- 英
- zinc chloride
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塩化亜鉛[1] |
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識別情報 |
CAS登録番号 |
7646-85-7 |
EINECS |
231-592-0 |
国連番号 |
2331 |
RTECS番号 |
ZH1400000 |
特性 |
化学式 |
ZnCl2 |
モル質量 |
136.315 g/mol |
外観 |
白色固体 |
密度 |
2.907 g/cm3 |
融点 |
275 ℃ (548 K)
|
沸点 |
756 ℃ (1029 K)
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水への溶解度 |
432 g/100 mL (25 ℃) |
構造 |
結晶構造 |
4つの結晶系があり、無水物では β 相が最も安定。 |
配位構造 |
四面体形, 気相では直線形 |
危険性 |
MSDS |
External MSDS |
EU分類 |
有害 (Xn)
腐食性 (C)
環境への危険性 (N) |
EU Index |
030-003-00-2 |
Rフレーズ |
R22, R34, R50/53 |
Sフレーズ |
(S1/2), S26, S36/37/39, S45, S60, S61 |
関連する物質 |
その他の陰イオン |
フッ化亜鉛
臭化亜鉛
ヨウ化亜鉛 |
その他の陽イオン |
塩化カドミウム
塩化水銀(II) |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
塩化亜鉛(えんかあえん、Zinc chloride)とは、亜鉛の塩化物である。1648年にドイツの J. R. グラウバーによって最初に合成された[2]。
無水物の斜方晶は塩素が六方最密構造、亜鉛が4面体空孔に配置した構造。過剰な塩素の存在や濃厚溶液では亜鉛に四面体型に塩素が配位した[ZnCl4]2-構造が見られる。28℃以上では無水塩が[3]、28℃以下で水和物を形成し、28℃で1.5水和物、11.5℃で2.5水和物、6℃で3水和物、-30℃で4水和物を形成することが知られている[2] 。
潮解性を示し水溶液は一部が加水分解により中程度の酸性(pHは4前後)を示す 。濃厚溶液は粘度が高く蛍光を発する。水の他にエタノール、アセトン、グリセリン、エーテルにも溶ける。
加熱すると分解し、有毒なヒューム(塩化水素、酸化亜鉛)を生じる。
製造法は金属亜鉛または酸化亜鉛に塩酸を加えると得られる。あるいは工業的には無水塩化亜鉛は亜鉛と塩化水素から以下の反応で生成する[2] 。
- Zn + 2 HCl (g) → ZnCl2 (s) + H2 (g)
用途はめっきの際の表面清浄剤、羊毛の難燃性処理,にかわ製造,防腐剤など[2]あるいはマンガン乾電池の電解液に使われる。
はんだ付けの際、融剤として用いられる。これは塩化亜鉛の水溶液が加水分解されて酸性を示し、金属酸化物を溶かしやすいことと、はんだ付けの温度では蒸発してしまうことがないからである。
塩化亜鉛の微粉末(ヒューム)は刺激性であり、眼、呼吸器あるいは皮膚を刺激する。ヒュームを大量に吸引するとチアノーゼを起こす[2] 。水生生物に対して毒性が強い[1]。
また寒剤にもなり、塩化亜鉛/氷 を51:49で混合すると、−62℃と低温になる。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- 『世界大百科事典』[2]
- 『岩波理化学辞典』[3]
脚注[編集]
- ^ a b 塩化亜鉛ICSC
- ^ a b c d e f 水町 邦彦、「塩化亜鉛」、『世界大百科事典』、CD-ROM版、平凡社、1998年。
- ^ a b 長倉三郎ら(編)、「塩化亜鉛」、『岩波理化学辞典』、第5版 CD-ROM版、岩波書店、1998年。
亜鉛の化合物 |
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二元化合物 |
Zn3As2 · ZnBr2 · ZnCl2 · ZnF2 · ZnH2 · ZnI2 · Zn3N2 · ZnO · ZnO2 · Zn3P2 · ZnS · ZnSb · ZnSe · ZnTe
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三元化合物 |
Zn(CH3)2 · Zn(C2H5)2 · Zn(ClO3)2 · Zn(ClO4)2 · Zn(CN)2 · ZnCO3 · ZnCrO4 · ZnMoO4 · Zn(NO3)2 · Zn(OH)2 · Zn2P2O7 · Zn3(PO4)2 · ZnSeO4 · ZnSO4 · ZnTiO3 · Zn(NH2)2 · Zn(MnO4)2
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Japanese Journal
- 症例報告 自壊した乳腺腫瘍に対し緩和療法としてMohsペーストを使用した猫の1例
- 塩化亜鉛を原料に用いた溶液成長法によるZnOナノロッドの成長と形状制御 (有機エレクトロニクス)
- 寺迫 智昭,村上 聡宏,矢木 正和
- 電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 112(97), 23-28, 2012-06-22
- NAID 40019340847
Related Links
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- 消火方法 : 速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には容器及び周囲に散水して冷却する。当該品は不燃性であるが、強熱(283 以上)されると塩化亜鉛のヒュームを発生し、それを吸入すると亜鉛熱を起こすので ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ランタス注ソロスター
組成
有効成分:日局インスリン グラルギン(遺伝子組換え)
添加物:m-クレゾール
添加物:塩化亜鉛
添加物:グリセリン
添加物:pH調節剤2成分
禁忌
- 低血糖症状を呈している患者
- 本剤の成分又は他のインスリン グラルギン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。
