸腎症を予防するために尿をアルカリ化して尿酸結晶の析出を防ぐし、末梢で尿酸結晶が形成されやすい。
生理作用
尿酸の合成系路
- 代謝の制御 (PPC.842)
de novo pathway
- the cellular level of PRPP is the most important determinant of de novo purine synthesis
- high de novo pathway activity increases purine turnover, resulting in higher plasma uric acid concentrations
salvage pathway
- increased salvage pathway activity leads to devrease de novo synthesis and reduced plasma uric acid level
- 1. increased scavenging activity depletes cells of PRPP, thus decreasing the rate of de novo purine synthesis
- 2. the salvage pathway leads to the generation of more ATP and GTP. Increased levels of these nucletide inhibit amidoPRT in a feedback manner, also resulting in decreasd de novo purine synthesis.
尿酸の排泄
参考1
- 4コンパートメントモデルによれば尿酸は(1)糸球体濾過の後、近位尿細管で(2)ほとんど全て再吸収され、(3)S2 segmentで50%が再分泌され、さらに(4)S3 segmentで再吸収されるという。
- 尿酸排泄に関わる運搬体:URAT1, Glut9. これらは有機酸トランスポーター(OAT)の一員である。
- 尿酸/有機酸陽イオン交換体(URAT1運搬体)は尿酸に特異的で有機酸トランスポーターとは別の運搬体である。11q13のSLC22A12遺伝子にコードされている。
- URAT1は近位尿細管管腔側の膜上に発現している。
- 乳酸、ニコチン酸、アセト酢酸、ヒドロキシ酪酸、などの有機酸が近位尿細管上皮細胞内に蓄積すると、尿細管腔から尿酸を取り入れて有機酸を排泄する。
- これが有機酸血症のときに高尿酸血症をきたす原因である。 → 飢餓(ケトン体増加)、von Gierke病(乳酸増加)のときに高尿酸血症をきたすのはこのため。
SP.807
- 近位尿細管上皮細胞の管腔側膜に尿酸を再吸収して有機酸を分泌するURAT1という交換輸送体が存在する。
- また管腔側膜にはナトリウムとアニオンを再吸収する共輸送体が存在する。
- 基底側膜には血管側から尿細管上皮細胞内にアニオンを取り込む有機アニオン輸送体 OATが存在する。
- 正常では尿酸の排泄率は10%、pyrazinoateを投与すると1%、プロベネシド(有機酸輸送の抑制薬)を投与すると50%となる。
- 上記のメカニズムが存在するため、近位尿細管でナトリウムの再吸収が亢進する状態、あるいは血液内に有機酸が豊富に存在する状況では尿細管上皮内におけるアニオンの濃度が上昇する。この結果、URAT1による有機酸の排泄、尿酸の再吸収が起こる事になる → 高尿酸血症
- 近位尿細管でのナトリウム再吸収が亢進する状態とは、利尿薬を使用した場合に起こるとされている。利尿薬の使用により組織灌流量が減少するので、RAA系の亢進あるいはNAの産生が増加し近位尿細管におけるナトリウムと水の再吸収が増加すると共に尿酸の再吸収も増加する(renal pathophysiology 3rd edition p.123)。
基準値
- 尿酸の血清尿酸値は男性より女性の方が低い。これはエストロゲンに関係する物質(estrogenic compounds)により尿酸輸送体が抑制されるためらしい。(参考1)
臨床関連
参考
- 1. [charged]Uric acid balance - uptodate [1]
[★]
- 英
- purine nucleotide cycle
- 同
- プリンヌクレオチド回路
- 関
- プリン代謝
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- purine
- 同
- [[7H-イミダゾ[4,5-d]ピリミジン]] [[7H-imidazo[4,5-d]pyrimidine]],プリン塩基 purine base
- 関
- ピリミジン、アデニン、グアニン
- ピリミジン環とイミダゾール環との縮合環からなる複素環式化合物
- プリン核を持つ塩基性化合物がプリン塩基
[★]
- 英
- metabolism
- 同
- 物質代謝、新陳代謝
- 関
- 中間代謝