- 英
- nicotinamide adenine dinucleotide phosphate NADP
- 同
- NADP+、トリホスホピリジンヌクレオチド triphosphopyridine nucleotide TPN
- 関
- NADPH
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/09 12:30:24」(JST)
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ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸 |
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
53-59-8 |
PubChem |
929 |
MeSH |
NADP |
特性 |
化学式 |
C21H29N7O17P3 |
モル質量 |
744.413 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリンさん、nicotinamide adenine dinucleotide phosphate)とは、光合成経路あるいは解糖系のエントナー-ドウドロフ経路などで用いられている電子伝達体である。化学式:C21H21N7O17P3、分子量:744.4。ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドと構造上良く似ており、脱水素酵素の補酵素として一般的に機能している。略号であるNADP+(あるいはNADP)として一般的には良く知られている。酸化型 (NADP+) および還元型 (NADPH) の2つの状態を有し、二電子還元を受けるが中間型(一電子還元型)は存在しない。
かつては、トリホスホピリジンヌクレオチド (TPN)、補酵素III、コデヒドロゲナーゼIII、コエンザイムIIIなどと呼称されていたが、現在はNADP+に統一されている。別名、ニコチン酸アミドジヌクレオチドリン酸など。
目次
- 1 NADP+の構造や諸特性
- 2 NADP+およびNADPHの生理学的意義
- 2.1 光合成、光化学系複合体I
- 2.2 エントナー-ドウドロフ経路
- 2.3 グルタチオンによる酸化還元
- 3 NADP+の合成
- 4 NADPHの合成
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
NADP+の構造や諸特性
NADP+の構造は基本的にはNAD+とほとんど同じであり、ニコチンアミドヌクレオチドおよびアデノシンからなるが、アデノシンのヌクレオチドの2'位にはヒドロキシル基ではなくリン酸基が付属している。また還元様式もNAD+の場合と全く同じである。
ヌクレオチドを含むために、波長260nmの紫外線に吸収極大を示し、NADPHのみ340nmの紫外線も良く吸収する。酵素活性測定法はNAD+の場合と全く同じで、基質として扱うNADP+のみが異なる。なお、NADP+依存性脱水素酵素はNAD+には全く活性を示さず、この場合は別のEC番号が与えられている。
NADP+およびNADPHの生理学的意義
NADP+およびNADPHはNAD+と同様、生体内の電子伝達に寄与しているが、中でも有名なのが光合成の電子伝達物質としての役割である。また、解糖系のエントナー-ドウドロフ経路や脂肪酸やステロイドの生合成系にも機能している。還元物質NADPHを生産する系は以下の通りである。
光合成、光化学系複合体I
- Fdred + NADP+ → Fdox + NADPH
光化学系複合体Iによって生じる還元型フェレドキシンから、フェレドキシン-NADP+レダクターゼ (FNR) によってNADP+への電子伝達が行われ、還元物質NADPHが生じる。この反応は電子非循環的光合成のみで発生し、電子循環的光合成の場合は、フェレドキシンからプラストキノンへ電子伝達が行われる。酸素非発生型すなわち光合成細菌型の光合成ではNADP+は使用されず、NAD+が用いられている。
エントナー-ドウドロフ経路
- グルコース-6-リン酸 + NADP+ → 6-ホスホグルコン酸 + NADPH
エントナー-ドウドロフ経路とエムデン-マイヤーホフ経路の共通経路においてはNAD+が使用される。また古細菌特有の非リン酸化エムデン-マイヤーホフ経路においては、NADP+が使用されることもあるが、NAD+の場合もあり、どちらともいえない。ただし、以下の反応にはNADP+が使用される。
- グリセルアルデヒド + NADP+ → グリセリン酸 + NADPH
またメタン菌の酸化型不完全クエン酸回路においてもNADP+が使用される。
- イソクエン酸 + NADP+ → 2-オキソグルタル酸 + NADPH + CO2
NADPHの酸化経路には、光合成の暗反応すなわちカルビン-ベンソン回路がある。
- 1,3-ビスホスホグリセリン酸 + NADPH → グリセルアルデヒド3リン酸 + NADP+ + Pi
以上の反応はグリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素によって触媒される。他にも脂肪酸生合成系で酸化を受ける。
- アセトアセチルACP + NADPH → βヒドロキシブチリルACP + NADP+
- クロトニルACP + NADPH → ブチリルACP + NADP+
そのほか、C4型光合成やCAM型光合成でも別の経路で使用されている。おもに植物で使用されていると考えられており、動物における生理学的役割はNAD+とは異なっていると考えられている。
グルタチオンによる酸化還元
詳細はグルタチオンを参照。
- 酸化型グルタチオン(GSSG) + 還元型(NADPH) → 還元型グルタチオン(GSG) + 酸化型(NADP+)
