- 英
- oligosaccharide
- 同
- 少糖、寡糖
WordNet
- any of the carbohydrates that yield only a few monosaccharide molecules on complete hydrolysis
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/26 11:19:36」(JST)
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オリゴ糖(オリゴとう、oligosaccharide)は、数個の単糖がグリコシド結合によって数個結合した糖類で、分子量としては300 - 3000程度である。
オリゴはギリシア語(ὀλίγος / ラテン文字転写olígos / カタカナ読み「オリゴス」)で少ないを意味する語であることから、少糖類(しょうとうるい)と呼ぶこともある。オリゴ糖の明確な定義はなく、二糖もオリゴ糖に含めることもあるが、もっぱら3個以上(三糖、四糖、……)をオリゴ糖とすることが多い。上限についても幅があるが、扱うことは少ないので特に問題はない。
目次
- 1 構造
- 2 発見と利用
- 3 脚注
- 4 関連研究
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
構造
天然の動植物中にもともと含まれているオリゴ糖は、ほとんどがスクロース、ラクトース、トレハロース、マルトースなどの二糖類であり、三糖類より多くの糖が結合しているものの量は少ない。 天然から見出されているものとしては三糖類ではラフィノース、パノース、マルトトリオース、メレジトース、ゲンチアノースなど。四糖類ではスタキオースなどが知られている。また、ブドウ糖が環状に結合したオリゴ糖としてシクロデキストリンがある。
発見と利用
100年以上前から、母乳栄養児が人工栄養児よりも下痢などの病気にかかり難く、かかっても軽症で速やかに治癒することが知られていた。1899年、パスツール研究所のティシエ(Tissier)により、健康な母乳栄養児の便からビフィズス菌を分離した事がきっかけとなり、腸内細菌の研究が進み、母乳中のビフィズス増殖因子と呼んでいた物がオリゴ糖であった。数々の研究を経て様々なオリゴ糖が発見された。
機能性
様々な研究より、ビフィズス菌などの腸内善玉菌を増やす効果がある事が確認され、さまざまな生理活性作用が期待され、健康食品に利用されている。このように、腸内善玉菌を増やす効果がある物質をプレバイオティクスと言い、整腸作用を期待し特定保健用食品として利用されている。安価に単体で純度を高めることが困難なため、市販品の多くは液体で流通している。プレバイオティクスには、ガラクトオリゴ糖(GOS)やフラクトオリゴ糖(FOS)、マンナンオリゴ糖(MOS)などがある。
- ラフィノースの高純度粉末品は医療用で移植臓器の保存性向上剤としても利用されている。[1]
- フラクトオリゴ糖(原料-ショ糖)は、腸内細菌研究の第一人者として知られる光岡知足によりビフィズス菌の増殖活性に優れていることが確認された。[2]
工業的製法
- 植物に含まれる成分を抽出する。
- 微生物を利用し発酵させ、デンプン、砂糖、乳糖を原料として合成する。
- 植物の多糖類を酵素の作用により分解。
- 酸やアルカリで糖を異性化する。
例えばアミロースをアミラーゼで分解すると二糖類のマルトースと三糖類のマルトトリオースなどの混合物が得られる。得られる糖はアミラーゼの種類により異なる。
脚注
- ^ お砂糖豆知識-オリゴ糖について (1) 日本甜菜製糖(株)総合研究所 2004年10月
- ^ 特定非営利活動法人-日本食品機能研究会 オリゴ糖
関連研究
- ビフィズス増殖因子としてのミルクオリゴ糖の研究小史とガラクトオリゴ糖 -ヤクルト本社中央研究所
- 寒天オリゴ糖は、体内の有害物質を解毒する酵素群を増強し、体内を綺麗にする作用を示すことを発見 - タカラバイオ株式会社
- オリゴ糖開発と酵素 - (株)林原生物化学研究所
関連項目
外部リンク
- イソマルトオリゴ糖 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- ガラクトオリゴ糖 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- キシロオリゴ糖 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- 大豆オリゴ糖 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- ニゲロオリゴ糖 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- 乳果オリゴ糖 (ラクトスクロール) - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- フラクトオリゴ糖 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
炭水化物 |
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一般構造 |
アルドース · ケトース · ピラノース · フラノース
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立体構造 |
エピマー · アノマー · 変旋光
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単糖類 |
トリオース
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ケトトリオース(ジヒドロキシアセトン) · アルドトリオース(グリセルアルデヒド)
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テトロース
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ケトテトロース(エリトルロース) · アルドテトロース(エリトロース、トレオース)
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ペントース
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ケトペントース(リブロース、キシルロース)
アルドペントース(リボース、アラビノース、キシロース、リキソース)
デオキシ糖(デオキシリボース)
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ヘキソース
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ケトヘキソース(プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース)
アルドヘキソース(アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース)
