- 英
- chylothorax
- 同
- (国試)乳び胸
- 関
- 偽乳糜胸、乳び胸症、乳び胸水
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/12/30 07:32:34」(JST)
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乳び胸(乳糜胸-にゅうびきょう、英: chylothorax)は、胸管から漏出した乳び(乳糜:腸管からの脂肪球を含むリンパ球)が胸腔内に貯留した状態。原因は先天性、外傷性、非外傷性に分類されるが、通常は原因の特定は困難。呼吸困難を示す。確定診断は滲出液の検査により行われ、中性脂肪値、コレステロール値は血清よりも高い値を示す。中性脂肪値が血清と同等あるいはそれ以下の場合は偽乳び胸(pseudchylothorax)と呼ばれる。
目次
- 1 ヒトでの乳糜胸
- 2 脚注
- 3 関連項目
- 4 参考文献
ヒトでの乳糜胸
胸腔穿刺により、著しく白濁した乳糜様胸水を採取し診断される。胸水中の中性脂肪は高値である。[1][2] 機序としては
- 1 胸管の破綻
- 悪性腫瘍、外傷・手術による胸管損傷、リンパ増殖性疾患によるリンパ管閉塞など。
- 2 長期にわたる胸水貯留による胸膜変化の結果
- 肺結核・関節リウマチ、原発性マクログロブリン血症など。
と言われている。[3]
脚注
- ^ Light RW: PLEURAL DISEASES. Fourth Edition. 2007, 346-361.
- ^ Hillerdal G: chylothorax and pseudochylothorax. Eur Respir J 10: 1157-1162, 1997.
- ^ 日内会誌 99: 2607-2609, 2010
関連項目
参考文献
- 日本獣医内科学アカデミー編 『獣医内科学(小動物編)』 文永堂出版 2005年 ISBN 4830032006
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Japanese Journal
- 低出生体重児の先天性乳糜胸に対して胸腔鏡下胸管結紮術を施行した1例
- 谷 岳人,奥山 宏臣,窪田 昭男,川原 央好
- 日本小児外科学会雑誌 47(5), 844-847, 2011-08-20
- … 症例は胎児胸水の出生前診断例.在胎28週に両側胎児胸水を指摘され,胎児胸腔穿刺にて乳糜胸と診断した.在胎30週に胸水の増加傾向と皮下浮腫を認めたため緊急帝王切開で体重1,546gにて出生した.出生直後に気管内挿管・両側胸腔ドレナージを施行した.左胸水は保存的治療にて改善したが,右胸水は持続した.生後39日目のリンパ管シンチグラフィーで右下胸腔からのリンパ液の漏出が確認され,フィブリン製剤を3回胸腔内投 …
- NAID 110008711757
- P-319 胸腔鏡下手術が奏効した乳糜胸水の1乳児例(呼吸器2,ポスターセッション,第48回日本小児外科学会学術集会)
- 新山 新,伊藤 重彦,木戸川 秀生,井上 征雄,山吉 隆友,濱田 聖暁,橋本 泰匡,秋山 泰樹,溝口 直子,富田 一郎,神薗 淳司,市川 光太郎
- 日本小児外科学会雑誌 47(4), 739, 2011-07-05
- NAID 110008735426
- 右I期肺癌術後乳糜胸に対しオクトレオチド投与が有効であったと考えられる1例
- 呉 哲彦,三崎 伯幸,吉田 千尋,張 性洙,石川 真也,横見瀬 裕保
- 日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery 25(4), 424-428, 2011-05-15
- … 認めた肺癌術後乳糜胸例を経験した.症例は61歳男性で右上葉肺癌に対し完全胸腔鏡下右肺上葉切除ならびにリンパ節郭清を施行後乳糜胸を併発した.中心静脈栄養による絶食のもと,乳糜胸発症2日目よりオクトレオチドの皮下投与を開始した.投与開始4日目より1日3回投与に増量し,その4日目より胸水が著減した.胸膜癒着術を追加し乳糜胸を治癒せしめ …
- NAID 10029125507
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- 症例報告. オクトレオチドが有効であった食道癌術後乳糜胸の 1 例. 東京医科大学 八王子医療センター消化器外科,東京医科大学外科第 3 講座*. 高木 眞人. 岡田 了祐 . 青木 利明. 松田 大助. 安田 祥浩. 李. 正植. 鈴木 芳明. 加藤 文昭. 寿美 哲生. 青木 達哉 ...
