- 英
- Waardenburg syndrome、Waardenburg's syndrome
- 同
- 尖頭合指症type V acrocephalosyndactyly type V、Waardenburg症候群
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/31 12:11:33」(JST)
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| ワールデンブルグ症候群 |
| 分類及び外部参照情報 |
| ICD-10 |
E70.3 |
| ICD-9 |
270.2 |
| DiseasesDB |
14021 33475 |
| MedlinePlus |
001428 |
| eMedicine |
ped/2422 derm/690 |
| MeSH |
D014849 |
| プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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ワールデンブルグ症候群(ワールデンブルグ-クライン症候群)とは、程度の差はあれ難聴、神経堤由来細胞の小さな欠陥、そして染色体異常を特徴とする遺伝子疾患による症候群である。
目次
- 1 名称と分類
- 2 発生率
- 3 症状
- 4 遺伝
- 5 治療
- 6 動物
- 7 出典
- 8 外部リンク
名称と分類
ワールデンブルグ症候群の名称は、1951年に症候群の詳細を記述した論文を発表した[1][2]オランダの眼科医ペトルス・ヨハネス・ワールデンブルグ(1886-1979)にちなんで名付けられ、また、スイスの眼科医デイビッド・クラインもその症状の理解について貢献した[3]。ワールデンブルグの示した症状は今日WS1に分類されており、WS2は眼角の異所症を伴わないケースとして1971年に確認された[4]。今日、WS2は原因遺伝子に基づいて亜種に分類されている。WS1およびWS2以外のタイプも確認されたが、それらはあまり一般的ではなかった。
症候群の亜種はそれぞれ異なる遺伝子変異に由来している。
| タイプ |
OMIM |
遺伝子シンボル |
遺伝子座 |
備考 |
| I, WS1 |
193500 |
PAX3 |
2q35 |
- |
| IIa, WS2A (WS2) |
193510 |
MITF |
3p14.1-p12.3 |
- |
| IIb, WS2B |
600193 |
WS2B |
1p21-p13.3 |
- |
| IIc, WS2C |
606662 |
WS2C |
8p23 |
- |
| IId, WS2D (極めて珍しい) |
608890 |
SNAI2 |
8q11 |
- |
| III, WS3 |
148820 |
PAX3 |
2q35 |
クライン-ワールデンブルグ症候群 |
| IV, WS4 |
277580 |
EDNRB EDN3 SOX10 |
22q13, 20q13.2-q13.3, 22q13 |
ワールデンブルグ-ヒルシュスプルング病、ワールデンブルグ-シャー症候群 |
クライン-ワールデンブルグ症候群やメンデ症候群、ヴァンデルヘーベ-クライン-ワールデンブルグ症候群などいくつかの別名が使われることがある。
発生率
ワールデンブルグ症候群の内タイプIおよびIIは一般的であるがタイプIIIおよびタイプIVは珍しく、全体として42000人に1人に影響を及ぼしており[1]、耳に障害を持っている30人に1人がワールデンブルグ症候群である[5]。全ての人種及び男女を問わず等しく影響を受ける。症状が非常に多岐に渡るため正確な統計を取ることが難しい。
症状
- 虹彩の色が青~青白く、左右の虹彩の色が異なるか、一つの虹彩が二つの異なる色を有する虹彩異色症
- 白毛症の前髪を持つか、白髪になっている
- 突出した鼻根により目の離れた外観(とりわけタイプIに起因する)、別名眼角離開
- 頭部の生え際が低く(頭髪低位)、眉が中央までおよぶ
- 一部の患者は皮膚の一部が白く染色される
- タイプIIIでは腕の異常が観測される
- タイプIVでは神経病学的な徴候を含む可能性がある
ワールデンブルグ症候群は様々な他の先天性障害(腸や脊髄の欠陥、先天性肩甲骨高位、口唇口蓋裂)などを伴い、ときにヒルシュスプルング病を併発する。
遺伝
ワールデンブルグ症候群は通常、遺伝子の常染色体優性パターンがみられ、これは変異遺伝子1つで症状が引き起こされることを意味している。ほとんどの場合は親からの遺伝であるが、家族にワールデンブルグ症候群の患者がいなくても遺伝子の突然変異によって発症することがまれにある。
タイプIIおよびタイプIVの症状においては遺伝子の常染色体劣性パターンがみられ、これは変異遺伝子2つが揃わなければ発症しないことを意味している。そのため両親が発症していなくとも、それぞれが1つの変異遺伝子を有していたために子供が常染色体劣性障害を発症するという傾向が高頻度で見られる。
-
ワールデンブルグ症候群によく見られる常染色体優性パターンによる遺伝。
-
