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色覚異常(しきかくいじょう)は、ある特定の視覚の特性をさして呼ぶ診断名。ヒトの色覚が、先天的あるいは後天的な要因によって、正常色覚とされる範囲にない状態をいう。その正常色覚とされる範囲は眼科学によって定義される。
先天的に発生するものと、後天的に発生するものがある。先天色覚異常の形質は染色体連鎖性遺伝によって発現し、そのほとんどは赤緑色覚異常となる。後天色覚異常は先天色覚異常以外のすべての色覚異常をさす。人種や性別によって発生する割合に違いがあり、日本人の場合、男性では20人に1人、女性では500人に1人の割合で発生する。一方、フランスや北欧では男性で10人に1人、女性では200人に1人と日本人より多くなっている。アフリカ系の人では逆に少なく、2~4%程度とされる[1]。
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まったく錐体細胞を持たない場合、およびS・M・Lのいずれかひとつしか錐体細胞を持たない場合に発生する。発症は数万人に1人と少ない。
まったく錐体細胞を持たない場合は、本来暗い光を感知する桿体細胞のみに視覚を頼る形になる。暗いところでは正常色覚者でも色がわからなくなるほか、細かい形状がわからなくなる(視力が低下する)が、錐体細胞がまったくない場合は、明るい環境でもこの状態になる。つまり、色がまったく識別できないほか、弱視などの症状がある。視力は0.1程度。近視などと違って網膜の問題なので眼鏡では色覚も視力も改善しない。また、明るすぎる環境では桿体細胞が正常に働かず、さらに視力が低下する。これに対してはサングラスや遮光眼鏡で対処する。
S錐体のみを持つ場合、もともとS錐体自体の数がM錐体・L錐体に比して非常に少ない(約1/10)ため、まったく錐体を持たない場合とあまり変わらない症状になる。視力は0.3程度。
M錐体またはL錐体のみを持つ場合は色の識別はできなくとも視力は良いが、極めてまれである。
ミクロネシア連邦のピンゲラップ島(英語版)は、12人に1人を1色覚者(錐体を持たない)が占める島である。これは、1775年頃に島を襲ったレンキエキ台風によって人口が20数人にまで減ってしまい、その生き残りに1色覚者がいたため、孤立した環境で近親婚を繰り返した結果、1色覚者の割合が高くなったものである。1色覚者は暗い場所で微妙な明かりを見分けることができるとされている。このため、ピンゲラップ島において1色覚者の人々は、月明かりの下でトビウオを捕まえる極めて優れた漁師であると言われている[誰によって?]。
先天色覚異常の中で最も多く存在し、赤系統や緑系統の色の弁別に困難が生じる人が多いといわれる。色の弁別に困難が生じるだけで、視力は正常である。日本人では男性の4.50%、女性の0.165%が先天赤緑色覚異常で(日本人では男性の約5%、女性の0.2%[2])、日本全体では約290万人が存在する。白人男性では約8%が先天赤緑色覚異常であるとされる[要出典]。
脊椎動物の色覚は、網膜の中にどのタイプの錐体細胞を持つかによって決まる。魚類、両生類、爬虫類、鳥類には4タイプの錐体細胞(4色型色覚)を持つものが多い。よってこれらの生物は長波長域から短波長域である近紫外線までを認識できるものと考えられている。一方ほとんどの哺乳類は錐体細胞を2タイプ(2色型色覚)しか持たない。哺乳類の祖先である爬虫類は4タイプ全ての錐体細胞を持っていたが、2億2500万年前には、最初の哺乳類と言われるアデロバシレウスが生息し始め、初期の哺乳類は主に夜行性であったため、色覚は生存に必須ではなかった。結果、4タイプのうち2タイプの錐体細胞を失い、青を中心に感知するS錐体と赤を中心に感知するL錐体の2錐体のみを保有するに至った。これは赤と緑を十分に区別できないいわゆる「赤緑色盲」の状態である。この色覚が哺乳類の子孫に遺伝的に受け継がれることとなった[3]。
