- 英
- dysthymic disorder
- 同
- 抑うつ性気分変調 dysthymia
WordNet
- mild chronic depression; "I thought she had just been in a bad mood for thirty years, but the doctor called it dysthymia" (同)dysthymic depression
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Dysthymic disorder |
分類および外部参照情報 |
ICD-10 |
F34.1 |
ICD-9 |
300.4 |
MedlinePlus |
000918 |
MeSH |
D019263 |
気分変調症(きぶんへんちょうしょう、Dysthymia:ディスチミア)とは、軽い抑うつ気分がほとんどの日において、年単位で持続する気分障害である。DSM-5では持続性抑うつ障害(Persistent Depressive Disorder)と気分変調症の診断名が併記されている。その前のDSM-IVでは気分変調性障害(きぶんへんちょうせいしょうがい、Dysthymic disorder)である。うつ病ほど深刻ではなく、軽いうつ状態が慢性的に続く障害である。
その前のDSM-IIIは、気分変調性障害に併記して抑うつ神経症(よくうつしんけいしょう、depressive neurosis)とし、これは神経症の語の廃止に伴うものである[1]。
DSM-IVおよびICD-10の診断基準によれば、気分変調症は慢性的抑うつが続く状況であり、その症状は最低でも2年以上(児童青年では1年以上)継続している必要がある[2]。その間に、本格的なうつ病になることがあり、二重うつ病と呼ばれる[3]。
目次
- 1 原因
- 2 症状
- 3 鑑別診断
- 4 治療
- 5 疫学
- 6 脚注
- 7 関連項目
原因
神経伝達物質の異常や遺伝的要因もあるが、心理的ストレスの影響がうつ病より大きいと考えられている[4]。
症状
ほとんど1日中、憂鬱状態が続き、疲れやすく集中力、思考力、判断力なども低下する。自信も自尊心もぐらつき、絶望を感じる事もある。一方で不機嫌になり、自分の現状に不満を感じ、それを他人のせいにする傾向がみられる。食欲や体重の急激な減少または増加、不眠または過眠も見られる[4]。
鑑別診断
正常な持続的な悲しみは、慢性的にストレスがあるとか、失望的な生活を送る場合に起こりうる[5]。正常な範囲で慢性的に悲観的な人も多く、診断には重症であることが必要である[5]。また、経済的な重圧や、介護、他の病気に対処しているといった慢性的なストレスと関連する場合には、気分変調症ではない[5]。
うつ病との違いは、うつ病の方が症状が重症である[5]。躁・軽躁のエピソードがあれば、双極性障害である[5]。
特に人生後期の発症は、医学的疾患が疑われる[5]。貧血や甲状腺機能低下症は長く続く抑うつ症状を生じさせる[5]。慢性的な薬物の使用もである[5]。
二重うつ病
二重うつ病(double depression)は、気分変調症における2年以上続く一定の抑うつ気分の期間中に、うつ病の期間が挿入されるものである[6]。
治療
英国国立医療技術評価機構(NICE)の成人を対象とした臨床ガイドラインでは、治療について一般的な大うつ病と区別をしておらず[2]、うつ病性障害のサブタイプや患者の個性に基づいて治療を変えることへの根拠は乏しい(little evidence)として、様々な治療戦略を取っ換え引っ換えし続けることのないよう述べている[2]。
またNICEの児童青年を対象とした臨床ガイドラインでは、気分変調症は中等症のうつ病と同じ扱いであり、非指示的療法、グループによる認知行動療法、専門理論に基づいたセルフヘルプを行うとされている[7]。
疫学
世界的な発病率は毎年1.05億人(人口の1.5%)[8]とされる。男性(1.3%)、女性(1.8%)と女性のほうが多い[8]。英国の2007年国家統計では、1週間有病率は2.5-5%であった[9]。
脚注
- ^ 宮岡等 『うつ病医療の危機』 日本評論社、2014年、122頁。ISBN 978-4535984110。
- ^ a b c CG90 - Depression in adults: The treatment and management of depression in adults (Report). 英国国立医療技術評価機構. (2009-08). Introduction, Recommendation chapt.1.6. https://www.nice.org.uk/guidance/cg90.
