プロピベリン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ベンズフォー錠10mg
組成
- ベンズフォー錠10mg:1錠中に日局プロピベリン塩酸塩10mgを含有する。
添加物として、カルナウバロウ、カルメロースCa、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸Mg、タルク、トウモロコシデンプン、乳糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、マクロゴール6000を含有する。
禁忌
- 幽門、十二指腸又は腸管が閉塞している患者〔胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある。〕
- 胃アトニー又は腸アトニーのある患者〔抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。〕
- 尿閉を有する患者〔抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがある。〕
- 閉塞隅角緑内障の患者〔抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。〕
- 重症筋無力症の患者〔抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。〕
- 重篤な心疾患の患者〔期外収縮等が報告されており、症状が悪化するおそれがある。〕
効能または効果
- ・下記疾患又は状態における頻尿、尿失禁
神経因性膀胱、神経性頻尿、不安定膀胱、膀胱刺激状態(慢性膀胱炎、慢性前立腺炎)
- ・過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
- 本剤を適用する際、十分な問診により臨床症状を確認するとともに、類似の症状を呈する疾患(尿路感染症、尿路結石、膀胱癌や前立腺癌等の下部尿路における新生物等)があることに留意し、尿検査等により除外診断を実施すること。なお、必要に応じて専門的な検査も考慮すること。
- 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者では、それに対する治療を優先させること。
- 通常、成人にはプロピベリン塩酸塩として20mgを1日1回食後経口投与する。
年齢、症状により適宜増減するが、効果不十分の場合は、20mgを1日2回まで増量できる。
- 20mgを1日1回投与で効果不十分であり、かつ安全性に問題がない場合に増量を検討すること。
慎重投与
- 排尿困難のある患者〔前立腺肥大症等では排尿困難が更に悪化又は残尿が増加するおそれがある。〕
- 緑内障の患者〔閉塞隅角緑内障の患者は禁忌である。閉塞隅角緑内障以外でも抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。〕
- 不整脈又はその既往歴のある患者〔期外収縮等が報告されており、症状が悪化又は再発するおそれがある。〕
- 肝障害又はその既往歴のある患者〔主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすいおそれがある。〕
- 腎障害又はその既往歴のある患者〔腎排泄が減少し、副作用が発現しやすいおそれがある。〕
- パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者〔症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。〕
- 潰瘍性大腸炎のある患者〔中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。〕
- 甲状腺機能亢進症の患者〔抗コリン作用により頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
- (頻度不明)
- 急性緑内障発作:眼圧亢進があらわれ、急性緑内障発作を惹起し、嘔気、頭痛を伴う眼痛、視力低下等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
- 尿閉:尿閉があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 麻痺性イレウス:麻痺性イレウスがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、著しい便秘、腹部膨満等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 幻覚・せん妄:幻覚・せん妄があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
- 腎機能障害:腎機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、BUN、血中クレアチニンの上昇があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 横紋筋融解症:筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- QT延長、心室性頻拍:QT延長、心室性頻拍、房室ブロック、徐脈等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- プロピベリン塩酸塩は、未変化体及び肝臓で代謝された活性代謝物の両者が、抗コリン作用とCa拮抗作用に基づく膀胱平滑筋直接作用を示し、これらにより膀胱容量の増加、排尿運動の抑制、膀胱収縮の抑制を示す。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- プロピベリン塩酸塩(Propiverine Hydrochloride)
化学名
- 1-Methylpiperidin-4-yl 2,2-diphenyl-2-propoxyacetate monohydrochloride
分子式
分子量
融点
性状
- プロピベリン塩酸塩は白色の結晶又は結晶性の粉末で、味は苦い。水又はエタノール(99.5)にやや溶けやすい。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- propiverine、
- 化
- 塩酸プロピベリン propiverine hydrochloride
- 商
- ウロナベリン、ノーラガード、バップフォー、バップベリン、バルレール、バンコミック、ビフォルベリン、プロピベ、ペニフォー、ベンズフォー、ミクトノーム、ユリロシン
- 関
- 乳糖水和物
[★]
- 英
- benz, bends
- 関
- ケイソン病