拘束型心筋症
UpToDate Contents
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- 1. 特発性拘束性心筋症 idiopathic restrictive cardiomyopathy
- 2. 収縮性心膜炎と拘束性心筋症の区別 differentiating constrictive pericarditis and restrictive cardiomyopathy
- 3. 心筋症の定義および分類 definition and classification of the cardiomyopathies
- 4. 心筋症の心エコーによる認識 echocardiographic recognition of cardiomyopathies
- 5. 乳幼児および小児における心不全の病因および診断 etiology and diagnosis of heart failure in infants and children
Japanese Journal
- 248)収縮性心外膜炎の1例 : 各種診断法における拘束性心筋症との鑑別診断について(第87回日本循環器学会中国・四国合同地方会)
- 酒井 恵理子,大木元 明義,岡山 英樹,大塚 知明,倉田 聖,吉井 豊史,大下 晃,斎藤 実,上谷 晃由,長谷部 靖子,廣瀬 典子,重松 裕二,檜垣 實男,西山 誠一
- Circulation journal : official journal of the Japanese Circulation Society 70(Supplement_II), 1078, 2006-04-20
- NAID 110004871445
- 薗 潤,宮本 覚,深谷 隆
- 日本胸部外科学会雑誌 = The Japanese journal of thoracic and cardiovascular surgery 44(2), 192-197, 1996-02-10
- NAID 10007702363
Related Links
- この病気は公費負担の対象疾患です。公費負担の対象となるには認定基準があります。 認定基準 臨床調査個人票 臨床調査個人票 1. 拘束型心筋症とは 2006年にアメリカ心臓病協会(AHA)の新分類によると、心筋症は主な病変 ...
- 拘束型心筋症は,拡張期充満に抵抗する,コンプライアンスの低下した心室壁を特徴とする;一方または両方の心室に影響が及び,最も一般的には左室が冒される。症状には,倦怠感および労作性呼吸困難がある。診断は心 ...
- 拘束型(浸潤性)心筋症とは、心室の壁が硬くなり(厚くなるとは限りません)、拡張期の正常な血液の充満に抵抗が生じる心疾患群です。
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- restrictive cardiomyopathy, RCM
- 同
- 拘束性心筋症
- 関
- 心筋症、難病
定義
- (1)硬い左心室、(2)左室拡大や肥大の欠如、(3)正常または正常に近い左室収縮機能、(4)原因不明を満たす疾患
- 難病
病因
-
疫学
- 拡張型心筋症:14.0/10万人対
- 肥大型心筋症:17.3/10万人対
- 拘束型心筋症:0.2人/10万人対
病態
- 左心室拡張障害によるうっ血性心不全
- 左室内腔の拡大(×DCM)や壁肥厚はない(×HCM)。
- 収縮能は正常。
- 左房径は増大 ← 左心房は拡張(LAもrigitになる気がするけど、それでもやっぱり心房の方がコンプライアンスが高いから?そもそも、心室に血液を送り込めないから拡張せざるを得ないのだろう?)
身体所見
症状
検査
- 左室圧におけるa波が増大し、LVEDPが上昇。
- 左室圧波形:dip and plateau (square root sign)
診断
治療
鑑別疾患
収縮性心膜炎との鑑別
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収縮性心膜炎
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拘束型心筋症
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contrictive endocarditis
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restricted cardiomyopathy
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心カテーテル検査
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両親室の拡張末期圧同じ
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左室拡張末期圧 - 右室拡張末期圧 > 5mmHg
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右室拡張末期圧 > 右室収縮末期圧/3
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右室収縮期圧 > 50mmHg
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右室経静脈的心内膜心筋生検
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線維化や浸潤(アミロイド、鉄、転移性腫瘍などの浸潤)がみられる。
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CT
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肥厚した心内膜が観察される。石灰化があれば白く見える
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MRI
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肥厚した心内膜が観察される
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|
- LVとRVの壁厚を考慮すると、ある病因によるコンプライアンスの低下がLVでより顕著になると考えればよい?なんでだろう?