ヒトを含む旧世界の霊長類(狭鼻下目)の祖先は、約3000万年前、X染色体にL錐体から変異した緑を中心に感知する新たなタイプの錐体(M錐体)視物質の遺伝子が出現し、ヘテロ接合体の2本のX染色体を持つメスのみが3色型色覚を有するようになり、さらにヘテロ接合体のメスにおいて相同組換えによる遺伝子重複の変異が起こり、同一のX染色体上に2タイプの錐体視物質の遺伝子が保持されることとなり、X染色体を1本しか持たないオスも3色型色覚を有するようになった。これによって、第3の錐体細胞が「再生」された。3色型色覚は果実等の発見に有利だったと考えられる[3][4]。
時代を下ってヒトの色覚を鑑みるに、ヒトが属する狭鼻下目のマカクザルに色盲がヒトよりも非常に少ないことを考慮すると、ヒトの祖先が狩猟生活をするようになり3色型色覚の優位性が低くなり、2色型色覚の淘汰圧が下がったと考えられる[3]。色盲の出現頻度は狭鼻下目のカニクイザルで0.4%、チンパンジーで1.7%である[4]。新世界ザル(広鼻下目)はヘテロ接合体のX染色体を2本持つメスのみが3色型色覚を有し、オスは全て色盲である。これは狭鼻下目のようなX染色体上での相同組換えによる遺伝子重複の変異を起こさなかったためである[4]。ヒトは上記のような霊長目狭鼻下目の祖先のX染色体の遺伝子変異を受け継いでいるため、M錐体を欠損したX染色体に関連する赤緑色盲が伴性劣性遺伝をする。男性ではX染色体の赤緑色盲の遺伝子を受け継いでいると色盲が発現し、女性では2本のX染色体とも赤緑色盲の遺伝子を受け継いでいる場合に色盲が発現する[5]。
錐体神経のうち、青錐体(S錐体)系の異常(第3色覚異常)により発生する。先天的な青黄色覚異常は非常にまれである。正常色覚者でも青錐体の数は少なく、そこからの情報は補助的にしか利用していない[6]ので、生活上の不便は全くといっていいほどなく、本人も周囲の者も気づかないことがほとんどである。学校でかつて全員に行われていた色覚検査でも赤緑色覚異常の検出に主眼を置いていたため、発見される機会も少なかった。
強度の青黄色覚異常の場合、かすかに緑がかった黄色と青紫色が中性点(無彩色に見える点)となる。だが、赤緑色覚異常での中性点(大雑把に赤と緑だが、厳密には第1色覚と第2色覚で微妙に異なる)が、日常的に同明度で区別を要する状況が頻出するのに対し、黄色と青紫が同明度で使われることはまずあり得ない(同明度の黄色と青紫は、一般的にいう藤色と黄土色の関係であり、普通の黄色と青紫では白と黒ほど明度が違って見えるので区別できないことは事実上ない)。また、緑と青の区別も難しいが、正常者でも青と緑は区別しない傾向にあるので、周囲の者も気づかないというだけである。逆に赤緑色覚異常の者にとっては、青と緑はまったく違う色に見え、正常者が区別しない傾向にあることを不思議に感じることが多い。逆に言えば、「正常色覚」は青と緑の判別力が相対的に弱いといえる。また、青黄色覚異常の人は、赤〜緑にかけての色の識別は問題ないものの緑から青にかけての色の識別は正常色覚よりも劣る。「青」錐体が欠損しているため波長410nm前後の光を吸収できず、厳密には紫みを帯びた青は黒く見え、黄色は白く見えるようになる。
錐体細胞の異常の有無と現れる色覚異常の関係を表にまとめると下記のとおりである。
錐体細胞 | 名称 | 症状 | 発生頻度 | ||
---|---|---|---|---|---|
S | M | L | |||
○ | ○ | ○ | 正常色覚 | 正常(症状なし) | 人口の大多数 |
○ | ○ | × | 1型色覚 | 赤系統〜緑系統の色弁別に困難が生じるが、
正常色覚とほぼ同程度の弁別能を持つ者も多い |
日本では男性約22人に1人
女性約600人に1人 |
○ | × | ○ | 2型色覚 | ||
× | ○ | ○ | 3型色覚 | 正常色覚とほとんど変わらないが、
