出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/16 21:10:53」(JST)
特定疾患治療研究事業(とくていしっかんちりょうけんきゅうじぎょう)とは、昭和48年4月17日付け衛発第242号公衆衛生局長通知「特定疾患治療研究事業について」に基づき、いわゆる難病のうち特定の疾患について医療の確立、普及を図るとともに、患者の医療費の負担軽減を図ることを目的とする事業である。実施主体は都道府県。
本事業は1972年にベーチェット病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデスおよびスモンの4疾患を対象として発足し、以降対象疾患を徐々に拡大して2009年10月1日現在56疾患が対象となっている。
対象者は、現に医療を受けており、保険診療時に自己負担がある者である。よって、治癒した者、生活保護受給者などは対象外となる。
事業の実施は、都道府県が対象疾患の治療研究を行うに適当な医療機関に対し、治療研究に必要な費用を交付することにより行う。国は、予算の範囲内において、都道府県がこの治療研究事業のために支出した費用に対し、その2分の1を補助する。実施期間は、同一患者につき1年を限度とする。ただし、必要と認められる場合は、その期間を更新できる。
患者は医療を受けた際、所得階層区分に応じた自己負担限度額を支払う。
一部の地方公共団体では、独自に指定した疾患についても事業の対象としている。
対象疾患に罹患し、特定疾患治療研究事業による給付を受けようとする者は、申請書に臨床調査個人票その他必要書類を添付し、住所地を管轄する保健所長を経由して知事に提出する。知事は、その内容を審査し、適当と認めたときは、特定疾患医療受給者証を申請者に交付する。
受給者証の有効期間は、新規に認定された場合は保健所が受理した日から最初に到来する9月30日までである。ただし、受理日が概ね7月1日以降の場合には2度目に到来する9月30日までである。更新の場合の有効期限は、10月1日から翌年の9月30日までである。
対象疾患の医療費は、従来全額が公費負担であったが、対象患者数の増加、財政状況の悪化を理由に1998年5月1日より、外来1日につき1000円(月2回まで)、入院1月につき14000円の一部自己負担が導入された。その後2003年10月1日より、患者の所得階層区分に応じた月額限度額が設定された。同時に、更新審査において
の3要件を1年以上満たしたと判定された場合、軽快者と認定され、受給者証に代わり特定疾患登録者証を交付される。登録者証により公費負担を受けることはできない。医師により症状が悪化したと確認された場合には、新規に申請し認定されることによって、悪化を確認された日に遡って公費負担を受けることができる。
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