糖尿病以外にも耐糖能異常や尿糖陽性を呈する糖尿病類似の病態(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)があることに留意すること。
- 通常、成人では、初期は1日1回4〜20単位を皮下注射するが、ときに他のインスリン製剤を併用することがある。注射時刻は朝食前又は就寝前のいずれでもよいが、毎日一定とする。投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて増減する。なお、その他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4〜80単位である。
ただし、必要により上記用量を超えて使用することがある。
- 適用にあたっては本剤の作用時間、1mLあたりのインスリン含有単位と患者の病状に留意し、その製剤的特徴に適する場合に投与すること。
- 糖尿病性昏睡、急性感染症、手術等緊急の場合は、本剤のみで処置することは適当でなく、速効型インスリン製剤を使用すること。
- 中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、以下を参考に本剤の投与を開始し、その後の患者の状態に応じて用量を増減するなど、本剤の作用特性[【薬物動態】の項参照]を考慮の上慎重に行うこと。[「2.重要な基本的注意」の項参照]
インスリン グラルギン300単位/mL製剤から本剤に変更する場合:
- 通常初期用量は、前治療のインスリン グラルギン300単位/mL製剤の1日投与量と同単位よりも低用量を目安として投与を開始する。
インスリン グラルギン300単位/mL製剤以外の中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合:
- 1日1回投与の中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は、前治療の中間型又は持続型インスリン製剤の1日投与量と同単位を目安として投与を開始する。
- 1日2回投与の中間型インスリン製剤から本剤への切り替えに関しては、国内では使用経験がない。[【臨床成績】の項3.参照]
- インスリン グラルギン300単位/mL製剤又は中間型インスリン製剤から本剤への切り替え直後に低血糖があらわれることがあるので[【臨床成績】の項1.参照]、中間型又は持続型インスリン製剤から本剤に変更する場合、併用している速効型インスリン製剤、超速効型インスリンアナログ製剤又は他の糖尿病用薬の投与量及び投与スケジュールの調整が必要となることがあるので注意すること。
インスリン製剤以外の他の糖尿病用薬から本剤に変更する場合又はインスリン製剤以外の他の糖尿病用薬と本剤を併用する場合:
- 投与にあたっては低用量から開始するなど、本剤の作用特性[【薬物動態】の項参照]を考慮の上慎重に行うこと。
- ヒトインスリンに対する獲得抗体を有し、高用量のインスリンを必要としている患者では、他のインスリン製剤から本剤に変更することによって、本剤の需要量が急激に変化することがあるので、経過を観察しながら慎重に投与すること。
慎重投与
- 手術、外傷、感染症等の患者
- 妊婦[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
- 重篤な肝又は腎機能障害
- 下垂体機能不全又は副腎機能不全
- 下痢、嘔吐等の胃腸障害
- 飢餓状態、不規則な食事摂取
- 激しい筋肉運動
- 過度のアルコール摂取者
- 高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]
- 血糖降下作用を増強する薬剤との併用[「3.相互作用」の項参照]
- 低血糖を起こすと事故につながるおそれがある患者(高所作業、自動車の運転等の作業に従事している患者等)
- 自律神経障害のある患者[低血糖の自覚症状が明確でないことがある。]
重大な副作用
低血糖
0.7%
- 低血糖(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等)があらわれることがある。
なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意すること。また、長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β‐遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を経口摂取し、α‐グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース等)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を経口摂取すること。
経口摂取が不可能な場合はブドウ糖を静脈内に投与するか、グルカゴンを筋肉内又は静脈内投与すること。
低血糖は臨床的にいったん回復したと思われる場合にも後で再発することがある。また、本剤の作用は持続的であるため、経過観察を継続して行うことが必要である。
ショック、アナフィラキシー
頻度不明注)
- ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、全身性皮膚反応、血管神経性浮腫、気管支痙攣、低血圧等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- インスリン グラルギンは中性のpH領域で低い溶解性を示すように設計されたヒトインスリンアナログである。インスリン グラルギンの注射剤である本剤は約pH4の無色澄明な溶液であるが、皮下に投与すると直ちに生理的pHにより微細な沈殿物を形成する。皮下に滞留したこの沈殿物からインスリン グラルギンが緩徐に溶解し、皮下から血中に移行することから、24時間にわたりほぼ一定の濃度で明らかなピークを示さない血中濃度推移を示す。
インスリン及びインスリン グラルギンを含むその誘導体の主要な活性は、グルコース代謝の調節にある。インスリン及びその誘導体は、末梢におけるグルコースの取り込み、特に骨格筋及び脂肪による取り込みを促進し、また肝におけるグルコース産生を阻害することによって血糖値を降下させる。更に、蛋白分解を阻害し、蛋白合成を促進するとともに、脂肪細胞における脂肪分解を阻害する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- インスリン グラルギン(遺伝子組換え)
