- 英
- rumen
- 関
- 反芻胃、ルーメン
WordNet
- the first compartment of the stomach of a ruminant; here food is collected and returned to the mouth as cud for chewing (同)first stomach
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/11/22 12:24:05」(JST)
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反芻(はんすう、rumination)は、ある種の哺乳類が行う食物の摂取方法。まず食物(通常は植物)を口で咀嚼し、反芻胃に送って部分的に消化した後、再び口に戻して咀嚼する、という過程を繰り返すことで食物を消化する。
目次
- 1 反芻動物
- 2 反芻による消化吸収
- 3 その他
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
反芻動物
反芻を行う動物を反芻動物(Ruminant)といい、ウシ・ヤギ・ヒツジ・キリン・バイソン・シカ・ヌー・アンテロープ(以上は反芻亜目)・ラクダ・ラマ(ラクダ亜目)が含まれる。これらはいずれも偶蹄目であるが、近年、霊長類のテングザルが反芻に極めて類似した行動を行うことが発見された。[1]
反芻動物の胃は4つの部屋から出来ており、それぞれ第一胃(こぶ胃:ルーメン、ミノ)、第二胃(蜂の巣胃:レティキュラム、ハチノス)、第三胃(葉胃:オマスム、センマイ)、第四胃(しわ胃:アボマスム、ギアラ)という[2]。
反芻による消化吸収
第一胃と第二胃で食物は唾液と混ぜ合わせられ、固形分と液体成分に分けられる。唾液には尿素など、共生微生物の成育を促進するものが含まれている。固形分は「食い戻し」と呼ばれる丸い塊になって口に戻り、再びよく咀嚼して繊維質を細かく砕きつつ、唾液と混ぜ合わせられる。細かく砕かれた繊維(セルロースやヘミセルロースなどを含む多糖類)および植物細胞質成分は、胃の中に共生する微生物(細菌と原生動物、それに菌類)によって分解・吸収される(この過程はシロアリが木を消化するのと同じである)。反芻胃内は嫌気性であるため、この代謝過程(発酵)で低級脂肪酸(酢酸やプロピオン酸、酪酸など)を主体とした低分子有機物が生産される。反芻動物はそれらを吸収し、好気呼吸の基質とすると共に脂肪などの再合成を行う。ただし、植物の構成成分としてセルロースと共に大量に含まれるリグニンはほとんど分解・利用されない(シロアリでは多くの種で体外共生菌を通して利用される)。また、生成された低分子有機物のうちメタン等の水に溶解しないものはゲップや放屁などで外部に放出されるため、これらも利用されない。
発酵が終了した食物残渣は共生微生物菌体と共に第三胃に送られ、水分を除去された後に第四胃に移る。第四胃で共生微生物体と食物残渣は消化され、その後小腸に送られ栄養が吸収される。このように反芻動物が実際に消化吸収しているのは、植物そのものではなく共生微生物およびその代謝産物である(哺乳類が消化吸収できる成分は反芻胃で共生微生物が事実上すべて利用してしまっている)ため、反芻動物は厳密には草食動物ではなく微生物食動物である、との見方もある。
その他
ユダヤ教のカシュルート(en:Kashrut、コーシェル。食事に関する規定)では、食べても良い陸棲動物は「反芻するもの」に限られている。
また、「何度も同じ事柄について考えをめぐらせる」ことを「反芻する」と比喩的に表現することがある。
脚注
- ^ Matsuda I, Murai T, Clauss M, Yamada T, Tuuga A, Bernard H, Higashi S.Regurgitation and remastication in the foregut-fermenting proboscis monkey(Nasalis larvatus). Biol Lett. 2011 Mar 30. 外部リンクも参照のこと
- ^ 但し、ラクダは第三胃が無く、計3室から成る。
関連項目
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 飼料タンパク質の給与水準と第一胃分解性の違いが泌乳牛の尿量に及ぼす効果
- 大谷 文博,樋口 浩二,小林 洋介 [他]
- 畜産草地研究所研究報告 = Bulletin of National Institute of Livestock and Grassland Science (14), 23-35, 2014-03
- NAID 40020028920
- 枝豆茎葉残渣サイレージへの廃シロップの添加が発酵品質およびヒツジにおける栄養価と第一胃液性状に及ぼす影響
- 松田 朗海,堀口 健一,高橋 敏能,吉田 宣夫
- 日本草地学会誌 59(2), 114-119, 2013-07-15
- … 枝豆茎葉残渣サイレージ(GSS)をヒツジに単独給与し,消化特性を評価するとともに,原料への廃シロップ添加が発酵品質,栄養価および第一胃内容液性状に与える影響を調査した。 … 第一胃内容液pHはALFにくらべてGSSを給与したヒツジで飼料給与後に高く推移した(p<0.05)が,サイレージの処理間では差がなかった。 …
- NAID 110009624850
- 枝豆茎葉残渣サイレージへの廃シロップの添加が発酵品質およびヒツジにおける栄養価と第一胃液性状に及ぼす影響
Related Links
- ミノは、牛の第一胃(ルーメン)のことで、名前の由来は、開いた様子が蓑に似ていること から来ている。第一胃を含む複数の胃袋は、反芻動物特有の器官であり、そのなかでも 第一胃と第二胃(俗称ハチノス)は反芻において重要な器官になっている。このため、 ...
- 第一胃鼓脹症(だいいちいこちょうしょう、ruminal tympany)とは第一胃内発酵により 大量に産生されたガスによって第一胃が過度に拡張して消化あるいは呼吸機能が傷害 された状態。胃内容物がガスと混合している泡沫性と分離している遊離性に区別される。
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- lumen lm、lumina、rumen
- 関
- 細胞内腔、管腔、反芻胃、内腔、第一胃
[★]
ルーメン、第一胃、反芻胃
- 関
- lumen、lumina、reticulo rumen、ruminal、ruminant stomach
[★]
- 英
- rumen、ruminant stomach、reticulo rumen、ruminal
- 関
- ルーメン、第一胃
[★]
- 英
- stomach (Z)
- ラ
- gaster, ventriculus
- 関
- 消化器系#上皮の移行
解剖
- 胃は以下の間膜によって連結されている。
- 横隔膜の下面との間は胃横隔間膜
- 脾臓との間は胃脾間膜
胃の位置
- 噴門口:第7肋軟骨の胸骨付着部より約2cm左(T11の高さ) (KL.342)
- 胃底:胃底の上端は左第5肋骨の高さ (KL.342)
- 幽門:L1の高さ (KL.342)
胃の動脈
生理
胃腺の分布
2007年後期生理学授業プリント
HIS
胃腺の移動
- 胃底腺と幽門腺の境界は移動する。
- 年齢に伴って上昇する?らしく、これにともない胃酸の分泌が低下する。
胃液のホルモンによる分泌調節
生理
神経支配
-
- T6,7の側柱→大内臓神経(節前線維)→腹腔神経叢(節後線維)→内在神経叢内でシナプス前抑制、一部直接作用
- 迷走神経(節前線維)→内在神経系(アセチルコリン作動性ニューロン(興奮性)、VIP,NO作動性ニューロン(抑制性))
役割
- 1. タンパク質の消化
- 2. 食物の貯蔵
- 3. 殺菌
機能
- 受け入れ弛緩(胃近位部弛緩)
- 蠕動運動、逆移送
受け入れ弛緩
- 迷走神経反射。胃近位部伸展受容器→迷走神経→脳幹→迷走神経
臨床関連
[★]
- 英
- primarily
- 関
- 一次的、主、主要、本来