- 英
- pertechnetate
- 化
- 過テクネチウム酸ナトリウム sodium pertechnetate
- 関
- 99m過テクネチウム酸
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/05 23:56:37」(JST)
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過テクネチウム酸 |
|
|
識別情報 |
PubChem |
11805084 |
ChemSpider |
9979749 |
|
- InChI=1S/H2O.3O.Tc/h1H2;;;;/q;;;;+1/p-1
Key: UTQISYNNAQMRBN-UHFFFAOYSA-M
|
特性 |
化学式 |
HO4Tc |
モル質量 |
163.91 g mol−1 |
精密質量 |
162.99 g mol-1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
過テクネチウム酸(かテクネチウムさん、英: pertechnetic acid)は、化学式が HTcO4 と表されるテクネチウムのオキソ酸である。
概要
テクネチウムまたはテクネチウム化合物を硝酸や王水のような酸化力のある酸、または水と酸化テクネチウム(VII)を反応させることによって得られる[1]。過テクネチウム酸は暗赤色の吸湿性固体で、強酸であるため容易にプロトンを供与する[2]。
過テクネチウム酸イオン(TcO4-)は正四面体型構造で、過テクネチウム酸カリウム(KTcO4)結晶中における Tc - O 結合距離は1.724Åである。過マンガン酸イオンとは異なり、水溶液中では安定で、酸化剤としての作用は弱く、過レニウム酸イオンに類似する。アルカリ性水溶液中では安定、HCl、HBr、HI水溶液中では還元される[3]。
水溶液中における過テクネチウム酸イオンの標準酸化還元電位は以下の通りである[4]。
- TcO4- + 2 H+ + e- TcO3(s) + H2O, E°= 0.700 V
- TcO4- + 4 H+ + 3 e- TcO2(s) + 2 H2O, E°= 0.738 V
- TcO4- + 8 H+ + 7 e- Tc(s) + 4 H2O, E°= 0.472 V
過テクネチウム酸イオンは鉄鋼の強力な侵蝕抑止剤として働くが実用化されていない[3]。
出典
- ^ Schwochau 2000, p. 127
- ^ Schwochau, K. (2000). Technetium: chemistry and radiopharmaceutical applications. Wiley-VCH. ISBN 3527294961. http://books.google.com/books?id=BHjxH8q9iukC&pg=PP1.
- ^ a b F.A. コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年
- ^ Allen J. Bard, Roger Parsons, Joseph Jordan, Standard Potentials in Aqueous Solution, Marcel Dekker Inc (1985).
テクネチウムの化合物 |
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HTcO4 · TcBr4 · Tc(C5H5)2 · TcCl4 · TcCl6 · Tc2(CO)10 · TcF5 · TcF6 · TcI4 · TcO2 · TcO3 · Tc2O7 · TcS2 · Tc2S7
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 鋳物廃砂を原料とする土壌改良資材の過テクネチウム酸吸着特性 : 植物による過テクネチウム酸吸収の抑制剤としての利用可能性
- 鈴木 弘行,熊谷 宏,榎本 秀一,石井 伸昌,内田 滋夫
- 保健物理 : hoken buturi 44(4), 387-392, 2009-12-01
- NAID 10026032050
- ^<99m>Tc-過テクネチウム酸を濃縮使用するための無蒸発残渣調製法
- 小川 幸次,依田 一重,岩波 茂,野崎 正
- Radioisotopes 55(11), 665-669, 2006-11-15
- NAID 10019366648
Related Links
- キーワード:放射性医薬品, 過テクネチウム酸ナトリウム(Tc-99m)注射液ジェネレータ, ミルキング, 脳血管障害, 甲状腺疾患, 唾液腺疾患, 胃粘膜疾患,画像診断 radiopharmaceutical, sodium pertechnetate(Tc-99m) generator, milking, cerebral ...