Insulin Glargine(Genetical Recombination)
分子式
分子量
性 状
- 本品は白色の粉末である。
本品は水又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
本品は0.01mol/L塩酸試液にやや溶けにくい。
本品は吸湿性である。
本品は光により徐々に分解する。
等電点
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- パッチテスト
一般名
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分子式
|
性状
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塩化アルミニウム
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AlCl3・6H2O
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本品は白又はうすい黄色の結晶又は結晶性粉末である。
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塩化コバルト
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CoCl2・6H2O
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本品は紫みの赤の結晶で、潮解性がある。
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塩化第二スズ
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SnCl4・nH2O
|
本品は白~灰白色の結晶性の固塊で吸湿性が強い。
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塩化第二鉄
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FeCl3・6H2O
|
本品は黄色~褐色の結晶塊で、潮解性がある。
|
ヘキサクロロ白金酸
|
H2PtCl6・6H2O
|
本品は赤褐色の結晶又は結晶塊で、潮解性が強い。
|
塩化パラジウム
|
PdCl2
|
本品は暗い褐色の粉末で、吸湿性がある。
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塩化マンガン
|
MnCl2・4H2O
|
本品は淡紅色の結晶又は結晶性粉末である。
|
三塩化インジウム
|
InCl3・4H2O
|
本品は白色の結晶性の粉末又は結晶性の小塊である。
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四塩化イリジウム
|
IrCl4
|
本品は黒紫~黒色の結晶である。
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臭化銀
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AgBr
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本品は微黄色~黄色の粉末である。
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重クロム酸カリウム
|
K2Cr2O7
|
本品は黄みの赤~赤みの黄色の結晶又は結晶性粉末である。
|
硫酸クロム
|
Cr2(SO4)3・8H2O
|
本品は緑色~黒緑色の粉末又は結晶である。
|
硫酸ニッケル
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NiSO4・6H2O
|
本品は緑色の結晶又は結晶性粉末で、風解する。
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塩化亜鉛
|
ZnCl2
|
本品は白い結晶性粉末又は塊状で、潮解性がある。
|
テトラクロロ金酸
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HAuCl4・4H2O
|
本品は黄金色~赤みの黄で潮解性がある結晶又は固塊である。
|
硫酸銅
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CuSO4・5H2O
|
本品は青色の結晶、塊又は粉末で、においはなく、特異な味がある。
|
塩化第二水銀
|
HgCl2
|
本品は重い無色の結晶又は白色の結晶性の粉末で、においはない。
|
[★]
- 英
- Zn zinc
- 関
- 亜鉛欠乏症。微量元素欠乏症 トレースエレメント欠乏症
- 原子番号30番の元素の金属で、原子量は65.39、元素記号はZnである。
- 人体では非常な僅かな量であるが、酵素が機能するために重要な役割を果たしており、必須微量元素と呼ばれている。
- 検査:金属定量用のスピッツで採血する。
- 基準値:血清亜鉛濃度:80-160μg/dl。小児の場合はこれより低め。
- 薬剤性:血中濃度上昇(サイアザイド系薬、ループ利尿薬、ジスルフィラム)、血中濃度低下(糖質コルチコイド、クロフィブラート、経口避妊薬)
医薬品
サプリメント
- (奏効)亜鉛欠乏症(下痢や腸管吸収障害、肝硬変、アルコール依存症、長期の中心静脈栄養)の治療
- (多分奏効):ウィルソン病
- (奏効するとはいえないが、効能は研究で示されている)摂食障害患者のうつ状態の改善や体重増加を促す、味覚障害、尋常性ざ瘡、骨粗鬆症(亜鉛低値と骨量減少の関連が示されている。亜鉛+銅+マンガン+カルシウムの摂取で閉経後の女性で骨量減少を抑制することがある、腸性肢端皮膚炎の治療、ハンセン病の治療、外用による単純ヘルペスウイルスの治療、加齢黄斑変性症の治療、胃潰瘍の予防・治療、低亜鉛血症を背景とした筋痙攣・足潰瘍の予防
臨床関連
[★]
- 英
- chloride、chloro
- 関
- 塩化物、塩素イオン、クロライド、クロリド、クロロ、クロール
[★]
- 英
- lead
- ラ
- plumbum
- 関
- 重金属
臨床関連