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- 総肺静脈還流異常症は、本来左房に還流すべき肺静脈が体静脈路に還流する疾患です。 心房中隔欠損や動脈管開存が体静脈血と肺静脈血が混合する経路として必要です。 通常、チアノーゼ、高肺血流と肺うっ血に伴う心不全、呼吸 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- total anomalous pulmonary venous connection TAPVC、total anomalous pulmonary venous return TAPVR
- 同
- 総肺静脈還流異常
- 関
- 肺静脈還流異常、部分的肺静脈還流異常、先天性肺静脈還流異常、三日月刀症候群
- チアノーゼ性心疾患
[show details]
- NSU.387
まとめ
- 先天的な心奇形であって、左心房に還流すべき肺静脈血が右心系に流入する病態である。生存に心房中隔欠損か卵円孔開存が必要であり、病態によっては肺静脈閉塞による肺うっ血を来す。右心系の容量負荷により右室肥大、不完全右室ブロックをきたす。チアノーゼ性心疾患であり、多くの場合、生後一ヶ月以内にチアノーゼ、右心不全、肺うっ血による呼吸困難を来す。治療は緊急的に、バルーン心房中隔裂開術(BAS)やBlalock-Hanlon手術を行う。(SSUR.370 YN.C-115)
疫学
- 先天性心疾患の約1%
- 全体の80%以上は新生児期から肺うっ血、肺高血圧、心不全となり早急な手術が必要(SSUR.370)
病型
- I型:上心臓型:垂直動脈から無名静脈、あるいは下大静脈に灌流還流
- II型:心臓型:右房、冠静脈洞
- III型:下心臓型:横隔膜を貫いて下降し、下大静脈、門脈に灌流
病態
検査
胸部単純X線写真
I型:上心臓型
- 次の構造によって8の字(雪だるま)が描かれる
- 上大静脈 腕頭静脈(無名静脈、垂直静脈)
- 右心室 左心
治療
- 心房中隔欠損、卵円孔開存が存在しなければ、緊急にバルーン心房中隔裂開術(BAS)、Blalock-Hanlon手術を施行
- I型:共通肺静脈管を左心房に吻合。垂直動脈結紮切除。心房中隔欠損の閉鎖。
- II型:右心房にパッチを当て、肺静脈血を左心房に流出させる。
- III型:共通肺静脈管を左心房に吻合する。
禁忌
- 酸素投与 → 肺血管抵抗を下げて肺血流を増加させてしまう。
予後
- 手術死亡率:15% (SSUR.372)
- 手術生存者の5-15%に肺静脈の狭窄 (SSUR.372)
- 約60%が生後1ヶ月で心不全となり、約80%が1歳以内に脂肪。
参考
[★]
- 英
- venous return
SP. 573
2007年後期生理学授業プリント
圧勾配 (2007年後期生理学授業プリント)
- 細静脈内:約10 mmHg
- 右心房 :0~-5 mmHg
促進因子 (SP.573)
- 胸膜腔は吸気時には大きく陰圧となり、下大静脈の内腔を拡張させる。腹部では横隔膜の下行および腹壁の張力により腹腔内圧が上昇し、下大静脈が圧迫される。下肢への血流は弁によって遮られるため静脈血は腹腔から胸腔に押し出される。呼気時には横隔膜が弛緩して胸膜腔が大気圧に近づく。腹腔の内圧は下がり、下肢からの血流が増加する。このように呼吸に伴う血流の促進作用を呼吸ポンプという。
- 下肢の静脈壁を膨らませて溜まり込んだ血管は、周囲の骨格筋が収縮すると絞り出され、弁の働きによって心臓方向のみ流れる。骨格筋の収縮に伴うこの作用を筋ポンプという。
[★]
- aberrance, aberration, abnormity, anomalia, anomalo, anomaly, bad condition, defect, glitch, malfunction, trouble, uniqueness, vitium
[★]
- 英
- vein (Z)
- ラ
- vena
- 毛細血管から発生した静脈血を心臓に送るために使われる血管。
[★]
- 英
- pulmonary vein pulmonary veins PV
- ラ
- venae pulmonales
- 関
- 肺動脈
[★]
- 英
- congenital、congenita、congenitally
- 関
- 先天、先天的