タイプII、タイプIVによく見られる染色体劣性パターンによる遺伝。
治療
ワールデンブルク症候群の治療法は現在確立されていない。実生活上で最も問題となる症状は難聴であり、これは他の原因による不可逆的な難聴と同様に扱われる。症候群と関連した他の症状はヒルシュスプルング病の前兆とされる。
動物
ワールデンブルグ症候群はフェレットに発症することが知られている。発症した動物は通常頭頂に沿った小さな白い縞模様もしくは白い頭を持ち、いくぶんか通常のフェレットよりも頭が平たくなる。はじめは聴覚がわずかに劣る程度で大きな音にも反応しないこと以外は目立たない。また、障害に起因する縞模様を通常のセーブルフェレットよりもエキゾチックだと考えるペットショップやブリーダーたちは障害を有するフェレットを選んで繁殖させている。その結果、店頭で売られている白い毛や頭を持つフェレットの75%が難聴である[6]。
出典
- ^ a b Waardenburg PJ (September 1951). "A new syndrome combining developmental anomalies of the eyelids, eyebrows and nose root with pigmentary defects of the iris and head hair and with congenital deafness". Am. J. Hum. Genet. 3 (3): 195–253. PMC 1716407. PMID 14902764.
- ^ doctor/1012 - Who Named It?
- ^ Klein-Waardenburg syndrome - Who Named It?
- ^ Arias S (1971). "Genetic heterogeneity in the Waardenburg syndrome". Birth Defects Orig. Artic. Ser. 07 (4): 87–101. PMID 5006208.
- ^ “Survey Results – Cochlear Implant Use by Students in Schools for the Deaf Kristin Knifton, M.A., CCCA/SLP Texas School for the Dea (PDF)”. Laurent Clerk National Deaf Education Center. 2010年10月31日閲覧。
- ^ Erika Matulich, Ph.D, Cypresskeep.com
外部リンク
- GeneReviews/NCBI/NIH/UW entry on Waardenburg Syndrome Type I(英語)
- OMIM Genetic disorder catalog(英語) - ワールデンブルグ症候群
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- ワールデンブルグ症候群とその他色素性疾患におけるMITFとエンドセリンシグナルの関係[平成20年度(第13回)弘前大学医学部学術賞奨励賞受賞論文]
- エンドセリンB受容体遺伝子における欠失がWS4マウスのワールデンブルグ症候群様表現型の原因である
- 大谷 真,新海 雄介,片山 健太郎,堀部 晃央,辻 岳人,松島 芳文,橘 正芳,国枝 哲夫
- Experimental animals 55(5), 491-495, 2006-10-01
- NAID 10018307991
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- 2010年12月16日 ... 息子ちゃんのことですが、ワールデンブルグ症候群でらっしゃるとのこと。そのことは まさにうちの次男と同じですが、ワールデンブルグの合併症としてヒルシュスプルング病 はあまりにも有名ですが、かなりの頻度で感音性難聴も合併します。
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- eyebrow
- ラ
- supercilium
- 同
- 眉
臨床関連
眉毛の外側1/3が薄くなる
両側眉毛が正中部で癒合
[★]
ワールデンブルグ症候群
- 関
- Waardenburg syndrome
[★]
ワールデンブルグ症候群
[★]
ワールデンブルグ症候群
[★]
クライン・ワールデンブルグ症候群
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- 英
- Klein-Waardenburg syndrome
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
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- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
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- 関
- 症状, 徴候 兆候