正常色覚と比べて全体的に色がくすんで暗く見える |
日本では数万人に1人 |
× | × | ○ | 1色覚 | 色は識別できないが視力は正常 | 日本では数万人に1人 |
× | ○ | × | |||
○ | × | × | 色が識別できず視力も低い | ||
× | × | × |
医学用語(現行) | 医学用語(2004年以前) |
---|---|
1色覚 | 全色盲 |
2色覚 | 2色型色覚 |
3色覚・正常色覚 | 正常3色型色覚・正常色覚 |
異常3色覚 | 異常3色型色覚・色弱 |
1型色覚 | 第1色覚異常 |
2型色覚 | 第2色覚異常 |
3型色覚 | 第3色覚異常 |
1型2色覚 | 第1色盲・赤色盲 |
2型2色覚 | 第2色盲・緑色盲 |
3型2色覚 | 第3色盲・青色盲 |
1型3色覚 | 第1色弱・赤色弱 |
2型3色覚 | 第2色弱・緑色弱 |
3型3色覚 | 第3色弱・青色弱 |
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本節は未記述。注を参照のこと。[8]
色覚異常があると数字などが読めない指標や、色覚異常がある場合と無い場合で違うものが読める指標、色覚異常者には読め正常色覚者には読めない指標を読ませることで色覚異常を検出する。感度が高くほとんど正常に近い色覚異常でも検出できる。色覚特性に対する高い検出力、検査の簡便さや準備の手軽さ、低費用などの長所があるため、色覚検査でもっともよく使われる方法の一つであり、精密検査で他の色覚検査法に先だって行われることも多い。
石原表が有名で世界的に用いられているほか、標準色覚検査表、東京医大表などがある。カラーセロファンなどの一般的な色フィルターをかざすことで色覚検査表を判読することができる場合がある。
赤緑異常の評価に頻用される。緑の光と赤の光を混合すると黄色く見えるが、これを黄色の波長の光を見ながら同じく見えるように混合比を調節させるものである。赤緑異常を持っている場合、正常人に比べて混合比がどちらかに大きく偏る傾向が見られる。
連続した色相の15個のチップを、色が連続的に変化するように並べるものである。ある2色の区別が付きにくい場合、それ以外の色の変化のみに着目した配列にしてしまうため、色覚異常の種類・程度を判別することができる。
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かつて色盲(しきもう)と呼ばれた[9]ことから、「白黒に見える」ような誤解があるが、それはまれな全色盲の場合である。先天色覚異常の大多数を占める赤緑色覚異常の当事者は有彩色を感じ取っている。先天色覚異常者の色弁別能(2つ以上の色が同じか違うかを判別する能力)は、正常色覚者の色弁別能に劣る。しかし、軽度の先天色覚異常者の色弁別能は、日常生活で不便を感じる程度のものではない。
以下のような色の組み合わせの例は、正常色覚者と先天色覚異常者とで見分けやすさが異なる場合が多い。正常色覚者にとっては同系色でない色彩の組み合わせを、先天色覚異常者が同系色と認識する、あるいは色相を特定できないなどといったことが生じる場合がある。狭い面積に配色されたもの(細い線の文字など)はより判別しにくくなるなど、色彩以外の条件も影響する。
なお、以下の色彩は、各々のコンピュータやディスプレイの設定・特性に影響されるため、参考程度にとらえるべきである。また、これらは先天色覚異常の説明のためのものであり、色覚異常の判定に用いることは不適切である。大雑把に言えば、明度が近い場合に、赤っぽさと緑っぽさを混同しているように見える。
淡赤と淡緑 | ||
淡赤と淡灰 | ||
淡緑と淡灰 | ||
淡青紫と淡青灰 | ||
淡青緑と淡青灰 | ||
淡青紫と淡青緑 | ||
赤味青と緑味青 | ||
青紫と暗青 | ||
赤味黄と緑味黄 | ||
黄赤と黄緑 | ||
