99m過テクネチウム酸ナトリウム
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ウルトラテクネカウ
組成
- 本品は次のものから構成されている。
- 1.放射性医薬品基準 過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)
注射液ジェネレータ………1個
表示された日時においてモリブデン99(99Mo)としてそれぞれ次の放射能を含む。
925MBq 1.85GBq 3.70GBq 5.55GBq 7.40GBq 11.1GBq 14.8GBq 18.5GBq
- 2.日局 生理食塩液………1瓶(200mL)
- 3.コレクティングバイアル5又はコレクティングバイアル10又はコレクティングバイアル20………8バイアル(必要時16バイアル添付)
ガラス製の減圧滅菌バイアル
- 4.溶出用注射針………8本
外径0.9mm 長さ25mmのディスポーザブル注射針
- 5.溶出用チューブ………2本(必要時添付)
内径約1mm、長さ5?15cmのシリコン樹脂製チューブの両端に接続具(ポリプロピレン製)を付したもの
- 6.エリューションシールド………1個(必要時添付)
効能または効果
- 脳腫瘍及び脳血管障害の診断
- 甲状腺疾患の診断
- 唾液腺疾患の診断
- 異所性胃粘膜疾患の診断
- 医療機器「テクネガス発生装置」との組合せ使用による局所肺換気機能の検査
<溶出法>
- 透明カバーを取り外し、溶出口に溶出用注射針を取り付ける。コレクティングバイアルをエリューションシールドに入れ、倒立させて溶出口の上からバイアルのゴム栓に溶出用注射針をつけ根まで差し込む。溶出用レバーを用いて溶出回路を開き、バイアル中に溶出液(過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液)を溶出させる。静置してしばらくすると約5mL、約10mLまたは約20mLの無菌の溶出液が得られる。
溶出操作手順
- 溶出部の透明カバーを取り外す。
- 保護キャップを抜く。
- 溶出口に溶出用注射針を軽く当て、時計回りにゆっくりねじ込みしっかりセット出来たことを確認する。(針カバーは付けたままにする。)
- エリューションシールド用ガイドをセットする。(必ず凹部を手前にする。)
- コレクティングバイアルのフリップキャップを外す。
- コレクティングバイアルを目盛りが見えるようにエリューションシールドに入れ、消毒用アルコールでバイアルのゴム表面をふく。
- 針カバーを外す。
- エリューションシールドを倒立させ、溶出用注射針にバイアルをゆっくり垂直に差し込む。
- 溶出用レバーを手前に引く。(ミルキング開始)
- 必要量のミルキングが終わったら、溶出用レバーを「閉」の位置に戻す。(ミルキング終了)
- エリューションシールドを抜き取り、針カバーを付け、透明カバーをかぶせて保管する。(必ず溶出用レバーを「閉」にしてからシールドを抜く。溶出用注射針はディスポーザブルなので、次回ミルキング時に取り替える。)
- 局所肺換気機能の検査(投与法、第5項)のために高い放射能濃度の溶出液を得るときは、次の方法による。
透明カバーを取り外し、溶出口に溶出用チューブの一方を取り付け、他方を容量2?5mLの注射筒に取り付け、溶出液を約2.2mL吸引し、注射筒を取り外して溶出液をコレクティングバイアルに入れる。
溶出用チューブの他方を容量1mLの別の注射筒に取り付け、溶出液を約0.5mL吸引し、注射筒を取り外す。このうち、必要な放射能を医療機器「テクネガス発生装置」に仕込む。
溶出操作手順
- 溶出部の透明カバーを取り外す。
- 保護キャップを抜く。
- 溶出口に溶出用チューブを軽く当て、時計回りにゆっくりねじ込みしっかりセット出来たことを確認する。(チューブキャップは付けたままにする。)
- チューブキャップを外し、容量2?5mLの注射筒を取り付ける。
- 溶出用レバーを手前に引く。(ミルキング開始)
- 溶出液を約2.2mL吸引し、溶出用レバーを「閉」の位置に戻す。吸引した注射筒を取り外し、コレクティングバイアルにいれる。(コレクティングバイアルはエリューションシールドで遮蔽する。)
- 再度、溶出用チューブに容量1mL用の別の注射筒を取り付ける。
- 溶出用レバーを手前に引く。
- 約0.5mL吸引し、このうち、必要な放射能を医療機器「テクネガス発生装置」に仕込む。ウルトラテクネカウの溶出用レバーを「閉」の位置に戻す。(ミルキング終了)
- チューブキャップを取り付け溶出用チューブを抜き取る。
- 溶出用注射針を取り付け、透明カバーをかぶせて保管する。
ウルトラテクネカウのミルキング機構概略図
<投与法>
脳シンチグラフィ
- 通常、成人には74?740MBqを静注し、静注後10?30分までに(やむを得ず経口投与する場合は1?2時間後に)被検部のシンチグラムを得る。
甲状腺シンチグラフィ/甲状腺摂取率測定
- 通常、成人には74?370MBqを静注し、静注後被検部のシンチグラムを得る。同時に甲状腺摂取率を測定する場合には、投与量のカウントと被検部のカウントの比から甲状腺摂取率を測定する。また、7.4?74MBqを静注することにより、甲状腺摂取率のみを測定することもできる。
唾液腺シンチグラフィ/RIシアログラフィ