- ^ “Dysthymia” (February 2005 issue of the Harvard Mental Health Letter). Harvard Health Publications (Harvard University). (February 2005). オリジナルの6 January 2010時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20100106064958/http://www.health.harvard.edu/newsweek/Dysthymia.htm 2009年12月12日閲覧。.
- ^ a b 『最新版、図解、症状でわかる医学百科』主婦と生活社、2007年、2014年、p.193
- ^ a b c d e f g h アレン・フランセス 『精神疾患診断のエッセンス―DSM-5の上手な使い方』 金剛出版、2014年3月、56-57頁。ISBN 978-4772413527。
- ^ Schacter, Daniel L., Daniel T. Gilbert, and Daniel M. Wegner. "Chapter 14: Psychological Disorders." Psychology. ; Second Edition. N.p.: Worth, Incorporated, 2010. 564-65. Print.
- ^ CG28: Depression in children and young people (Report). London: 英国国立医療技術評価機構. (2005). Recommendations chapt.1.2. http://www.nice.org.uk/CG28.
- ^ a b Vos, T (Dec 15, 2012). “Years lived with disability (YLDs) for 1160 sequelae of 289 diseases and injuries 1990-2010: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2010.”. Lancet 380 (9859): 2163–96. doi:10.1016/S0140-6736(12)61729-2. PMID 23245607.
- ^ CG123- Common mental health disorders: Identification and pathways to care (Report). 英国国立医療技術評価機構. (2011-04). Introduction. http://www.nice.org.uk/guidance/CG123.
関連項目
精神と行動の障害(ICD-F - 290-319) |
器質性 / 症状性 |
認知症 |
- 軽度認知症
- アルツハイマー型認知症
- 多発性脳梗塞認知症
- ピック病
- クロイツフェルト・ヤコブ病
- ハンチントン病
- パーキンソン病
- AIDS認知症症候群
- 前頭側頭型認知症
- 日没症候群
- 認知症徘徊
|
その他 |
- せん妄
- 脳振盪後症候群
- 器質脳症候群
- 他の症状性を含む器質性精神障害
|
|
|
精神作用物質使用、薬物乱用による障害 |
- 薬物中毒 / オーバードース
- 身体依存
- 薬物依存症
- 反跳作用
- 二重反跳
- 離脱
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統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害 |
- 統合失調症
- 統合失調型障害
- 持続性妄想性障害
- 急性一過性精神病性障害
- 感応性妄想性障害
- 統合失調感情障害
- 他の非器質性精神病性障害
- 特定不能の非器質性精神病
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|
気分障害(感情障害) |
- 躁病 - 軽躁病
- 双極性障害(I型 - II型 - 気分循環症)
- 抑うつ症状(大うつ病性障害 - 気分変調症 - 季節性情動障害 - 非定型うつ病 - メランコリー型うつ病)
|
|
神経症 - ストレス関連 - 身体表現性障害 |
不安障害 |
恐怖症 |
- 広場恐怖症
- 社会恐怖 / 社交不安障害(対人恐怖)
- 特定の恐怖症(閉所恐怖症)
- 単一社会恐怖
|
その他 |
- パニック障害
- 全般性不安障害
- 強迫性障害
- ストレス(急性ストレス障害 - PTSD)
|
|
適応障害 |
|
身体表現性障害 |
- 身体化障害
- 身体醜形障害
- 心気症
- 疾病恐怖
- ダ・コスタ症候群
- 疼痛性障害
- 機能性神経症状症(ガンザー症候群 - 咽喉頭異常感症)
- 神経衰弱
- Mass Psychogenic Illness
|
解離性障害 |
- 解離性同一性障害
- 解離性健忘
- 解離性遁走