暗黄と暗緑 | ||
暗赤と暗緑(重度の場合) | ||
赤黒と黒(1型色覚の場合) | ||
赤と暗橙(1型色覚の場合) | ||
緑黒と黒(2型色覚の場合) | ||
青緑と灰(2型色覚の場合) |
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一部の色が区別しづらいだけで日常生活にはほとんど影響ないが、「色盲」「異常」などの言葉の語感ゆえ誤解・理解不足による偏見を招き、かつては[いつ?]社会生活に多くの面で不当な差別の対象となった。
日本の小学校では、全児童を対象に石原表を用いた色覚検査が行われていた。1994年以降は4年次における1回だけになり、文部科学省は「色覚異常についての知見の蓄積により、色覚検査において異常と判別される者であっても、大半は支障なく学校生活を送ることが可能であることが明らかになってきていること、これまで、色覚異常を有する児童生徒への配慮を指導してきていること」を理由として、2003年度より色覚検査を定期健康診断の必須項目から削除した[10]。
学校内で必要に応じて色覚検査を行うことについては、日本学校保健会は「学習指導や進路指導に際して、色覚異常の児童生徒を配慮するために、検査の実施を必要とする考えから」、色覚検査の任意実施を認める姿勢にある。また日本眼科医会は、2013年の調査で色覚異常の子どもの半数が異常に気づかぬまま進学・就職時期を迎え、その6人に1人が進路の断念などのトラブルを経験していることが分かった[10][11]ことから、希望者には小学校低学年と中学1・2年で検査を実施するのが望ましい、と訴えている[12]。保護者の同意があれば現在でも色覚検査はできるが、「検査はやってはいけないと思った」という教師の誤解などから希望調査すら実施しない学校がほとんどである[13]。
しかし、強制ではなく希望者に対して行う形の検査は、行われているところもある[どこ?]。
雇用者については、労働安全衛生法で義務づけられた雇い入れ時健康診断の必須項目の中に色覚検査が加えられており、実際に行なわれることは少なかった[要出典]ものの、法的には新規採用社員は色覚検査を受ける必要があった。この義務は、採用を制限しないよう指導する目的で2001年に[11]廃止された。
以前は多くの大学が入学制限を課しており、中には、医師免許の取得には昔から色覚による制限がなかったにも拘らず、入学者選考時に色覚制限を課す大学が多く存在した。1993年以降ほぼすべての国立大学で色覚による制限はなくなり、私立大学もそれに準じている。
上述のとおり雇い入れ時健康診断における色覚検査は廃止されたが、これは雇用者が任意に検査を実施することを禁ずるものではなく、企業によっては制限を課しているところもある。
厚生労働省は、
という指導を行っている。しかし実情としては、同じ業種であっても色覚制限の有無は企業によってまちまちである。
日本では偏見が薄れ、少しずつ改善傾向にある。運転免許については信号機の色が弁別しづらいために取得できないという誤解があるが、実際には運転免許試験場で石原表でなく、赤、黄、青の3枚のプラスチック板の色を弁別できれば、運転免許を取得できる。これは強度の色覚異常であっても問題なく答えられる試験である。
運転免許が取得できるにもかかわらず、市バスなどの運転手では採用をしないケースが多かったが、最近は[いつから?]色覚異常を条件としない自治体が徐々に増えている[要出典]。
船舶免許も、パネルD15テストの結果が正常な程度の弱度の異常であれば、免許を取得できるようになっている。2004年からは、小型船舶に関しては強度異常であっても夜間の船舶の舷側灯の色が識別できれば免許を取得できるようになった。