- 通常、成人には185?555MBqを静注し、静注後被検部のシンチグラムを得る。必要に応じて唾液分泌刺激物による負荷を行い、負荷後のシンチグラムを得る。また、時間放射能曲線を作成することにより、RIシアログラムを得ることもできる。
異所性胃粘膜シンチグラフィ
- 通常、成人には185?370MBqを静注し、静注後被検部のシンチグラムを得る。
局所肺換気機能の検査
- 259?370MBq/0.1mLを、医療機器「テクネガス発生装置」に仕込み、その用法及び用量に従って使用する。
99mTc-超微粒子を発生させたのち、背部よりガンマカメラを用いて観察しながら吸入させ、可能な場合は深吸気を行なわせ、さらに息こらえを行なわせる。
通常、成人には18.5?37MBqを肺内に沈着させ、未沈着の99mTc-超微粒子を呼出させたのち、肺シンチグラムを得る。
- なお、投与量は、年齢、体重によりそれぞれ適宜増減する。
有効成分に関する理化学的知見
過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)
分子式
分子量
99Mo・99mTcの核物理学的特性
物理的半減期(99Mo)
主なγ線エネルギー(99Mo)
- 40.6keV(1.1%)
141keV(4.5%)
181keV(6.0%)
739keV(12%)
778keV(4.1%)
物理的半減期(99mTc)
主なγ線エネルギー(99mTc)
99Moの崩壊曲線及び99mTcの生成曲線
- 上図は、99mTc生成曲線に加えて、24時間ごとに生成した99mTcを生理食塩液を用いて100%ミルキングしたときの溶出パターンも併記してある。ミルキング後99mTcの放射能は約23時間で最大になり、この時の99mTcは99Moの約86%である(23時間前の99Moの放射能の67.7%)。
ある時間(t=0)にミルキングを行ない、その後の時間tの99mTcの放射能(AT)は、
で表わされる。
- AM:99Moの放射能
λT:99mTcの崩壊定数=ln2/6.01hr≒0.1153hr?1
λM:99Moの崩壊定数=ln2/65.94hr≒0.0105hr?1
t:0時よりの経過時間
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- 99mTc-pertechnetate, 99mTc-TcO4-
- 化
- 99m過テクネチウム酸ナトリウム sodium pertechnetate Tc-99m
- 同
- 99m過テクネチウム酸
- 商
- ウルトラテクネカウ、メジテック、テクネシンチ、テクネゾール
- 関
- 過テクネチウム酸 sodium pertechnetate
- Na99mTcO4
- シンチグラフィ放射性医薬品の標識原料)
- 核医学診断薬
性状
効能又は効果
- メジテック
- 脳腫瘍及び脳血管障害の診断
- 甲状腺疾患の診断
- 唾液腺疾患の診断
- 異所性胃粘膜疾患の診断
薬物動態
- メジテック
- 過テクネチウム酸は静脈内投与後,速やかに血中から消失し,甲状腺,唾液腺及び胃粘膜に特異的に集積する。その後,腎から尿へ及び腸から糞への2つのルートで体外へ排泄される。
- 静脈内投与後1日で約30%が尿中に排泄され,それ以後尿中への排泄はわずかである。一方,その時期から糞中排泄が次第に増えはじめ,投与後8日には投与量の約60%が排泄される3)。
- -1価陰イオンとして振る舞うため、甲状腺の他、唾液腺、胃粘膜、メッケル憩室などに分布する(Cl-, HCO3-を模倣?)
臨床成績
- メジテック
- 本品が有効であるとされている適応症は次のとおりである。
- 脳腫瘍及び脳血管障害(髄膜腫,神経膠芽細胞腫,転移性腫瘍,脳動静脈奇形,硬膜下血腫,他),甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症,び漫性甲状腺腫,結節性甲状腺腫,甲状腺腫瘍,他),唾液腺疾患(シェーグレン症候群,唾液腺腫瘍,他),異所性胃粘膜疾患(メッケル憩室,他)
薬効薬理
- メジテック
- 本品から溶出される過テクネチウム酸は,血液-脳関門を通過しない)ため,過テクネチウム酸を投与したときの脳シンチグラム像は,健常人では脳実質に放射能の集積がないcold areaとして描出される。しかし,脳腫瘍のようなBBB障害患者ではこれを通過して腫瘍組織に高濃度に集積するのでその部分がhot spotとして描出される。また,病巣部における組織血管床の増加,即ち病巣内血液量の増加,腫瘍その他の病的組織内の血管壁の構造と機能の異常による透過性の亢進,病的組織内の細胞外液腔の増大,pinocytosis,carrier transport,passive diffusion,腫瘍などの代謝と関連した能動的なRIの取込み,などの機構で取り込まれると考えられる12)。
- その他,本品から溶出される過テクネチウム酸は甲状腺,唾液腺,胃粘膜等にも集積する。
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4300400X1053_1_04/4300400X1053_1_04?view=body
[★]
- 英
- radiopharmaceutical
商品
[★]
99mTc-過テクネチウム酸
- 商
- ウルトラテクネカウ、スズコロイドTc-99m、テクネシンチ、テクネゾール、メジテック
[★]
- 関
- RIジェネレーター