メラニン細胞刺激ホルモン melanocyte-stimulating hormone
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/09 20:33:46」(JST)
この項目では、対戦型格闘ゲームについて説明しています。スーパーファミコン用横スクロールアクションゲームについては「マーヴルスーパーヒーローズ ウォーオブザジェム」をご覧ください。 |
ジャンル | 対戦型格闘ゲーム |
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対応機種 | アーケード(CPS-2) セガサターン |
開発元 | カプコン [SS]辻事務所 |
発売元 | カプコン |
人数 | 1~2人 |
メディア | CD-ROM + 1M RAMカートリッジ(SS) CD-ROM(PS) |
発売日 | 1995年9月(AC) 1997年8月8日(SS) |
デバイス | 1レバー + 6ボタン |
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『マーヴル・スーパーヒーローズ』(MARVEL SUPER HEROES)は、アメリカン・コミックスを題材とする2D対戦型格闘ゲーム。カプコンが開発し1995年9月に同社よりアーケードゲーム(CPS-2基板)として出荷され、後にセガサターン、プレイステーションに移植された。
なお本項においてはゲームタイトルおよび当時の記述に基づき、表記をマーベルではなくマーヴルに統一する。
マーヴル・コミックのスーパーヒーローとヴィラン(悪役)たちが、それを持つものに無限の力を与えるという「インフィニティ・ジェム」を求めて闘いを繰り広げる。マーヴルのクロスオーバー(作品間をまたがって展開する作品)シリーズの『インフィニティ・ガントレット』を原作とし、ゲームとしては『エックス・メン チルドレン オブ ジ アトム』の続編に当たる。
アメリカではX-MENがメジャーだが日本ではそれほどでもないということと、スパイダーマンやハルクなど日本でも人気のある独立タイトルを持つ人気ヒーローたちが競演するとあって、『インフィニティ・ガントレット』がベースストーリーに選ばれた。なお、キャラクター選択は前作と同じくキャラクターの知名度よりも見た目の分かり易さが重視され、その結果原作には登場しないサイロックやシュマゴラスなどが選ばれている。またヴェノムやガンビットは候補に上がりながらも没になっている[1]。
前作『X-MEN』の派手さはそのままに、よりシステムを洗練させている。特徴的なのは、相手を上空にはじき飛ばしさらに追撃する「エリアルレイヴ」で、これは後の『MARVEL VS. CAPCOM』シリーズに引き継がれることになった。一方で、永久コンボがいくつも見つかるなど対戦バランスの調整に課題を残した。
小学館プロダクションが前作と同時期にアニメとタイアップして出していた日本版Xメンに代わり、『マーヴルX』というオムニバス形式でマーヴルコミックを掲載する単行本が定期刊行され、それにともなってゲームの舞台もXメンからマーヴルユニバースへと移行した。
海外では絶賛されていたが、日本ではそれほどヒットしなかったため、開発スタッフは「海外ではヒットした」という報告にもそれほど手応えを感じなかったという。また、開発の段階でマーヴル側から許可が下りなかった技などに関してもしつこく許可を求めたことから「キャラクター作りは最高だがライセンス先としては最悪の会社」と言われたというが、制作したキャラクターに関しては大変褒められ、スパイダーマンは今までのあらゆるメディアの中で一番凄いスパイダーマンらしい動きだと言われたという[1]。
なお、カプコンのシークレットファイルの創刊号は本作で準備されており、刊行に当たってカプコンが見せたイラストがマーヴル側に認められ、以降カプコンがメインビジュアルのイラストなどを描くことを許可されるようになったが、事情によりシークレットファイル自体は刊行されなかった[2]。
高さ2画面分にも及ぶ大きなジャンプ。レバーをすばやく下、上と入力する(または、キックボタン3つを同時に押す)ことで使用可能。次に述べるエリアルレイヴ(AERIAL RAVE)の重要な要素となる。
後のシリーズを方向付けることになった特徴的なシステム。エリアルレイヴとは、端的に言えば空中連続技のことで、相手を空中に跳ね上げそれをスーパジャンプで追いかけて追撃する連続技のことを呼ぶ。日本国外版では「AIR COMBO」(エアコンボ)と呼ばれる。
各キャラクターの通常技の中には、それぞれ相手を上方向へ大きく吹き飛ばす特性を持っているものが存在し、これらはエリアル始動技と呼ばれる。エリアル始動技は、相手へヒットさせた瞬間にレバーを上に入力するだけで自動でキャンセルからのスーパージャンプに移行できるため、吹き飛ばした相手を追いかけての追撃を容易に行なえる。さらに、スーパージャンプ中は一部のキャラクターを除いて「弱P→弱K→中P→中K→強P→強K」の順に攻撃をつなげる「6ボタンチェーンコンボ」が可能であり、エリアル中にこの特性を生かすことで、華麗な多段連続技を決めることが可能。
エリアルヒットマークのエフェクトが正式に追加されたのは『X-MEN VS STREET FIGHTER』からであり、今作では他の通常技のエフェクトと同じである。
前作『X-MEN』でも、空中連続技自体は向き不向きはあれ全てのキャラクターで工夫次第で可能であったが、エリアルレイヴという名称となり、システムとして正式に体系化されたのは今作からである。
前作のシステムで、そのキャラクター独自の特殊効果を発揮できる「キャラ特性」を使うにはゲージを消費したが、本作ではウルヴァリンの「ヒーリングファクター」や「飛行」など、コマンドを入力すればゲージを使用せずとも発動できる。なお、前作では「飛行」中でも空中ガードが可能であったが、本作では不可能になった。
