- 英
- Hinokitiol
- 商
- (ヒノキチオール、ヒドロコルチゾン、アミノ安息香酸エチル)ヒノポロン
- シダーやヒバに含まれる不飽和七員環化合物(単環式モノテルペン)で、芳香族化合物の一つ。(参考1)
参考
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/04/27 08:03:47」(JST)
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ヒノキチオール |
|
IUPAC名
2-Hydroxy-6-propan-2-ylcyclohepta-2,4,6-trien-1-one
|
別称
β-Thujaplicin; 4-Isopropyltropolone
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
499-44-5 |
PubChem |
3611 |
ChemSpider |
3485 |
日化辞番号 |
J6.176J |
- O=C1/C=C(\C=C/C=C1/O)C(C)C
|
- InChI=1S/C10H12O2/c1-7(2)8-4-3-5-9(11)10(12)6-8/h3-7H,1-2H3,(H,11,12)
Key: FUWUEFKEXZQKKA-UHFFFAOYSA-N
InChI=1/C10H12O2/c1-7(2)8-4-3-5-9(11)10(12)6-8/h3-7H,1-2H3,(H,11,12)
Key: FUWUEFKEXZQKKA-UHFFFAOYAT
|
特性 |
化学式 |
C10H12O2 |
モル質量 |
164.2 g mol−1 |
外観 |
無色-淡黄色結晶 |
融点 |
50-52°C
|
沸点 |
140°C at 10mmHg
|
危険性 |
引火点 |
140°C |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ヒノキチオール(英: Hinokitiol)は、シダーやヒバに含まれる不飽和七員環化合物(単環式モノテルペン)で、芳香族化合物の一つ。化学式はC10H12O2で、IUPAC命名法では2-ヒドロキシ-4-イソプロピルシクロヘプタ-2,4,6-トリエン-1-オン。CAS登録番号は[499-44-5]。初めて発見された7員環化合物である。
1936年に台北帝国大学(現在の国立台湾大学)教授の野副鉄男によりタイワンヒノキから発見・命名された(日本のヒノキにはわずかに含まれることが後に判明している)。その後、ベイスギ(Thuja plicata)の心材から発見されたβ-ツヤプリシン(β-thujaplicin)と同一であることが判明した(αおよびγ-ツヤプリシンは異性体[1])。
ヒノキ科に特有の、トロポロン(2-hydroxycyclohepta-2,4,6-trien-1-one)誘導体の一つである。
目次
- 1 性質
- 2 参考文献
- 3 出典
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
性質
樹木香のある無色ないし淡黄色の結晶。沸点は1.33pa下で140°C、融点は48–52.5°C。アルコールに可溶だが、水には微溶。
製法としてはヒバ油から分離する方法と、ジシクロペンタジエンから合成する方法が採られる。香料としては歯磨剤やヘアトニックなどに用いられる。低毒性であるものの広い抗菌スペクトルを有し、抗菌剤としても有効である。クラミジア・トラコマチスに対する抗菌活性[2]や、血漿のアラキドン酸12-リポオキシゲナーゼを選択的に阻害する[3]ことが報告されている。
参考文献
- 印藤元一著 『合成香料 - 化学と商品知識』 化学工業日報社、2005年。ISBN 4-87326-460-x。
出典
- ^ 貞廣知行 (2008年5月4日). “シクロアルカン”. 有機化合物命名法談義. 2010年10月14日閲覧。
- ^ Yamano, H.; Yamazaki, T.; Sato, K.; Shiga, S.; Hagiwara , T.; Ouchi, K.; Kishimoto, T. (2005). “In vitro inhibitory effects of hinokitiol on proliferation of Chlamydia trachomatis”. Antimicrobial agents and chemotherapy 49 (6): 2519–2521. doi:10.1128/AAC.49.6.2519-2521.2005. PMC 1140513. PMID 15917561. http://aac.asm.org/cgi/content/full/49/6/2519.
- ^ Suzuki, H.; Ueda, T.; Juránek, I.; Yamamoto, S.; Katoh, T.; Node, M.; Suzuki, T. (2000). “Hinokitiol, a selective inhibitor of the platelet-type isozyme of arachidonate 12-lipoxygenase”. Biochem. Biophys. Res. Commun. 275 (3): 885-889. doi:10.1006/bbrc.2000.3390. PMID 10973816.