デオキシ糖(フコース、フクロース、ラムノース)
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ヘプトース
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セドヘプツロース
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マルチプル |
二糖類
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スクロース · ラクトース · マルトース · トレハロース · ツラノース · セロビオース
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三糖類
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ラフィノース · メレジトース · マルトトリオース
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四糖類
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アカルボース · スタキオース
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その他のオリゴ糖
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フラクトオリゴ糖(FOS) · ガラクトオリゴ糖(GOS) · マンナンオリゴ糖(MOS)
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多糖類
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グルコース:グリコーゲン · デンプン(アミロース、アミロペクチン) · セルロース · デキストリン · グルカン(β1,3-グルカン)
フルクトース:フルクタン(イヌリン、レバンβ2→6)
N-アセチルグルコサミン:キチン質
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主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 酸っぱい水飴"オリゴ糖酸"の力(チカラ) : 果汁感・不快味マスキング・減塩へのアプローチ (特集 風味改善ソリューション)
- 深見 健,林 佳奈子
- 食品と開発 = Food processing and ingredients 54(7), 17-20, 2019-07
- NAID 40021927877
- 電極反応による活性種制御 : カチオンプールからオリゴ糖液相電解自動合成まで (特集 いま熱い有機電解合成)
- 野上 敏材,松本 浩一
- 化学と工業 = Chemistry & chemical industry 72(6), 467-469, 2019-06
- NAID 40021936413
- 高水溶性カルシウム"リン酸化オリゴ糖カルシム"による初期う蝕の放射光による再結晶化検証 (特集 放射光技術で知る粉の世界)
Related Links
- 赤ちゃんや妊婦さんに安全なオリゴ糖、便秘解消、ダイエット、血糖値、それぞれ目的があってはじめるオリゴ糖。でもそんなオリゴ糖に思わぬ危険性が潜んでいるとしたらどうしますか?
- 「ダイエット・健康 > サプリメント > 健康維持 > オリゴ糖配合」ジャンルのデイリー売れ筋商品の1位 ~72位をご紹介しています!楽天市場でヒットしている話題の商品や人気商品などをご購入いただけます。楽天市場は、セール ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
エネーボ配合経腸用液
効能または効果
- 一般に,手術後患者の栄養保持に用いることができるが,特に長期にわたり,経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する.
- 経口食により十分な栄養摂取が可能となった場合には,速やかに経口食にきりかえること.
- 通常,標準量として成人には1日1,000〜1,667mL(1,200〜2,000kcal)を経管又は経口投与する.経管投与では本剤を1時間に62.5〜104mL(75〜125kcal)の速度で持続的又は1日数回に分けて投与する.経口摂取可能な場合は1日1回又は数回に分けて経口投与することもできる.
ただし,通常,初期量は333mL/日(400kcal/日)を目安とし,低速度(約41.7mL/時間(50kcal/時間)以下)で投与する.以後は患者の状態により徐々に増量し標準量とする.なお,年齢,体重,症状により投与量,投与濃度,投与速度を適宜増減する.特に投与初期は,水で希釈して投与することも考慮する.
- 本剤は,経腸栄養剤であるため,静脈内へは投与しないこと.
慎重投与
- 短腸症候群の患者(下痢の増悪をきたすおそれがある.)
- 急性膵炎の患者(膵炎が増悪するおそれがある.)
- 水分の補給に注意を要する下記患者(下記の患者では水分バランスを失いやすい.)
- 意識不明の患者
- 口渇を訴えることのできない患者
- 高熱を伴う患者
- 重篤な下痢など著しい脱水症状の患者
薬効薬理
タンパク質
- 本剤のタンパク質源は,アミノ酸補足効果と効率的利用を考慮し,乳タンパク質(乳清タンパク質と牛乳タンパク質)と大豆分離タンパク質を90.5:9.5の割合で配合したもので,250mL中13.5g(エネルギー構成比18%)を含有する.
- NPC/N比(非タンパクカロリー/窒素比)は116(分析値に基づく)である.
炭水化物
- 本剤の主な糖質源はデキストリンと精製白糖(ショ糖)で,250mL中39.6g(エネルギー構成比53%)を含有する.
脂質
- 本剤の主な脂質源は高オレイン酸ヒマワリ油,ナタネ油と中鎖脂肪酸トリグリセリドで,250mL中9.6g(エネルギー構成比29%)を含有する.
また,均一微細でかつ安定な懸濁液となっており,消化されやすい.
- 魚油由来のEPA,DHAを含有し,ω3系,ω6系,ω9系列の脂肪酸をバランスよく含有している.
水分量
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- disaccharide
- 関
- 単糖、オリゴ糖
[★]
[★]
- 英
- oligosaccharide
- 関
- オリゴ糖、少糖
[★]
- 英
- oligosaccharide
- 関
- オリゴ糖、寡糖
[★]
[★]
- 英
- cyclic oligosaccharide
- 関
- サイクロデキストリン
[★]
- 英
- O-linked oligosaccharide
- 関
- N結合オリゴ糖
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- 英
- saccharide
- →糖質