NADP+の合成
NADP+の基本骨格はNAD+と同じであるために、NAD+の項を参照。そしてNAD+のヌクレオチドの2'へのリン酸基の付加は以下の反応にて行なわれる。
NADPHの合成
- ペントースリン酸回路
- リンゴ酸デヒドロゲナーゼ (オキサロ酢酸脱炭酸) (NADP+)による反応
- NADP+依存型イソクエン酸デヒドロゲナーゼによる反応
関連項目
- 酸化還元酵素
- 補酵素
- 電子伝達体
- 光合成
- ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (NAD)
- グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ
外部リンク
- Pentose Phosphate Pathway (英語)
補因子 |
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補酵素 |
ビタミン: NAD+ (B3) - NADP+ (B3) - 補酵素A (B5) - THF / H4F (B9), DHF, MTHF - アスコルビン酸 (C) - メナキノン (K) - 補酵素F420
非ビタミン: ATP - CTP - SAM - PAPS - GSH - 補酵素B - 補酵素M - 補酵素Q - メタノフラン - BH4 - H4MPT
|
|
有機補欠分子族 |
ビタミン: TPP / ThDP (B1) - FMN, FAD (B2) - PLP / P5P (B6) - ビオチン (B7) - メチルコバラミン, コバラミン (B12)
非ビタミン: ヘム - α-リポ酸 - モリブドプテリン - PQQ
|
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金属補欠分子族 |
Ca2+ - Cu2+ - Fe2+, Fe3+ - Mg2+ - Mn2+ - Mo - Ni2+ - Se - Zn2+
|
|
主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
|
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Japanese Journal
- 臨床化学分析における新規な酸化及び還元発色試薬の開発(関東支部創立40周年紀念)
- 溝口 誠,石山 宗孝,志賀 匡宣 [他],佐々本 一美
- 分析化学 45(2), 111-124, 1996-02-05
- … 素はほとんどが酸化酵素(オキシダーゼ)か還元酵素(デヒドロゲナーゼ)で, それぞれ, 反応によって生じる過酸化水素, 還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH), あるいは還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)を発色法によって検出する.検出には酸化あるいは還元発色試薬が用いられる.酸化発色試薬はこれまでアニリン誘導体であるトリンダー試薬が用いられてきた.又, 還元発色試薬には …
- NAID 110002907012
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- ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリンさん、 nicotinamide adenine dinucleotide phosphate )とは、光合成経路あるいは解糖系のエントナー-ドウドロフ経路などで用いられている電子伝達体で ...
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★リンクテーブル★
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ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸 nicotinamide adenine dinucleotide phosphate
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ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸 nicotinamide adenine dinucleotide phosphate
[★]
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸 NADP
[★]
- 英
- reduced nicotinamideadenine dinucleotide phosphate, NADPH
- 関
- ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- adenine Ade
- 同
- 6-アミノプリン 6-aminopurine
- 商
- ロイコン
- (採血バック):カーミAMAP液、カーミCA液、カーミCリューコトラップMAP、セパセルインテグラC-MAP、セパセルインテグラCA、セパセルインテグラMAP、テルモ血液バッグCPDA、テルモ血液バッグMAP液
- 関
- プリン、プリン塩基
[★]
- 英
- nicotine
- ラ
- nicotinum
- 商
- ニコレット、ニコチネルTTS
- 関
- 他に分類されない治療を主目的としない医薬品
作用
- 自律神経節に作用、、、結果として血圧を上昇させる。
臨床関連
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義