- 英
- calcium sulfate
- 関
- 石膏
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硫酸カルシウム |
|
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
7778-18-9,
10034-76-1(1/2水和物)
10101-41-4 (2水和物) |
KEGG |
D09201 |
RTECS番号 |
WS6920000 |
特性 |
化学式 |
CaSO4 |
モル質量 |
136.14 g/mol |
外観 |
無色結晶 |
密度 |
2.96 g/cm3 (無水物)
2.32 g/cm3 (2水和物) |
融点 |
1460 ℃
|
水への溶解度 |
0.24 g/100 cm3 (20 ℃, 無水物)
0.21 g/100cm3 (20 ℃, 2水和物) |
構造 |
結晶構造 |
斜方(無水物)、斜方(1/2水和物)、単斜(2水和物) |
熱化学 |
標準生成熱 ΔfHo |
−1434.11 kJ mol−1(無水物)
−1576.74 kJ mol−1(1/2水和物)
−2022.63 kJ mol−1(2水和物) |
標準モルエントロピー So |
106.7 J mol−1K−1(無水物)
130.5 J mol−1K−1(1/2水和物)
194.1 J mol−1K−1(2水和物) |
標準定圧モル比熱, Cpo |
99.66 J mol−1K−1(無水物)
119.41 J mol−1K−1(1/2水和物)
186.02 J mol−1K−1(2水和物) |
危険性 |
MSDS |
ICSC 1589 |
引火点 |
不燃性 |
関連する物質 |
その他の陽イオン |
硫酸マグネシウム;硫酸ストロンチウム;硫酸バリウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
硫酸カルシウム(りゅうさんカルシウム、英: calcium sulfate)は、化学式 CaSO4 で表されるカルシウムの硫酸塩であり、固体はカルシウムイオンと硫酸イオンからなるイオン結晶である。石膏の主成分でもある。
固体には無水物の他、0.5水和物CaSO4·1/2H2Oおよび2水和物CaSO4·2H2Oが存在し、それぞれ天然鉱物も存在し無水物は硬石膏、0.5水和物はバサニ石、2水和物は石膏である。
炭酸水素カルシウムが一時硬水の成分であるのに対し、硫酸カルシウムを含有する天然水は加熱しても沈殿除去されないため永久硬水と呼ばれる。製塩の際、海水を濃縮すると初めに溶解度の小さい炭酸カルシウムおよび硫酸カルシウムなどが析出する。
合成
カルシウム塩の水溶液に、希硫酸または硫酸塩水溶液を加えると、徐々に結晶性沈殿が析出する。66℃以下では2水和物、以上では無水物が析出する[1]。
また硫酸と水酸化カルシウムが中和して生成する塩でもある。
性質
無水物、0.5水和物および2水和物いずれも無色の結晶または粉末であり水に僅かに溶解し、これらの中では0.5水和物の溶解度がやや大きい。また硫酸ストロンチウムおよび硫酸バリウムなど他のアルカリ土類金属硫酸塩よりも溶解度が大きく、硫酸マグネシウムよりはるかに小さい。2水和物の溶解度積および溶解エンタルピー変化、ギブス自由エネルギー変化は以下の通りである[2]。
- , , ,
濃硫酸には硫酸水素カルシウムとなり溶解する。濃塩酸に対しても硫酸水素塩を生じて水よりも溶解度は増大する。チオ硫酸ナトリウムおよびアンモニウム塩水溶液に対しても錯体を生じて溶解度は増大する。グリセリンに対する溶解度も水よりも大きい[1]。
2水和物は通常石膏とも呼ばれ、200℃以下で徐々に加熱脱水すると、0.5水和物の焼石膏の粉末が得られ、これに適度に水を加えて型に流し込むと2水和物となり数分で固化する。この性質を利用して型取り、立体模型、ギプスなどに利用される。しかし200℃以上で強熱すると無水物となり硬石膏または焼殺石膏とも呼ばれ、容易には2水和物に戻らない。
1000℃以上に加熱すると僅かに分解し少量の三酸化硫黄を生成して酸化カルシウムを含む固溶体を生成する。これは少量の水を吸収して固化するため、モルタルなどに使用される[1]。
参考文献
- ^ a b c 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
外部リンク
- 国際化学物質安全性カード 硫酸カルシウム(無水物) - 国立医薬品食品衛生研究所
- 国際化学物質安全性カード 硫酸カルシウム二水和物 - 国立医薬品食品衛生研究所
カルシウムの化合物 |
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二元化合物 |
Ca3As2 · CaB6 · CaBr2 · CaC2 · CaCl · CaCl2 · CaF2 · CaH2 · CaI2 · Ca(N3)2 · Ca3N2 · CaO · CaO2 · CaP · Ca3P2 · CaS · CaSe · CaSi · CaSi2 · CaTe
|
|
三元化合物 |
