- 英
- Munchausen syndrome by proxy, Munchausen syndrome by proxy, MSBP
- 同
- 代理人による虚偽性障害?
- 関
- ミュンヒハウゼン症候群、child abuse
- 自分の子供を虐待してけがや病気を負わせているにもかかわらず、部外者に対しては彼らを献身的に介護しているように装おうとする、精神疾患の一種
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/04/09 22:29:54」(JST)
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代理ミュンヒハウゼン症候群(だいりミュンヒハウゼンしょうこうぐん、Münchhausen Syndrome by Proxy, MSbP)とはミュンヒハウゼン症候群の一形態であって、傷害の対象が自分自身ではなく何か代理のものであるような精神疾患である。
多くの場合傷害対象は自らの子であるため、児童虐待と同列に挙げられる。しかしながら傷害行為自体は患者の目的ではなく、手段として傷害行為に及び自分に周囲の関心を引き寄せることで、自らの精神的満足を他者から得ようとしているものである。子が患者の傷害の対象である症例では、患者は傷害を目的として行っているわけではないとはいえ、行為が反復・継続し、重篤な傷害を負わされる危険がある。
目次
- 1 概要
- 2 事例
- 3 関連作品
- 4 脚注
- 5 関連項目
概要
ミュンヒハウゼン症候群と同じく自分に周囲の関心を引き寄せるためにケガや病気を捏造する症例だが、その傷付ける対象が自分自身ではなく身近の者に代理させるケースをいう。この症例は子を持つ母親に多く見られ、その傷付ける対象の多くは自分の子であり、子に対する親心の操作であったり、懸命または健気な子育てを演じて他人に見せることによって周囲の同情をひき、自己満足することも挙げられる。またアメリカでは、年間600~1000件近くの「代理によるミュンヒハウゼン症候群」の症例があるといわれ、その数は近年増加傾向にあるという。また、シュライアー博士によれば、この「代理によるミュンヒハウゼン症候群」の患者の約25%が、以前に「ミュンヒハウゼン症候群」を患っていた事が知られていると指摘する。
事例
厚生労働省の平成20年度の統計によれば、心中以外で虐待死した児童67人中4.5%にあたる3人が代理によるミュンヒハウゼン症候群により死亡している[1]。
- 日本
- 1998年、福岡県久留米市で、1歳半の女児が20代前半の母親から抗てんかん剤を飲まされた。嘔吐や下痢、痙攣(けいれん)などの症状で入院するが、1週間ほどで回復し退院。ところが1ヶ月後に救急車で病院に運び込まれた。女児は意識障害を起こしていて揺さぶっても目を開けず、「発作が起きる」という母親の訴えで、抗てんかん剤を少量投与すると、いきなり血中濃度が高まり、中毒状態に陥った。同じ薬を大量に飲まされていた可能性が高かった。病院が調べると、母親が自分の神経痛で、二つの病院からその薬を処方されていた事が判明。女児は他に、水を1日2リットル以上も飲まされていて、水中毒による低ナトリウム血症を起こしていた。担当の医師は「うちの子、難しい病気なんでしょう?と繰り返し聞いてくる。よくいる心配性なお母さんという感じだった。時には母親を疑ってみる姿勢がないと、不必要に採血したり、子供を傷つけてしまうと反省した」とコメントした[2]。
- アメリカ
- 1996年、アメリカ合衆国オハイオ州で、フロリダ州の母親が児童虐待の容疑で逮捕された。難病と闘う8歳の少女と、けなげな母親として、しばしばメディアに登場していたが、実は、娘に毒物を飲ませたり、バクテリアを点滴のチューブに入れたりしていた。その少女、ジュリー・グレゴリーは、200回の入院、40回以上の手術を受けて、内臓の一部を摘出されていた。逮捕後、母親には判決が下り、出所後も女児に接近禁止令が下され、手紙のやり取りだけで会っていない。女児はこの一連の出来事を書いた書籍を発表し、代理ミュンヒハウゼン症候群から子供たちを守るためのライターとなった[3]。
関連作品
- ジュリー・グレゴリー 『Sickened 母に病気にされ続けたジュリー』 竹書房文庫、2004年1月。ISBN 978-4812414545。 - 上記であげた、女児が書いた書籍
- 秋元康 『着信アリ』 角川書店、2003年11月。ISBN 978-4041745144。
脚注
- ^ 厚生労働省子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第6次報告)、資料1 死亡事例集計結果
- ^ 週刊朝日 (2001年6月15日号). “新しい児童虐待 母親に潜む「代理ミュンヒハウゼン症候群」わが子に「毒」を盛り、病気に仕立てる・・・”. 2008年12月25日閲覧。[リンク切れ]
- ^ ジュリー・グレゴリー(英語版)[出典無効]
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 新 健康セミナー(第53回)こころの問題を考える(2)代理ミュンヒハウゼン症候群・弱者虐待問題
- 全身麻酔下歯科治療後に代理ミュンヒハウゼン症候群を強く疑うにいたった1例
- 渡辺 泰輔,水田 健太郎,猪狩 俊郎,門馬 祐子,的場 あつ子,正木 英二
- 日本歯科麻酔学会雑誌 40(2), 227-228, 2012-04-15
- NAID 10030555050
Related Links
- 代理ミュンヒハウゼン症候群は虚偽性障害の一形態で、病気を装うのが、自分の代理として、子供になる、心の病気で、児童虐待としての一面もあります。代理ミュンヒハウゼン症候群の特徴、症状、問題点について詳しく解説します。
- 代理によるミュンヒハウゼン症候群。聞いたことがない人がほとんどではないでしょうか?いま世界中で増加傾向にある、とても怖い病気なのです。事例も含めてまとめました。
★リンクテーブル★
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代理ミュンヒハウゼン症候群
[★]
代理ミュンヒハウゼン症候群
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- substitute、surrogate、proxy、substitute、surrogate
- 関
- 代わり、代わる、代替、代理権、置換、サロゲート、代用
[★]
- 英
- Munchausen syndrome, Münchhausen syndrome
- 同
- Munchausen症候群, Münchhausen症候群
- 関
- Munchausen syndrome by proxy
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候