出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/01 14:21:49」(JST)
食道発声(しょくどうはっせい、英: Esophageal speech)は、喉頭の摘出手術で声帯による発声が不可能となった者(以下、喉摘者と略)にとっての発声方法の一つ[1]。
原理としては、空気を一旦食道に飲み込み、腹の圧力で押し出し、食道の粘膜を振動させることによって声を出す[1]。げっぷが出るときにも音が鳴るが、食道発声はいわば本来無意識な現象であるげっぷを人為的に出し、この音を声とするものである[2][3]。
喉摘者の発声方法としては食道発声のほかに、人工的に作られた電気喉頭、手術で食道と気管を繋ぐことで声を出すシャント発声などがあるが、喉摘者に発声を指導する日本の公益法人・銀鈴会では、特殊な手術や器具が不要なことや、余計な費用がかからないなどの点において、食道発声はほかの発声方法よりも多くの面で優れているとしている[2][3]。熟練者は歌もうたえる[3]。
一方、声を出すまでの練習が必要なため、練習途中でこの方法を諦める喉摘者も多く[4]、ある程度の体力を要することから、摘出手術後の経過具合や老齢などの理由で体力の劣る喉摘者には不向きである[4][5]。発声が可能となった後でも、大声や長時間の発声が困難といった短所の指摘もある[6][7]。
[ヘルプ] |
この項目は、医学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(プロジェクト:医学/Portal:医学と医療)。 |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
関連記事 | 「食道」「発声」「声」 |
O:食道入口部 esophageal orifice | |||
Ce: 頚部食道 cervical esophagus | |||
S: 胸骨上縁 margin of the sternum | |||
Te: 胸部食道 thoracic esophagus | Ut: 胸部上部食道 upper thoracic esophagus | ||
Mt: 胸部中部食道 middle thoracic esophagus | ↑ | B: 気管分岐部下縁 tracheal bifurcation | |
↓ | |||
Lt: 胸部下部食道 lower thoracic esophagus | ↑ | ||
D: 横隔膜 diaphragm | |||
H: 食道裂孔 esophageal hiatus | |||
Ae: 腹部食道 abdominal esophagus | ↓ | ||
EGJ: 食道胃接合部 esophagogastric junction |
部位 | 名称 | 筋肉 | 神経 | 運動性 | シナプスする構造 | 最終的な伝達物質 | 運動 | |
上部1/3 | 上食道括約部 | UES | 横紋筋 | 舌咽神経、迷走神経(疑核) | 随意性 | 運動終板のアセチルコリン受容体 | アセチルコリン | 弛緩 |
平滑筋 | 迷走神経 | 不随意性 | 壁内コリン作動性運動神経 | |||||
下端部 | 下食道括約部 | LES | 平滑筋 | 迷走神経 | 不随意性 | 壁内非アドレナリン作動性抑制運動神経 | NO, VIP | 弛緩 |
交感神経 | 平滑筋α受容体 | アドレナリン | 収縮 |
層構造 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |||||||||
器官 | 単層扁平上皮 | 単層立方上皮 | 単層円柱上皮 | 角化重層扁平上皮 | 非角化重層扁平上皮 | 上皮表層の構成細胞 | 粘膜固有層 | 腺の構成細胞 | 粘膜筋板 | 粘膜下組織 (大抵、粗結合組織) |
筋層 | 漿膜(結合組織+単層扁平上皮) 外膜(結合組織のみ) | |||
食道 | ○ | 食道噴門腺 (咽頭付近と胃付近に局在)、粘液腺 |
粘液細胞 (スムーズに食べ物を流す) |
縱層 (縦走筋のみ) |
固有食道腺(粘液腺、管状胞状、ペプシノーゲン、リゾチーム) | 内輪筋層 外縱筋層 (食道上1/3:骨格筋、食道中1/3:骨格筋、平滑筋、食道下1/3:平滑筋) |
外膜(横隔膜まで) 漿膜 |
.