- 英
- monosaccharide
- 関
- 単糖類、糖
WordNet
- a sugar (like sucrose or fructose) that does not hydrolyse to give other sugars; the simplest group of carbohydrates (同)monosaccharose, simple sugar
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/06 02:30:26」(JST)
[Wiki ja表示]
単糖(たんとう、monosaccharide)とは、それ以上加水分解されない糖類である。単純糖ともいう。単糖は、複数の糖が結合(脱水縮合)して多糖を形作る際の構成要素となる。一般に水溶性で結晶性の無色固体である。
目次
- 1 構造
- 2 生体内での利用
- 3 分類
- 4 C6までの単糖一覧
- 5 関連項目
構造
単糖は単一のポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトンといわれる。話を簡単にするためにここで扱う単糖は炭素、水素、酸素しか含まないものとするが、単糖の中には窒素、リン、硫黄を含むものもある。単糖の持つ官能基はヒドロキシ基と、アルデヒドまたはケトン基の2種類である。直鎖構造と環状構造それぞれについて以下に説明する。
直鎖構造の単糖
一般的な単糖分子の骨格は枝分かれのない炭素鎖である。そのため単糖の鎖状構造いえば直鎖である。この項の中では単に単糖といえば直鎖構造の物を指す。単糖の、置換基に含まれない炭素を除けばすべての炭素はヒドロキシ基を1つだけ持っている。そして炭素を含む置換基はアルデヒド基またはケトン基(下図の太字)であり、このことから直鎖の単糖は2つに分けられる。すなわち、アルデヒド基を含む単糖をアルドースaldose 、ケトン基を持つ単糖をケトースketose と呼ぶ。酸素原子と二重結合でつながっている炭素を末端に持つものをアルドース、内部に持つものをケトースと覚えれば見分けは簡単につく。
- アルドース
- HO-CH2-CHOH-…-CHOH-CHO
- ケトース
- HO-CH2-CHOH-…-CHOH-CO-CHOH-…-CHOH-CH2-OH
一般に、(ジヒドロキシアセトンを除く)すべての単糖は1個以上の不斉炭素を持ち、立体異性体を必ず持つ。単糖の不斉炭素にはヒドロキシ基と水素原子を必ず持つので、フィッシャー投影式において両基の位置を入れ替えればそれがエピマーとなる。カルボニル基から順位的に最も離れた不斉炭素を基準炭素というが、それの立体配置によって生じたエピマーを区別するにはDL表記法を用いる。基準炭素の置換基は-H、-OH、-CH2OH、そしてカルボニル基を含んだ炭素鎖-Rである。フィッシャー投影式において、-CH2OHを下、-Rを上に配置したとき、ヒドロキシ基が右に来る場合をD型、左に来る場合をL型と呼ぶ。DまたはLを化合物の名前の接頭辞とすることで、それがD型かL型を示せる。例えば、左のグリセルアルデヒドはD型のD-グリセルアルデヒドであり、エピマーのL-グリセルアルデヒドは-OHと-Hの位置が逆である。
環状構造
単糖のほとんどは環状構造であり、水中では分子内ヘミアセタール、ヘミケタール構造を取りやすい。この時の各構造を特にそれぞれアルドース、ケトースと呼ぶ。この構造変化は平衡反応であり、平衡を通して起こる立体異性化を変旋光と呼ぶ。具体例はグルコースの項を参照。
単糖はヒドロキシ基を多数持っており、同じ化学式を持つものにおいても多数の異性体が存在する。これらの異性体は全く異なる性質を示す。デオキシリボース (C5H10O4) など一部の例外はあるが、概ね組成式 CnH2nOn で表され、n = 5 のものを五炭糖(ペントース、例:リボース、デオキシリボース)、n = 6 のものを六炭糖(ヘキソース、例:グルコース、フルクトース、ガラクトース)と分類する。
生体内での利用
特にグルコース(ブドウ糖)は生体にとって重要なエネルギー源である。
分類
- 分子構造による分類(立体異性体):D体、L体
- カルボニル基による分類:アルドース、ケトース
- 炭素数による分類:トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース等
C6までの単糖一覧
(以下のものにはD体およびL体が存在する)
アルドース
- アルドトリオース
- アルドテトロース
- アルドペントース
- アルドヘキソース
- アロース
- タロース
- グロース
- グルコース
- アルトロース
- マンノース
- ガラクトース
- イドース
ケトース
- ケトトリオース
- ケトテトロース
- ケトペントース
- ケトヘキソース
関連項目
- 化学
- 分子
- 生化学
- アノマー
- エピマー
- 糖質
- 希少糖
炭水化物 |
|
一般構造 |
アルドース · ケトース · ピラノース · フラノース
|
|
立体構造 |
エピマー · アノマー · 変旋光
|
|
単糖類 |
トリオース
|
ケトトリオース(ジヒドロキシアセトン) · アルドトリオース(グリセルアルデヒド)
|
|
テトロース
|
ケトテトロース(エリトルロース) · アルドテトロース(エリトロース、トレオース)
|
|
ペントース
|
ケトペントース(リブロース、キシルロース)
アルドペントース(リボース、アラビノース、キシロース、リキソース)
デオキシ糖(デオキシリボース)
|
|
ヘキソース
|
ケトヘキソース(プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース)
アルドヘキソース(アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース)
デオキシ糖(フコース、フクロース、ラムノース)
|
|
ヘプトース
|
セドヘプツロース
|
|
|
マルチプル |
二糖類
|
スクロース · ラクトース · マルトース · トレハロース · ツラノース · セロビオース
|
|
三糖類
|
ラフィノース · メレジトース · マルトトリオース
|
|
四糖類
|
アカルボース · スタキオース
|
|
その他のオリゴ糖
|
フラクトオリゴ糖(FOS) · ガラクトオリゴ糖(GOS) · マンナンオリゴ糖(MOS)
|
|
多糖類
|
グルコース:グリコーゲン · デンプン(アミロース、アミロペクチン) · セルロース · デキストリン · グルカン(β1,3-グルカン)
フルクトース:フルクタン(イヌリン、レバンβ2→6)
N-アセチルグルコサミン:キチン質
|
|
|
主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 未来への道しるべ 単糖類を原料とした化学物質変換と変換経路探索
- 9.酢酸菌の五単糖類に対する新規な膜結合型酸化還元酵素の発見(第427回研究協議会研究発表要旨,ビタミンB研究委員会)
- 足立 収生,Roque H.A.,品川 恵美子,赤壁 善彦,薬師 寿治,松下 一信
- ビタミン 86(5・6), 349-350, 2012-06-25
- NAID 110009471157
Related Links
- 栄養・生化学辞典 - 単糖の用語解説 - 加水分解によってそれ以上単純な糖にならない基本単位としての糖.グルコースはその例で,天然に多く存在する.
