- 英
- auditory nerve
- 同
- CN VIII, vestibulocochlear nerve, acoustic nerve
- 関
- 内耳神経、蝸牛神経
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/23 14:06:00」(JST)
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1:
前庭神経 nervus vestibularis、
2:
蝸牛神経 nervus cochlearis、
3:顔面神経 nervus intermediofacialis、
4:膝神経節 ganglion geniculi、
5:鼓索神経 chorda tympani、
6:蝸牛管 cochlea、
7:半規管 ductus semicirculares、
8:槌骨 malleus、
9:鼓膜 membrana tympani、
10:耳管 tuba auditiva
脳神経 |
第I脳神経 – 嗅神経 |
第II脳神経 – 視神経 |
第III脳神経 – 動眼神経 |
第IV脳神経 – 滑車神経 |
第V脳神経 – 三叉神経 |
第VI脳神経 – 外転神経 |
第VII脳神経 – 顔面神経 |
第VIII脳神経 – 内耳神経 |
第IX脳神経 – 舌咽神経 |
第X脳神経 – 迷走神経 |
第XI脳神経 – 副神経 |
第XII脳神経 – 舌下神経 |
表・話・編・歴 |
内耳神経(ないじしんけい、vestibulocochlear nerve)は、12対ある脳神経の一つで、第VIII脳神経、前庭蝸牛神経、聴神経(auditory nerve)とも呼ばれる。前庭から起こる前庭神経と蝸牛から起こる蝸牛神経が合流したもので、延髄から橋にかけて広がる前庭神経核と蝸牛神経核を通り、前庭覚(平衡覚)と聴覚を伝える。
目次
- 1 解剖
- 2 機能
- 3 異常所見
- 4 参考文献
- 5 外部リンク
解剖
橋下部の横断面。前庭神経核は外側、小脳脚の近くにある。
蝸牛には無数の蝸牛神経節(らせん神経節)がらせん状に並んでいる。これらはコルチ器(ラセン器)が音を感知して発した信号を集める部分であって、それぞれが内耳神経の蝸牛根と呼ばれる線維束を出している。蝸牛根は内耳道の中で一本にまとまって蝸牛神経となる。蝸牛神経は橋と延髄の境目あたりにある蝸牛神経核で中継される。節後線維は交叉して対側の外側毛帯となり、中脳の下丘を通って大脳皮質に向かう。
半規管の膨大部と卵形嚢斑、球形嚢斑は体の傾きや回転を感知する。これらの場所から出た線維は前庭神経節に集まり、前庭神経となって蝸牛神経とともに内耳道を通り、脳幹に入る。内耳神経という名前は前庭神経と蝸牛神経が合流して内耳道を通る部分を指す。前庭神経は上行枝と下行枝に分かれて、橋と延髄の境目あたりにある前庭神経核で中継されるほか、一部の線維は中継されることなく下小脳脚を通って小脳に入る。前庭神経核から出た線維は脊髄、小脳、または外眼筋を支配する核(動眼神経核、エディンガー・ウェストファル核など)に向かう。
機能
蝸牛神経は聴覚を、前庭神経は前庭覚すなわち平衡の感覚を伝える。
前庭神経核から脊髄に向かう経路は前庭脊髄路と呼ばれ、錐体外路性運動系の一部として重要な役割を果たしている。すなわち、前庭覚が大脳皮質経由ではなく直接運動神経に伝わることで、体が傾くことなくスムーズに運動できるのである。言い換えれば、やや雑な表現になるが、「体が傾いたから修正しよう」と考えなくても前庭脊髄路の働きで「無意識に」微妙な運動調節が起こって平衡を保てる。
前庭神経核から外眼筋を支配する核に入った線維は、頭が動いたときに眼球を反対方向に動かして、視線が同じ物に向いていられるようにする役割がある。この極端な例として、眼球頭反射または人形の目現象と呼ばれる反射がある。これは人の頭を他人が急に無理矢理違う方へ向かせたとき、動かされた人の眼球が元の向きに残るというものである。また、外耳道に大量の冷水を注ぎ込むと眼球が刺激と反対側に向く(温水では刺激側を向く)反射も前庭神経によるとされ、前庭反射と呼ばれている。
異常所見
難聴は蝸牛神経の異常による場合がある。このとき高い音が聞こえにくくなることが多い。外耳道または中耳に異常があって音が蝸牛まで伝わっていない場合は、低い音が聞こえにくくなる場合が多い。耳鳴りは蝸牛神経に原因がある場合高い音のことが多く、音を伝える機構に原因がある場合低い音のことが多い。このほか、聴覚の異常を見る検査にリンネ試験、ウェーバー試験がある。
前庭反射が現れないときは前庭神経の異常が疑われる。これは脳死判定にも利用されている。ただし脳死判定で行う試験は、30度ほどの水を使う普通の検査と違い、氷水を使う。眼球が刺激側に向くのが正常の所見で、刺激に反応する眼球運動が少しでも見られれば脳幹の機能は残っていると見なされる。
参考文献
- Werner Kahle、長島聖司・岩堀修明訳『分冊 解剖学アトラスIII』第5版(文光堂、ISBN 4-8306-0026-8、日本語版2003年)
- 田崎義昭・斎藤佳雄、坂井文彦改訂『ベッドサイドの神経の診かた』第16版(南山堂、ISBN 4-525-24716-9、2004年)
