出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/01/25 01:40:20」(JST)
網膜色素線条症(もうまくしきそせんじょうしょう、英 Angioid Streaks)は、眼疾患の一つで、網膜を構成するBruch膜の主成分である弾力繊維が断裂する両眼性の疾患である。特有の眼底所見を生じ、主に20代以降の男性に多く発生する。
弾力繊維の変性によりBruch膜の断裂が視神経乳頭を中心に生じ、稲妻状の線条(すじ)を眼底に生じる。線条が中心窩に達すると脈絡膜から新生血管を発生し、新生血管黄斑症となる。一般に線条が中心窩に達するまでは自覚症状を伴わない事が多く、新生血管黄斑症を生じると変視、暗点をきたす。
多くの場合弾力繊維性仮性黄色腫という遺伝子疾患の一症状なので、皮膚組織の検査で確認する必要がある。
数万人に1人の割合で発症する。
初期には自覚症状はない。新生血管黄斑症を生じると、変視症、中心暗点をきたす。新生血管黄斑症を生じなくともBruch膜の断裂に伴う出血から変視をきたす場合もある。
弾力繊維性仮性黄色腫
新生血管黄斑症を生じている場合は加齢黄斑変性との識別が必要であり、特徴的な色素線条の存在で識別される。螢光造影が役立つ。
色素線条が黄斑部に達していない場合は経過観察のみでよい。新生血管が中心窩から十分離れている場合には光凝固を考慮してもよいが、Bruch膜が脆弱であるため、症状が悪化する危険がある。光線力学療法による治療は却って症状が進行することがわかっており、アバスチン(ベバシツマブ)による治療が好成績を上げている。
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
国試過去問 | 「098B026」 |
リンク元 | 「angioid streaks」「angioid streak」 |
拡張検索 | 「網膜色素線条症」 |
関連記事 | 「網膜」「色素」「網膜色素」 |
E
※国試ナビ4※ [098B025]←[国試_098]→[098B027]
構造 | 層 | 細胞体 | ||
脈絡膜 | ||||
網膜 | ||||
1 | 色素上皮層 | 色素上皮細胞 | pigment epithelium cell | |
2 | 杆体錐体層 | rod and cone layer | ||
3 | 外境界膜 | |||
4 | 外顆粒層 | outer nuclear layer | 視細胞 | photoreceptor |
5 | 外網状層 | outer plexiform layer | ||
6 | 内顆粒層 | inner nuclear layer | 双極細胞 | bipolar cell |
水平細胞 | horizontal cell | |||
アマクリン細胞 | amacrine cell | |||
7 | 内網状層 | inner plexiform layer | ||
8 | 神経節細胞層 | ganglion cell layer | 神経節細胞 | ganglion cell |
9 | 神経線維層 | optic nerve fiber layer | ||
10 | 内境界膜 |
.