動力車操縦者(電車の運転士)免許試験では色覚に異常のある者の受験を認めていない。根拠法は、国土交通省が定める、『動力車操縦者運転免許に関する省令』による。また運転士以外の運転業務に就く際にも色覚が正常である必要がある。なお鉄道会社では、運転業務に就く可能性がない非常勤採用などの場合を除き採用時に色覚検査を行っており、色覚に異常のある者は鉄道会社への就職はできない場合が多い[11]。
毒物及び劇物取締法によれば、色盲の者には、特定毒物研究者の許可を与えないことができる。
水先法施行規則によれば、水先人になるためには色盲又は強度の色弱でないことが求められる。
航空管制官採用試験では、色覚に異常のある者は不合格となる[14]。
自衛隊では航空機パイロットと一部の整備士、潜水艦乗組員には特に厳しい色覚制限があるが、一般隊員についてはパネルD15テストの結果が正常であれば入隊可とされている。これは、防衛医科大学校の医官が実際に自衛官の各業務の内容を実地に精査し、色覚異常の隊員等の勤務成績も勘案した結果出された判断であって、その後10年間の追跡調査でも、色覚異常の有無による勤務成績の差は見られていない。
航空業界では、整備士、操縦士はもちろんのこと、航空機の地上支援業務を行うグランドハンドリングも、現実的に採用は厳しくなっている。
警察官採用試験は、自治体により異なっていたが、最後まで残っていた沖縄県も2011年6月に制限を廃した。
化学薬品を扱ったり電気工事を行う職種などでは、薬品やケーブルの色の判別が大事故につながり、生命の危険が発生する可能性があるため、色覚制限を設けている場合がほとんどである。
徴兵検査では多くの国で詳細な色覚の検査が行われてきた歴史があり、日本では石原表が官民で広く用いられていた。男性約22人に1人いる2型色覚の場合には兵科色の中に区別できない物が何種類か存在することになり、軍務を行う上で重大な欠陥として扱われてきた。このため2型色覚は兵役免除の対象になった。例えば、2型色覚の混同色である橙色と黄緑色はドイツ軍では橙色は憲兵、黄緑色は装甲擲弾兵部隊を表していた。
徴兵制が世界的に行われていた時代には身体的欠陥による徴兵不適格者は社会的にあらゆる場面で差別を受けたため、色覚異常は過剰に障害として問題視された。
現代では兵科色自体があまり使われなくなったことや、誤認を防ぐ色分け方法の発達などによりそれほど問題とされなくなった。
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デザインの分野では、色覚異常者に重要な表示が読みづらくなる可能性を考慮して、特定の色遣いを避けることが推奨されている。ウェブサイト設計においては、前景色と背景色の色差、明度差を一定以上にするようW3Cがガイドラインを示している。
これらの対応を行うことにより、色覚異常があっても読みやすい表示ができるという説がある。加えて、白黒表示環境など多様な環境からのアクセシビリティを確保できることにも繋がると考えられ、バリアフリーの範疇に含まれる手法とみなすことが可能となる場合がある。
信号機ではLED化の影響で色覚異常の人が以前より色の判別をしにくくなったとされるが、赤信号に特殊なLEDで×印を表示することで、色覚異常の人が赤と黄信号を判別しやすいように配慮されたユニバーサルデザインの信号機が開発されている[15][16]。
状態を表示するために2色LEDを使用している電子機器において、その多くが赤と緑の組み合わせであるため色覚異常で最も多い赤緑色覚異常の人には状態を判別できない問題がある。その後青色LEDの実用化に伴い青とアンバーや青と赤の組み合わせの2色LEDも製品化されている。[17][18]
日本においては、鍼灸などの治療家や医療研究家による、先天色覚異常は治療可能であるという主張があり、その主張を支持する医師、研究者、当事者らもごく一部に存在する。しかし、眼科学において先天色覚異常が治療されたとみなされる例は、現在のところ一例も報告されていない。
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