関連項目
外部リンク
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Japanese Journal
- P-11 ヒノキチオール配合口腔ケア用ジェルの口臭改善効果の臨床研究(ポスター4,第39回福岡歯科大学学会総会抄録)
- 伊波 幸作,谷口 奈央,藤本 暁江,米田 雅裕,山田 和彦,岩元 知之,桝尾 陽介,西原 哲世,金子 元気,春名 一人,廣藤 卓雄
- 福岡歯科大学学会雑誌 39(1), 81, 2013-05-24
- NAID 110009624936
- P11 ヒノキチオール配合口腔ケア用ジェルの口臭改善効果の臨床研究(ポスター4,第39回福岡歯科大学学会総会抄録)
- 伊波 幸作,谷口 奈央,藤本 暁江,米田 雅裕,山田 和彦,岩元 知之,桝尾 陽介,西原 哲世,金子 元気,春名 一人,廣藤 卓雄
- 福岡歯科大学学会雑誌 38(増補), 39, 2012-11-12
- NAID 110009554238
- 青森ひば材からの樹木抽出成分「青森ヒバ油」 : ナノヒバ油のミスト分散による抗菌・防虫技術の開発 (特集 未利用バイオマス資源から得られる有用成分)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ヒノポロン口腔用軟膏
組成
有効成分 1g中
- ヒノキチオール 1mg
(日局) ヒドロコルチゾン酢酸エステル 5mg
(日局) アミノ安息香酸エチル 15mg
添加物
- プロピレングリコール,マクロゴール,ステアリルアルコール,ゲル化炭化水素,dl-メントール,パラベン
禁忌
- 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- メトヘモグロビン血症のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
効能または効果
- 急性歯肉炎,辺縁性歯周炎
- 十分清拭乾燥した患部に1日1回適量を注入する。又は,塗布する場合,患部を清拭したのち,通常1日1〜3回適量を使用する。
重大な副作用
ショック
(頻度不明)
- ショックがあらわれることがあるので観察を十分に行い,血圧降下,顔面蒼白,脈拍の異常,呼吸抑制等の症状があらわれた場合には,直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。(アミノ安息香酸エチルによる)
中枢神経
(頻度不明)
- 振戦,痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には,直ちに投与を中止し,ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤 (チオペンタールナトリウム等) の投与等の適切な処置を行うこと。(アミノ安息香酸エチルによる)
薬効薬理
抗菌作用
- ヒノキチオールは歯周疾患の炎症や化膿に関与するアクチノミセスや溶血性ストレプトコッカスなどの好気性菌には100万分の3〜100の濃度で,また症状が進み盲嚢が深くなるに従い歯肉組織の崩壊に大きく関与するとみられるバクテロイデスや,フソバクテリウムなどの嫌気性菌には,100万分の3〜50の濃度で発育を阻止する11)。
〈抗炎症作用
- ヒドロコルチゾン酢酸エステルは,糖質コルチコイドであり,細胞質あるいは核内に存在する受容体に結合すると,核内に移行して特定の遺伝子の転写を開始あるいは阻害する。転写が開始されて合成される代表的なたん白質はリポコルチン-1であるが,これはホスホリパーゼA2を阻害して結果的にプロスタグランジン類,トロンボキサン類,ロイコトリエン類などの起炎物質の産生を低下させる。起炎物質の生合成抑制と炎症細胞の遊走抑制により抗炎症作用を現すと考えられる12)。
〈鎮痛作用
- アミノ安息香酸エチルは,神経細胞膜のNa+チャンネルを抑制することによって神経の活動電位発生を抑制するという局所麻酔薬共通の作用により,知覚神経の求心性伝導を抑制する。水に難溶で,軟膏や坐剤として外用で用いる13)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
化学名:
- 4-Isopropyl-2-hydroxy-2,4,6-cycloheptatriene-1-one
分子式:
分子量:
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- hydrocortisone HDC
- 同
- コルチゾール cortisol
- 化
- コハク酸ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン
- 商
- ロコイド、ハーユロン、パンデル、アボコート、クレイトン、コートリル、サクシゾン、ソル・コーテフ、HCゾロン、ハイドロコートン。
- 酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン:イトロン
- (クロルヘキシジン、ジフェンヒドラミン、ヒドロコルチゾン、ベンザルコニウム)デスパ。(ヒドロコルチゾン、フラジオマイシン、ジフェンヒドラミン)レスタミン。(ヒノキチオール、ヒドロコルチゾン、アミノ安息香酸エチル)ヒノポロン。(クロタミトン、ヒドロコルチゾン)オイラックス。(混合死菌浮遊液、ヒドロコルチゾン)エキザルベ。(オキシテトラサイクリン、ヒドロコルチゾン)テラ・コートリル。(ヒドロコルチゾン、フラジオマイシン、ジブカイン、エスクロシド)プロクトセディル、ヘモレックス。(大腸菌死菌浮遊液、ヒドロコルチゾン)ポステリザン
- Penecort
- 関
- 副腎皮質ホルモン
添付文書
- サクシゾン静注用500mg/*サクシゾン静注用1000mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2452400D6078_2_01/2452400D6078_2_01?view=body
[★]
アミノ安息香酸エチル、ヒドロコルチゾン酢酸エステル(ヒドロコルチゾン)、ヒノキチオール
- 関
- その他の歯科口腔用薬
[★]
スギとヒノキの共通抗原
(5)Cryj1のB細胞エピトープの解析
- 花粉症の診断治療には抗原の精製が極めて重要である。Cry jⅠのB細胞エピトープを解析するためスギ花粉症のニホンザル、ヒトのスギ花粉特異的IgEを用いて検討した。5つのエピトープ(Ep1‐5)を認識するモノクロナール抗体が作成され、EP1‐3はスギ花粉特異的であり、Ep4‐5はヒノキ花粉と共通であった。IgE-B細胞エピト-プをELISA inhibition法で解析するとヒトスギ花粉症では阻害の程度によりEp1,3,5、Ep1,3、Ep1,5、Ep1に分けられ、Ep1が共通したエピトープであった。サルではEp1,3,5とEp4,5であった。
[★]
- 英
- thiol
- 同
- thiol基
- 関
- ジスルフィド、スルフィド、チオエーテル