Ca(AlO2)2 · Ca3(AsO4)2 · Ca3(BO3)2 · Ca(BrO3)2 · Ca(ClO)2 · Ca(ClO3)2 · Ca(ClO4)2 · CaCN2 · Ca(CN)2 · CaCO3 · CaC2O4 · CaCrO4 · CaCr2O7 · Ca(IO3)2 · Ca(MnO4)2 · Ca(NO2)2 · Ca(NO3)2 · Ca(OH)2 · Ca2P2O7 · Ca3(PO4)2 · CaSeO4 · CaSiO3 · CaSO3 · CaSO4 · CaTiO3
|
|
四元・五元化合物 |
Ca(CH3COO)2 · Ca(HCO3)2 · Ca(HCOO)2 · CaHPO4 · Ca(H2PO4)2 · Ca(HSO3)2 · Ca(HSO4)2 · Ca(OCN)2 · Ca(SCN)2 · CaCl(OH)2 ·
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Japanese Journal
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
※※ ※ メペンゾラート臭化物錠7.5mg「ツルハラ」
組成
組 成
- メペンゾラート臭化物錠7.5mg「ツルハラ」は1錠中、メペンゾラート臭化物7.5mgおよび添加物として黄色5号、乳糖水和物、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、タルク、沈降炭酸カルシウム、アラビアゴム末、白糖、硫酸カルシウム、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルナウバロウを含有する。
禁忌
- (1)緑内障のある患者〔眼圧亢進を助長し、症状を悪化させるおそれがある。〕
- (2)前立腺肥大による排尿障害のある患者〔排尿筋の弛緩と膀胱括約筋の収縮を起こし、排尿障害を悪化させるおそれがある。〕
- (3)重篤な心疾患のある患者〔心臓の運動を促進させ、症状を悪化させるおそれがある。〕
- (4)麻痺性イレウスのある患者〔消化管運動を低下させるため、症状を悪化させるおそれがある。〕
- (5)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 通常成人には1回2錠(メペンゾラート臭化物として15mg)を、1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
1)前立腺肥大のある患者
2)甲状腺機能亢進症のある患者
- 〔甲状腺機能亢進症の患者では心悸亢進や頻脈がみられるが、本剤は心臓の運動を促進させ、これらの症状を悪化させるおそれがある。〕
3)うっ血性心不全又は不整脈のある患者
- 〔心臓の運動を促進させ、症状を悪化させるおそれがある。〕
4)潰瘍性大腸炎のある患者
5)高温環境にある患者
- 〔汗腺等の分泌機能を抑制するので、体温調節が障害され高熱になるおそれがある。〕
6)高齢者
薬効薬理
- ●メペンゾラート臭化物は抗コリン作用を有し、犬、猫において消化管の自動運動を抑制する。この作用は結腸に対してより強くあらわれる2)3)4)。
- ●犬でネオスチグミンやプロスタグランディンF2αによって亢進した消化管運動に対しても抑制効果を示す2)。また同じく犬で胃を冷水で還流する時に起こる寒冷刺激による大腸運動、すなわち胃大腸反射を抑制する3)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- メペンゾラート臭化物(Mepenzolate Bromide)
化学名
- (3RS)-3-[(Hydroxy)(diphenyl)acetoxy]-1,1-dimethylpiperidinium bromide
分子式
分子量
性状
- 本品は白色〜淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。本品はギ酸に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、熱湯にやや溶けやすく、水又はエタノール(95)に溶けにくく、無水酢酸に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点:約230℃(分解)
★リンクテーブル★
[★]
- 日
- せっこう
- 英
- gypsum
- 関
- ギプス、硫酸カルシウム、セッコウ
[★]
- 関
- gypsum
[★]
- 英
- calcium
- 関
- カルシウムイオン、リン
- calcium channel blockers, calcium channels
基準値
- 血清総Ca 8.6-10.1 mg/dl(臨床検査法提要第32版)
- 8.6-10.2 mg/dL (QB) だいたい 9.4 ± 0.8
- 血清Caイオン 1.15-1.30 mmmol/l(臨床検査法提要第32版), 4.6-5.1 mg/dl
血液ガス
- 血液ガスでは (mEq/l)で出されるが 4倍すれば (mg/dl)に変換できる 原子量が約40ゆえ
溶解度積
リン酸カルシウム
|
366x10-6
|
(30℃)
|
リン酸カルシウム
|
