- 英
- odorant receptor
- 関
- 嗅覚受容器、嗅覚レセプター、匂い分子受容体、匂い分子レセプター
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/09/27 13:49:39」(JST)
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嗅覚受容体(きゅうかくじゅようたい、Olfactory receptors)は嗅細胞(嗅覚受容神経)にあるGタンパク質結合受容体の一種である。脊椎動物ではこのタンパク質は嗅上皮に、昆虫では触角に位置する。精子細胞も匂い受容体を持ち、卵子を見つけるための走化性に関連すると考えられている。
ほとんどの受容体と同じく、特有のリガンドに結合するというよりも、嗅覚受容体は匂い分子の構造へ結合する。匂い物質が受容体へ結合すると、付いていた細胞内のGタンパク質を活性化する。次に、Gタンパク質がアデニル酸シクラーゼ活性してATPを環状AMP(cAMP)へ変換する。cAMPはイオンチャネルを開き、ナトリウムイオンが細胞内へ入る。すると脱分極化が細胞へ起きてその活動電位が脳へと情報を送る。
嗅覚受容体には幅広い違いがあり、哺乳類のゲノムにはそれが1,000ほどもある。嗅覚受容体はそのゲノムの3%を占めているとされる。これらの潜在的な遺伝子のうちのほんのわずかだけが機能する嗅覚受容体を形成する。ヒトゲノム計画での解析によると、ヒトは347の機能する嗅覚受容体の遺伝子を持っている。多くの異なった嗅覚受容体がある理由は可能な限り多くの違った匂いをかぎ分けるためである。またそのように、それぞれの嗅覚受容体はただ一つの匂いに反応するのではなく、多くの類似した構造に反応するようになっている。免疫システムと同様に、それまで遭遇したことのない分子でも特徴をつかむことができる。また、ほとんどの匂いは一つ以上の受容体を刺激する。これによって限りない数の異なった分子を区別することができるのである。
2004年にリンダ・B・バックとリチャード・アクセルはノーベル生理学・医学賞を嗅覚受容体に関する研究で受賞した。
2014年7月に東京大学の新村芳人の研究チームが発表した研究によると、調査した動物の中で最も嗅覚受容体の種類が多かったのは、アフリカゾウであり、その機能遺伝子数は1948個と、イヌの811個、ヒトの396個を大きく上回っている[1][2]。
参考文献
- ^ “アフリカゾウはイヌの2倍もの嗅覚受容体遺伝子を持つ”. 東京大学. 2014年11月23日閲覧。
- ^ 草下健夫 (2014年7月28日). “ゾウの嗅覚はイヌの2倍 動物で最多の遺伝子確認 東大”. 産経新聞. http://www.sankei.com/life/news/140728/lif1407280036-n1.html 2014年11月23日閲覧。
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Japanese Journal
- 神経細胞の分散培養系にイオンチャネル一体型嗅覚受容体を発現させた匂いバイオセンサーの提案と実現性の検証
- 棚田 法男,櫻井 健志,光野 秀文,BAKKUM Douglas,神崎 亮平,高橋 宏知
- 電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society 131(1), 35-41, 2011-01-01
- NAID 10027636582
- 神経細胞の分散培養系にイオンチャネル一体型嗅覚受容体を発現させた匂いバイオセンサーの提案と実現性の検証
- 棚田 法男,櫻井 健志,光野 秀文,Bakkum Douglas,神崎 亮平,高橋 宏知
- 電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) 131(1), 35-41, 2011
- We propose a highly sensitive and real-time odor biosensor by expressing ionotropic odorant receptors of insects into dissociated cultures of neurons of rats. The odorant-gated ion channel structure o …
- NAID 130000415216
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★リンクテーブル★
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- odorant receptor
- 関
- 嗅覚受容器、匂い分子受容体、嗅覚受容体、匂い分子レセプター
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- odorant receptor
- 関
- 嗅覚受容器、嗅覚レセプター、匂い分子受容体、嗅覚受容体
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- 関
- 嗅覚受容体 olfactory receptors
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- 英
- receptor
- 同
- レセプター、リセプター
- 関
種類
First Aid FOR THE USMLE STEP 1 2006 p.199
一般的作動薬
|
受容体
|
G protein subunit
|
作用
|
アドレナリン ノルアドレナリン
|
α1
|
Gq
|
血管平滑筋収縮
|
α2
|
Gi
|
中枢交感神経抑制、インスリン放出抑制
|
β1
|
Gs
|
心拍数増加、収縮力増加、レニン放出、脂肪分解
|
β2
|
骨格筋筋弛緩、内臓平滑筋弛緩、気道平滑筋弛緩、グリコーゲン放出
|
β3
|
肥満細胞脂質分解亢進
|
アセチルコリン
|
M1
|
Gq
|
中枢神経
|
M2
|
Gi
|
心拍数低下
|
M3
|
Gq
|
外分泌腺分泌亢進
|
ドーパミン
|
D1
|
Gs
|
腎臓平滑筋弛緩
|
D2
|
Gi
|
神経伝達物質放出を調節
|
ヒスタミン
|
H1
|
Gq
|
鼻、器官粘膜分泌、細気管支収縮、かゆみ、痛み
|
H2
|
Gs
|
胃酸分泌
|
バソプレシン
|
V1
|
Gq
|
血管平滑筋収縮
|
V2
|
Gs
|
腎集合管で水の透過性亢進
|
チャネルの型による分類(SP. 154改変)
イオンチャネル連結型受容体
Gタンパク質共役型受容体
受容体とシグナル伝達系
リガンド、受容体、細胞内情報伝達系
PKA,PKC
癌細胞における
[★]
- 英
- olfactory sensation (SP), olfaction, sense of smell, olfactory sense
- 関
- 嗅脳系。嗅覚障害
概念
- においの感覚。
- 発生学的には進化の極初期に発達した感覚である
解剖
[★]
- 英
- accept, acceptance
- 関
- 受け取る、承認、受諾、認容、認める、受け入れる
[★]
- 英
- body
- ラ
- corpus、corpora
- 関
- 肉体、身体、本体、コーパス、ボディー
[★]
- 英
- olfaction
- 関
- 嗅覚