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/036_s.pdf
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/259
[★]
- see YN.C-143
- 何を意味するか考えてみよう? → 正常では拡張期の心室圧は拡張期末期に向かって(例えば10mmHgを越えるような)大きな変動はない。等容弛緩期が終わり房室弁が開くことには、心室内圧は最も低下する(ここがdipとなる)。心室のコンプライアンスが低下している状態では、拡張期の急速流入期における心房からの血液の流入によってすぐに心室圧が上昇してしまい、(それ以上血液が流入しないので)心室圧は高い状態で拡張期末期まで至る(plateau)、と思われる。
参考
- http://www.nurs.or.jp/~academy/igaku/s1/s1413.htm
[★]
- 英
- cardiac muscle (K), heart muscle, myocard cardiac muscle, myocardium
- 関
- 心筋の活動電位、横紋筋、筋肉
- 筋小胞体が発達していない
心筋の酸素消費量 (SPC.226)
- (tension-time index)=左心室内圧曲線収縮期相の面積(mmHg/s)×心拍数
- (doble product)∝(tension-time index)
- 1. 骨格筋細胞と違い心筋細胞は介在板を有しており、介在板近傍に存在するギャップ結合によって活動電位が伝播する。
- 2. ギャップジャンクションを通じて活動電位が伝播すると、心筋細胞膜上の電位依存性Na+チャネルが開き、脱分極が筋細胞全体に広がる。
- 3. 脱分極はT細管(横行管)に伝わり、T細管に存在する電位依存性のタンパク質の構造を変化させ、筋小胞体上のCa2+放出チャネルを開く。
- 4. さらに少し遅れてCa2+/Na+チャネルが長時間開口し、細胞内に多量のCa2+/Na+を取り込む。
- 5. 心筋細胞のT細管は細胞外部に開口しており、Ca2+の取り込みが容易になっている。
- 6. このようにして、細胞外と筋小胞体中のCa2+が細胞質に拡散する。
- 7. ここで、筋収縮に関わるアクチンフィラメントにトロポミオシンとトロポニンが結合し、収縮開始を妨げているが、Ca2+がトロポニンに結合すると、トロポミオシンがアクチンフィラメント上で場所を変える。
- 8. この結果、トロポミオシンが覆い隠していたアクチンフィラメントのミオシン結合部位が露出する。
- 9. ミオシンはATPの加水分解のエネルギーを使って、アクチンフィラメントに結合できる構造をとり、アクチンに結合する。
- 10. ミオシンがアクチンフィラメントで首振り運動をすることで筋収縮が起こる。
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
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- 英
- cardiomyopathy CM
- 関
心筋症比較
- HIM.1482
YN
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C-132
|
C-134
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C-136
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HIM
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1481
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1484
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1485
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拡張型心筋症
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肥大型心筋症
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拘束型心筋症
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DCM
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HCM
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RCM
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胸部単純X線写真
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中等度~重度心陰影拡大
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中等度~重度心陰影拡大
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軽度心陰影拡大
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肺静脈拡張
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心電図
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ST領域、T波の異常
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ST領域、T波の異常
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低電位
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左室肥大
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伝導障害
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異常Q波
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心エコー
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左心室拡張・機能不全
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非対称性中隔肥大
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左心室壁肥厚
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収縮期僧帽弁前方運動
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収縮能:正常~軽度減少
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核医学検査
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左心室拡張・機能不全
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収縮能亢進
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収縮能:正常~軽度減少
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血液還流異常(201Tl/Tc-MIBI)
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心カテーテル検査
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左心室拡張・機能不全
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収縮能亢進
|
収縮能:正常~軽度減少
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左室・(右室)充満圧上昇
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左室・右室充満圧上昇
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左室・右室充満圧上昇
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心拍出量減少
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左室流出路狭窄
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[★]
- 英
- restraint、commitment、confinement、immobilization、restrain、confine、imprison
- 関
- 限局、限定、固定化、制限、不動化、抑制、預託、関係づけ、傾・、献身、コミットメント、収監
[★]
- 英
- restrictive
[★]
- 英
- sis, pathy