外部リンク
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Japanese Journal
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- 名月 論,武田 匡弘
- 月刊保険診療 = Journal of health insurance &medical practice 70(10), 86-88, 2015-09
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- Cells transplanted onto the surface of the glial scar reveal hidden potential for functional neural regeneration
- Sekiya Tetsuji,Holley Matthew C.,Hashido Kento,Ono Kazuya,Shimomura Koichiro,Horie Rie T.,Hamaguchi Kiyomi,Yoshida Atsuhiro,Sakamoto Tatsunori,Ito Juichi
- Proceedings of the National Academy of Sciences 112(26), E3431-E3440, 2015-06-15
- … 新しい細胞移植法によって、聴神経の機能再生に成功. …
- NAID 120005615649
- 松永 彩,津崎 実,堀川 順生
- 聴覚研究会資料 = Proceedings of the auditory research meeting 45(3), 183-187, 2015-05-28
- NAID 40020515029
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★リンクテーブル★
[★]
- 56歳の男性。右の難聴を主訴に来院した。
- 昨夜飲酒後、自転車で帰宅途中に転倒し右側頭部を強打した。一瞬の意識消失があったが、右耳の聴力低下以外の自覚症状がないため、そのまま帰宅した。翌日になっても右の難聴が治らない。めまいはなく、頭部単純CTでも異常は認められない。右耳の聴力像と左右のインピーダンスオージオグラムとを以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096I031]←[国試_096]→[096I033]
[★]
- 25歳の女性。両側の難聴を主訴に来院した。5年前から難聴を自覚し、徐々に増悪している。最近では耳鳴りも強くなり、会話にも不自由を感じるようになってきた。皮膚に多発性神経鞘腫がみられる。インピーダンスオージオグラムは正常である。純音聴力検査所見と頭部造影MRIの脂肪抑制T1強調像を以下に示す。
- 考えられる病変部位はどれか。
※国試ナビ4※ [097I037]←[国試_097]→[097I039]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099D049]←[国試_099]→[099D051]
[★]
- 頭部単純MRIを以下に示す。
- 聴神経が観察されるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099D048]←[国試_099]→[099D050]
[★]
CN VIII, 聴神経, acoustic nerve
[★]
- 英
- acoustic schwannoma、acoustic neurinoma
- 同
- 前庭神経鞘腫 vestibular schwannoma、聴神経線維鞘腫 acoustic neurilemmoma
- 関
- 聴神経腫瘍、前庭神経鞘腫、聴神経シュワン細胞腫
概念
- 前庭神経鞘腫とも呼ばれる。聴神経のシュワン細胞に由来する良性腫瘍。
病理
- Antoni A型:腫瘍が柵状配列をとっている。
- Antoni B型:細胞が変性して粗な領域。エオシン染色性弱い。
検査
- T1:低信号
- T2:高信号
- ガドリニウム造影:均一に増強される
鑑別疾患
- 小脳橋角部髄膜腫 :T1で低信号、T2で高信号、造影で高信号。腫瘍付着硬膜の造影効果。鑑別点は錐体骨部への付着が広くはっきりとしており、。
- 小脳橋角部類表皮嚢胞:T1で低信号、拡散強調画像で高信号
- 三叉神経鞘腫
- クモ膜嚢胞
- 脂肪腫
- 血管芽腫
- 転移性脳腫瘍
治療
- 3cm未満:手術両方 or 定位的放射線治療(ガンマナイフ)
- 3cm以上:手術両方
- 手術療法:後頭蓋窩開頭法(耳介後部からのアプローチ)
[★]
- 英
- acoustic neurilemmoma
- 関
- 聴神経鞘腫
[★]
- 英
- acoustic schwannoma
- 関
- 聴神経鞘腫
[★]
- 英
- acoustic neuroma
- 関
- 聴神経腫瘍
[★]
- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS