- 英
- salt-sensitive hypertension, salt sensitive hypertension
- 同
- ナトリウム依存性高血圧症 sodium-dependent hypertension
- 関
- 老年者高血圧
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/12/28 09:39:45」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2010年7月) |
食塩感受性高血圧(しょくえんかんじゅせい こうけつあつ)とは、本態性高血圧のなかでも、食塩摂取により惹起される高血圧症のことをいう。
目次
- 1 概要
- 2 遺伝的素因
- 3 検査
- 4 参照・引用
概要[編集]
高血圧には、生活習慣の他にはなんら要因のない本態性高血圧と、他の疾病に随伴する二次性高血圧(e.g. 原発性アルドステロン症,腎血管性高血圧 etc.)がある。食塩感受性高血圧は、本態性高血圧のひとつと考えられている。
食塩感受性の高い人は食べた塩分を体内に溜めておこうとする傾向にある[1]。
食塩をほとんど摂取せず、かつ高アルドステロン症を認めるヤノマミ族では高血圧はみられないものの、食塩を自由に摂取できるヒトでは高血圧がみられることから「食塩感受性」は以前から提唱されていた。また高血圧ガイドライン(JSH2009)においても減塩は生活習慣修正項目として記載されている[2]。
近年では食塩を体内に保持できるよう、形質を獲得したアフリカン・アメリカンや日本人では食塩排泄能が低いことが指摘されつつある。また夜間に血圧の下がらないnon-dipper型高血圧[3]は食塩を夜間も排泄するべく、腎血流を増した結果であることが名古屋市立大学の木村玄次郎チームの研究で明らかになった[4]。
アフリカ系アメリカ人は、奴隷としてアフリカ大陸から、水と食事を与えられない過酷な環境で船で運ばれてきた。ナトリウムと水分を身体に貯留できる形質をもつものだけが、生存競争を生き延び、選択されてアメリカで生き延びていると考えられている [5]。これに対して、アフリカのサバンナでは塩の摂取が難しく汗をかく機会が多く、アフリカで育った黒人は体内に塩分を保持する必要が高かったため、ナトリウムを貯留する人が多かったと考えられている。塩分感受性は人種差があり、黒人は約80%、白人は30%、黄色人種はその中間といわれ、日本人は約半数が塩分感受性があるといわれている[1]。
遺伝的素因[編集]
食塩負荷に対して高血圧を示す個体と示さない個体があることに対してさまざまな研究がなされてきた。東京大学の藤田教授の研究チームは食塩感受性高血圧における交感神経による腎臓βアドレナリン-糖質コルチコイド共作動性−WNK4シグナル伝達経路のエピジェネティック制御についてNature Medicineに報告した。[6]
検査[編集]
- 蓄尿によるNa排泄量から、食塩摂取量が測定できる。
- 蓄尿が困難な場合: 早朝起床時2回目のスポット尿から食塩摂取量がおおむね推定できる。(Kawasaki formula[7])
参照・引用[編集]
- ^ a b 血圧と血中ナトリウム量の関係について教えてください(日本心臓財団)
- ^ 土橋卓也, Angiology Frontier Vol.9 no.1, 23-28.
- ^ Imai Y, 血圧 1998; 5: 641-8
- ^ 福田道雄、木村玄次郎:CKDの夜間高血圧-食塩感受性と食塩摂取: 医学のあゆみ233(3): 233-237, 2010
- ^ T. W. Wilson et al., Biohistory of slavery and blood pressure differences in blacks today. A hypothesis, Hypertension, 17(1 Suppl), I122-8,1991
- ^ Nature Medicine 17, 573–580 (2011) doi:10.1038/nm.2337
- ^ M.J. O'Donnell, et al., JAMA, 2011, 306(20); 2229-2238.
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 食塩感受性高血圧の発症メカニズム (第5土曜特集 高血圧のすべて2012 : 研究と診療の最前線) -- (高血圧の成因に関する新知見)
Related Links
- 食塩感受性高血圧には、まだ明確な定義や診断基準はありません。そのため数値などから、自分が食塩感受性タイプかどうかを知ることはできません。しかし、高血圧の治療を受けている場合には、減塩によって顕著な血圧の改善が ...
- 食塩摂取量と高血圧の相関関係が見られるのは食塩感受性の人々であるが、食塩感受性の定義はどうなっているかを解説。 ... 保健の科学 第 35 巻 第 4 号 284-286 ページ 1993 年 連載4 食塩と高血圧 食塩感受性
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- senile hypertension
- 関
- 収縮期高血圧、食塩感受性高血圧
[★]
- 英
- sodium-dependent hypertension
- 関
- 食塩感受性高血圧
[★]
- 英
- Dahl salt-sensitive rat
- 同
- ダールラット、ダール食塩感受性高血圧ラット Dahl食塩感受性高血圧ラット、近交系Dahlラット
- 関
- 実験的高血圧
[★]
ダール食塩感受性高血圧ラット
[★]
- 英
- blood pressure, BP
- 同
- 動脈圧 arterial pressure AP
- 関
- 血圧測定
成人の血圧
- 至適血圧:<120mmHg かつ <80mmHg
- 正常血圧:130mmHg かつ 85mmHg
- 正常高値血圧:130~139mmHg または 85~89mmHg
- I度高血圧(軽症):140~159mmHg または 90~99mmHg
- II度高血圧(中等症):160~179mmHg または 100~109mmHg
- III度高血圧(重症):≧180mmHg または ≧110mmHg
- 収縮期高血圧:≧140mmHg かつ <90mmHg
糖尿病性腎症
- 管理目標: 130/80 mmHg
- 尿蛋白1g/日以上:125/75 mmHg
冠血管と血圧
- In the normal state, autoregulatory mechanisms adjust coronary tone tomatch myocardial oxygen supply with oxygen requirements. In the absence of obstructive coronary disease, thesemechanisms maintain fairly constant rate of coronary flow, as long as the aortic perfusion pressure is approximately 60 mmHg or greater.
血圧の異常
血圧の上肢における左右差
- 大動脈炎症候群:腕頭動脈、鎖骨下動脈の狭窄・閉塞を生じる
- 動脈硬化:鎖骨下動脈領域の病変があるとき、左右の脈拍差や皮膚温の違いを生じる
血圧の上下肢の差(下肢>上肢)
- 大動脈炎症候群:大動脈弓部が冒されやすいが、鎖骨下動脈が冒された場合に上肢の血圧が低下。
- 解離性大動脈瘤:解離腔に生じた血腫が鎖骨下動脈を圧迫すると、上肢の血圧が低下
- 大動脈閉鎖不全症:Hill徴候
収縮期血圧のみ高い。拡張期血圧は高くない
- 拡張期に動脈血流が減少する病態(血流が体循環に押し出されないか、心収縮力のみ上昇している状態?(体循環の血管抵抗が上がっていない?))
- 脈圧が上昇する
- 1. 大動脈基部の血流が逆流やシャントにより減少する場合
ショック
非侵襲的な血圧測定法による血圧の上肢・下肢の差
- 血圧を測定するために駆血帯で血流を遮断する必要がある。このとき、下肢の動脈の方が深部を走行しているため上肢より強く駆血帯で圧迫する必要がある。強く圧迫を要する分だけ下肢の血圧が高く測定されてしまう。
心血管とその周囲の血圧 YN.C-29
- see also PHD.61
中心静脈
|
|
肺動脈楔入圧
|
4~8
|
8~20
|
右心房
|
左心房
|
1~4
|
8~20
|
右心室
|
左心室
|
8~20
|
120~20
|
肺動脈
|
大動脈
|
8~20
|
120~70
|
臓器移植における脳死判定の除外
- 脳死判定#脳死判定の除外規定、臓器の移植に関する法律施行規則#第二条第四項
- 収縮期血圧が以下で定められる数値未満の場合には脳死判定ができない。
- 1歳未満の者 65
- 1歳以上13歳未満の者 年齢x2+65
- 13歳以上の者 90
国試
[★]
- 英
- sodium chloride、dietary sodium chloride
- 関
- 塩化ナトリウム、食用塩化ナトリウム
- Na:23 g/mol
- Cl:35.5 g/mol
- 食品でNa 2gとかかれていたら、
- 2 * ( 23 + 35.5 ) / 23 ≒ 5.08 g
食事摂取基準2010
- 男性:<9.0 g/day
- 女性:<7.5 g/day
[★]
- 英
- perception
- 関
- 知覚、認知
[★]
- 英
- sensitivity, susceptibility
[★]
- 英
- pressure
- 関
- 圧力