- -1- I. 概要に関する項目 1. 開発の経緯 1964 年Hopper らにより過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)(99mTcO4-)が脳腫瘍に非常によく集積する ことが報告された.それ以来,脳シンチグラフィはガンマカメラと99mTcO4- の使用により ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
メジテック
組成
- 本品は,モリブデン酸塩(99Mo)をガラスカラムに充てんしたアルミナに吸着させ,これに過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液を溶出させるために必要な装置及び不必要な被曝を避けるための十分なしゃへい装置を合わせたものである。本品中のモリブデン-99とテクネチウム-99mが放射平衡にあるとき,本品のカラムに日局生理食塩液を通じることにより,検定日時において,それぞれ表示される量の過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液を溶出することができる(下表のとおり)。
- 本品は次のものから成る。
●ジェネレータユニット(下図) 1個(各包装単位共)
●バイアル入り日局生理食塩液(各包装単位共)
5mL 5バイアル
10mL 5バイアル
●コレクションバイアル(減圧)(各包装単位共)
5mL用 5バイアル
10mL用 5バイアル
●溶出用ニードルガードバイアル(各包装単位共) 1バイアル(溶出液流出ニードル側針カバーに装着済)
●コレクションバイアル用鉛シールド(各包装単位共) 1個(初回のみ送付)
効能または効果
脳腫瘍及び脳血管障害の診断
甲状腺疾患の診断
唾液腺疾患の診断
異所性胃粘膜疾患の診断
溶出法
1.溶出操作
- (1) バイアル入り生理食塩液の装着
バイアル入り生理食塩液のゴム栓を日本薬局方消毒用エタノールで拭き,針カバーを取り除いた生理食塩液流入ニードル(A)にしっかりとさしこむ。
(2) コレクションバイアルの装着
1) コレクションバイアルをコレクションバイアル用鉛シールドに入れる。
2) コレクションバイアルのゴム栓を日本薬局方消毒用エタノールで拭き,針カバーを取り除いた溶出液流出ニードル(B)にさしこむ。
以上の操作により溶出が始まり,30〜90秒で溶出は完了する。
溶出後は,速やかに次の処置をしておく。
2.溶出後の処置
- 溶出用ニードルガードバイアルのゴム栓(溶出液流出ニードル側針カバーの中央のゴム栓)を日本薬局方消毒用エタノールで拭き,コレクションバイアルをはずして溶出液流出ニードルにさしこむ。
注意:空になった生理食塩液のバイアルは,次回の溶出まで取りはずさない。
3.再溶出
- 空の生理食塩液のバイアルをはずし,新しいバイアル入り生理食塩液のゴム栓を日本薬局方消毒用エタノールで拭き,生理食塩液流入ニードルにさしこむ。その後,溶出用ニードルガードバイアル(溶出液流出ニードル側針カバー)をはずし,前述の「1.溶出操作(2)」と同様にして溶出する。
投与法
1.脳シンチグラフィ
- 通常,成人には74〜740MBqを静注し,静注後10〜30分までに(やむを得ず経口投与の場合は1〜2時間後に)被検部のシンチグラムを得る。
投与量は,年齢,体重により適宜増減する。
2.甲状腺シンチグラフィ/甲状腺摂取率測定
- 通常,成人には74〜370MBqを静注し,静注後被検部のシンチグラムを得る。同時に甲状腺摂取率を測定する場合には,投与量のカウントと被検部のカウントの比から甲状腺摂取率を測定する。また,7.4〜74MBqを静注することにより,甲状腺摂取率のみを測定することもできる。
投与量は,年齢,体重により適宜増減する。
3.唾液腺シンチグラフィ/RIシアログラフィ
- 通常,成人には185〜555MBqを静注し,静注後被検部のシンチグラムを得る。必要に応じ,唾液分泌刺激物による負荷を行い,負荷後のシンチグラムを得る。また,時間放射能曲線を作成することにより,RIシアログラムを得ることもできる。
投与量は,年齢,体重により適宜増減する。
4.異所性胃粘膜シンチグラフィ
- 通常,成人には185〜370MBqを静注し,静注後被検部のシンチグラムを得る。
投与量は,年齢,体重により適宜増減する。
薬効薬理