- 離人感・現実感消失障害
|
|
|
生理的・身体的 |
摂食障害 |
- 神経性無食欲症
- 神経性大食症
- 反芻性障害
- 特定不能の摂食障害
|
非器質性睡眠障害 |
- 過眠症
- 不眠症
- 睡眠時随伴症(レム睡眠行動障害 - 夜驚症 - 悪夢)
|
性機能障害 |
- 性的欲求(性欲低下障害 - 性欲亢進)
- 性的関心・興奮 (女性の性的関心・興奮障害)
- 勃起障害
- オルガスム(無快楽症 - 射精遅延 - 早漏 - 性的冷感)
- 疼痛(膣痙 - 性交疼痛)
|
産後 |
|
|
|
成人のパーソナリティと行動 |
性と性同一性 |
- 性成熟障害
- 自我異和的性的志向性
- 性的関係機能障害
- 性的倒錯(性依存症 - 窃視症 - フェティシズム)
|
その他 |
- パーソナリティ障害
- 衝動制御障害(間欠性爆発性障害 - 窃盗症 - 抜毛症 - 放火癖)
- 体を対象とした反復的行動
- 虚偽性障害(ミュンヒハウゼン症候群)
|
|
|
小児の精神障害 |
精神遅滞 |
|
精神発達(発達障害) |
- 特異的発達障害
- 広汎性発達障害
- アスペルガー症候群
- 学力の特異的発達障害
|
感情・行動の障害 |
- ADHD
- 行為障害(反抗挑戦性障害)
- 情動障害(分離不安障害)
- 社会的機能(場面緘黙症 - 愛着障害 - 脱抑制性愛着障害)
- チック症(トゥレット障害)
- 言語障害(吃音症 - 早口症)
- 運動障害(常同運動症)
|
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未分類 |
- 緊張病
- 想像妊娠
- 精神運動性激越
- 常同症
- 心因性非てんかん性発作
- Kluver-Bucy症候群
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- 10分間で学べる業務革新講座 部下の心の病に備える 管理職のメンタル対応のツボ(第22回)気分変調性障害の復職判定のコツ : 生活習慣の改善も確認を
- 亀田 高志
- 日経情報ストラテジー 21(9), 78-81, 2012-10
- … 典型的なうつ病に含まれる気分障害の1つに、気分変調性障害がある。 … けれども、気分変調性障害では、軽いうつ状態が延々と続く。 …
- NAID 40019413646
- 12.慢性掻破性湿疹に施行した絶食療法が心理的介入につながった気分変調性障害の1例(一般演題,第67回日本心身医学会東北地方会プログラム・抄録集)
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- 慢性のうつ病(気分変調性障害)とは 大うつ病を併発しやすく、摂食障害や複雑性PTSD(あるいは特定不能の極度ストレス障害:DESNOS)とも重なり合う「気分変調性障害」は、かつては「神経症性抑うつ」「抑うつ神経症 ...
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- 25歳の未婚女性。過量服薬のため救急車で搬送された。これまでも慢性の抑うつ状態の中で死にたいとしきりに訴え、手首を切るなどの自傷行為や家族の目の前で車に飛び込もうとする行動がみられていた。こうした衝動行為の後にはイライラ感が減少するという。気分がよいときは相手には極端な好意を寄せてつきあうかと思うと、些細な行き違いから急に怒りだしては相手をひどく責めることがたびたびあった。また、男女関係ではこれまで同棲しては別れるということを3回繰り返し、仕事も転職を繰り返して、現在は無職である。会話は普通にできるが、家庭内葛藤が強い。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099H005]←[国試_099]→[099H007]
[★]
- 英
- double depression
- 関
- 気分変調性障害
[★]
- 英
- dysthymia
- 関
- 気分変調性障害
[★]
- 英
- disorder、impairment、dysfunction、damage、difficulty、(妨げ)barrier、impediment、obstacle、disturbance、foe、(化学)hindrance、disorder、impair、lesion
- 関
- 妨げ、撹乱、関門、機能障害、機能不全、困難、傷害、障壁、損なう、損傷、ダメージ、破壊、破損、バリヤー、病変、不安、妨害、乱れ、無秩序、機能異常症、敵、疾患、バリア、バリアー、機能異常、機能不全症
[★]
- 英
- dysthymia、dysthymic
- 関
- 気分変調症、情緒異常、気分変調性。抑うつ性変調気分
[★]
harm、hazard、injure
- 関
- 危険、損傷、ハザード、傷害を与える、害する
[★]
- 英
- dysthymic
- 関
- 気分変調、情緒異常
[★]
- 英
- sexual disorder, sexual and gender disorder