0.35x10-6
|
(38℃)
|
炭酸カルシウム
|
0.0087x10-6
|
(25℃)
|
酒石酸カルシウム
|
0.0077x10-6
|
(25℃)
|
シュウ酸カルシウム
|
0.00257x10-6
|
(25℃)
|
オレイン酸カルシウム
|
0.000291x10-6
|
(25℃)
|
パルチミン酸カルシウム
|
0.000000161x10-6
|
(23℃)
|
カルシウムの吸収(SP.744)
- +健康成人の1日あたりの食物Ca摂取0.6g
- +消化管分泌物と脱落上皮細胞のCa 0.6g
- -吸収されるCa 0.7g
- -そのまま排泄 0.5g
- 正味吸収されるCa 0.1g
カルシウムの吸収部位
カルシウム代謝の調節機構
副甲状腺ホルモン
- 1. 破骨細胞に作用してCa,Pが血中へ。
- 2. 腎の遠位尿細管に作用してCa再吸収の亢進、近位尿細管でのP再吸収の抑制。
- 3. 近位尿細管に作用して酵素を活性化し、1,25水酸化ビタミンD3の産生亢進。
1,25(OH)2D3
- 1. 空腸からのCaとPの吸収。
- 2. 骨形成促進。
- 3. 遠位尿細管でのCaとPの再吸収促進。
- 4. 副甲状腺ホルモンの合成を抑制
尿細管における部位別カルシウム輸送
- 糸球体で濾過されるのはイオン化Caと陰イオン複合型Ca(蛋白結合型Caは濾過されない)
- 濾過されたカルシウムのうち95%が再吸収される。
- 近位尿細管:60-70%
- ヘンレループ:20-25%
- 遠位尿細管、集合管:10-15%
近位尿細管
- Na+依存的に再吸収。受動輸送80%、能動輸送20%
- 基底側のCa2+ ATPase, 3Na+-Ca2+逆輸送系
ヘンレループ
- 太いヘンレループ上行脚で
- 受動輸送:管腔内電位が正であるため
遠位尿細管~集合管
- 糸球体濾過量の10-15%が再吸収されている → 量としては少ないが能動的に吸収が行われる部位。
- 能動輸送:管腔内電位が負であるため。
- PTH、カルシトニンに調節されている
- チアジド系利尿薬により細胞内Na↓となるとCa再吸収↑となる!!!! ← ループ利尿薬と違う点。よって高カルシウム血症が起こることがある。
接合尿細管
- 管腔側:Ca2+チャネル/非選択的カチオンチャネル
- 基底側:Na+-K+ ATPase, 3Na+-Ca2+交換系
尿細管におけるカルシウムの輸送の調節 SP.796
- Ca2+の尿中排泄量はNa+の尿中排泄量と比例。循環血漿量が増加するとCa2+排泄も増加
- Ca2+の尿中排泄量は血漿Ca2+濃度と比例する。
血清カルシウム濃度
- 血液中でCa2+は調節を受けて一定に保たれるが、蛋白と結合しているCaはアルブミンの量によって増減する。
- 血清アルブミン濃度 4 g/dl、血清Ca濃度 9mg/dl。補正Ca濃度 9mg/dl → 正常
- 血清アルブミン濃度 2 g/dl、血清Ca濃度 7mg/dl。 → 大変!!低カルシウム血症!! → ホント? ってことになる。アルブミンの量が減ってAlb-Caが減っただけで生理的に重要なCa2+は保たれているのではないか。 → こんな時に補正Ca濃度を用いるのである
- →補正Ca濃度 9mg/dl → 正常
- つまり、低アルブミン血症ではCa2+は保たれているにもかかわらず、血清Caは低値となりそのままでは評価できないために補正を行う。
- 補正Ca濃度(mg/dl)=Ca実測値(mg/dl)+(4-血清アルブミン濃度(g/dl)) ・・・Payneの式
- アルブミンのpIは7より小さく、アシデミアでは負に帯電しているアルブミンが減少、アルカレミアでは負に帯電しているアルブミンが増加する。すなわち、pHが下がるとアルブミンとくっつなくなったCaが増加するので、血液pH0.1の低下につきfreeイオン化Ca(Ca2+)は0.12mg/dl増加する???????????
循環血液量
血清Ca濃度
- 血清Ca濃度↑→PTH↓
- 生理活性のあるのはイオン化Ca(Ca2+)のみ
- 血清Ca濃度=イオン化Ca(45%) + 蛋白結合型Ca(40%) + 陰イオン複合型Ca(15%)
- イオン化Caは一定に保たれる
pH
- アシドーシス :pHが小さくなると負電荷減少:蛋白のCa結合能↓、イオン化Ca↑
- アルカローシス:pHが大きくなると負電荷増加:蛋白Caの結合能↑、イオン化Ca↓→Ca欠乏(低カルシウム血症)
低蛋白血症
- 低蛋白血症の際、蛋白結合型Caは減少するが、イオン化Ca一定。
尿中カルシウム
血中カルシウムと尿中カルシウム
- 薬剤などの影響がなければ、血中カルシウムと尿中カルシウムは相関がありそうである → 副甲状腺ホルモン
血清カルシウムと心電図
元素
- 金属元素。周期表第2族アルカリ土類金属元素
- 原子番号:20
- 元素記号:Ca
- 原子量 40.078 g/mol
臨床関連
参考
- http://www.orth.or.jp/osteoporose/caseizai.html
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
[★]
- 英
- sulfuric acid, sulfate
- 関