- 分子式C 6 H 12 O 6 で表される天然高分子を単糖類という。糖類は基本的に、環状構造をもっています。 左の環状構造を六員環構造(ピラノース)、右のを五員環構造(フラノース)といいます。この構造の骨組みになっているC ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- fructose, Fru
- 同
- 果糖, fruit sugar、レブロース levulose
- 商
- 果糖注、フルクトン。(果糖、グリセリン)グリセレブ、グリセオール、グリセノン、グリセリンF、ヒシセオール、グリポーゼ、グリマッケン。(アミノ酸輸液製剤)アミノトリパ1号輸液、トリパレン1号、トリフリード輸液、フルクトラクト
- 関
- 単糖、糖
薬効
5%, 20%フルクトースとして
- 20%フルクトン注
- 1. エネルギー補給:果糖はブドウ糖に比べてグリコーゲン生成能が大で、容易に乳酸に分解されるため、速やかにエネルギー源となり、糖尿病状態時や肝障害時でも利用される。
- 2. インスリン非依存性:果糖は主として肝に存在するfructokinase(ketohexokinase)により代謝され、インスリンの影響を受けず、糖尿病状態時にも使用できる。
- 3. 蛋白節約作用:果糖は体内窒素平衡に関与し、ブドウ糖に比べて強い蛋白節約作用があり、糖尿病状態時でもその作用を示す。
- 4. 解毒作用:果糖はアルコール及び種々有毒物質の解毒を促進する
グリセリン、フルクトースの混合輸液として
- グリポーゼ
- 脳圧降下作用のあるグリセリン(グリセロール)に,溶血防止作用のある果糖(フルクトース)が配合されており、脳圧降下作用及び眼圧降下作用がある。
アミノ酸輸液との配合輸液として
- アミノトリパ
- 1. 糖質とアミノ酸の配合比率:本剤を構成する糖質・電解質液とアミノ酸液との配合比率を検討するため、一定の非蛋白熱量下にアミノ酸配合量を変えた液を用いて、絶食ラットに7日間の高カロリー輸液を施行した。その結果、蛋白栄養指標(窒素出納や血漿アルブミン濃度等)を良好に維持するための非蛋白熱量/窒素(NPC/N)は約150前後であることが確認された。
- 2. 栄養学的効果:本剤の栄養学的効果を市販製剤の混合液と比較するため、開腹術施行ラットに7日間の高カロリー輸液を施行した。その結果、本剤は窒素出納や肝グリコーゲン量等において、良好な栄養効果が認められた。
[★]
- 英
- alpha-glucosidase inhibitor, α-glucosidase inhibitor, α-GI
- 商
- グルコバイ、ベイスン
- 関
- αグルコシダーゼ阻害薬、α-グルコシダーゼ阻害剤、αグルコシダーゼ阻害剤。糖尿病
- 二糖類(ラクトース、マルトース、スクロース)は小腸粘膜に存在する二糖類分解酵素(α-グルコシダーゼ)の作用を受けて、単糖となり小腸から能動的に吸収される。
- この二糖類分解酵素を阻害して糖の消化を抑制することで、血糖の上昇を抑制する糖尿病治療薬
[★]
- 英
- aldose
- 関
- 糖質、単糖
- 単糖とは炭素原子3個以上を含む直鎖のポリヒドロキシアルデヒドまたはポリヒドロキシケトンである (FB.135-136)
- 単糖はカルボニル基の種類と炭素の数で分類する (FB.135-136)
- カルボニル基がアルデヒドならアルドースという (FB.135-136)
[★]
- 英
- disaccharide
- 関
- 単糖、オリゴ糖
[★]
- 英
- osazone
- 関
- 単糖
[★]
- 英
- monosaccharide transport protein hexose transporter
- 同
- 単糖輸送体、モノサッカライドトランスポーター、モノサッカライド輸送体
- 関
- トランスポーター
[★]
- 英
- monosaccharide transport protein
- 関
- 単糖トランスポーター、モノサッカライド輸送体、モノサッカライドトランスポーター
[★]
- 英
- monosaccharide
- 関
- 糖類
[★]
- 英
- monosaccharide intolerance
[★]
- 英
- saccharide
- →糖質