- 本品から溶出される過テクネチウム酸(99mTcO4-)は,血液−脳関門(blood brain barrier:BBB)を通過しない10)ため,過テクネチウム酸(99mTcO4-)を投与したときの脳シンチグラム像は,健常人では脳実質に放射能の集積がないcold areaとして描出される。しかし,脳腫瘍のようなBBB障害患者ではこれを通過して腫瘍組織に高濃度に集積する11)のでその部分がhot spotとして描出される。また,病巣部における組織血管床の増加,即ち病巣内血液量の増加,腫瘍その他の病的組織内の血管壁の構造と機能の異常による透過性の亢進,病的組織内の細胞外液腔の増大,pinocytosis,carrier transport,passive diffusion,腫瘍などの代謝と関連した能動的なRIの取込み,などの機構で取り込まれると考えられる12)。
その他,本品から溶出される過テクネチウム酸(99mTcO4-)は甲状腺,唾液腺,胃粘膜等にも集積する。
有効成分に関する理化学的知見
1.放射性核種の特性(99mTcとして)
- 物理的半減期:6.01時間
主γ線エネルギー:141keV(89.1%)
2.99Moの壊変及び99mTcの生成
1) 99Moの壊変に伴い99mTcが生成する。
2) 平衡に達する(99mTcの最高値)。
3) 生理食塩液で99mTcのみ溶出される。
4) 過渡平衡の状態
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- technetium 99m 99mTc
- 関
- 過テクネチウム酸
[★]
- 英
- 99mTc-pertechnetate, 99mTc-TcO4-
- 化
- 99m過テクネチウム酸ナトリウム sodium pertechnetate Tc-99m
- 同
- 99m過テクネチウム酸
- 商
- ウルトラテクネカウ、メジテック、テクネシンチ、テクネゾール
- 関
- 過テクネチウム酸 sodium pertechnetate
- Na99mTcO4
- シンチグラフィ放射性医薬品の標識原料)
- 核医学診断薬
性状
効能又は効果
- メジテック
- 脳腫瘍及び脳血管障害の診断
- 甲状腺疾患の診断
- 唾液腺疾患の診断
- 異所性胃粘膜疾患の診断
薬物動態
- メジテック
- 過テクネチウム酸は静脈内投与後,速やかに血中から消失し,甲状腺,唾液腺及び胃粘膜に特異的に集積する。その後,腎から尿へ及び腸から糞への2つのルートで体外へ排泄される。
- 静脈内投与後1日で約30%が尿中に排泄され,それ以後尿中への排泄はわずかである。一方,その時期から糞中排泄が次第に増えはじめ,投与後8日には投与量の約60%が排泄される3)。
- -1価陰イオンとして振る舞うため、甲状腺の他、唾液腺、胃粘膜、メッケル憩室などに分布する(Cl-, HCO3-を模倣?)
臨床成績
- メジテック
- 本品が有効であるとされている適応症は次のとおりである。
- 脳腫瘍及び脳血管障害(髄膜腫,神経膠芽細胞腫,転移性腫瘍,脳動静脈奇形,硬膜下血腫,他),甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症,び漫性甲状腺腫,結節性甲状腺腫,甲状腺腫瘍,他),唾液腺疾患(シェーグレン症候群,唾液腺腫瘍,他),異所性胃粘膜疾患(メッケル憩室,他)
薬効薬理
- メジテック
- 本品から溶出される過テクネチウム酸は,血液-脳関門を通過しない)ため,過テクネチウム酸を投与したときの脳シンチグラム像は,健常人では脳実質に放射能の集積がないcold areaとして描出される。しかし,脳腫瘍のようなBBB障害患者ではこれを通過して腫瘍組織に高濃度に集積するのでその部分がhot spotとして描出される。また,病巣部における組織血管床の増加,即ち病巣内血液量の増加,腫瘍その他の病的組織内の血管壁の構造と機能の異常による透過性の亢進,病的組織内の細胞外液腔の増大,pinocytosis,carrier transport,passive diffusion,腫瘍などの代謝と関連した能動的なRIの取込み,などの機構で取り込まれると考えられる12)。
- その他,本品から溶出される過テクネチウム酸は甲状腺,唾液腺,胃粘膜等にも集積する。
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4300400X1053_1_04/4300400X1053_1_04?view=body
[★]
99mTc-過テクネチウム酸
- 商
- ウルトラテクネカウ、スズコロイドTc-99m、テクネシンチ、テクネゾール、メジテック
[★]
99m過テクネチウム酸
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- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義
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- 英
- technetium, Tc
- 関
- 99mテクネチウム