原作に登場する、無限の力を持つ「インフィニティ・ジェム」であるが、ゲーム中では使用キャラクターの性能を一定時間アップさせる効果がある。全ジェム共通のコマンドを入力することで使用可能で、キャラクターが複数のジェムを持っている場合は、事前に専用のボタン操作で使用順の入れ替えもできる。 存在するジェムは以下の6つ。
これらの効果に加え、各キャラクター(隠しキャラクターを除く)には「得意ジェム」がそれぞれ1種類あり、通常の効果に加えてさらに特殊効果を得ることができる。ただし、パワージェムが得意ジェムの場合、攻撃力上昇の効果はなくなり、そのキャラクター固有の特殊効果のみが現れる。例えば、スパイダーマンの得意ジェムはパワーで、使用すると自分の分身を発生させる効果がある。
ジェムを使用する際近くに相手がいれば、与えるダメージはわずかながら相手を吹き飛ばせる。また、相手の攻撃をガードしている最中にも使用でき、ガードをキャンセルして相手の攻撃を打破するのに使える。これをジェム・カウンターと呼ぶ。
ジェムは、対コンピュータ戦では、初期状態の1個から特定ステージの相手を倒して勝ち進むごとに所持個数が増えていく。対人戦では、各ラウンドごとのファーストアタック発生時にそれを行なった側へ、または両キャラクターそれぞれの体力が一定量をきった時にそのキャラクター側へ、ジェムが新たに降ってくる。どちらの場合も、相手キャラクターに必殺技をヒットさせれば相手のジェム(そのとき使用待機状態にあるもの)を落下させることができるため、試合中のジェムの奪い合いが可能。前述のジェム・カウンターのヒット効果は必殺技と同じで、くらった相手は持っているジェムを落とす。
なお、最終ボスのサノスのみ、必殺技をくらってもジェムを落とさないという特性があるため、サノスからジェムを奪うにはインフィニティ・スペシャルをヒットさせなければならない。
体力ゲージの下にある別のゲージは「インフィニティ・ゲージ」と呼ばれ、攻撃を出したりダメージを受けたりする度に溜まっていき、これが溜まりきると強力な必殺技「インフィニティ・スペシャル」、ガード中に相手に反撃できる「インフィニティ・カウンター」を使うことができる。
インフィニティ・ゲージは、溜まりきるとストックとして保持することができ、ストックの数だけインフィニティ・スペシャルまたはインフィニティ・カウンターを使用できる。ストックの上限はキャラクターごとに設定されており、強力なインフィニティ・スペシャルを持つキャラクターほどストック上限が少ない傾向にある。
本作での2Pカラーはマーヴル側の指定により通常の1Pカラーと比べて大きな変化は見られなかいが、それでも前作『X-MEN』の時に比べマーヴルに信頼されている部分もあり[1]、アイアンマンはシルバーセンチュリオンアーマー、ハルクはグレイハルクといった配色がなされている。マグニートーの場合は黄を基調とした色使いとなっており、これに関してはカプコンスタッフも許可が下りるとは思わず、驚いたという[1]。なお、キャラクター選択画面で各キャラクターに対応したレバーを入れ続けることで、この2Pカラーを任意で選択可能(選択画面で上段配置のキャラクターは↑を、下段配置のキャラクターは↓を入れ続ける)。
かつてヒーローたちが倒したはずの強敵・サノスが死の女神デスの力で復活し、無限の力をもたらす宝石インフィニティ・ジェムを手に入れた。サノスはデスの寵愛を得るために全人類の半分を抹殺するなどの凶行を繰り返す。この宇宙的危機を救うためにヒーローたちが立ち上がり、サノスを倒すべく彼の宮殿へと向かった。
()内に英語版ウィキペディア内の各キャラクター記事へのリンクを示す。
ドクター・ドーム、サノス、アニタの3名は、アーケード版ではフリープレイ時に特殊な設定をした状態で、家庭用版では一度ゲームをクリアした後で、それぞれ隠しコマンドを入力することで操作キャラクターとして使用可能になる。
ヒーロー側のキャラクターおよびアーケード版のアニタは、サノスを倒すと石化させられたヒーローたちをジェムの力で助けるデモが挿入された後にエンディングに移行する。
セガサターン版とプレイステーション版は、どちらもキャラの動きのアニメパターンの削減が目立っていた。解像度の関係で画面構成も少し異なり、SS版では顔グラフィックが体力ゲージの下に表示され、PS版は体力ゲージがAC版の9分割から8分割へと変更された。欧米版ではアニタが削除されている。
なお、セガサターン版の方は拡張RAMカートリッジ(別売り)に対応しており、使用すると読み込める画像枚数が増えてだいぶ滑らかな動きになるが、それでもなお完全再現には至らない。
2012年9月には、欧米のPlayStation Network(PlayStation 3)とXbox Live Arcade(Xbox 360)向けに、本作と『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』の2作をカップリングした『Marvel vs. Capcom Origins』が配信された。アーケード版をベースにグラフィックの高画質化とネットワーク対戦に対応した他、欧米向け版として初めてアニタが使用可能になっている。
新声社から、ゲーメストムックVol.27として本作の攻略本が発売されており、表紙はカプコンのスタッフが描いたイラストが使われている。その中身は、攻略・スタッフの対談、投稿されたイラストコーナーなど、充実した内容になっている。
『Sony Records』からオリジナルサウンドトラックが発売された。本編で使用されている全ての楽曲が収録され、ブックレットには音楽開発スタッフとゲーム開発スタッフの対談が収録されている。
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