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- 英
- pleural effusion, pleural fluid
- 同
- 胸膜滲出液 pleural exudate
- 関
- 胸水貯留
概念
- 胸膜腔内の液体。
- 元々は壁側胸膜で産生され、胸膜腔に開口部を有する壁側胸膜のリンパ管から排出されると考えられている。
- 生理的に少量20ml程度の胸水が存在し、壁側胸膜と臓側胸膜との摩擦を低減させ、呼吸運動を円滑にする作用がある。
- 病的な状態の存在により、産生と排出のバランスが崩れると胸水が貯留する。
組成
- IMD.457
量
|
0.1-0.2 ml/kg
|
細胞数
|
1000-5000 /ul
|
mesothelial cells
|
3-70%
|
monocytes
|
30-75%
|
lymphocytes
|
2-30%
|
granulocyte
|
10%
|
蛋白
|
1-2 g/dl
|
アルブミン
|
50-70%
|
糖
|
血糖と同じ
|
LDH
|
血清レベルの50%以下
|
pH
|
血清よりややアルカリ性
|
種類
|
漏出性胸水
|
滲出性胸水
|
外観
|
透明
|
混濁
|
比重
|
<1.015
|
>1.018
|
タンパク
|
<2.5 g/dL
|
>3.0 g/dL
|
LDH
|
<200単位
|
>200単位
|
Rivalta反応
|
(-)
|
(+)
|
原因疾患
- 漏出性胸水:うっ血性心不全が多い
- 滲出性胸水:結核性胸膜炎と癌性胸膜炎が半数以上
漏出性胸水(transudative pleural effusion)と滲出性胸水(exsudative pleural effusion)の鑑別
Lightの基準(Light's criteria) (Chest 1995;107:1604)
- 以下いずれかに合致する場合、滲出性胸水と判断する。感度98%、特異度83%。ただし、25%の例で漏出性胸水が滲出性胸水と判定される場合があるので、特異度の高い検査で確認する。
- 1. 胸水蛋白/血清蛋白>0.5
- 2. 胸水LDH/血清LDH>0.6
- 3. 胸水LDH>血清LDH上限の2/3
より特異度の高い検査
- 血清Alb-胸水≦1.2 ならば滲出性胸水である。(感度87%、特異度92%)
- 血清TP-胸水TP≦3.1 ならば滲出性胸水である。(感度84%、特異度91%)
- 胸水コレステロール > 45mg/dLかつ 胸水LDH > 200 (感度90%、特異度98%)
漏出性胸水
原因による分類
- 静水圧↑:うっ血性心不全、収縮性心膜炎、アミロイドーシス
- 血漿膠質浸透圧↓:ネフローゼ症候群、肝硬変、低栄養
滲出性胸水
身体所見
- 肺肝境界:(右肺ならば)上昇
- 心濁音境界:(十分に貯留していれば)消失
-
検査
- CPAがdullであれば300mlの胸水貯留が示唆される
診断
- 胸水の有無についての診察と画像検査で確定できる。
- 原因については、スクリーニング検査を追加する必要がある。
治療
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- 関
- 乳糜胸、乳び胸症、乳び胸
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- 乳糜胸、乳び胸、乳び胸水
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- 英
- pseudochylous pleural effusion, chyliform pleural effusion???
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- 乳糜胸水、胸水
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- 胸郭、胸筋、胸腔、胸髄、胸椎、胸部、乳房
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